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1980年代

1986年の主要な作品2

1986年の主要な作品2(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

◆「眺めのいい部屋」監督:ジェームス・アイボリー
※1907年。イギリスの良家の令嬢ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム・カーター)は、年上の従姉シャーロット(マギー・スミス)に付き添われ、イタリアのフィレンツェを訪れる。ペンションについた二人は、部屋が美しいアルノ河に面した側でないことにがっかりするが、エマソン(デンホルム・エリオット)は息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)と泊っている眺めのいい部屋と交換してもいいと申し出てくれる。一度はためらうが牧師の説得もあり申し出を受ける。やがてルーシーとジョージに、特別な感情が芽生えはじめる。二人の仲に気づいたシャーロットは、ルーシーをイギリスに連れ帰ってしまう。数ヵ月後、ルーシーは、高い教養を持ったシシル・ヴァイス(ダニエル・デイ・ルイス)と婚約する。そんな矢先、ジョージがルーシーの家に近い家を借りる。やがて二人は再会する。
> YouTubeのRoom With a View - My favourite scene
※ジェームス・アイボリーは、1928年6月7日カリフォルニア州バークリー生まれ。大学で映画製作を学ぶ。1963年にインドで長篇監督デビュー。その後イギリスを経て、1972年にアメリカに戻る。以後、出演者に多くの映画賞をもたらし、スター俳優が出演を熱望する監督の一人である。
ジェームス・アイボリーの他の監督作には、19世紀のボストンで女性の権利が迫害されていると訴える女性が主義と恋の狭間で悩む様子を描いた「ボストニアン」(1984年:YouTubeのThe Bostonians (Merchant-Ivory, 1984))、イギリスの全寮制大学を舞台に罪と知りつつ同性愛に溺れていく青年たちの苦悩をヒュー・グラント、ジェームズ・ウィルビー出演で描いた「モーリス」Maurice (1987年:YouTubeのTrailer do filme MAURICE (1987))、2つの家族が別荘“ハワーズ・エンド”をめぐって繰り広げる人間模様を描いた「ハワーズ・エンド」(1992年:YouTubeのHoward's End Trailer)、アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン主演で名家に一生を捧げた老執事が半生を回想し職務のため断ち切った愛を確かめる様を描いた「日の名残り」(1993年:YouTubeのThe Remains of the Day(1993)Trailer)、ニック・ノルティ主演でトマス・ジェファソンのパリ公使時代の知られざる愛を描いた「ジェファソン・イン・パリ」(1995年:YouTubeのJefferson in Paris French Revolution Francaise 1789)、パリに住むアメリカ人の少女(リーリー・ソビエスキー)の成長を家族との交流を中心に描いたケイリー・ジョーンズのベストセラー小説を映画化した「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」(1998年)、20世紀初頭欧米の上流社会に生きる人々の恋愛模様を描いた「金色の嘘」(2000年:YouTubeのTHE GOLDEN BOWL)、ケイト・ハドソン主演で離婚劇を通してアメリカとフランスの文化の違いを浮き彫りにした「ル・ディヴォース/パリに恋して」(2003年)、1936年激動期の上海でホステスとして働く亡命ロシア人である伯爵夫人(ナターシャ・リチャードソン)の運命を描いた「上海の伯爵夫人」The White Countess (2005年:YouTubeのThe White Countess, movie (video) trailer and review) などがある。

