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1970年代

1972年の映画(DVD)

1972年の映画(DVD)

アカデミー賞

★特別賞:チャールズ・チャップリン
 受賞理由は「映画への偉大な貢献」
※実に20年ぶりにハリウドを訪れ、受賞式場に現れたチャップリンは、万雷の拍手に迎えられ、ジャック・レモンからオスカーを受け取った。

★作品賞:「ゴッドファーザー」監督:フランシス・F・コッポラ
※47年、ニューヨークでマフィアの抗争が激化し、敵対するファミリーにドン・ヴィトー(マーロン・ブランド)を襲われたコルレオーネ・ファミリーでは、長男ソニー(ジェームズ・カーン)と三男マイケル(アル・パチーノ)の兄弟が戦いの中心となる。マリオ・プーゾのベストセラー小説の映画化で、フランシス・フォード・コッポラ監督の名を一躍有名にした傑作。静かなタッチのなかに展開する凄惨な抗争描写は以後のバイオレンス作品の手本となった。他にロバート・デュヴァル、ダイアン・キートン、ジョン・カザールら。コッポラ監督の妹タリア・シャイアがコニー・コルレオーネで、母イリアも電話交換手で出演。

★監督賞:ボブ・フォッシーキャバレー
※ナチスが台頭してきた頃のベルリンのキャバレーを舞台に様々な人間模様を描いたデカダン・ミュージカル映画の傑作。キャバレー歌手サリー(ライザ・ミネリ)の下宿に越してきたイギリス人青年ブライアン(マイケル・ヨーク)、ふたりの仲に介入していくバイセクシュアルの貴族(ヘルムート・グレーム)、そしてキャバレーの司会者(ジョエル・グレイ)。映画はやがてファシズムを支える要素が、政治への無関心そのものであることまで浮き彫りにしていく。アカデミー賞8部門制覇。

★主演男優賞:マーロン・ブランド「ゴッドファーザー」
マーロン・ブランドはトラブルメーカーで、その扱いにくさから「ゴッドファーザー」に出演するまでは落ち目の俳優と見られていた。しかし、圧倒的なカリスマ性と演技力を併せ持ち、今や現代映画界最高の俳優となったアル・パチーノ、ロバート・デ・ニーロなどからも尊敬される戦後を代表する伝説的名優である。又、人種差別問題には早くから積極的に関わり、アパルトヘイトを扱った『白く乾いた季節』には4000ドル(反アパルトヘイト団体へ寄付)で、ネイティブアメリカンの問題をテーマにしたジョニー・デップ監督作『ブレイブ』には無償で出演している。

★主演女優賞:ライザ・ミネリ「キャバレー」
※偉大なエンターテイナーだった母のジュディ・ガーランドも手にできなかったアカデミー賞主演女優賞。授賞式でライザは「ママ、ありがとう」と言って大粒の涙を流した。

★助演男優賞:ジョエル・グレイ「キャバレー」
※ジョエル・グレイは舞台からそのまま映画に出演した。ヨーロッパのキャバレーは、日本のキャバレーとは全く別物で唄や踊りなど、芸人が芸を披露する酒場だ。ディートリッヒの「嘆きの天使」の酒場『嘆きの天使』もハンブルグのキャバレーだったが、出演していたピエロは、ジョエル・グレイそっくりだった。キャバレー文化はこの映画の時代である第二次大戦前夜、ベルリンで頂点を迎える。

★助演女優賞:アイリーン・ヘッカート「バタフライはフリー」


ベネチア映画祭
※公式受賞作品の選出なし


カンヌ映画祭

★パルムドール:
☆「黒い砂漠」監督:フランチェスコ・ロージ

☆「労働者階級は天国に入る」監督:エリオ・ペトリ

★監督賞:ヤンチャ・ミクローシャ「赤い詩編」

★主演男優賞:ジャン・ヤンヌ「われわれは一緒に年をとらない」

★主演女優賞:スザンナ・ヨークイメージズ
※原作はこの映画で主演し、精神を患った人妻を熱演したスザンナ・ヨークの『ユニコーンを探して』。脚本・監督がロバート・アルトマン
自分の夫が浮気していると謎の女からの執拗な電話を受けるキャシー(スザンナ・ヨーク)。事実無根だとする夫と共に田舎で静養を始めるが、現実とも幻覚ともつかない出来事に翻弄され、徐々に正気を失っていく。
アイルランドの美しい自然と、アルトマンのズーム撮影が煽る不安のアンバランスが見どころとなっている。音楽に日本の打楽器奏者ツトム・ヤマシタジョン・ウィリアムス

★審査員特別賞:「惑星ソラリス」(ソ連)
※旧ソ連の伝説的な映画監督、アンドレイ・タルコフスキースタニスラフ・レフの小説「ソラリスの陽のもとに」を映画化したスタンリー・キューブリックの『2001年宇宙の旅』(1968)と比肩されるSF映画の傑作。人間の潜在意識を実体化させる「海」がある惑星ソラリスに赴任した心理学者クリス(ドナタス・バニオニス)は亡妻ハリー(ナタリヤ・ボンダルチュク)の幻影に心を惑わせる。従来のSF映画をはるかに超えた感動的で奇異な記憶や故郷に対する幻想が描かれ、多くのファンを今なお魅了し続けているカルト的映画。なお、原作にはない未来都市のシーンは東京で撮影され、1972年夏、タルコフスキーはロケ撮影のため来日した。東洋哲学わけても日本の中世思想に共感を示したタルコフスキーだが、この来日が最初にして最後となった。

