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1980年代

1989年の主要な映画5(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

1989年の主要な映画5(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

◆「北京的西瓜」監督:大林宣彦
※船橋市で青果業・八百春を営む春三(ベンガル)は、李中山(呉越)という中国人留学生と知り合い、物価の高い日本での彼らの苦しい生活を知って援助するようになる。最初は軽い気持ちでやった春三の援助も次第にエスカレートしていき、ついには自らの生活まで犠牲にしてしまう。留学生たちは彼を「日本のお父さん」と慕うが、春三が忙しくなるほど、妻の美智(もたいまさこ)の負担は重くなり、挙句には店や家庭の崩壊の危機に発展する。それに気づいた留学生たちは店を手伝うようになる。そして数年が過ぎ、中国に帰った李中山から国際電話が入り、彼らの招待で春三と美智は中国へ向かった。
しかし、天安門事件が起こったために、中国で留学生たちと再会するシーンの撮影は中止される。飛行機で渡航する春三夫婦のシーンは飛行機の音だけを流し、画面は37秒間の空白という形で処理した。そして、ベンガルからこの間の事情が説明される。
他の出演者は、医師に峰岸徹、薬屋に斉藤晴彦、不動産屋に笹野高史。
※大林宣彦は、1938年1月9日広島県尾道市土堂生まれ。1960年代後半からCMディレクターとして2000本を越えるTVCMを制作。1977年「HOUSE」で商業映画監督デビュー。以後、「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」の尾道三部作をはじめ、多くのヒット作、話題作を発表。日本を代表する「映画作家」として活躍している。
大林宣彦監督の他の作品には、避暑に訪れた田舎の家に7人の女子高生( 池上季実子,大場久美子,神保美喜ほか)が食べられてしまう大林宣彦監督デビュー作「HOUSE」(1977年:YouTubeのHOUSE(ハウス)Trailer)、手塚治虫の「ブラック・ジャック」を基に事故で失明し角膜移植手術で視力を取り戻すが他人には見えない男の姿が映るようになった少女を宍戸錠、片平なぎさ共演で描いた「瞳の中の訪問者」(1977年)、透んだカリフォルニアの青空をバックに傷つきながらも見失った愛を探し求める若い二人を山口百恵、三浦友和共演で描いた「ふりむけば愛」(1978年)、マスコミの売れっ子になり等々力警部とCMに出たりしている金田一耕助がかつて唯一真犯人を突き止めることが出来なかった事件に再び挑む姿を古谷一行,田中邦衛共演で描いた「金田一耕助の冒険」(1979年:YouTubeの金田一耕助の冒険 OP・アニメーション)、超能力で悪と対決する少女の姿を薬師丸ひろ子主演で描いた「ねらわれた学園」(1981年)、男の子と女の子の体が入れ替わってしまった中学生の男女を描いた山中恒の「おれがあいつであいつがおれで」を尾美としのり、小林聡美共演で映画化した「転校生」(1982年)、時間を超える能力を持ってしまった少女の不思議な経験と悲しい恋を描いた筒井康隆の小説「時をかける少女」の原田知世、高柳良一、尾美としのり共演で映画化した「時をかける少女」(1983年)、古びた運河の町にある美しい姉妹が住む旧家で一夏を過ごした青年を描いた福永武彦の小説「廃市」を小林聡美、山下規介、根岸季衣共演で映画化した「廃市」(1984年)、太平洋戦争勃発の年にケニヤの奥地で父と別れた少年の冒険を描いた山川惣治のコミック「少年ケニヤ」を高柳良一、原田知世ほかの声の出演でアニメ化した「少年ケニヤ」(1984年)、父から教えられた天国にいちばん近い島を探しに出かけた少女がその島を見つけて成長して戻ってくるまでを描いた森村桂の小説「天国にいちばん近い島」を原田知世、高柳良一共演で映画化した「天国にいちばん近い島」(1984年)、尾道を舞台に少年の淡い恋と彼の前に突然現われた少女時代の母親さびしんぼうと少年との交流を富田靖子、尾美としのり共演で描いた「さびしんぼう」(1985年:YouTubeのSABISHINBOU)、初夏の信州で知り合った男女がオートバイを通して結ばれていくまでを描いた片岡義男の小説「彼のオートバイ、彼女の島」を竹内力、原田貴和子共演で映画化した「彼のオートバイ、彼女の島」(1986年)、尾道を舞台に子供たちの戦争ごっこを描いた佐藤春夫の小説「わんぱく時代」を鷲尾いさ子、林泰文共演で映画化した「野ゆき山ゆき海辺ゆき」(1986年)、永遠の女性像を求めて彷徨う男たちの姿を描いた、やまさき十三&さだやす圭の劇画「おかしな2人」を竹内力、永島敏行、南果歩共演で映画化した「日本殉情伝 