中年映画館 > 1980年代 > 1987年の主要な映画

1980年代

1987年の主要な映画

1987年の主要な映画(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

この年は、8月28日にジョン・ヒューストン、9月13日にマーヴィン・ルロイ、9月23日にボブ・フォッシーが亡くなっています。

◆「グッドモーニング・バビロン」監督:パオロ&ヴィットリオ・タビアーニ
※映画草創期の傑作として名高いD.W.グリフィス監督「イントレランス」の美術スタッフとして働いたイタリア人兄弟の、職人としての誇りと兄弟愛を描いたヒューマンドラマ。「イントレランス」の撮影風景が背景として使われている。
タビアーニ兄弟の他の監督作は、マルチェロ・マストロヤンニ、レア・マッサリ、ラウラ・ベッティ、スタンコ・モルナー出演の「アロンサンファン 気高い兄弟」(1975年)、イタリア・サルデーニャ島生まれの言語学者ガヴィーノ・レッダの自伝「父パードレ・パドローネ―ある羊飼いの教育」を、厳格な父親エフィジオ役にタビアーニ映画の常連となるオメロ・アントヌッティ、成長したガヴィーノ役にサヴェリオ・マルコーニを配役して、厳しく、温かく、美しく、またユーモアを交えて父と子の確執と愛をタビアーニ兄弟が感動的に映画化した「父 パードレ・パドローネ」(1977年カンヌ国際映画祭でパルムドール)、1929年と1931年にトスカーナ州に生まれたタヴィアーニ兄弟が、幼少時に実際に体験した危険に満ちた脱出の旅を、美しい映像で叙情的に、また時にユーモラスに描き出した「サン★ロレンツォの夜」(1982年カンヌ国際映画祭審査員特別賞)、1867年にシチリア島アグリジェント郊外の小村カオス(Caos)で生まれたノーベル賞作家ルイジ・ピランデッロの短編をもとに、シチリアの風土と人々をタヴィアーニ兄弟が、『もうひとりの息子』『月の病』『甕』『レクイエム』『母との対話』など全6話のオムニバス形式で、美しくまたあたたかく描いた「カオス・シチリア物語」(1984年)、トルストイの中篇「神父セルゲイ」をモチーフに、俗世界を捨て信仰の世界へ入ったセルジョを通して、人間にとっての真実を浮き彫りにした「太陽は夜も輝く」(1990年)、200年にわたる男女の悲恋と復讐の伝説を描いたラブ・サスペンス「禁じられた関係」(1996年)などがある。

◆「ラジオ・デイズ」監督:ウディ・アレン
※第二次大戦勃発時のニューヨークはクイーンズ区ロッカウェイの町で、ちょっと変わった家族と暮らす少年ジョー(セス・グリーン)の目を通し、ラジオが家族の団欒の中心で無邪気で楽しかった古きよきアメリカを、コール・ポーター、グレン・ミラー、フランク・シナトラ、ビング・クロスビーら当時のヒット曲をバックにノスタルジックにまたコミカルに描いたウディ・アレン監督の自伝的作品。常連のダイアン・ウィースト、ミア・ファロー、ダイアン・キートン、それにジュリー・カヴナーらが出演している。
ウディ・アレンは、1935年12月1日ニューヨークのブロンクス生まれ。ギャグ・ライター、放送作家、タンダップ・コメディアンを経て1966年映画監督デビュー。生まれ育ったニューヨークとそこに住むユダヤ人の文化や暮らし、メンタリティをテーマにすることが多い、
YouTubeのExcerpt from "Radio days"
ウディ・アレンの他の監督作には、本名がダイアン・ホールのダイアン・キートンとの共演で、コミカルかつシリアスに笑いの中に内包された哀しみを描いた「アニー・ホール」(1977年:YouTubeのAnnie Hall trailer)、整然とした家庭が静かに壊れていく様を描いた、敬愛するイングマル・ベルイマンの影響を感じさせるシリアスな作品「インテリア」(1978年:YouTubeのInteriors (1978) Trailer)、ジャズの名曲をバックに映画と現実と映画監督である主人公の心象風景や夢が渾然一体となったノスタルジックで儚いファンタジー「スターダスト・メモリー」(1980年:YouTubeのWoody Allen - Stardust Memories - Opening Scene)、ミア・ファローとの共演で人に好かれるために他人に変身してしまう不思議なユダヤ人を描いた抱腹絶倒のフェイク・ドキュメンタリー・コメディ「カメレオンマン」(1983年:YouTubeのZelig)、ミア・ファロー、ジェフ・ダニエルズ、ダイアン・ウィースト出演のファンタジー「カイロの紫のバラ」(1985年:YouTubeのThe Purple Rose of Cairo (trailer))、ニューヨーク・マンハッタンで暮らす女たちの愛と心のゆらめきをミア・ファロー、ダイアン・ウィースト、バーバラ・ハーシー、マイケル・ケインらの出演で描いた「ハンナとその姉妹」(1986年:YouTubeのHannah and Her Sisters trailer)、ウデイ・アレン、フランシス・コッポラ、マーティン・スコセッシ監督が、それぞれニューヨークを舞台に描いたオムニバス「ニューヨーク・ストーリー」 第3話 エディプス・コンプレックス(1989年:YouTubeのNew York Stories: Oedipus Wrecks)、ニューヨークを舞台に、特殊効果も使用したいつもとは一味違うファンタスティックなセレブな人妻アリス(ミア・ファロー)の自分探しの旅「アリス」(1990年)、1930年代、ジャズ全盛期のシカゴを舞台にショーン・ペンが天才ジャズ・ギタリストを演じた「ギター弾きの恋」(1999年:YouTubeのSweet and Lowdown)、落ちこぼれの犯罪者と口の悪い妻(トレイシー・ウルマン)が銀行強盗を企てるドリームワークス製作のコメディ「おいしい生活」(2000年:YouTubeのTrailer Small Time Crooks -2000-)、再起をかけた映画の製作中にストレスから視力を失う映画監督をティア・レオーニ共演でコミカルに描いた「さよなら、さよならハリウッド」(2002年:YouTubeのHollywood ending)、ロンドンを舞台に予測できないスリリングな展開と衝撃のラストが話題となったスカーレット・ヨハンソン主演のエロティック・サスペンス「マッチポイント」(2005年:YouTubeのMatch Point - Trailer (Ponto Final))、スカーレット・ヨハンソン、ヒュー・ジャックマン主演で、ロンドンを舞台に幽霊からタロットカード殺人事件の犯人を教えられた女子大生が、三流マジシャンと共にコミカルな捜査劇を展開するサスペンス「タロットカード殺人事件」(2006年:YouTubeのScoop Trailer)など多数。

