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1990年代

1995年の主要な映画(dvd)14

1995年の主要な映画(dvd)14

■ヨーロッパ他の映画

◆オランダ映画

★「さまよえる人々」 監督:ヨス・ステリング
※スペイン帝国の支配下にあった16世紀末のオランダでの三世代の家族の絆と男女の愛を ハンス・ヒーセン、ヨス・ステリングの脚本、ゴート・ギルターユの撮影、ニコラ・ピオヴァーニの音楽で描いた蘭・独・ベルギー合作の歴史ドラマ。
16世紀、スペイン帝国支配下のオランダでは、スペインの圧政とカソリックの偶像崇拝に反抗し、民衆は教会や修道院を攻撃して多くの彫像を破壊していた。反乱を鎮圧するため、地元の領主やスペインは各地に審問官を配置して恐怖支配を敷いていた。1568年、フランドルの農村でイタリア人の吟遊詩人カンパネリ(ニーノ・マンフレディ)は、反逆者が残していった像の下から助け出された奇妙な男(レネ・グルーゾフ)と、農園主ネトルネック(ウィリー・ヴァンダーミューレン)の妻(イングリッド・デ・ヴォス)が関係してしまうのを目撃する。カンパネリは男の持っていた金の聖像を目当てに男を助けようとするが、男はネトルネックに撃たれ、自分はオランダから来たと言って息絶えた。翌年、ネトルネックの妻は男の子を産んで死ぬが、子供はダッチマンと呼ばれ…。

◆スペイン映画

★「フラメンコ」 監督:カルロス・サウラ
※演出を加えずフラメンコそのものを、ヴィットリオ・ストラーロの撮影、イシドロ・ムニョスの音楽で作成した全二十幕のドキュメンタリー。
白か黒の衣裳を着けたダンサーを、駅の廃屋に建てた白い布だけのセットに配して様々な光源を用いた照明の下で古典からモダンまでフラメンコの舞踊の20の形式が魔術のような映像で披露される。出演はフラメンコ・ギターの第一人者パコ・デ・ルシアや若手ダンサーのホアキン・コルテス、メルチェ・エスメラルダ、マリア・パヘス、マノロ・サンルーカら現代最高のフラメンコの踊り手、歌手、ギタリストたち。
> YouTubeのCarlos Saura - Flamenco

★「私の秘密の花」 監督:ペドロ・アルモドバル
※女流作家が故郷と母親の言葉に癒されて自分を取り戻すまでを、ペドロ・アルモドバルの脚本、ホセ・サルセドの撮影、アルベルト・イグレシアスの音楽で描いたスペイン・仏合作のドラマ。
マドリッドに住むレオ(マリサ・パレデス)は、アマンダ・グリスというペンネームでロマンス小説を書いているが、これは熱愛する夫パコ(イマノル・アリアス)も知らなかった。軍人のパコは留守がちで、レオの寂しさと不安は募る。彼女はパコが買ってくれたブーツを履いてタイプライターを叩いていた時にブーツが脱げなくなってパニックになる。レオは親友の心理カウンセラー、ベティ(カルメン・エリアス)に助けを求める。ベティは、レオの気分を変えさせようと新聞社の知人を紹介する。緊張の面持ちでエル・パイス紙の編集者アンヘル(ファン・エチャノベ)を訪ねるが、彼はレオにひと目惚れしてしまう。アマンダ・グリスの大ファンである彼は、さっそくアマンダについての文芸批評をレオに依頼する。正体を隠したまま、レオはアマンダを否定する記事を書くが…。
> YouTubeのALMODOVAR - THE FLOWER OF MY SECRET - LA FLOR DE MI SECRETO

◆ポルトガル映画

★「メフィストの誘い」 監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
※ゲーテの「ファウスト」を下敷きに悪魔が生身の女に溺れていく姿を、オリヴェイラ監督の脚本、マリオ・バロッソの撮影で描いた仏・ポルトガル合作映画。
アメリカ人の文学教授マイケル(ジョン・マルコヴィッチ)がフランス人の妻ヘレン(カトリーヌ・ドヌーヴ)を連れて、シェイクスピアの出生の秘密を明らかにする古文書を調査するためポルトガルの山中にある古い修道院を訪ねる。管理人バルタール(ルイス・ミゲル・シントラ)が夫妻を迎え、老小使いのバルタザール(ドゥアルテ・ダルメーダ)に修道院の山を案内させる。敬虔なカトリックを装うバルタザールと妻でメイドのベルタ(エロイサ・ミランダ)は、白魔術の伝承者だった。不吉さの漂う修道院で元々冷めていた教授夫妻の仲はいよいよ疎遠になり、バルタールはヘレンに言い寄って悪魔崇拝の遺跡を見せ、教授にはファウストを説き伏せるメフィストフェレスの如く知識の力で永遠の命を手にするよう誘惑するが…。
> YouTubeのO convento (the jurassic forest)

