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1970年代

1976年の映画(DVD)

1976年
アカデミー賞
★作品賞:ロッキー(ジョン・G・アビルドセン)
※売れない俳優だったシルヴェスター・スタローンは1975年7月6日、世界ヘビー級タイトルマッチ「モハメド・アリチャック・ウェプナー」の試合をテレビで観戦する。最強のチャンピオンアリに対し、ウェプナーはスタローン同様繰り返す転職の中で日銭を稼いでいた。誰が見ても勝ち目がないウェプナーであったがアリからダウンを奪うなど予想外の善戦をする。アリは勝利こそしたが、対戦後に「二度と対戦したくない」と言ったのである。アリをダウンさせたその瞬間、ウェプナーは偉大なボクサーとなり人々の心に永遠に刻まれると考えたスタローンはこの出来事を基に僅か3日で脚本を書き上げた。また、試合のあった7月6日は、スタローン29歳の誕生日でもあった。
★監督賞:ジョン・G・アビルドセン「ロッキー」
※CM制作をしていたアビルドセンは、監督募集の広告に応募したのがきっかけで映画業界に入った。当初は低予算のB級映画ばかりだったが、『ジョー』(1970年)や『セイブ・ザ・タイガー』(1973年)で注目される。そして『ロッキー』が世界的に大ヒット、一流監督として不動の地位を築いた。シリーズ第5作完結編「ロッキー5」も担当した。
★主演男優賞:ピーター・フィンチネットワーク
シドニー・ルメット監督作。コングロマリットに買収されたTV会社。視聴率がとれないニュースキャスター(ピーター・フィンチ)が降板させられる寸前に「自殺する」と生放送で爆弾発言したことから俄に視聴率があがり、それを巡って「視聴率の鬼」の女企画部長(フェイ・ダナウェイ)、リストラ寸前の報道局長(ウィリアム・ホールデン)、買収されてしまったTV局の社長、コングロマリットの会長(ネッド・ビーティ)等、それぞれの思惑がうずまく。百鬼夜行のテレビ業界を描くシリアスドラマ。ピーター・フィンチはイギリス出身の俳優。ロンドンで生まれたがインド・フランス、それと両親の出身地であるオーストラリアで育つ。受賞の翌1977年、61歳で亡くなっている。他に、フレッド・ジンネマン監督、オードリー・ヘップバーン主演「尼僧物語」、マイケル・パウエル監督の海戦スペクタクル「戦艦シュペー号の最後」、ミハイル・カラトーゾフ監督、ショーン・コネリー, クラウディア・カルディナーレ主演の実際に起きた遭難事故「イタリア号事件」を題材にしたパニック・アドベンチャー「レッド・テント」、ウィリアム・ディターレ監督、エリザベス・テイラー共演のエキゾチックな冒険映画「巨象の道」がある
★主演女優賞:フェイ・ダナウェイネットワーク
※フェイ・ダナウェイは視聴率競争に取りつかれ、成功するためにはいくらでも冷酷になれる気迫のこもったプロデューサーを演じた。他に、アーサー・ペン監督「俺たちに明日はない」、ロマン・ポランスキー監督「チャイナタウン」、ジョン・ギラーミン監督「タワーリング・インフェルノ」、フランコ・ゼフィレッリ監督「チャンプ」、アーサー・ペン監督、ダスティン・ホフマン主演「小さな巨人」、ヴィットリオ・デ・シーカ監督、マルチェロ・マストロヤンニ共演「恋人たちの場所」、シドニー・ポラック監督、ロバート・レッドフォード主演「コンドル」、ジュノー・シュウォーク監督、ヘレン・スレイターがスーパーマンのいとこを演じたアクションSF「スーパーガール」、ケビン・スペイシー初監督作のクライム・サスペンス「アルビノ・アリゲーター」、リュック・ベッソン監督、ミラ・ジョヴォヴィッチ出演「ジャンヌ・ダルク」、マイケル・クリストファー監督、アンジェリーナ・ジョリー主演「ジア 裸のスーパーモデル」がある。
★助演男優賞:ジェーソン・ロバーズ大統領の陰謀
アラン・J・パクラ監督。ウォーターゲート事件を追求し、ニクソン大統領を失脚させたワシントン・ポスト紙の2人の記者、カール・バーンスタイン(ダスティン・ホフマン)とボブ・ウッドワード(ロバート・レッドフォード)の行動を通して、事件の全貌を描く。ジェーソン・ロバーツはワシントン・ポスト紙の主幹ブラッドリーを演じた。
★助演女優賞:ビアトリス・ストレート「ネットワーク」
※ビアトリス・ストレートの他の出演作は、フレッド・ジンネマン監督、オードリー・ヘップバーン主演「尼僧物語」、トビー・フーパー監督「ポルターガイスト」がある。

