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1980年代

1987年の映画3

1987年の映画3

■ベネチア国際映画祭

★作品賞:「さよなら子供たち」監督:ルイ・マル
※ナチス占領下のフランスのカトリック寄宿学校を舞台に、パリから疎開しているジュリアン(ガスパール・マネッス)とユダヤ人の転入生ジャン(ラファエル・フェジト)との心の交流と過酷な運命を、自身も疎開の経験があるルイ・マルが製作・監督・脚本を担当して描く自伝的要素の強い作品。> YouTubeのさよなら子供たち <
ルイ・マルは1932年10月30日北フランスの裕福な家庭に生まれる。ソルボンヌ大学政治科学を中退後、パリのフランス国立高等映画学院で映画を学ぶ。1956年にジャック=イヴ・クストーの海洋ドキュメンタリー映画でカンヌ国際映画祭パルムドールを受賞した「沈黙の世界」でアシスタントとして映画の仕事を始め、1957年に25歳でヌーヴェルヴァーグの初期の作品として有名になる「死刑台のエレベーター」(YouTubeの死刑台のエレベーター)で監督デビュー。その後ヌーヴェルヴァーグの映画作家として活躍するが、1995年11月23日ガンのため死去。
ルイ・マル監督の他の主な作品には、ブラームスの曲にのせてジャンヌ・モローの主演で大人の不倫愛を描くラブドラマ「恋人たち」(1958年ヴェネチア国際映画祭サン・マルコ銀獅子賞)、地下鉄がストライキ中のパリを舞台に、少女ザジ(カトリーヌ・ドモンジョ)が町をさまよう様子をシュールな映像で描いたスラップスティックコメディ「地下鉄のザジ」(1960年>YouTubeの地下鉄のザジ<)、ひとりの男(モーリス・ロネ)が自殺するまでの48時間を克明に描いた「鬼火」(1963年ヴェネチア国際映画祭審査員賞、イタリア批評家賞>YouTubeの鬼火<)、ジャンヌ・モローとブリジット・バルドー共演の冒険コメディ「ビバ、マリア」(1965年>YouTubeのビバ、マリア)、20世紀初頭のパリを騒がせた大泥棒ランダル(ジャン・ポール・ベルモンド)の活躍をベル・エポック感覚たっぷりに描いたピカレスク・ロマン「パリの大泥棒」(1966年>YouTubeのパリの大泥棒<)、ロジャ・ヴァディム,フェデリコ・フェリーニ監督とエドガー・アラン・ポーの怪奇小説をアラン・ドロン、ブリジット・バルドー、ジェーン・フォンダ他の出演で映画化したオムニバスホラー「世にも怪奇な物語」(1967年第2話)、母親(レア・マッサリ)を愛する少年の精細な心理と成長を描いた自伝的要素の強い思春期映画「好奇心」(1971年>YouTubeの好奇心<)、第二次世界大戦も末期に図らずも密告者となり、やがてナチスに入党する貧しいフランスの若者とユダヤ娘の数ヶ月の青春を描いた「ルシアンの青春」(1973年英国アカデミー賞作品賞>予告編)、近未来の不思議な世界を舞台に描いたファンタジー「ブラックムーン」(1975年)、ブルック・シールズを一躍スターにした「プリティ・ベビー」(1978年カンヌ国際映画祭高等技術賞>YouTubeのプリティ・ベビー<)、バート・ランカスター、スーザン・サランドン主演で盗んだ麻薬を売って思わず大金を得た男女を描く「アトランティック・シティ」(1980年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞>YouTubeのアトランティック・シティ<)、ジェレミー・アイアンズ, ジュリエット・ビノシュが主演した愛と破滅の恋愛映画「ダメージ」(1992年>YouTubeのダメージ<)、舞台劇「ワーニャ伯父さん」の通し稽古を撮影した異色作「42丁目のワーニャ」(1994年)がある。

