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1990年代

1994年の日本映画 4

1994年の日本映画 4

★「釣りバカ日誌 7」 監督:栗山富夫
※釣りバカコンビの活躍を、山田洋次、高橋正圀、関根俊夫の脚本、安田浩助の撮影、かしぶち哲郎の音楽で描いたシリーズ第8作。
鈴木建設社長のスーさんこと鈴木一之助(三國連太郎)は、福井県へ出張の折り、営業三課のダメ社員、ハマちゃんこと浜崎伝助(西田敏行)と連絡を取り若狭湾でチヌ釣りを楽しんだ。その時、出会った美女・田上彩子(名取裕子)を2人は釣りに誘い、すっかり仲良くなる。数日後、歯痛に見舞われたスーさんは近くの歯科医院に行くが、診察に現れた女医こそ彩子だった。スーさんは本格的に釣りを始めようかという彩子と、週末一緒に釣りに行く約束をする。その晩、ハマちゃんからも釣りの誘いがかかるが、その日は香港に出張だと嘘をついてしまう。そして予定通り彩子と船釣りに出たスーさんは、そこで彩子から彼女は離婚して母と娘の3人暮らしであること、福井を訪れたのは別れた亭主に会うためだと聞かされる。そんな時、運悪くハマちゃんに出会ってしまい…。
> YouTubeの映画CM 釣りバカ日誌7

★「ティンク・ティンク」 監督:照屋林賢
※沖縄出身の人気グループ「りんけんバンド」の野外コンサートと沖縄の自然と人々の姿を、照屋林賢の音楽、高橋邦敏の企画、井出情児の撮影で描いたバンドのリーダー、照屋林賢の原案・初監督作品。
沖縄で生まれた一人の女の子。彼女の誕生を喜び、親族、友人たちが集まり宴が始まる。彼女は沖縄に生息するガジュマルようにたくましく、大地に喜びや悲しみを印しながら成長していく。時には人に恋し、ムラアシビ(村祭り)で踊り、徐々に自我を確立していく。風景も人の成長とともに変わっていくが、いつの世にも変わらないものがリズムだ。うれしいにつけ悲しいにつけ、沖縄の人たちは、歌い、踊る。そして同じ日常が続いていく…。タイトルになった「ティンク・ティンク」とは沖縄で幼児をあやす三線(沖縄の三味線)の擬音。プロローグから第八章「カチャーシー」までに分けられたストーリーの中に、「なんくる節」「ありがとう」「ムリカ六星(むちぶし)」「エイサー(月ん夜ぬ下(ちちんゆぬしちや))」「世世世(ゆーゆーゆー)〜You You You」「ビーチパーリー」「かてーむん」「綱曳(ちなひち)どー」「白雲(しらくむ)」「嘉手久(かでいーくー)〜唐船(とうしん)どーい」「めでたい めでたい」「天ぬ鏡(ていんぬかがん)」「海とぅ島」などの曲のライブ演奏が挿入される。
> YouTubeのティンク ティンク(沖縄国際映画祭)

★「トカレフ」 監督:阪本順治
※誘拐犯に息子を殺され、妻にも去られた男の復讐を、徳田寛の原案、阪本順治の脚本、石井勲の撮影、梅林茂の音楽で描いたアクション映画。
幼稚園バスの運転手・西海道夫(大和武士)は、妻あや子(西山由海)、息子タカシ(類家大地)と平和な生活を送っていた。ある日、バスが信号待ちをしていると、突然バイクに乗った覆面の男が拳銃トカレフをタカシに向けて連れ去った。傍には覆面男にバイクを盗まれた、道夫たちと同じマンションに住む新聞社の印刷局員・松村(佐藤浩市)の姿があった。犯人は警察の見張る中、まんまと身代金を手にし、数日後タカシは遺体となって発見された。事件をきっかけに道夫とあや子の心は離れていく。仕事もやめ、自分を責める道夫は、ぼんやりとタカシの運動会のビデオを見ていた時、画面に松村が写っていることに気づいて彼を疑う。高橋刑事(國村隼)に再捜査を依頼するが捜査は一向に進展しない。苛立った道夫は単身松村を追及しようとするが…。

★「突然炎のごとく」 監督:井筒和幸
※田舎町の少女のさりげない日常と心の動きを、井筒和幸と本田紀生の脚本、篠田昇の撮影、細石照美の美術、音楽の一切ないモノクロームの映像で描いたドラマ。
かおり(坂上香織)の日常は、男友達の太郎(山本太郎)とのセックス以外これといったものはなく、そんな日常に飽和感と飢餓感を感じていた。そんな時、ふとしたことで都会の匂いのする中年男・浩介(小木茂光)と知り合ったかおりは、突然の情熱とほのかな期待を覚えた。しかし、なおみ(野田善子)の出現もあり、浩介もまた単なるセックスの条理に甘んじた男にすぎないことを知り、愛は次第に冷めていく。一方太郎は、かおりの気を引くことが出来ず、彼女と浩介の関係も知って不安と怒りが増していく。かおりはやがて浩介に肉欲だけではない愛情を求めるが、その不条理を受け入れる条理のない浩介は、かおりを殺してしまう。そしてそこへ駆けつけた太郎の目の前で…。

