■ヨーロッパ映画
◆フランス映画
★「エリザ」 監督:ジャン・ベッケル
※母を捨て自殺に追い込んだ父への復讐を誓う孤児院育ちの女性を、ジャン・ベッケル、ファブリス・カラゾの脚本、エチエンヌ・ベッケルの撮影、ズビグニエフ・プレイスネル、セルジュ・ゲンズブール、ミシェル・コロンビエの音楽で描いたアクション映画。
夫ジャック(ジェラール・ドパルデュー)と離婚したエリザ(フロランス・トマサン)は、女手一つで娘マリーを育ててきた。だが人生に疲れ果てた彼女は、幼いマリーの顔に枕を押しつけ、自分は銃で自殺した。奇蹟的に助かったマリー(ヴァネッサ・パラディ)は孤児院で育てられた。成長した彼女は親友ソランジュ(クロチルド・クロー)と施設を飛び出し、気の合う人達と気ままな生活を送っていた。だが、彼女の心の奥底には、常に母親を捨てた父親に対する強い憎しみがあった。18歳の誕生日間近のある日、マリーは親しい人々に最高のプレゼントを送り、二度と帰らない決意で拳銃を手に、父が母に宛てただ一枚の絵葉書を頼りに自分の過去を探す旅に出た…。絵葉書にはサン島の灯台の写真と、手書きの音譜が記されていた…。
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★「おとぼけオーギュスタン」 監督:アンヌ・フォンテーヌ
※オーディションに挑戦する俳優志望のちょっとずれた青年を、アンヌ・フォンテーヌの脚本、ジャン=マリー・ドルージュの撮影で描いたコメディ。カンヌ映画祭ある視点賞。
俳優志望の32歳の青年オーギュスタン(ジャン=クレティアン・シベルタン=ブラン)は、シュラ夫人(ノラ・アビブ)の配役事務所を訪れ、パリス・ルコント監督の映画「タンゴ」のホテルのボーイ役のオーディションを受けることになる。彼は普段は一日3時間38分だけ金融会社にパート勤務している。上司(クロード・ペシェ)に同僚の告げ口をして取り入り、巧妙に立ち回っていた。彼は役作りのために高級ホテルでフロワボーイの一日見習いをするが、寝室の掃除を見学して、中国人移民のメイド・キャロリーヌ(ステファニー・チャン)に一目惚れする。そしてオーディションの日、オーギュスタンは人気俳優ティエリー・レルミット(本人)を相手に一場面を演ずる。緊張した彼は台詞をさんざん吃ってしまうが、緊張すればするほど厚かましくなり…。
> >YouTubeのAUGUSTIN roi du KUNG FU Anne Fontaine
★「俺たちは天使だ」 監督:ジャン=マリー・ポワレ
※天使が煩悩だらけの実業家に、堕天使が厳格な神父に取り憑いたことで起こる騒動を、ジャン=マリー・ポワレ、クリスチャン・クラヴィエの脚本、ジャン・イブ・ル・カステル、クリストフ・ボーカルヌの撮影、エリック・レヴィの音楽で描いたコメディ。
パリでミュージックホールを経営するカルコ(ジェラール・ドパルデュー)は、昔のギャング仲間ラ・パンス(イヴ・レエニ)から、中国人との間に出来た5歳になる息子バオ(アレクサンドル・エスキモ)を香港から連れ帰り、数年前に失踪した母親を見つけ出して欲しいと頼まれる。ところがラ・パンスは香港マフィアに殺され、カルコは、香港に着いた瞬間から、香港マフィアに追われるはめになる。しかし、なんとか、善良なタラン神父(クリスチャン・クラヴィエ)と子供達の一行に紛れてパリに到着する。だが空港で、カルコはタラン神父にバオを押しつけて逃げてしまう。そして、カルコが30万ドルの無記名債券をもって車で走ってる時、突然後部席にカルコと正反対の性格の天使が現れた。その頃、タラン神父には、やはり神父と正反対の性格の堕天使が現れ…。
> >YouTubeのLes ange gardiens
★「君が、嘘をついた」 監督:エリ・シュラキ
※脚本家を目指す女の子と彼女が嘘をついて近づいた映画監督の恋を、エリ・シュラキ、アントワーヌ・ラコンブレの脚本、フランソワ・カトンネの撮影で描いたラヴ・ストーリー。