◆「モナリザ」監督:ニール・ジョーダン
※刑務所から出所したさえない中年男ジョージ(ボブ・ホスキンス)は旧友モートウェル(マイケル・ケイン)の口利きで、高級娼婦シモーヌ(キャシー・タイソン)のお抱え運転手という仕事を得た。最初はいがみ合っていたふたりだが、ジョージは徐々にシモーヌに惹かれ始める。シモーヌは、毎晩のように街娼の溜まり場へ車を運ぶよう、ジョージに指示する・・・。ほろ苦い恋を描いたラブ・ストーリー。
> YouTubeのMona Lisa trailer + Cannes video (Cannon Films)
※監督のニール・ジョーダンは、1950年2月25日アイルランド・スライゴ州スライゴ生まれ。ハリウッドで活躍するアイルランドを代表する監督である。
ニール・ジョーダンの他の監督作には、グリム童話『赤ずきん』をモチーフにしたダークファンタジー「狼の血族」(1984年:YouTubeのThe Company of Wolves: Trailer)、ロバート・デ・ニーロ、ショーン・ペン、デミ・ムーアの共演でマイケル・カーティス監督による55年製作の同名作をリメイクしたコメディ「俺たちは天使じゃない」(1989年:YouTubeのNeil Jordan's We're no Angels 1989 Sean Penn Robert de Niro Demi Moore)、IRAテロリストである男が奇妙な友情で結ばれた人質のイギリス軍兵士死に責任を感じながら彼の恋人に惹かれていくラブサスペンス「クライング・ゲーム」(1992年:YouTubeのCrying game official dvd trailer)、トム・クルーズ、ブラッド・ピットほか豪華キャストで、インタビューで吸血鬼を名乗る青年が語った驚くべき半生を描いた「インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア」(1994年:YouTubeのInterview with the Vampire: The Vampire Chronicles TRAILER)、IRAの指導者マイケル・コリンズ(リーアム・ニーソン)の半生を描いてベネチア映画祭グランプリと最優秀主演男優賞受賞「マイケル・コリンズ」(1996年:YouTubeのMichael Collins Trailer)、「ことの終わり」(1999年:YouTubeのEnd of the Affair Theatrical Trailer)、しがないギャンブラー(ニック・ノルティ)が仲間とカジノに飾られた有名絵画の略奪に挑む「ギャンブル・プレイ」(2002年:YouTubeのThe Good Thief - Trailer - HQ)、女装癖のある男(キリアン・マーフィー)が自分を捨てた母親を探しにロンドンへ行く「プルートで朝食を」(2005年:YouTubeのBreakfast on Pluto Trailer)、恋人を殺された事がきっかけで犯罪者を殺す謎の執行人となった女性をジョディ・フォスター主演で描いた「ブレイブ ワン」(2007年:YouTubeのThe Brave One trailer - "Official" Movie Trailer)などがある。