★国際批評家賞:Avoir 2Oans Dans Les Aures(仏)


★この年の主要な作品

◆「ラストタンゴ・イン・パリ」 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
※冬のパリ。中年男のポール(マーロン・ブランド)は、アパートの空き部屋で偶然出会った若い娘ジャンヌ(マリア・シュナイダー)をいきなり犯す。だが2人は何事もなかったかのように別れる。ジャンヌには婚約者がいた。一方、ポールは妻が自殺したばかりで人生に絶望していた。2人はその後もアパートの空き部屋で会い続ける。大胆なセックスシーンで世界中にセンセーションを巻き起こし、イタリアでは上映禁止になった。後にベルトルッチ監督は、「マーロンとマリアはまことの大胆だった。いちばん内気だったのは私だった。」と語っている。

◆「ポセイドン・アドベンチャー」 監督:ロナルド・ニーム
※洋上で大晦日から元旦を迎えた豪華客船ポセイドン号が様々な人々の人生を乗せてアテネに向かっていた。その時海底地震が発生し、数分後船は大津波によって転覆。阿鼻叫喚の船内で、今や天井となった船底まで行けば安全であると唱える一行が、地獄の冒険を繰り広げる。次々と命を失う者が出る中、主人公スコット牧師(ジーン・ハックマン)が神の意義と人間の尊厳を問いかける。他にアーネスト・ボーグナイン、レッド・バトンズ、キャロル・リンレー、ロディ・マクドウォール、ステラ・スティーブンス、シェリー・ウィンタース、レスリー・ニールセン

◆「ゲッタウェイ」 監督:サム・ペキンパー
※銀行強盗のマッコイ(スティーブ・マックイーン)は仲違いからボスを殺し、組織から終われる。彼が妻(アリ・マッグロー)とともにメキシコに向かって逃げるが…。

◆「バラキ」 監督:テレンス・ヤング
※ マフィアの準幹部ジョゼフ・バラキ(チャールズ・ブロンソン)は、組織に欺かれて殺されかけたことから、FBIに組織の内情をぶちまけはじめる。そして彼は、いかにニューヨーク5大ファミリーの抗争劇に関わっていったのか。影の政府と呼ばれる巨大組織、マフィアの世界をドキュメンタリータッチで描いた作品。

◆「候補者ビル・マッケイ」 監督:マイケル・リッチー
※カリフォルニア州の上院議員に立候補した若き弁護士ビル・マッケイ(ロバート・レッドフォード」は、選挙運動の裏側を知り、抱いていた理想とのギャップに悩まされるが、やがて選挙参謀の命ずるままに行動する、完全な操り人形になってしまう。他の出演者は、ピーター・ボイル、メルビン・ダグラス、ナタリー・ウッド、ドン・ポーター、カレン・カールソン。
アカデミーオリジナル脚本賞(ジェレミー・ラーナー)受賞。音響賞ノミネート。

◆「脱出」 監督:ジョン・ブアマン
※ダム建設で自然破壊が進むアメリカ、ジョージア州の渓谷にカヌーを楽しみに来た4人の都会人たちが遭遇する戦慄の物語。同じ年に公開された「ゴッドファーザー」、スタンリー・キューブリック監督の「時計じかけのオレンジ」、ドン・シーゲル監督の「ダーティハリー」、サム・ペキンパー監督「わらの犬」、ウィリアム・フリードキン監督の「フレンチ・コネクション」と並ぶヴァイオレンスをテーマにした映画史に残る傑作。

◆「ルードウィヒ 神々の黄昏」 監督:ルキノ・ヴィスコンティ
※19歳でバイエルン国王となったルードウィヒU世(ヘルムート・バーガー)は、ノイシュヴァンシュタイン城などの築城と作曲家ワーグナー(トレヴァー・ハワード)に心酔し、巨大な国費を注ぎ込んだ。彼が思いを寄せる従姉のオーストリア皇女エリザベート(ロミー・シュナイダー)は、妹ソフィーとの婚約を勧め彼も同意するが、エリザベートへの思いが絶ちがたく婚約は破棄される。1886年、オーストリアとの闘いに敗れ、ワグナーにも裏切られたルードウィヒは孤独のどん底に突き落とされていく。
地獄に堕ちた勇者ども」、「ベニスに死す」に続く、ビスコンティのドイツ三部を締めくくる作品。病に倒れながらも執念で撮り上げたビスコンティの気迫がみなぎっている。ワーグナーの妻コジマにシルヴァーナ・マンガーノ

◆「ミツバチのささやき」 監督:ビクトル・エリセ
※舞台は40年代、スペイン内戦後の小さな村に、希望と夢を乗せて1本の映画がやってきた。それは「フランケンシュタイン」。すっかり映画に魅せられた少女アナ(アナ・トレント)は、フランケンシュタインを探す冒険に出る。アナ・トレントの純真無垢で好奇心にあふれる瞳が印象的。映像詩人ビクトル・エリセの処女作。

◆「ブルジョワジーの密かな愉しみ」 監督:ルイス・ブニュエル
※登場人物のブルジョワたちが何としても食事にありつけないという着想だけで作り上げた空前絶後のブラックコメディー。登場人物が唐突に語り始める奇談が、オムニバス映画のように映画の途中に挿入しているのも既成概念に囚われないブニュエルらしい演出である。アカデミー賞外国語映画賞を受賞した。フェルナンド・レイ、デルフィーヌ・セイリグ、ステファーヌ・オードランほかの出演。


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