◆ギリシャ映画

★「ユリシーズの瞳(テオ・アンゲロプロス全集 DVD-BOX II所収)」 監督:テオ・アンゲロプロス
※行方知れずのギリシャ最古の映画フィルムを探して動乱のバルカン半島を彷徨する映画監督の旅を、テオ・アンゲロプロス、トニーノ・グエッラ、ペトロス・マルカリスの脚本、ジョルゴス・アルヴァニティスの撮影、エレニ・カラインドロウの音楽で描いた仏・伊・ギリシャ合作映画で、カンヌ国際映画祭グランプリ(審査員特別大賞)・国際映画批評家協会賞を受賞。
アメリカの映画監督A(ハーヴェイ・カイテル)が、故郷のギリシャでの回顧上映と、バルカン半島最初の映画作家マナキス兄弟の映画を作るために帰国した。彼の作品はギリシャ正教正当派の勢力が強い北部で物議を醸す。彼はマナキス兄弟が未現像のまま遺したという3巻のフィルムを探して旅に出る。彼はタクシーでアルバニアからに旧ユーゴのマケドニアへ向かうが、モナスティルにはマナキス兄弟の博物館があった。彼はそこで職員の女(マヤ・モルゲンステルン)に、マナキス兄弟のフィルムのことを尋ねるが、女は答えない。首都スコピエに向かう列車の中で、彼は乗り合わせた彼女に憑かれたようにフィルムのことを語る。二人は激しく求めあう。ブルガリア国境で検問を受け、下車した彼に第二次大戦中に死刑になりかけたヤナキス兄弟の記憶がとりつく…。
> YouTubeのTheodoros Angelopoulos-Ulysses' Gaze (To vlemma tou Odyssea)-1995 Trailer

◆スウェーデン映画

★「あこがれ美しく燃え」 監督:ボー・ウィデルベルイ
※中学生と女教師の泥沼の恋を、ウィデルベルイ監督の脚本、モルテン・ブラウスの撮影で描いたスウェーデン・デンマーク合作映画。
大戦下の1943年、中立国スウェーデン、15歳の中学生スティーグ(ユーハン・ヴィーテルリベ)のクラスに臨時教師ヴィオーラ(マーリカ・ラーゲンクランツ)が赴任してきた。彼はたちまち美しい彼女に夢中になる。そんな彼のあこがれは水兵でボクサーの兄シッゲ(ビョーン・シェルマン)だった。ある日の放課後、スティーグはふとしたことでヴィオーラのふくらはぎに触れ、これがきっかけで二人は意識し合うようになる。スティーグは彼女の自宅を訪ねて二人は愛し合う。ヴィオーラの夫フランク(トーマス・フォン・ブレムセン)の目を盗んで二人は逢瀬を重ねるが、フランクはスティーグと鉢合わせしても彼をとがめなかった。そればかりか二人の間に奇妙な友情が芽生え…。
> YouTubeのあこがれ美しく燃え 予告編

◆ハンガリー映画

★「カフェ・ブダペスト」 監督:フェケテ・イボヤ
※社会主義体制崩壊直後のブダペストで西を目指すロシア青年と西から来た女達を、イボヤ監督の脚本、サライ・アンドラーシュの撮影、ユーリー・フォミチェフの音楽で描いたハンガリー・独合作の群像劇。
ロシア人ミュージシャンのユーリ(ユーリ・フォミチェフ)とワジム(イーゴリ・チェルニエヴィッチ)は、自由な世界に憧れ、“西"を目指すべくブダペストを訪れた。二人は英国人のマギー(ヘレン・バクセンデール)とアメリカ人のスーザン(キャロリン・リンケ)と知り合う。言葉はほとんど通じないが、ユーリはマギーと、スーザンはワジムといい仲になる。そして同じロシアから来た元機械工セルゲイ(アレクセイ・ルブリョフ)らと自由市場にある行きつけのカフェ・ボルシェ・ヴイータで語らい、自由を謳歌する。だが幸せは長くは続かず、やがて気持ちのすれ違いが生まれ、セルゲイは挫折の末に死ぬ。ワジムはひとりブダペストに残り、ユーリはマギーと英国で新生活を始めた。
> YouTubeのFekete Ibolya - Bolse vita / Ibolya Fekete - Bolshe Vita (1996)