◆「ラウンド・ミッドナイト」監督:ベルトラン・ダベルニエ
※1959年,パリ。アメリカのテナー・サックス奏者デイル・ターナー(デクスター・ゴードン)がクラブ「ブルーノート」に出演するためにやって来た。盛りを過ぎたとはいえ、モダンジャズの創始者でもあるサックスの巨人デイルには、パリのジャズ・ファンの心をときめかした。デイルを迎えたのはクラブの音楽監督でピアニストのエディ・ウェイン(ハービー・ハンコック)やヴァイブのエース(ボビー・ハッチャーソン)といった気心の知れた仲間たちとクラブのオーナー、ベン(ジョン・ベリー)らであった。クラブは久々に大物の来場で湧き返った。その音を、クラブの外で雨にうたれながらじっと聴いている若者がいた。貧しいグラフィック・デザイナーのフランシス・ボリエ(フランンワ・クリューゼ)で、彼はみすばらしいアパートで待っていた9歳の娘ベランジェール(ガブリエル・アケル)にその感激を語って聞かせた。
1940年代、50年代の代表的ジャズプレイヤーと、彼を神のように尊敬する若者の交流をデクスター・ゴードンやハービー・ハンコックなど大物ジャズ・ミュージシャンの出演で描いたジャズ映画。
> YouTubeのRound Midnight (1986) Trailer
※ベルトラン・ダベルニエは、1941年4月25日フランス・リヨン生まれ。
他の作品には、ナチス占領下のパリでナチのプロパガンダを担っていたドイツ資本の映画会社<コンティナンタル>に隠された真実を描いた「レセ・パセ 自由への通行許可証」(2002年)、フランスの幼稚園を舞台に授業料不払いや虐待など子供たちの様々な問題を何とかしようとする園長の姿をフィリップ・トレトン主演で描いた「今日から始まる」(1999年)、パリの若者たちの無軌道な生きざまをマリー・ジラン出演で描いた「ひとりぼっちの狩人たち」(1995年:YouTubeのL'Appat)、三銃士の剣士ダルタニヤンの娘が宮廷の陰謀に立ち向かう姿をソフィー・マルソー出演で描いた「ソフィー・マルソーの三銃士」(1994年:YouTubeのLa fille de d'Artagnan)、初秋の南仏を舞台に死期の迫った父と最後の日々を共にする娘の愛情あふれる交歓をダーク・ボガード、ジェーン・バーキン共演で描いた「ダディ・ノスタルジー」(1990年:YouTubeのDaddy Nostalgie Part 1/12)、第一次大戦後のフランスで行方不明の愛する男を捜す美しい貴婦人と若い娘、それに協力する少佐の3人の邂逅と愛、別離をフィリップ・ノワレ出演で描いた「愛をもとめて〜素顔の貴婦人〜」(1989年:YouTubeのLa vie et Rien D'autre trailer)、親子二代に渡って親殺しの因果を背負った14世紀の地方の豪族の父娘の生涯をジュリー・デルピー出演で描いた「パッション・ベアトリス」(1987年:YouTubeのTrailer - La Pasion de Beatrice (1987))、20世紀初頭の秋のパリ郊外を舞台に老画家をめぐる日曜日の出来事をルイ・デュクルー出演で描いた「田舎の日曜日」(1984年)などがある。

子猫物語 監督:畑正憲
※ムツゴロウこと畑正憲が市川崑の協力を得て監督した、子猫・チャトランの冒険物語。北海道の美しい自然と子猫たちの可愛らしい姿が評判となった。坂本龍一が音楽、谷川俊太郎が詩、詩の朗読を小泉今日子が担当している。
> YouTubeのMe singing "Koneko Monogatari" (Milo and Otis) *New MIC*

植村直己物語 監督:佐藤純彌
※冒険家・植村直己(西田敏行)の半生を描いたヒューマンな伝記映画。妻・公子を倍賞千恵子が好演。
※監督の佐藤純彌は、1932年11月6日東京都生まれ。東京大学文学部卒業。1956年東映入社。1963年監督デビュー。1968年東映退社。ヤクザ映画を中心に監督した後、大作を手がける事が多い。
佐藤純彌監督の他の主な作品には、私刑と暴力がはびこる帝国陸軍の実状を暴いた佐藤純彌監督のデビュー作「陸軍残虐物語」(1963年)、新幹線に爆弾を仕掛けた犯人と警察、国鉄の息づまる駆け引きを描いた「新幹線大爆破」(1975年:YouTubeの新幹線大爆破予告編)、無実の罪を着せられた検事(高倉健)が自らを罠に陥れた見えない敵を追う「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年)、黒人青年殺害事件をきっかけとして日本とアメリカを舞台に戦後三十年を生きたさまざまな人間を描いた「人間の証明」(1977年:YouTubeのジョー山中 人間の証明)、高倉健と薬師丸ひろ子共演で元自衛隊員が繰り広げる壮絶な戦いを描いた「野性の証明」(1978年:YouTubeの映画「野性の証明」の主題歌(歌詞付き))、北大路欣也主演で空海の生涯を通して日本の思想や文化の根元を描いた「空海」(1984年)、井上靖の同名小説を製作費45億円と中国大ロケを敢行して完成させた歴史スペクタクル「敦煌」(1988年)、鎖国中の江戸時代、船が遭難しカムチャッカに漂着した光太夫一行の数奇な運命を描いた実話を基にした「おろしや国酔夢譚」(1992年:YouTubeのシベリア大紀行 〜おろしや国酔夢譚の世界をゆく〜 )、「金融腐蝕列島「再生」」(2002年)、太平洋戦争下、戦艦大和で米軍との戦いに臨んでいった若者たちの命運を描いた「男たちの大和 / YAMATO」(2005年:YouTubeの男たちの大和 -Battleship YAMATO-)などがある。

