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1980年代

1989年の主要な映画6(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

1989年の主要な映画6(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

◆「オルゴール」監督:黒土三男
※ヤクザの神崎勇次(長渕剛)はかつて身を寄せた阿南連合会長の阿南(寺田農)から命を狙われていた。勇次は服役中に生まれた一人息子・蓮のことが気がかりだったが、早苗(永島暎子)とは既に離婚しており、また生涯子供には会わないことが条件になっていた。勇次の妹・きよ(仙道敦子)は舎弟の翔(哀川翔)と愛し合っており、結婚も約束していた。そして気難しく一徹な勇次にとって二人だけがよき理解者であった。しかし、勇次はある日阿南から蓮の写真を見せられて荒れ始める。きよはそんな兄を見かねて蓮に会わせた。勇次は蓮をジープでドライブに連れていき、父子水入らずの楽しい時間を送った。阿南の勇次に対する嫌がらせはエスカレートし、きよと翔が連れ去られた。
ヤクザの父親と幼い息子とのふれあいを描いた長渕剛初の本格主演映画。
> YouTubeの長渕キック(オルゴール)
※黒土三男は、1947年3月3日熊本県熊本市生まれ。立教大学法学部卒業。1978年TV脚本家デビュー。1988年「とんぼ」「うさぎの休日」で第7回向田邦子賞受賞。そして1989年「オルゴール」で映画監督デビュー。
黒土三男監督の他の作品には、年末の帰省で道路渋滞に巻き込まれながらも何とか故郷にたどり着こうと四苦八苦する家族の悲喜劇をユーモラスに萩原健一、黒木瞳主演で描いた「渋滞」(1991年)、一匹狼のヤクザ者の愛と戦いを長渕剛、若林しほ、イ・ナヨン共演で描いた「英二」(1999年:YouTubeの長渕剛(小川英二)&哀川翔(常吉))、愛し合いながら運命に翻弄される下級武士とその幼なじみの悲恋を市川染五郎、木村佳乃共演で描いた「蝉しぐれ」(2005年:YouTubeの蝉しぐれ 歌:一青窈"かざぐるま")などがある。

