■アカデミー賞
★作品賞:風と共に去りぬ(ビクター・フレミング)
※製作者セルズニックが、超人的な情熱と巨額の製作費を投じて完成した。名作が多い39年作品の中でも、ひときわ目立つ存在のエポックメーキングな大作。
★監督賞:ビクター・フレミング「風と共に去りぬ」
★主演男優賞:ロバート・ドーナット「チップス先生さようなら」
※全寮制の学校に赴任してきた堅物教師チップス先生が、結婚をきっかけに柔軟になり生徒達に慕われていく様を描いた心温まる作品。
★主演女優賞:ビビアン・リー「風と共に去りぬ」
★助演男優賞:トーマス・ミチェル「駅馬車」
※1880年代のアメリカ西部を舞台に、さまざまな人物を乗せ、アリゾナからニューメキシコへと向かう一台の駅馬車の姿を描くジョン・フォードの傑作西部劇。
★助演女優賞:ハティ・マクダニエル「風と共に去りぬ」
■ベネチア映画祭
作品賞:Abuna Messias(ゴッフレッド・アレッサンドリーニ)
総合賞:
☆土(内田吐夢)
☆兄とその妹(島津保次郎)
☆旅路の果て(ジュリアン・ジュビビエ)
※南仏にある、老俳優たちの養老院を舞台に、さまざまな境遇の老人たちの失望や絶望的な姿を、見応えのあるドラマ構成で描く。日本では検問に引っかかり10年もの間お蔵入りにされていた。
★この年の主要な作品
◆スミス都へ行く 監督:フランク・キャプラ
※腐敗した政治の世界にたった一人で抵抗する男の姿を通してアメリカン・スピリットを感動的に描く。後半延々と続くスミスの弁論シーンには、現実離れしていると思いつつ心打たれる。
◆オズの魔法使 監督:ビクター・フレミング
※ 愛犬と一緒に竜巻に巻き上げられ、魔法の国へと迷い込んでしまった少女ドロシーが、かかしやブリキの人形らと繰り広げる冒険の旅。アカデミー賞作曲・主題歌賞&特別賞を受賞の、映画史上に残るミュージカル・ファンタジー。
◆嵐が丘 監督:ウイリアム・ワイラー
※「嵐が丘」と呼ばれる古い館。そこに養子として引き取られたジプシーの血を引く野生児ヒースクリフは、館の娘キャシーと恋に落ちる。愛は身分を越えるはずだったが・・・愛と復讐のドラマ。
◆ニノチカ 監督:エルンスト・ルビッチ
※シリアスな役から一転、「ガルボ、笑う」と大注目を集めたコメディ!
◆ゲームの規則 監督:ジャン・ルノワール
※公爵夫人とその夫の催すパーティに大勢の名士が集まったが、公爵夫人の不倫相手の姿もあり…。波乱のパーティーの模様を追う群像劇。
◆別離 監督:グレゴリー・ラトフ
※イングリッド・バーグマンの渡米第1作目となる恋愛ドラマ。ピアノ教師・アニタは、教え子の父から想いを寄せられるが、妻子ある彼の苦悩を察知し、自ら身を引く。