キネマの天地 監督:山田洋次
※映画館の売り子だった小春(有森也実)が、撮影所の小倉監督(すまけい)の勧めから女優になることを決意し、助監督の島田(中井貴一)や旅回りの役者だった小春の父(渥美清)の励ましもあり、スターとなる。小春役を藤谷美和子が降板し、有森也実が抜擢された。
※山田洋次監督は、1931年9月13日大阪府豊中市生まれ。川島雄三、野村芳太郎の助監督を経て、1961年監督デビュー。以降、「男はつらいよ」シリーズをはじめ多くのヒット作を発表。日本と日本人を美しく描く日本映画界の第一人者である。
> YouTubeのハナ肇と山田洋次:のちに続く男はつらいよシリーズの基礎を作り上げた名コンビ。そしてハナ肇出演映画いくつか
山田洋次監督の他の作品には、過酷な運命の下でも希望を持って支えあう家族の姿を吉永小百合主演で描いた「母べえ」(2008年:YouTubeの映画 「母(かあ)べえ」 (08 日/0801 公開) 予告篇)、小藩に仕える下級武士が妻の名誉を守るため盲目にもかかわらず無謀な果し合いに挑む姿を木村拓哉出演で描いた「武士の一分」(2006年) 、幕末を舞台に予期せぬ運命に翻弄される下級武士と奉公娘との身分を越えた純愛を永瀬正敏、松たか子出演で描いた「隠し剣 鬼の爪」(2004年:YouTubeの隠し剣 鬼の爪 予告)、殺伐とした幕末を舞台に子持ちの寡男である下級武士の生き様を真田広之、宮沢りえ出演で描いた「たそがれ清兵衛」(2002年:YouTubeのたそがれ清兵衛 Tasogare Seibei trailer (French subtitled))、不登校の中学生が、ヒッチハイクの旅を通して成長していく様を金井勇太、麻実れい、丹波哲郎、小林稔侍、赤井英和ほかの出演で描いた「十五才 学校IV」(2000年)、職業訓練校に通い始めた自閉症の子供を抱えた中年女性を中心に人生の再出発をかけてそこに集った人々の心の触れ合いを大竹しのぶ、小林稔侍出演で描いた「学校III」(1998年)、奄美群島を舞台に元映画館主の男と彼を慕う青年とが移動映写で島々を巡る姿を西田敏行、吉岡秀隆、小泉今日子共演で描いた「虹をつかむ男 南国奮斗篇」(1997年)、映画を愛してやまぬ映画館主をめぐる人間模様を数々の名画の断片を交えて西田敏行出演で描いた「虹をつかむ男」(1996年)、北海道の養護学校に集う様々な人間たちのふれあいを西田敏行出演で描いた「学校II」(1996年)、東京の下町にある夜間中学校を舞台に様々な境遇を持つ生徒たちと先生との交流を西田敏行、竹下景子出演で描いた「学校」(1993年)、田舎に住む父親と都会でフリーアルバイター生活を送る息子との対立と和解を通して家族の真の幸福を三國連太郎、永瀬正敏の共演で描いた「息子」(1991年)、早坂暁の同名小説の映画化で学制改革を翌年 に控えた最後の旧制高校生たちの恋や友情などを薬師丸ひろ子主演で描いた「ダウンタウンヒーローズ」(1988年:YouTubeの薬師丸ひろ子 時代(ダウンタウンヒーローズカット版))、警察に追われる男と牧場を切り回す母子の出会いと別れを高倉健、倍賞千恵子主演で描いた「遥かなる山の呼び声」(1980年:YouTubeの遙かなる山の呼び声 予告)、模範囚として刑期を終えた男が行きずりの若者二人と共に妻のもとへ向う姿を高倉健、倍賞千恵子主演で描いた「幸福の黄色いハンカチ」(1977年:YouTubeの「幸せの黄色いリボン」 ドーン)、岩手県の農村を舞台に東京の劇団のミュージカルを公演しようとする青年団の活動を寺尾聰、倍賞千恵子主演で描いた「同胞 はらから」(1975年)、瀬戸内海の島に暮らす一家が開発の波に追われ父祖の地に哀惜の思いを残しながら、新天地を求めて移往するまでを井川比佐志、倍賞千恵子主演で描いた「故郷」(1972年)、炭鉱が閉山したため長崎から北海道の開拓村へと移住する家族の旅を倍賞千恵子と井川比佐志主演で描いた「家族」(1970年)、内海に面した工業都市を舞台にボルネオ帰りの男が巻き起こす大騒動をハナ肇主演で描いた「喜劇・一発大必勝」(1969年)などがある。


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