◆「キッチン」監督:森田芳光
※一人っ子のみかげ(川原亜矢子)は、幼い頃両親を亡くしてから祖母(吉住小昇)と二人暮らしだったが、その祖母も他界してしまう。そして、みかげは台所の冷蔵庫の脇で寝るようになる。台所がみかげには一番落ち着ける場所だったのだ。やがてみかげは友人の雄一(松田ケイジ)の厚意で、彼のマンションに引っ越し、雄一の母・絵理子(橋爪功)を紹介されるが、それは女装した雄一の父親だった。こうしてみかげと雄一、絵理子の同居生活が始まる。絵理子はゲイバーのママで夜は遅く、雄一も昼夜が逆の生活だったが、みかげには居心地がよく、何よりみかげはここの台所が気に入っていた。ある日料理教室のアシスタントとして働くみかげの元へ、雄一の恋人・真美(松浦佐紀)が怒鳴り込んできた。
台所が好きな孤独な少女と風変わりな青年の家族との同居生活を描いた吉本ばななの小説「キッチン」の映画化。
※森田芳光は、1950年1月25日東京都渋谷区生まれ。1981年「の・ようなもの」で長編映画監督デビュー。以後、幅広いテーマで話題作を数多く発表している。
森田芳光監督の他の作品には、古典落語の修業に励む二ツ目の落語家とトルコ嬢、落研の女高生たちの青春群像を秋吉久美子、伊藤克信、尾藤イサオ共演で描いた「の・ようなもの」(1981年)、お色気サービス付きの床屋を経営しながら学校へ通う女子大生と就職試験で失敗を繰り返す青年の恋を寺島まゆみ、伊藤克信共演で描いた「ピンクカット 太く愛して深く愛して」(1983年)、高校受験を控えた中学生のいる家族とその家にやって来た家庭教師の姿を描いた本間洋平の小説「家族ゲーム」を松田優作、伊丹十三、由紀さおり共演で映画化した「家族ゲーム」(1983年:YouTubeの家族ゲーム予告編)、沖縄を舞台に元幼稚園の先生とマジックを修業中の青年とが結ばれるまでを二人に関係する中年カップルの恋を交錯させて描いた片岡義男の小説「メインテーマ」を薬師丸ひろ子、野村宏伸、財津和夫共演で映画化した「メイン・テーマ」(1984年)、一人のテロリストが暗殺に失敗するまでを男二人、女一人の共同生活を軸に描いた丸山健二の小説「ときめきに死す」を沢田研二、樋口可南子共演で映画化した「ときめきに死す」(1984年)、明治後期の東京を舞台に親友の妻への愛に悩む主人公の姿を描いた夏目漱石の小説「それから」を松田優作、藤谷美和子、小林薫共演で映画化した「それから」(1985年)、広告代理店業界を二分する代理店同士の喰うか喰われるかの熾烈な戦いを石橋貴明、木梨憲武、安田成美共演で描いた「そろばんずく」(1986年)、ヤクザの二代目を継いだ男と幼馴染みで敵対する組の男の友情を描いた小林信の小説「悲しい色やねん」を仲村トオル、高嶋政宏、藤谷美和子、石田ゆり子共演で映画化した「悲しい色やねん」(1988年)、3度も人生をやり直すことになった2人の女性の恋と夢を描いた藤子・F・不二雄の「未来の想い出」を工藤静香、清水美砂共演で映画化した「未来の想い出 Last Christmas」(1992年:YouTubeの未来の想い出 - Last Christmas (1/13))、パソコン通信を通じて知り合った男女がメールのやり取りをするうちに愛を育んでいく姿を深津絵里、内野聖陽、戸田菜穂共演で描いた「(ハル)」(1996年)、中年サラリーマンと人妻が激しい恋におちて情事を重ねる姿を描いた渡辺淳一の小説「失楽園」を役所広司、黒木瞳共演で映画化した「失楽園」(1997年:YouTubeの燗酒のあるシーン(失楽園))、謎に満ちた猟奇的殺人事件の容疑者の精神鑑定に挑む女性精神医の姿を鈴木京香、堤真一共演で描いた「39-刑法第三十九条-」(1999年)、生命保険会社の社員に襲いかかった保険金詐欺夫婦による恐怖を描いた貴志祐介の小説「黒い家」を内野聖陽、大竹しのぶ、西村雅彦共演で映画化した「黒い家」(1999年)、メディアを利用して人々を翻弄する天才犯罪者の暴走を描いた宮部みゆきの「模倣犯」を中居正広、山崎努、木村佳乃共演で映画化した「模倣犯」(2002年)、4姉妹(大竹しのぶ、黒木瞳、深津絵里、深田恭子)が父(仲代達矢)に愛人と子供がいることを知らされたことを機にそれぞれが抱える人生の悩みに直面していく様を描いた向田邦子の代表作「阿修羅のごとく」を映画化した「阿修羅のごとく」(2003年:YouTubeの「阿修羅のごとく」(2003, Japan))、北海道の漁師町を舞台に逞しい夫と繊細な心を持つ義弟との間で揺れ動く人妻の心情を伊東美咲、佐藤浩市、仲村トオル共演で描いた「海猫」(2004年:YouTubeの伊藤美咲 海猫濡れ場)、30代になっても同居を続ける仲の良い間宮兄弟と彼らを取り巻く女性たちの日常を描いた江國香織の小説「間宮兄弟」を佐々木蔵之介、塚地武雅、常盤貴子、沢尻エリカ共演で映画化した「間宮兄弟」(2006年:YouTubeのMamiya Kyodai Trailer)、元過激派の父と母の型破りな生き方とそんな両親に困惑する子供たちを描いた奥田英朗の小説「サウスバウンド」を豊川悦司、天海祐希共演で映画化した「サウスバウンド」(2007年:YouTubeのサウスバウンド 予告編)、上級役人の汚職・不正を暴くために立ち上がり絶体絶命の危機にさらされた九人の若侍たちを救った一人の浪人を描いた黒澤明監督作品を織田裕二, 豊川悦司共演でリメイクした「椿三十郎」(2007年:YouTubeの椿三十郎 予告と椿大神社)などがある。