ベネチア映画祭
※開催中止

カンヌ映画祭
★パルムドール:タクシードライバー 監督:マーティン・スコセッシ
※ニューヨークでタクシードライバーとして働くベトナム帰還兵のトラビス(ロバート・デ・ニーロ)はうっ屈した生活を送っていたが、14歳の売春婦アイリス(ジョディ・フォスター)との出会いなどをきっかけに自分の存在を世間に認めさせようと過激な行動に走り始める。監督のマーティン・スコセッシは、1942年11月17日、ニューヨーク市クイーンズにイタリア移民の子として生まれる。ニューヨーク大学卒業。本作の主演も当初、ジェフ・ブリッジスが有力だったが、スコセッシ監督の要望で前作「ミーン・ストリート」で好演したロバート・デ・ニーロに変更された。他のスコセッシ&デ・ニーロの作品は、「レイジング・ブル」、「グッドフェローズ」、「キング・オブ・コメディ」、「ニューヨーク、ニューヨーク」、「ケープ・フィアー」、「カジノ」などがある。また、アーウィン・ウィンクラー監督のハリウッド赤狩りをテーマにした問題作「真実の瞬間」では共演を果たした。
★監督賞:エットーレ・スコラ「恐ろしく、汚く、意地悪く」
※エットーレ・スコラは、1931年5月10日生まれのイタリア人監督。他に、もうひとつの 「ニュー・シネマ・パラダイス」といわれるマルチェロ・マストロヤンニ、マッシモ・トロイージ、マリナ・ヴラディ主演「スプレンドール」、出兵する息子と老父の心の絆を描いたマルチェロ・マストロヤンニ、マッシモ・トロイージ主演「BARに灯ともる頃」、ローマのリストランテ「アルトゥーロの店」の開店から閉店までに起こる様々なエピソードと人間模様を温かさとユーモアを交えた視点で描いたファニー・アルダン主演
星降る夜のリストランテ」などがある。
★主演男優賞:ホス・ルイス・ゴメス「Pascual Duatte」
★主演女優賞:
マリア・トリシク「デリ夫人あなたは誰ですか」
ドミニク・サンダ沈黙の官能」。原題は「フェッラモンティ家の遺産」監督:マウロ・ボロニーニ
※イレーネ(ドミニク・サンダ)は金持ちに憧れ、大富豪フェラモンティ家の次男と結婚するがそれだけでは満足できず、長男そして義理の父親までもその美貌で虜にし、財産を狙う。ドミニク・サンダは、1948年3月11日パリ生まれ。モデルをしていたが、1968年、ロベール・ブレッソン監督の『やさしい女』でデビュー。『暗殺の森』や『1900年』など、ベルナルド・ベルトルッチ作品で有名。本作出演当時のドミニク・サンダは25歳で、美しさの頂点にあった。
★審査員特別賞:
カラスの飼育 監督:カルロス・サウラ
※両親を失い、叔母の家に引き取られたアナ(アナ・トレント)は、ある夜母(ジェラルディン・チャップリン)の幻影と対話し、思い出と空想と現実の間をさ迷い始める。タイトルの「カラスの飼育」はスペインのことわざで、カラスをいくら可愛がって育てても、目玉をくり抜かれる様な仕打ちを受けるという、「飼い犬に手をかまれる」と似た意味。
O嬢の物語 監督:ジュスト・ジャカン
★国際批評家賞:
さすらい 監督:ヴィム・ヴェンダース
※ヴィム・ヴェンダース監督の「都会のアリス」と「まわり道」に続くロード・ムービー3部作の集大成である最終作。映写機の出張修理をして回り、トラックで寝起きする映写技師ブルーノ(リュディガー・フォーグラー)。猛スピードで車を海に突っ込ませた"カミカゼ"こと言語学者ランダー(ハンス・ツィシュラー)。ふたりがふと出会い、一緒にさすらいの旅を続ける。シナリオを持たず、即興で作られた。映画館の観客役でヴィム・ヴェンダースも出演。ヴェンダース監督の他の作品には。「パリ、テキサス」、「ベルリン・天使の詩」、「ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ」、「アメリカの友人」、「緋文字」、「ハメット」、「ミリオンダラー・ホテル」などがある。
☆Ferdinand Der(独)
☆Starke(独)

