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1970年代

1979年の映画(DVD)

1979年の映画(DVD)

アカデミー賞

★作品賞:「クレイマー、クレイマー」監督:ロバート・ベントン
※ジョアンナ(メリル・ストリープ)は結婚して8年。最初は幸せだった結婚生活も、今ではもう無意味なものに感じられていた。夫テッド(ダスティン・ホフマン)は仕事第一主義で帰宅はいつも午前様だ。2人の間には会話すらなくなっていた。7歳になる子供ビリー(ジャスティン・ヘンリー)のことを気にしながらも、ジョアンナは自分をとり戻すために家を出る決心をする。
ビリー役のジャスティン・ヘンリーはわずか8歳でアカデミー助演男優賞にノミネートされ、史上最年少記録を樹立した。

★監督賞:ロバート・ベントン「クレイマー・クレイマー」
※ロバート・ベントンは1932年9月29日、テキサス州ワクサーチ生まれ。テキサス州立大学、コロンビア大学に学んだ後、雑誌のイラストレイター兼ライターとして活躍。デヴィッド・ニューマンと知り合い、二人で映画の脚本を書き始める。その中の『ボニーとクライド』がワーナーの目に止まり、「俺たちに明日はない」として映画化され、アカデミー脚本賞にノミネートされたほか、ニューヨーク映画批評家協会賞など受賞。72年に「夕陽の群盗」で監督デビュー。作品数は少ないが秀作を造り続けている。

★主演男優賞:ダスティン・ホフマン「クレイマー・クレイマー」
※いくつかのシーンでダスティン・ホフマンのアイディアが生かされたため、ベントン監督は「共同脚本クレジット」を提案したが、ダスティン・ホフマンは「監督の脚本だから」と断った。脚本もアカデミーを受賞したのでホフマンは後年になって「アカデミー脚本賞も取れたのに」と笑って語っている。

★主演女優賞:サリー・フィールドノーマ・レイ
マーティン・リット監督作。過酷な労働条件を強いるアメリカ南部の紡績工場で働くノーマ・レイ(サリー・フィールド)。無自覚で無教養だった彼女はニューヨークからやってきた労働組合の活動家ルーベン(ロン・リーブマン)と出会い、権利意識に目覚める。やがて彼女は、労働組合の活動には消極的なソニー(ボー・ブリッジス)と再婚するが、家族や子供、そして仲間を守るため組合結成に立ち上がる。
サリー・フィールドは1946年11月6日、カリフォルニア州パサディナ生まれ。父はターザン俳優のジャック・マホニー。母親も女優。コロンビア撮影所の演技教室で学び、TVを経て67年、「大西部への道」で映画デビュー。本作に続き、84年、「プレイス・イン・ザ・ハート」で再びアカデミー賞主演女優賞を受賞。また、83年にフォッグウッド・フィルムを設立。91年、ジョエル・シューマカー監督、ジュリア・ロバーツ主演の「愛の選択」では製作も手掛けている。他に、「マグノリアの花たち」などに出演している。

★助演男優賞:メルビン・ダグラスチャンス
ハル・アシュビー監督作。数十年もの間、屋敷から一歩も出ることなく、社会とのつながりはテレビだけだった庭師チャンス(ピーター・セラーズ)。全く世間知らずの彼が、主人の死によって屋敷の外での生活を余儀なくされる。お金の使い方も知らず、車にも乗ったことない彼が、途方にくれて街を彷徨していた時、大富豪ベンジャミン(メルビン・ダグラス)の夫人イヴ(シャーリー・マクレーン)の車と接触事故に会う。豪邸で療養することになった彼は、その無垢な言動で富豪夫妻の心をしだいに捉えていく。彼の子供のような純粋な心は、富豪の友人である大統領にまで感化し、彼の存在は瞬く間にアメリカ全土に広く知れ渡っていく。
メルビン・ダグラスはこの年のゴールデングローブ賞助演男優賞も主演男優賞のピーター・セラーズと共に受賞した。なおピーター・セラーズはこの翌年、この世を去った。

★助演女優賞:メリル・ストリープ「クレイマー・クレイマー」
※1949年6月22日ニュージャージー生まれ。ヴァッサー大学とイェール・スクール・オブ・ドラマ(シガニー・ウィーバーがクラスメイト)で学び、舞台を経て1977年の「ジュリア」で映画デビュー。現在まで出演作は40本を越え、アカデミー賞には俳優としては史上最多の13回ノミネートされているハリウッドきっての演技派。その演技に対する姿勢は、役に成りきるため事前に徹底したリサーチを行う。彼女がオスカーを獲得した「ソフィーの選択」では役作りのためにポーランド訛りの英語を習得した。また、「ディア・ハンター」、「恋におちて」、「マイ・ルーム」などで共演したロバート・デ・ニーロは、ストリープを自分と最も息の合う女優といっている。