★「とられてたまるか!?」 監督:萩庭貞明
※同じ泥棒に何度も襲われる一家の父親の死闘を描いた斉藤ひろしの小説「とられてたまるか!?」を、斉藤ひろしの脚本、高瀬比呂志の撮影、井上尭之の音楽で映画化したファミリー・コメディ。
唯野一太郎(武田鉄矢)は、郊外の分譲地に念願のマイホームを建てたばかりの平凡な中年公務員だが、その家に泥棒に入られたことから一太郎の日常は一変する。妻ゆり子(田中美佐子)と2人の子供、里香(吉田雅子)と祐太(森田洸輔)に父親としての権威を示したい一太郎は、玄関に頑丈な鍵をつけ、最新の警備装置を備え、そして番犬のゴジと万全の準備をするが、またもや同じ泥棒に入られ権威失墜。さらに3度目の侵入で里香のコンサートチケットを奪われてしまう。里香からはこれ以上こんな家に住めないと言われるが、この家は俺が守ると一太郎は格闘技を習い始め、家もさながら要塞のようになっていく。そんな彼にコンピュータ・ソフトのプログラマーらしい泥棒(明石家さんま)も満足そうだ。数回の攻防を経て、いよいよ運命をかけた最後の戦いが始まる。今夜行くという泥棒の電話に応え、一太郎は家族を義父のもとに預けて一人待ち構えるが…。

★「トワイライツ」 監督:天野天街
※少年が死後、棺から抜け出して過去・現在・未来の時間をさまよう姿を、大田和司の演出、山崎のりあきの撮影、鈴木珠水と長谷川久の音楽で描いた、名古屋を拠点とする劇団「少年王者館」の主宰者・天野天街の監督デビュー作。
自分自身の「死」に立ち会ったトウヤ(石丸だいこ)だが、その「死」を素直に受け止められずに、止まってしまった「生」の時間から追われて駆け出す。汽車会館映画、居酒屋「XTO」、時計のあった街、海、いつかの団欒の場所、お父さんのような人、お母さんのような人、知っているようで知らない人たち、彼岸と此岸の間にあやうく存在している路地をさまよい始める。彼の道程は行き当たりばったりのようで、「未だ知ることのないドコカ」に向かうために用意された、様々の儀式を通過していくようである。トウヤはその旅の中で、過去・現在・未来をも含めて、奇妙な郷愁を帯びたモノたちと別れを告げるように出会い、通り過ぎていく…。
> 少年王者舘公式ホームページ

★「首領を殺った男」 監督:中島貞夫
※元兄弟分に裏切られた極道の戦いを、高田宏治の脚本、北坂清の撮影、近藤等則の音楽で描いた正統派やくざ映画。
18年前、敵対する八神一家の組長を襲って服役していた宝来蘇鉄(松方弘樹)が出所した。兄弟分の大木戸(夏八木勲)は今や組員1万5千人の巨大組織・朋友連合の首領となっていたが、八神一家襲撃の時には震え上がって何も出来ず、おまけに宝来のいない間に彼の妻・朱美(池上季実子)を手ごめにしていた。大木戸は宝来を最高顧問に迎えるが、それは体裁で、実は宝来を暗殺しようとしていた。一方、極道に戻る気のない宝来は大阪茶屋町の屋台村に身を寄せ、隈木(川谷拓三)や和久(山口達也)、スナック・ガラスの兎で歌うジェーン(田村英里子)らと親しくなる。そんな宝来をかつぎ上げようとした朋友連合・九州支部の柳原(綿引勝彦)の招きで大阪を発った宝来は、雲仙で和久の母親で高級旅館・半水盧の女将・雅世(多岐川裕美)と知り合うが…、

★「NIGHT HEAD」 監督:飯田譲治
※組織と闘いを繰りひろげる超能力者の兄弟を、飯田譲治と笠井健夫の脚本、榎田洋美の撮影、配島邦明の音楽で描いたサイキック・ドラマ。
サイコキネシス(念動力)を持つ兄・霧原直人(豊川悦司)と、リーディングと予知能力のある弟・直也(武田真治)は、その超能力のため人並の生活はできず、青年期まで「研究所」で隔離されて過ごしてきた。現実社会に戻った二人は、ある日何者かに追われている男が彼らに何かを訴える残像を見る。その行方をたどった二人は、早紀枝(小島聖)という自閉気味の高校生に出会った。彼女も二人と同じ超能力者だった。折しも彼女と彼女をいじめていた5人の女子高生がプールで集団入水自殺を起こし、早紀枝だけが助かった。自分の感情が他人に感染するという感染能力を持つ早紀枝は、女子高生たちは自分が殺したという罪悪感にかられていた。そんな彼女を直人と直也は救おうとするが、その度に三雲玄吾(篠井英介)という男が兄弟の邪魔をした。三雲の背後にいる者こそ、兄弟たちを未知の不確定要素と位置づける強力な予知能力者・奥原晶子(南美江)だった…。
> YouTubeのCM 映画 NIGHT HEAD 豊川悦司・武田真治 1994 Part.1