◆スロヴァキア映画

★「ガーデン」 監督:マルティン・シュリーク
※現実に疲れた男と不思議な少女との交流を、シュリーク監督とオンドゥレイ・スライの脚本、マルティン・ストルバの撮影、ウラジミール・ゴダールの音楽で描いたスロヴァキア・仏合作映画。
30歳のヤクプ(ロマン・ルクナール)は10年間教師を続けているが、仕事もうまくいかず、いまだに父親(マリアン・ラブダ)と同居している。休暇中に、仕立屋の父のもとを、ヤクブの情事の相手でもある得意客のテレサ夫人が訪ねてくる。二人は父の隙をうかがってヤクプの部屋へと上がり込むが、父に見つかってしまい、前々からいつまでも自立しない息子に苛立っていた父親は、家を出ていくようにと言い渡す。ヤクプはしばらくやり過ごすために、亡くなった祖父の古びた屋敷へと出かけると、そこで不思議な美しい少女へレナ(スザナ・スラヨヴァー)に出会い…。
> YouTubeのZahrada

◆オーストラリア映画

★「シャイン」 監督:スコット・ヒックス
※精神を病みながらそれを乗り越えて復帰した実在のピアニストの半生を、ジャン・サーディの脚本、ジェフリー・シンプソンの撮影、デヴィッド・ハーシュフェルダーの音楽で描いたヒューマンドラマ。
デヴィッド・ヘルフゴッド(アレックス・ラファロヴィッツ=ノア・テイラー=ジェフリー・ラッシュ)は、音楽家になれなかった父親ピーター(アーミン・ミューラー=スタール)からピアノの英才教育を受け、天才少年として評判になった。だがデヴィッドの留学話が出ると、父は暴力的に拒否する。デイヴィッドは年齢を越えて友情を育んだ作家プリチャード(グーギー・ウィザーズ)の励ましで、ついに家を出る。留学先のロンドンで彼はパーカー(ジョン・ギールグッド)に師事する。パーカーは彼をわが子のように愛し、鍛えた。彼はコンクールでの演奏曲に、子供の頃から父にいつか弾きこなすよう言われていたラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を選ぶ。猛特訓でこの難曲を完璧に演奏したデイヴィッドだがその直後、あまりのストレスに発狂し…。
> YouTubeのTrailer Shine -1996-

★「ベイブ」 監督:クリス・ヌーナン
※立派な牧羊豚になることを夢見る無垢な子ブタの活躍を描いたイギリスの童話作家ディック・キング=スミスの「ベイブ―小さな子ブタの大活躍」を、ジョージ・ミラー、ヌーナン監督の脚本、アンドリュー・レスニーの撮影、ナイジェル・ウェストレイクの音楽、ジム・ヘンソンズ・クリーチャー・ショップの特撮で描いた動物映画。
子ブタのベイブ(声:クリスティーン・カヴァナー)は、収穫祭の賞品として農場主アーサー・ハゴット(ジェームズ・クロムウェル)に引き取られた。牧羊犬の母犬フライ(声:ミリアム・マーゴリーズ)はベイブに農場のルールを教えた上、自分の子供たちと同じようにベイブを育てた。ある日、牧場に羊泥棒が現れ、ベイブは主人にそれを知らせたことから、アーサーはベイブに牧羊犬の仕事をさせようとする。ベイブは犬を真似て威嚇するが羊達は言うことを聞かない。だが、老羊メー(声:ミリアム・フリン)のアドバイスで素直にお願いすると羊たちは静かに整列した。これにはアーサーも大満足だが、父犬レック(声:ヒューゴ・ウィーヴィング)は牧羊犬としてのプライドを傷つけられて怒り狂う。アーサーは牧羊犬コンテストにベイブを出場させようとするが…。
> YouTubeのBabe Movie Trailer


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