◆「ハチ公物語」監督:神山征二郎
※昭和初期、秋田の片田舎で生まれた子犬が、東京の大学教授の家に贈られてハチ公と名付けられる。成長したハチ公は、いつしか教授を渋谷駅まで送り迎えするのが日課となるが、教授は病気で帰らぬ人となる。しかしハチは雨の日も風の日も渋谷駅で教授の帰りを待つ。心温まる実話をてらうことなく丁寧に描いた感動作。原作・脚本は新藤兼人。山路ふみ子映画賞受賞。
監督の神山征二郎は、1941年7月16日岐阜市生まれ。日本大学芸術学部映画学科を中退し、1963年新藤兼人監督が主宰する「近代映画協会」に参加する。1971年監督デビュー。その作品は国内外で高評価を受けている。
神山征二郎監督の他の作品には、三田佳子主演で野口英世とその母の人生を描いた「遠き落日」(1992年)、特攻隊員のたったひとつの望みは出撃前にピアノを弾くことだった「月光の夏」(1993年:映画の中で特攻隊員が出撃前に弾いた、YouTubeの月光ソナタ 1楽章 編曲 演奏 山田紗耶加(Sayaka Yamada))、ひめゆり部隊の少女たちの青春を描いた4度目の映画化「ひめゆりの塔」ひめゆりの塔(1995年)、宮澤賢治の生涯を三上博史主演で描いた「宮澤賢治 -その愛-」(1996年)、「大河の一滴」(2001年:YouTubeの大河の一滴のテーマ曲 五木ひろし&加古隆&N響ポップス)、日本で唯一の革命と言われる「秩父事件」を描いた「草の乱」草の乱(2004年:YouTubeのLyrico(露崎春女) Eternal Dream by 草の乱)、三國連太郎主演で旧制高等学校に学んだ生徒たちの青春、戦争による別れと現在の姿を描いた「北辰斜にさすところ」(2007年:YouTubeの映画『北辰斜にさすところ』劇場予告編(2分版))、太平洋戦争下で実際に行われた“早慶戦”にまつわる秘話を描いた「ラストゲーム 最後の早慶戦」(2008年:YouTubeの映画「最後の早慶戦」ロケ)などがある。

◆「マルサの女」監督:伊丹十三
※強制調査権限を持つ国税局査察官(通称「マルサ」)に抜擢された女性税務署員(宮本信子)は女性らしい視点から調査の実績をあげ、仲間からの信頼も得るようになる。ある日、ラブホテル経営者に捨てられた女からの密告がマルサに入り本格的な調査が始まる。暴力団、政治家、銀行、地上げ屋が一体となった巨悪との戦いが始まった。
> YouTubeのA Taxing Woman (1987) [Trailer]
※監督の伊丹十三は、1933年5月15日京都市右京区に生まれ。26歳の時大映に入社して俳優となる。外国映画にも出演し、エッセイも次々と発表。テレビのドキュメンタリー番組の制作を経て、1984年、51歳で映画監督デビュー。日本国内で高い評価をうけ日本を代表する映画監督となる。1997年12月20日不倫疑惑に対して「死をもって潔白を証明する」との遺書を残し投身自殺。
伊丹十三の他の監督作には、葬式にまつわるエピソードを描いた監督デビュー作「お葬式」(1984年:YouTubeのThe Funeral (1984) [Trailer])、タンクローリー運転手の男が未亡人の経営するさびれたラーメン屋を町一番にするまでを描いた「タンポポ」(1985年:YouTubeのうまそう。。)、脱税摘発のため宗教法人に潜入したマルサの女の活躍を描いた「マルサの女2」(1988年:YouTubeのマルサの女2・予告編)、男にツキをもたらす女(あげまん)と彼女を取り巻く男たちを描いた「あげまん」(1990年)、民事介入暴力専門の女弁護士(ミンボーの女)とヤクザとの対決を描いた「ミンボーの女」(1992年)、三國連太郎主演で死というテーマに真っ向から挑戦した「大病人」(1993年:YouTubeの伊丹十三_大病人(死亡幻想)1993)、ノーベル文学賞作家・大江健三郎の同名小説を映画化した「静かな生活」(1995年:YouTubeのA Quiet Life (1995) [Trailer])、宮本信子,津川雅彦らの出演でスーパーの舞台裏を描いた「スーパーの女」(1996年:YouTubeのSupermarket Woman (1996) [Trailer])、殺人事件の重要参考人がマルタイとして警察に守られる様子を描いた遺作「マルタイの女」(1997年:YouTubeのWoman in Witness Protection (1997) [Trailer])がある。

◆「男はつらいよ 知床慕情」監督:山田洋次
※シリーズ第38作。口論の末とらやを飛び出し北海道の知床にやって来た寅次郎は、やもめで武骨な獣医・順吉の家に泊ることになる。そこは知床の男たちのたまり場であるスナックのママ・悦子が家事の世話をしていた。すると、駆け落ちして東京で暮らしていた順吉の娘・りん子が離婚して戻って来た。だが、親子仲はぎくしゃくしたままだった。ある日バーベキュー・パーティが開かれ、そこで悦子が店をたたんで故郷に帰る決心であることを告げる。順吉が意義を唱え、「俺が惚れてるからだ」と告白する。順吉と悦子は結婚することになった。翌朝、寅次郎が別れも告げずに旅立つ。


<<1987年の映画4 | 中年映画館トップへ | 1987年の主要な映画2>>

この記事へのコメント

コメントを書く

お名前
メールアドレス
URL
コメント
認証コード
[必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

  • Days of Memories 3
  • 「Days of Memories 3 」に関連するブログを新着 50 件表示しています。
  • 2009-05-14 03:06
  • Days of Memories 3
人気ブログランキングへ

Powered by Seesaa
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。