おかしなふたり ものくるほしきひとびとの群」(1988年)、中年のシナリオ・ライターが幼い頃死んだはずの両親と再会する不思議な体験を描いた山田太一の小説「異人たちとの夏」を片岡鶴太郎、風間杜夫、秋吉久美子共演で映画化した「異人たちとの夏」(1988年)、事故死したしっかり者の姉と姉に頼ってばかりいた妹の奇妙な共同生活を描いた赤川次郎の小説「ふたり」を石田ひかり、中嶋朋子、尾美としのり共演で映画化した「ふたり」(1991年:YouTubeのふたり---ending---)、1960年代の四国の田舎町を舞台にベンチャーズに憧れてロックバンドに情熱を燃やす高校生を林泰文、大森嘉之、浅野忠信共演で描いて日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した「青春デンデケデケデケ」(1992年)、小樽を舞台に小説家が高校時代の自分とともに過去の記憶をたどっていく様を勝野洋、石田ひかり共演で描いた「はるか、ノスタルジィ」(1993年)、時空を越えてやって来た一寸法師のような不思議な侍と少年との交流を山崎努、吉田亮、風吹ジュン共演で描いた「水の旅人-侍KIDS-」(1993年)、新聞社で論説委員を務める女性が書いた社説が思わぬ波紋を広げていく様を描いた丸谷才一の小説「女ざかり」を吉永小百合,津川雅彦共演で映画化した「女ざかり」(1994年)、冬の尾道を舞台に死者からのメッセージを受け取った家族や恋人たちの別れとあしたへの旅立ちを描いた赤川次郎の「午前0時の忘れもの」を高橋かおり、林泰文共演で映画化した「あした」(1995年)、函館の女子大で起こった連続殺人事件に挑む警視庁の刑事と一匹の猫の活躍を描いた赤川次郎の小説「三毛猫ホームズの推理」を陣内孝則、山本未来、葉月里緒菜共演で映画化した「三毛猫ホームズの推理〈ディレクターズ・カット〉」(1998年)、昭和11年愛した男の性器を切断するという事件を起こして世間を騒がせた阿部定の半生を黒木瞳、片岡鶴太郎共演で描きベルリン国際映画祭国際批評家連盟賞を受賞した「SADA」(1998年)、聴覚障害という個性を持つカップルが様々な困難を乗り越えて絆を深めていく姿を天宮良、中江有里共演で描いた「風の歌が聴きたい」(1998年)、夏の尾道を舞台におじいちゃんと孫が繰り広げる冒険を小林桂樹、厚木拓郎共演で描いた「あの、夏の日-とんでろ じいちゃん-」(1999年)、映画の伝道師・淀川長治さんの少年時代を厚木拓郎、勝野洋輔、秋吉久美子共演で描いた「淀川長治物語 神戸編 〜サイナラ〜」(2000年)、人生に疲れた中年サラリーマンの心の再生を峰岸徹、清水美砂共演で描いた「告別」(2001年)、イルカの「なごり雪」をモチーフに50歳を迎えた中年男たちの青春の悔恨と惜別を三浦友和、ベンガル、須藤温子共演で描いた「なごり雪」(2002年)、超高層マンションでの殺人事件の真相を多数の登場人物の証言によって描いた宮部みゆきの直木賞受賞作「理由」を村田雄浩、寺島咲他の出演で映画化した「理由」(2004年)、高校生の男女が心と身体の入れ替わりを通して自分自身や周囲を見つめ直し成長していく様を蓮佛美沙子、森田直幸共演で描いた「転校生 さよなら あなた」(2007年:YouTubeの映画『転校生 さよならあなた』 予告)、40才を越えた男が、22才の頃の切ない別れを思い出していく様を筧利夫、鈴木聖奈、清水美砂共演で描いた「22才の別れ Lycoris 葉見ず花見ず物語」(2007年:22才の別れのホームページ)、突然余命宣告を受けた子育て真っ最中の夫妻のひたむきに生きる姿を南原清隆、永作博美共演で描いた「その日のまえに」(2008年:YouTubeの『その日のまえに』予告編)などがある。