★この年の主要な作品
キングコング 監督:ジョン・ギラーミン
※特撮映画の名作「キング・コング」を、43年ぶりにリメイク。ジェシカ・ラング、ジェフ・ブリッジスほか出演。2005年には、「ロード・オブ・ザ・リング 」のピーター・ジャクソン監督がナオミ・ワッツ主演で「キング・コング」としてリメイクした。
ラスト・シューティスト 監督:ドン・シーゲル
※ドン・シーゲルが監督、末期ガンを告知された老ガンマン・ブックス(ジョン・ウェイン)は夫人と最期の日々を過ごそうとするが、町中に知れ渡り、彼はガンマンとして撃ち合いの果てに死ぬことを決意する。共演はローレン・バコール、ジェームズ・スチュワート、ロン・ハワードほか。この3年後、ジョン・ウェインは全身に転移したガンによって亡くなった。そして、墓銘碑には「彼は醜く、強く、誇り高い男だった」という自作の一文が刻まれた。
がんばれ! ベアーズ 監督:マイケル・リッチー
※元マイナーリーグ投手で今はアル中のモリス(ウォルター・マッソー)は少年野球チーム・ベアーズのコーチを依頼された。いつも負けてばかりのチームにうんざりのモリスだったが、チーム解散の決定を聞いて逆に発奮。かつての恋人の娘アマンダ(ティタム・オニール)や不良少年ケリー(ジャッキー・アール・ヘイリー)を助っ人に、チームの立て直しを図る。
ニッケルオデオン 監督:ピーター・ボグダノヴィッチ
※アメリカの映画草創期に生きた人間たちの映画に託した夢と人生を描く。出演は、ライアン&テータム・オニール父娘、バート・レイノルズほか。「ニッケルオデオン」とは、1903年から始まったニッケル貨(5セント)1枚で1,2分の映画を十数本まとめて見せる映画館。
キャリー 監督:ブライアン・デ・パルマ
※スティーヴン・キング原作。学校ではいじめられ、家では狂信的母親にののしられる日々を過ごす少女キャリー(シシー・スペイセク)は、遅い初潮を機に超能力に目覚める。一方、そんな彼女をプロム・パーティで励まそうとする友人(エイミー・アーヴィング)の優しい思惑は、心ない悪ガキ(ジョン・トラボルタ)どもの魔手により、やがて壮絶極まりない惨劇の扉を開ける。スローモーションや分割画面を駆使したクライマックスのすさまじさは今も語り種。
オーメン 監督:リチャード・ドナー
※駐英アメリカ大使のソーン夫妻(グレゴリー・ペック、リー・レミック)が自分たちの死んだ子と同じ6月6日、午前6時に同じ産院で生まれた男の子を養子にもらった。その子ダミアンが5歳の誕生日を迎えてから、次々と不吉な事件が勃発する。「エクソシスト」と並ぶアメリカ・オカルトホラー映画の傑作。
ウディ・ガスリー わが心のふるさと 監督:ハル・アシュビー
※アメリカが大不況に陥っていた1930年代、ヒッチハイクや貨物列車のただ乗りで旅を続ける歌手ウディ・ガスリー(デヴィッド・キャラダイン)は、ラジオ出演したことから人気を高めていくが、やがて布教の現実を目の当たりにして社会意識に目覚めていく。ボブ・ディランジョーン・バエズらに多大な影響を与えた実在のプロテストソング・シンガー、「フォークの神様」ウディ・ガスリーの半生を描いた音楽伝記映画の秀作。
愛のコリーダ 監督:大島渚
※昭和の猟奇事件として名高い阿部定事件を究極の愛の形とみなし、フランス資本で製作。カンヌ映画祭監督週間に出品され、「一流監督が作った世界初のハード・コアの秀作」と絶賛された。主演は、松田英子藤竜也

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この記事へのコメント

  • ほんやら堂
  • 2007年10月17日 22:37
  • TB有り難うございました.
    しかし小生の記事とこの記事のつながりが今ひとつ判りません.
    TBをお返しして良いものやら?
  • トシキ
  • 2007年10月18日 12:00
  • ほんやら堂 さん
    コメント有難うございます。
    TBはカウロス・サウラをたどってです。
    3部作ではビデオで「カルメン」を観ただけですが、でも5〜6回は観ました。

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