◆「君は僕をスキになる」監督:渡邊孝好
※浜田知佳(山田邦子)は25歳、積極的にアプローチするタイプだがイブの前になると振られるジンクスを持つ。神林苫子(斉藤由貴)も25歳、恋人を探すよりもプリンを作って好きな本を読んでいる方がいい内気なタイプ。性格は全く違う二人の唯一共通しているのは、クリスマスイブに彼氏と過ごしたことがないこと。また、知佳が勤務する会社には、「野性の太宰享輔(加藤昌也)、知性の芥川純平(大江千里)」といわれている二人の男性がいた。ある日、街角で純平は苫子と出会い一目惚れする。引っ込み思案な苫子も、さりげなく控えめな純平に好意を抱く。一方プレイボーイの享輔も仲間から無理矢理恋人宣言させられることになり、とっさに知佳を指名するが、カフェバーで苫子と出会い彼女に恋してしまう。苫子は知佳の相手が享輔であることは知らず、また享輔も苫子が知佳の友人であることは知らない。当然、知佳が苫子と享輔の仲を知らないが、そんな三角関係にいち早く気付いたのは純平だった。
山下達郎の「クリスマス・イブ」にのせて繰り広げられる恋愛ラブコメディで、渡邊孝好監督のデビュー作でもある。
> YouTubeの斉藤由貴 君は僕をスキになる
※渡邊 孝好は、1955年4月10日京都市生まれ。ほどなく名古屋市に転居。1977年、鈴木清順の「ツィゴイネルワイゼン」に助監督として参加。以後、大森一樹、藤田敏八監督の助監督を務める。1994年小さな居酒屋を舞台に主人と新妻それとユーレイとなった前妻が繰り広げる恋を描いた山本昌代の小説「居酒屋ゆうれい」を萩原健一、山口智子、室井滋共演で映画化した「居酒屋ゆうれい」で日本アカデミー賞優秀監督賞、山路ふみ子映画賞を受賞。
渡邊孝好監督の他の作品には、戦争という暗い時代を明るく生き抜いた7人の若きゼロ戦乗りたちの恋と友情を唐沢寿明、木村拓哉、袴田吉彦、反町隆史共演で描いた「君を忘れない」(1995年)、実在するおばあちゃん劇団をモデルに芝居に第二の人生を見出した老女たちの奮闘ぶりを淡路恵子、西田尚美、風見章子共演で描いた「ぷりてぃ・ウーマン」(2002年)、赤字が増大し隣町との合併問題に揺れる田舎町を舞台に謎の生物・ヒナゴンの存在を信じ続ける元ヤンの町長を伊原剛志、井川遥共演で描いた「ヒナゴン」(2005年)などがある。