◆「あ・うん」監督:降旗康男
※昭和12年春。中小企業の社長・門倉(高倉健)は、軍需景気で羽振りがよく、また男前で妻・君子(宮本信子)がいながら女性関係が絶えなかった。その門倉と20数年来の付き合いを続けている水田(板東英二)は会社勤めのつましいサラリーマンで性格も地味だが二人は不思議と気が合った。水田が3年半ぶりに地方から東京に帰り、門倉は再び水田一家との付き合いを始めた。ある日、水田の娘・さと子(富田靖子)は君子の紹介で帝大生・石川(真木蔵人)と見合いをしたが、水田は身分不相応と断わった。しかし、さと子と石川は互いに惹かれ合い、デートを重ねる。門倉と水田の妻・たみ(富司純子)は互いに好意を持つが、その想いは自分たちの胸にだけ秘めておくのだった。
寝台戦友である2人の男の友情を通して、支那事変前夜の庶民を描いた向田邦子の小説「あ・うん」の映画化。
※降旗康男は、1934年8月19日長野県松本市生まれ。1957年東京大学文学部フランス文学科卒。北海道のローカル線の終着駅で不器用なまでに真面目に生きてきた鉄道員を高倉健, 大竹しのぶ, 広末涼子共演で描いた1999年の「鉄道員(ぽっぽや)」(YouTubeの高倉健-大竹しのぶ・広末涼子-1999年)で日本アカデミー賞監督賞・脚本賞を受賞。 2008年旭日小綬章受章。
降旗康男監督の他の作品には、幕末を舞台に3人の災いの神に取り憑かれた武士が次第に自らの誇りや武士の本分を取り戻していく様を描いた浅田次郎の小説「憑神」を妻夫木聡、夏木マリ、西田敏行共演で映画化した「憑神」(2007年:YouTubeの請神容易送神難 預告搶先看)、なかにし礼が自分の母をモデルに時代に先駆けて自立を目指した女性を描いた小説「赤い月」を常盤貴子,伊勢谷友介,香川照之,布袋寅泰共演で映画化した「赤い月」(2003年)、特攻隊の生き残りの男とその妻の人生を高倉健、田中裕子共演で描いた「ホタル」(2001年)、今は大物実業家となった元ヤクザが恩義ある友人の仇のために全てを投げ打って復讐する姿を 奥田瑛二, 高橋恵子, 西城秀樹、とよた真帆共演で描いた「現代仁侠伝」(1997年)、戦前の新潟を舞台に酒造りを生業とする大地主一家に起こった出来事を娘の生涯と共に描いた宮尾登美子の小説「」を浅野ゆう子、一色紗英、黒木瞳、松方弘樹共演で映画化した「」(1995年)、対立する巨大組織に狙われながら自分の小さな組と組員たちを守る極道の妻の戦いを岩下志麻、山下真司、斉藤慶子共演で描いた「新・極道の妻たち 惚れたら地獄」(1994年)、昭和初期の土佐の色街を舞台に男女が織りなす愛と侠気の世界を描いた宮尾登美子の小説「寒椿」を西田敏行、南野陽子共演で映画化した「寒椿」(1992年:YouTubeのKantsubaki)、中小企業の社長の突然死によって起こる遺族たちの遺産相続争いを佐久間良子,宮崎萬純,清水美砂共演で描いた「遺産相続」(1990年)、オーストラリア・タスマニア島の大自然を背景に父と子の心のふれあいを田中邦衛,薬師丸ひろ子,多賀基史共演で描いた「タスマニア物語」(1990年)、将軍継承に絡んで我が子・竹千代を殺そうとする徳川家光とそれを守ろうとする藩士達との攻防を緒形拳,千葉真一,松方弘樹,丹波哲郎共演で描いた「将軍家光の乱心 激突」(1989年:YouTubeのHiro Asari in 「激突-将軍家光の乱心-」)、極道とその妻たちとの愛や権力争いを描いた家田荘子のノンフィクションを三田佳子、かたせ梨乃、萩原健一共演で映画化した「極道の妻たち 