■アカデミー賞
★作品賞:我が道を往く(レオ・マッケリー)
※N.Y.の下町にある貧乏教会にやって来た若い神父オマリー(ビング・クロスビー)が、老神父(バリー・フィッツジェラルド)を励ましながら教会再建を目指す。
★監督賞:レオ・マッケリー「我が道を往く」
★主演男優賞:ビング・クロスビー「我が道を往く」
★主演女優賞:イングリッド・バーグマン「ガス燈」
※19世紀末のロンドン。叔母の遺産を相続したポーラは、音楽家(シャルル・ボワイエ)と結婚し、死んだ叔母の家で新生活を始める。しかし、そんな彼女に次々と奇妙な現象が起こり始め…。執拗に10年前の事件を追いかけていた刑事にジョセフ・コットン。監督はジョージ・キューカー。
★助演男優賞:バリー・フィッツジェラルド「我が道を往く」
★助演女優賞:エセル・バリモア「None But the Lonely Heart」
■ベネチア映画祭:第二次世界大戦のため中止
★この年の主要な作品
◆深夜の告白 監督:ビリー・ワイルダー
※保険金目的に夫を殺した妻(バーバラ・スタンウィック)と共犯の保険勧誘員(フレッド・マクマレイ)。感情を抑えたクールな映像が効果的。
◆毒薬と老嬢 監督:フランク・キャプラ
※やさしいけれども、気の触れたこの老嬢たちは、孤独な異性の老人を楽にしてあげたいと、部屋を貸すといって誘い込み・・・。そして結婚報告にやって来た甥(ケーリー・グラント)は偶然伯母達の部屋で死体を発見してしまう。
◆ローラ殺人事件 監督:オットー・プレミンジャー
※デザイナーのローラ(ジーン・ティアニー)がマンションで死体となって発見された。容疑者は婚約者、叔母、コラムニストの3人。そして、この事件を担当する刑事(ダナ・アンドリュース)の前に死んだはずのローラが現れる。
◆救命艇 監督:アルフレッド・ヒッチコック
※ジョン・スタインベックの草稿をもとに、ボートのセットひとつと、8人の登場人物だけで97分の映画を創り上げた、実験精神あふれる傑作。日本未公開。
◆ならず者 監督:ハワード・ヒューズ
※『アビエイター』のハワード・ヒューズが監督を手掛けたウエスタン。盗まれた馬を探すドク・ホリディ。旧友のパット・ギャレットの協力で馬を発見するが、馬は若き無法者、ビリー・ザ・キッドの手に渡っていた。
◆イワン雷帝 監督:セルゲイ・エイゼンシュテイン
※ロシア史上初めて皇帝を名乗ったイワン四世の国家統一の道程を描いた歴史スペクタクル。絵画的な構図など芸術面が評価される一方、スターリン政権批判とされ12年間上映禁止となった。
◆脱出 監督:ハワード・ホークス
※ハンフリー・ボガートが本作がデビューのローレン・バコールと共演。ナチス支配下のフランスを舞台に、ボート貸し出し業のアメリカ人ハリーが、絶えないナチスの横暴な振る舞いに立ち向かっていく。