★主演男優賞:ジェームス・ウィルビー、ヒュー・グラント「モーリス
※「モーリス」は、イスマイル・マーチャント制作とジェームズ・アイヴォリー監督コンビで、E・M・フォスターの原作を映画化した3作のうちの2作目で、「眺めのいい部屋」と「ハワーズ・エンド」の間に当る。英国上流階級の偽善を若者同志の愛(ホモ・セクシュアル)を通して描いている。出演者は、ジェームズ・ウィルビー、ヒュー・グラント、ルパート・グレイヴス、マーク・タンディ、ベン・キングズレー、ジュディ・パーフィット。
>> YouTubeのMaurice Video Trailer

★主演女優賞:カン・スヨン「シバジ」
※カン・スヨン(姜受延)は1966年8月18日ソウル生まれ。1975年「血筋」で子役デビュー。この「シバジ」で子役のイメージを脱ぎ捨て大人の女優に脱皮、ナント三大陸映画祭でも主演女優賞を受賞して、出世作となった。
他の出演作は、現代韓国女性の恋愛観、結婚観をイム・サンス監督が等身大の視点で描いた「ディナーの後に」などがある。
YouTubeのカン・スヨン(姜受延)
「シバジ」はイム・グォンテク監督、ソン・ギルハン脚本の韓国映画。
李朝朝鮮の時代、家門を継ぐ男子に恵まれない両班のサンギュ(イ・グスン)は、気が進まないながらも少女オンニョ(カン・スヨン)を子供を生むための女性シバジとして雇う。金で結ばれた関係ではあったが、やがて二人は心から愛し合うようになる。
イム・グォンテク監督には他に、北朝鮮に占領された首都ソウルを奪還すべく戦う韓国軍の活躍を描いた「ソウル奪還大作戦 大反撃」(1973年)、北朝鮮軍と韓国&アメリカ軍との洛東江を巡る攻防戦を、少年兵士の目線を通して描いた「史上最大の戦場 洛東江大決戦」(1976年)、「族譜」(1978年)、「曼陀羅」(1981年)、韓国軍が投入したマッカーサー司令部直属の特殊部隊「アベンコ」の戦いを描いた「アベンコ特殊空挺部隊 奇襲大作戦」(1982年)、朝鮮戦争の混乱の中生き別れとなった初恋の人と二人の間にできた息子を探す女性の姿をキム・ジミ, シン・ソンイル主演で描いた「キルソドム~再会のとき~」(1985年)、韓国独立闘争の中心人物、金将軍のひとり息子金斗漢の波乱の人生をパク・サンミン主演で描いた「将軍の息子」(1990年)、「将軍の息子2 英雄武闘伝説」(1991年)、「将軍の息子3」(1992年)、口承芸能パンソリの唄い手である旅芸人の養父と姉弟の血縁を超えた芸の絆を骨太に描いた「風の丘を越えて/西便制」(1993年>YouTubeのSeopyeonje<)、民族分断の悲劇と、混乱中で次第に家族や恋人との絆を無惨に引き裂かれてゆく人々の姿をアン・ソンギ, キム・ミョンゴン主演で鋭く描いた「太白山脈」(1994年)、高名な作家であった老母の葬儀に集まった人々の悲喜こもごもの人間関係をアン・ソンギ主演で描いた「祝祭」(1996年)、芸者の娘の春香(イ・ヒョジョン)と貴族の息子の夢龍(チョ・スンウ)は、周囲の反対や身分制度に屈せず命がけで愛を貫こうとする18世紀初頭の古典「春香伝」を、イム・グォンテク監督が映画化した「春香伝」(2000年>YouTubeの春香伝<)、激動の19世紀朝鮮時代、酒に溺れていく天才画家の波乱に満ちた生涯をチェ・ミンシク、ソン・イェジン主演で描いた「酔画仙」(2002年>YouTubeのChihwaseon Trailer<)、ヤクザや軍の利権業者と絡みながら欲望のままに駆け抜けた男の生き様をチョ・スンウ主演で描いた「下流人生 〜愛こそすべて〜」(2004年)がある。



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