三代目姐」(1989年:YouTubeの萩原健一「極道の妻たち・三代目姐」)、お互いに愛人のいることがわかった医者の夫と雑誌記者の妻の揺れ動く心理を描いた渡辺淳一の小説「別れぬ理由」を三田佳子、津川雅彦共演で映画化した「別れぬ理由」(1987年)、息子と肉体関係を持ってしまった女の愛を描いた北泉優子の小説「魔の刻」を岩下志麻、坂上忍共演で映画化した「魔の刻」(1985年)、漁師をしている中年男の隠された過去と揺れ動く愛を高倉健、いしだあゆみ共演で描いた「夜叉」(1985年)、函館を舞台に小さな居酒屋を営む男と初恋の女とのすれちがう想いや居酒屋に集まる人々の人生模様を描いた山口瞳の小説「居酒屋兆治」を高倉健、加藤登紀子、大原麗子共演で映画化「居酒屋兆治」(1983年:YouTubeの居酒屋兆治【予告編】1983年 高倉健)、倉本聰が高倉健のために書き下ろした脚本を基にオリンピックの射撃選手であり警察官でもある男の半生を3人の女とのエピソードを交えて倍賞千恵子,いしだあゆみ、烏丸せつ子共演で描いた「駅 STATION」(1981年:YouTubeの駅『STATION』予告編)、殺した男の娘の成長を陰から見守る不器用な男の姿を高倉健,池上季実子共演で描いた「冬の華」(1978年)、夏の北海道を舞台に正義感の人一倍強い一本気の男がまき起こす騒動を高倉健、生田悦子共演で描いた「新網走番外地 嵐呼ぶダンプ仁義」(1972年)、看守と組んで悪事を働く監獄ボスに闘いを挑む男を高倉健, 星由里子, 黒沢年男共演で描いた「新網走番外地 吹雪の大脱走」(1971年)、刑務所を出所後、世話になった牧場主とその家族のため悪徳牧場主に復讐する男を 高倉健, 三橋達也, 野添ひとみ共演で描いた「新網走番外地 嵐呼ぶ知床岬」(1971年)、牧師の下で不良少年の更生を手伝う囚人が妨害する暴力団に闘いを挑む姿を高倉健、岡田真澄、ジューン・アダムス共演で描いた「新網走番外地 吹雪のはぐれ狼」(1970年)、網走刑務所の受刑者が木材の独り占めを企む暴力団に仲間を殺され復讐に立ち上がる姿を高倉健,星由里子、宍戸錠共演で描いた「新網走番外地 大森林の決斗」(1970年)、暴力団の命取りになる特ダネを掴んだせいで殺人犯に仕立てられた上に妻を殺されたトップ屋が暴力団に復讐する姿を高倉健、浜美枝、宍戸錠共演で描いた「捨て身のならず者」(1970年)、勢力を拡大する暴力団に対して仲間と共に戦いを挑む元組長を鶴田浩二,待田京介,佐藤允共演で描いた「任侠興亡史 組長と代貸」(1970年)、刑務所構外作業場建設のために全国各地から集められた模範囚を温かく迎えた人物が持つ造船所を暴力団を抱き込んで乗っ取ろうとする卑怯な一派を仲間を引き連れて叩き潰す網走野郎を高倉健、志村喬、大木実共演で描いた「新網走番外地 流人岬の血斗」(1969年)、競輪場支配の利権抗争の真っ只中に飛び込んだ網走帰りの一匹狼の闘いを高倉健,藤純子共演で描いた「獄中の顔役」(1968年)、競艇場の利権を巡って新旧勢力が争う中で父親代わりの親分のために原爆症の身を押して闘う男の姿を高倉健, 十朱幸代共演で描いた「地獄の掟に明日はない」(1966年)、実話を元にいたずらに青春を費やした後自分の人生を探し求めてヨーロッパへ船出する家出娘を緑魔子,谷隼人,大原麗子共演で描いた監督デビュー作「非行少女ヨーコ」(1966年)などがある。


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この記事へのコメント

  • ★KEEP BLUE★
  • 2009年05月02日 08:17
  • こんにちは。

    1児のパパしてます。
    うちの娘は今年、ついに2歳です。
    子供の成長は早いですね(^^)。
    成長が楽しみです。
    また遊びにきます。

  • トシキ
  • 2009年05月02日 08:49
  • KEEP BLUEさん

    訪問&コメントありがとうございました。

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