脚本家志望のディジー(ヴァレリア・ブルーニ=テデスキ)は、映画監督ザック(ジャン=ユーグ・アングラード)と大女優エレーヌ(ロレイン・ブラッコ)のカップルに近づくことを考えつく。彼女は、2人の屋敷の前でひったくりに襲われる芝居を打つという嘘をきっかけに2人の生活に入り込む。だがその夜、ザックが姿を消してしまう。そして8ヶ月後、ザックは浮浪者のような姿になっていた。夫の心変わりを感じたエレーヌは彼に自分の主演作を撮らせて、彼の愛をつなぎとめようと考える。彼女が資金を出すがザックには内緒にし、様子を知るために脚本家としてディジーが送り込まれる。脚本はザックの失踪中に起こった出来事を基に書かれたものだったが…。
★「JLG / 自画像」 監督:ジャン=リュック・ゴダール
※ヌーヴェル・ヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール監督が自身を題材にしたエッセイ映画。撮影はイヴ・プリガン。
スイスのレマン湖畔ロールにあるゴダールの家の電話が鳴った。それは映画を作れというサインだ。ゴダールは自分の少年時代を振り返る。製作者側が期待しているのは文明批評映画のようだが、型どおりの企画をうっちゃり、自らの考えを音と結びついた映像で提示していく。すると突然、フランスの国立映画局から査察官が立ち入り捜査にやって来る。ネガ(否定的なもの)こそ作らねばならないというカフカの言葉に続いて、ひとりの女性が編集助手を志願して訪れてくる。しかし、彼女は盲目だった。レマン湖畔のアトリエと自宅の冬の風景が流れ、自らを見つめるゴダールの生活と内面が画家の自画像のように塗り込められていく…。
> >YouTubeのJLG by Jean Luc Godard (Trailer)
★「シングル・ガール」 監督:ブノワ・ジャコー
※妊娠を機に自立した大人へと力強く踏み出してゆく女性を、ブノワ・ジャコー、ジェローム・ボジュールの脚本、カロリーヌ・シャンプティエの撮影で描いた青春映画。
若い男レミ(ブノワ・マジメル)がいる早朝のカフェに、若い女ヴァレリー(ヴィルジニー・ルドワイヤン)が入ってくる。2人は恋人同士だが、何だか気まずい雰囲気だ。些細な言い争いを繰り返し、やがてヴァレリーは自分が妊娠したことを告げる。当惑するレミに1時間後に会う約束をして、ヴァレリーは仕事に行く。その朝からホテルでルーム・サービスの仕事を始めることになっていたのだ。ヴァレリーは同僚の女性サビーヌ(ヴェラ・ブリオル)から仕事を教わる。そして主任のパトリス(ジャン=クレティヤン・シベルタン=ブラン)に連れられて女性社長サールシ(アラダン・レイベル)に会い契約した。ヴァレリーはルーム・サービスの仕事に戻ってエレヴェーターでホールと客室の間を行ったり来たりする。また疲れて休んでいるところをサビーヌに見られるが…。
> >YouTubeのLa Fille Seule (The Single Girl) Virginie Ledoyen
★「世界で一番好きな人」 監督:アレクサンドル・アルカディ
※プレイボーイの青年小児科医と彼に憧れる難病の少女の交流を、アレクサンドル・アルカディ、オリヴィエ・ダザ、アントワーヌ・ラコンブレの脚本、ロベール・アラズラキの撮影、フィリップ・サルドの音楽で描いたヒューマンなドラマ。
青年医師ステファン(ジャン=ユーグ・アングラード)は父ヴィリエ(クロード・リッシュ)の小児病院で働いていた。優秀で子供にも優しいが、女好きの彼は軽薄な生活を送っていた。ある日の深夜、彼の家の前にエヴァ(ジュリア・マリヴァル)という少女が座っていた。彼は家に泊めてやるが、彼女にさんざん振り回される。実は彼女は幼いころから脳動脈瘤を患っていて危険な状態だった。情緒の不安定なエヴァはステファンに診てもらわなくては嫌だと騒いで病院を脱走する。ステファンは父や同僚の反対を押し切って彼女を家に置いてやる。彼は、ピアノの才能に恵まれ、感受性豊かで愛らしいエヴァの人生を守る手段を模索する。昔病院にいたアルノー(ジャン=フランソワ・ステヴナン)の提唱した治療法なら、エヴァは視力を失わないで済むかもしれないが…。
