■アカデミー賞
★作品賞:我等の生涯の最良の年
※それぞれ境遇の異なる三人の復員兵を迎えた恋人と家族。戦勝国アメリカに深く残った戦争の傷跡に真正面から取り組んだ。
★監督賞:ウイリアム・ワイラー「我等の生涯の最良の年」
★主演男優賞:フレドリック・マーチ「我等の生涯の最良の年」
★主演女優賞:オリビア・デ・ハビランド「遥かなる我が子」
★助演男優賞:ハロルド・ラッセル「我等の生涯の最良の年」
★助演女優賞:アン・バクスター「剃刀の刃
■ベネチア映画祭
★作品賞:9作に国際同等賞
☆南部の人
※綿花を栽培する小作農民が土地を借り、妻と力を合わせて泥まみれになりながら開墾に精を出す。アメリカ南部に住む貧農の生活を絵画的自然主義で描く。
☆天井桟敷の人々
※19世紀のフランスを舞台に、パントマイム役者を巡る人々の波乱の人生を描いた名作。アルレッティ、ジャン=ルイ・バロー、マルセル・エランほか出演。
■カンヌ映画祭
★パルムドール:
☆逢びき
※ローラ(シリア・ジョンスン)が買い物で近くの町へ出かけた時、アレック(トレヴァー・ハワード)という男性に出逢う。そして優しい彼に彼女は次第に惹かれていき…。抑制された愛の姿が気高く美しい。
☆無防備都市
※第二次大戦末期のローマを舞台に、ナチスに果敢に立ち向かっていく男たちの悲惨な末路を描く。ドキュメント・タッチによる映像のリアリティは究極の迫真性を帯びている。
☆田園交響楽(仏)、失われた週末(米)、地球は赤くなる(デンマーク)、下の街(印)、白き処女地(メキシコ)、試練(スウェデン)、最後のチャンス(スイス)翼の無い男たち(チェコ)、決定的な曲がり角(ソ連)
★監督賞:ルネ・クレマン「鉄路の闘い
※第二次大戦下のフランスの地方駅。軍用列車で武器や人員を補強しようとするドイツ軍に対して、フランス鉄道員がその運行を阻もうとする抵抗運動をドキュメンタリータッチで描く。
★主演男優賞:レイ・ミランド「失われた週末」
★主演女優賞:ミッシェル・モルガン「田園交響楽」
★この年の主要な作品
◆ギルダ
※リタ・ヘイワースとグレン・フォード共演によるハードボイルドサスペンス。ブエノスアイレスに流れ着いたジョニーは、カジノでのイカサマがばれ殺されかけたところを、カジノのオーナーに救われるが…。リタのグローブ・ストリップは圧巻。
◆汚名
※リオデジャネイロで、逃亡中のナチ戦犯を追い続けるFBI捜査官デブリン(ケーリー・グラント)。彼がスパイの汚名を着せられた父を持つアリシア(イングリッド・バーグマン)と繰り広げる、危険な恋の行方を描く。
◆荒野の決闘
※ワイアット・アープ(ヘンリー・フォンダ)は荒野の町トゥームストーンで保安官となり弟を殺した犯人を探す。そして、ドック・ホリデイ(ビクター・マチュア)の協力を得てならず者のクラントン一家との対決の時を迎える。またクレメンタイン(キャシー・ダウンズ)との別れのラストシーンの余韻。
◆白昼の決闘
※舞台は南北戦争終結後のテキサス。大牧場主のもとに引き取られたインディアンとの混血娘パール(ジェニファー・ジョーンズ)を巡る兄弟の愛と確執を中心に、夫婦、親子の対立、鉄道利権などの争いをビッグスケールで描く。グレゴリー・ペック,ジョセフ・コットン, ライオネル・バリモア。
◆美女と野獣
※野獣が孤独に暮らす森のなかの屋敷に迷いこんだ商人。野獣(ジャン・マレー)のお気に入りのバラを折ってしまった彼は、身代わりに娘ベル(ジョゼット・デイ)を差し出せと迫られる。ベルは自ら森の屋敷に赴き、野獣の心に優しさを見つけるが…。
◆海の牙
※潜水艦内という閉鎖された空間での、人間の心理的葛藤をドキュメンタリータッチで描く。密命を受けたドイツ軍の潜水艦・Uボートが南米に向け出港。しかし、スパイの裏切りにより南米への上陸に失敗してしまう。そこにドイツ敗戦の知らせが入り…。
◆邪魔者は殺せ(けせ)
出演:ジェームズ・メイスン, ロバート・ニュートン, キャスリーン・ライアン
※アイルランドを舞台に、政治資金の強奪中に重傷を負って警察に追われる身となった青年と、彼をかばう仲間たちの姿を描く。冒頭の逃走場面でのカメラワークは見もの!