★「ナチュラル・ウーマン」 監督:佐々木浩久
※松浦理英子の小説「ナチュラル・ウーマン」を、松浦理英子と佐々木浩久の脚本、渡部眞の撮影、梅林茂の音楽で映画化したロマンス。
25歳の漫画家・容子(嶋村かおり)は、世間から身を隠すような生活を続けながら、屈折したセックスを描いた作品を発表していた。彼女はバイト仲間でボクシングのプロテスト合格を目指す由梨子(中島ひろ子)に惹かれていた。由梨子は容子が以前つきあっていた花世(緒川たまき)とは対象的なタフな精神の持ち主だった。5年前、漫画同人サークルで容子と花世は知り合った。花世はアマチュア漫画界のカリスマで、容子は彼女と衝突しながらもしだいに惹かれていった。海に出かけたある日、二人は初めて一夜を共に過ごす。愛はしだいに深まっていくが、それと比例してそれぞれの作品に対する衝突も激しくなり2人の関係は袋小路にはまりこんでいく。精神のバランスを崩した花世はサークルの合同作品集が完成した後、それを燃しビルから飛び降り死んでしまったのだった…。

★「熱血ゴルフ倶楽部」 監督:児玉高志
※理想のゴルフ場作りに燃えるおちこぼれサラリーマンの活躍を、前川洋一の脚本、福沢正典の撮影、山浦克己の美術で描いたゴルフ映画。
高山商事の野々山辰平(木村一八)は落ちこぼれ集団と言われる営業部開発課に属し、仕事はさっぱりだが明るさとゴルフの腕前だけは誰にも負けなかった。同僚もパソコンおたくの葛西(田口浩正)やネクラの須田直子(水野美紀)など個性派揃いだった。ある日、彼は結城本部長(本田博太郎)の肝入りで新しいゴルフ場建設の新プロジェクト・チームに入る。セントアンドリュースなみの理想のゴルフ場作りに燃える辰平だが、結城−社長ラインに対抗する猪股常務と、営業部のエリートでゴルフのライバル・芝原(高知東急)が露骨に妨害し、プロジェクトの中心だった設計者ボビー・シンプソンを怒らせてしまう。持ち前の行動力で何とかボビーと社会人トーナメントに優勝すれば契約するという条件を取りつけた辰平は、その参加者を決める社内選考会に臨む…。

★「難波金融伝 ミナミの帝王 劇場版II 銀次郎VS整理屋」 監督:西村昭五郎
※ヤクザも恐れる大阪ミナミの高利貸しと整理屋と呼ばれる経済ヤクザの争いを、石川雅也の脚本、三好和宏の撮影、山崎輝と島村博の美術で描いた人気シリーズの劇場版第2弾。
漫才師・花田トオルに借金を踏み倒された銀次郎の弟分・金子竜一(大森嘉之)は、慌てて漫才師の父親のもとに駆け付けるが、その会社は既に不良債権を食い物にする整理屋と呼ばれる経済ヤクザによって計画倒産させられていた。そんなヤクザの手口に怒りが爆発したミナミの帝王こと萬田銀次郎(竹内力)がひと肌脱ぐことになり、持ち前の機転の速さと行動力で整理屋との熾烈な頭脳戦を展開するが…。

★「難波金融伝 ミナミの帝王 劇場版III 愛人契約」 監督:西村昭五郎
※ミナミの帝王とホスト屋の闘いを、石川雅也の脚本、三好和宏の撮影、山崎輝と豊島隆の美術で 描いた人気シリーズの劇場版第3弾。
萬田銀次郎(竹内力)から800万借りたまま返済のメドがつかない滝沢(山口耕大)は、慰謝料をせしめようと押しかけた山室商事で社長の山室修(住田隆)から二束三文のワープロを高く買わされ逃げられてしまう。おまけにその購入資金は、萬田の舎弟・金子竜也(大森嘉之)が無断で貸した金だった。またある日、萬田は大学生の岩石雄大(辻本茂雄)に300万を貸すが、期日が来ても返済に現れない岩石を大学まで追っかけて行く。だが、岩石がいわゆる「ホスト屋」に騙されていたこと、しかもそのサギをかけた相手が山室だったことを知り、萬田は山室に反撃を開始する。萬田は岩石をもう一度ホストクラブに登録させ、山室が送り込んだホステス・くるみと仮雇用契約を結ばせ逆に4千万円せしめようとするが、山室はそれはくるみ個人の問題だと言って突き放す。そこで萬田は神戸で運送業を営む山室の父とくるみを結婚させて…。
> 。YouTubeのRiki Takeuchi - 萬田銀次郎

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この記事へのコメント

  • 新川
  • 2009年09月26日 04:11
  • ブログのぞきに来ました♪足跡がてらに残していきますね。
    僕のブログちょっと気分がいされると思いますが、
    書いてます♪またのぞきに来ますね。

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