> >YouTubeのDis moi oui
★「とまどい」 監督:クロード・ソーテ
※初老の男性と若く美しい人妻のほのかな恋心を、クロード・ソーテ、ジャック・フィエスキの脚本、ジャン=フランソワ・ロバンの撮影、フィリップ・サルドの音楽で描いた仏・伊・独合作のメロドラマ。
失業中の夫ジェローム(シャルル・ベルラン)を抱えてパートで家計を支えているネリー(エマニュエル・ベアール)は、親友ジャクリーヌに初老の紳士アルノー(ミシェル・セロー)を紹介される。アルノーは植民地で判事を勤めた後、実業界に転身した人物だった。ネリーが経済的な問題を抱えている事を察したアルノーは、会ったばかりの彼女に対して即座に資金提供を申し出ると同時に、彼が執筆中の自伝のタイピストとして働くことを提案した。ネリーは夫にこの話をするが、彼は特に咎めなかった。ネリーは夫と別れる決心をし、やがて2人は仕事を進めていく内に、年齢差にもかかわらず互いに惹かれ合うものを感じるようになっていくが…。
> >YouTubeのNELLY ET MONSIEUR ARNAUD - CLAUDE SAUTET - SERRAULT - BEART
★「パリでかくれんぼ」 監督:ジャック・リヴェット
※夏休みのパリを舞台に3人の女の子それぞれの冒険を、ロランス・コート、マリアンヌ・ドニクール、ナタリー・リシャール、パスカル・ボニツェール、クリスティーヌ・ローラン、ジャック・リヴェットの脚本、クリストフ・ポロックの撮影、フランソワ・ブレアンの音楽で描いたミュージカル・コメディ。
ニノン(ナタリー・リシャール)は、恐喝騒ぎから相手を刺してしまうが、足を洗ってバイク宅配便に転職した。ルイーズ(マリアンヌ・ドニクール)は、事故での昏睡状態から五年ぶりに覚め、叔母から相続した家に移り住む。そしてそこで叔母の知人だった舞台装飾家ロラン(アンドレ・マルコン)と出会った。イダ(ロランス・コート)は、装飾美術博物館図書室に勤めながら、母親を探している。ニノンの勧めるバイク宅配便の隣がロランのアトリエで、やがてニノンはロランと付き合うようになる。ルイーズはホテルのドアに差し込まれた名刺を手掛かりに、会員制クラブ・バックステージを訪れる。クラブではエンゾ・エンゾの歌に合わせてニノンとロランが踊っている。ニノンがふと気づくと、ロランの相手はいつのまにかルイーズに変わっていて…。
> >YouTubeのRivette goes musical: Haut Bas Fragile
★「パリのレストラン」 監督:ローラン・ベネギ
※閉店するパリの小さなレストランの最後の晩餐会に集まった人々のそれぞれの人生を、ローラン・ベネギ、ミシェル・フィールド、オリヴィエ・ダニエルの脚本、リュック・パジェスの撮影、 アンジェリーク&ジャン=クロード・ナションの音楽で描いた群像劇。
パリの小さなレストラン、小マルギュリー亭は、店を売り払って閉店することになった。シェフのイポリット(ミシェル・オーモン)は妻ジョゼフィーヌ(ステファーヌ・オードラン)と共に、最後の晩餐会を準備する。招待客は、作家で父に複雑な感情を持つ息子バルナベ(ジャック・ガンブラン)とその妻マリア(アニェス・オバディア)、それと気のおけない若い仲間達だった。夫妻は1960年、このレストランを始めた頃のことを回想する。客たちもまた、このレストランでの思い出を語り始める…。
> >YouTubeのAu petit Marguery