◆「魔女の宅急便」監督:宮崎駿
※魔女の娘は13歳になると修行の為独立するという掟のため、キキ(高山みなみ)も一人で旅立つ。翌朝、黒猫ジジと共に港町コリコに着いたキキは大都会に夢中になるが、誰も相手にしてくれずおちこんでしまう。だが、偶然お客の忘れ物を届けたことから、パン屋の女主人おソノ(戸田恵子)に気に入られ、その好意で店先を借りて宅急便を開業することになった。張り切るキキだが、不注意で配達中のぬいぐるみを森の中で落としてしまう。そしてそれを拾ってくれたのは絵描きの少女ウルスラ(高山みなみ)だった。こうして何とか初仕事も無事終り、少しずつ町の生活にも慣れていくキキに気のいい少年トンボ(山口勝平)が飛行クラブのパーティーに招待した。
都会へ旅立った魔女の女の子の自立を描いた角野栄子の小説「魔女の宅急便」を宮崎駿の脚本で映画化した。また主題歌には、ユーミンこと荒井由実の「ルージュの伝言」(オープニング、アルバム「COBALT HOUR」に収録)と「やさしさに包まれたなら」(エンディング、アルバム「sweet,bitter sweet 〜yuming ballad best」に収録)が採用された。
> YouTubeのKiki's Delivery Service (trailer)
※宮崎駿監督の他の作品は、「1988年の主要な映画3(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)」をご覧ください。

◆「男はつらいよ 寅次郎心の旅路」監督:山田洋次
※寅さん(渥美清)はみちのくの旅の途中に自殺を図ったサラリーマン・坂口(柄本明)を助けた。坂口はお礼に寅さんをウィーンへ連れていくという。寅さんはさくら夫婦(倍賞千恵子・前田吟)や、おいちゃん(下絛正巳)、おばあちゃん(三崎千恵子)の反対で一時は止めようと思うが、坂口の説得で結局は行くはめになる。ウィーンに着いた二人だが、趣味が合わず別行動。坂口は美術館を見学し、一方、寅さんは公園をぶらぶらしているうちにホテルへ帰れなくなり、偶然に知り合った江上久美子(竹下景子)という美人の日本人ツアーコンダクターがガイドしている一団についていく。久美子はホテルの名前を思い出せない寅さんに困って、ウィーンでの生活の長いマダム(淡路恵子)と呼ばれる日本人女性に助けを求めた。坂口は寅さんがホテルに戻ると一人で舞踏会へ出かけていき、そこでウィーンの美女とダンスを踊った。一方寅さんは久美子の休日に二人でドナウ川の辺に出かけた。久美子は故郷を思い出し日本に帰る決心をするが、ウィーンにはヘイマンという恋人がいた。彼は理解を示してくれて久美子は寅さんや坂口と共に帰国することになるが…。
ウィーンを舞台に寅次郎と美人観光ガイドとの恋を描いた「男はつらいよ」シリーズの第41作。
> YouTubeの男はつらいよ 寅次郎心の旅路 予告

◆「男はつらいよ ぼくの伯父さん」監督:山田洋次
※寅次郎の甥・満男(吉岡秀隆)は浪人中で人生に悩んでいたが、そんな時、寅次郎(渥美清)が柴又に帰ってきた。さくら(倍賞千恵子)は、寅次郎に満男の悩みを聞いてくれるように頼む。気軽に引きうけて近くの飲み屋に満男を連れていった寅次郎は、満男から高校の後輩で佐賀へ転校した泉(後藤久美子)に恋していることを聞かされる。その夜満男のことで博(前田吟)と大ゲンカした寅次郎はいつものごとくプイッと寅屋を飛び出してしまう。満男は大きくなる恋と進学の悩みに遂に親子ゲンカをし、バイクで泉のいる佐賀へと向かった。そこで偶然寅次郎と再会した満男は二人で泉の家を訪れる。
甥の満男のために恋のコーチを買って出た寅次郎の珍騒動を描いた「男はつらいよ」シリーズ第42作。
他の出演者は、おいちゃんとおばちゃんに下絛正巳と三崎千恵子、御前様に笠智衆、タコ社長に宰久雄、源公に佐藤蛾次郎、泉の母に夏木マリ、泉の叔母夫婦に檀ふみと尾藤イサオ、叔父の父に今福将雄、他に笹野高史、戸川純、イッセー尾形、関敬六。
> YouTubeの男はつらいよ ぼくの伯父さん 予告


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