ベネチア映画祭
※開催中止


カンヌ映画祭

★パルムドール:
☆「ブリキの太鼓」 監督:フォルカー・シュレンドルフ
※原作は、1999年度のノーベル文学賞を受賞したギュンター・グラスの長篇小説「ブリキの太鼓」(1959年。現在、日本では文庫本で、「ブリキの太鼓 第1部」「ブリキの太鼓 第2部」、「ブリキの太鼓 第3部」が出版されている)。「猫と鼠」(1961年)、「犬の年」(1963年)と続く「ダンツィヒ三部作」の最初を飾る作品で、戦後ドイツ文学の最も重要な作品の一つ。
1924年、国際自由都市ダンツィヒ。オスカル (ダヴィット・ベネント) は、ナチスを信奉するドイツ人の父アルフレート(マリオ・アドルフ)とカシュバイ人の母アグネス(アンゲラ・ヴィンクラー)との間で生まれた。母は従兄のポーランド人ヤン(ダニエル・オルブリフスキ)と浮気をしている。そして眼前で起こる醜悪な事態の数々に失望したオスカルは3歳の誕生日に成長を止めることを決意する。オスカルは3歳の誕生日に貰ったブリキの太鼓を叩き続け、嫌なことがあると奇声をあげてモノを破壊する。そして時代は変わり、ナチスが台頭して、ついに第三帝国を成立させる。

☆「地獄の黙示録」 監督:フランシス・F・コッポラ
※1960年代末のヴェトナム。ウィラード大尉(マーティン・シーン)は、ジョングルの奥地で王国を築いたとされるカーツ大佐(マーロン・ブランド)を暗殺する命令を受け、部下4人とナング河を溯っていく。その過程でウィラードが遭遇するさまざまな戦争、そして人生の狂気。やがて彼はカーツと対峙する。アカデミー賞で撮影賞、音響賞、カンヌ映画祭グランプリ、ゴールデングローブ賞監督賞、助演男優賞(キルゴア中佐役でロバート・デュヴァル)などの映画賞をとったが興行的には大失敗で、その借金の返済のために「ゴッドファーザー PART III」が製作された。

★監督賞:テレンス・マリック天国の日々
※本賞以外に、ネストール・アルメンドロスが1978年アカデミー撮影賞受賞。その他、作曲賞・音響賞・衣装デザイン賞にノミネート。全米批評家協会賞監督賞、撮影賞受賞。

★主演男優賞:ジャック・レモンチャイナ・シンドローム
※ジェームズ・ブリッジズ監督作。ロスの人気TVキャスター、キンバリー(ジェーン・フォンダ)はキャメラマンのアダムス(マイケル・ダグラス)らと原子力発電所を取材。そのとき異様な振動とともに制御室で技師ゴデル(ジャック・レモン)が慌てふためいている現場に遭遇した一行は、原発事故の真相を世に訴えようとする。
ジャック・レモンは、1925年2月8日マサチューセッツ州ボストン生まれ。ハーヴァード大学で学び、海軍を経て、ラジオドラマから俳優のキャリアをスタートさせた。ビリー・ワイルダー監督作品「お熱いのがお好き」、「あなただけ今晩は」、「アパートの鍵貸します」、「恋人よ帰れ!わが胸に」などで有名。1955年の「ミスタア・ロバーツ」でアカデミー助演男優賞を、1973年の「セイブ・ザ・タイガー」でアカデミー主演男優賞を受賞。2001年6月27日他界。

★主演女優賞:サリー・フィールド「ノーマ・レイ」
※ ジェニファー・ウォーンズが歌いアカデミー賞主題歌賞を受賞した<流れゆくままに>「奇跡なんか生まれない 人間は毎日生きてゆく 奇跡なんか起こらない 人間はただ育ってく 川が流れてゆくように そして時が過ぎてゆく 良いことが少しずつ増えて 悪いことがなくなってゆく 働く者の子に恵みを 冷たい風に晒されて 働く者の手に恵みを 汗にまみれて生きてゆく 川が流れてゆくように そして時が過ぎてゆく 良いことが少しずつ増えて 悪いことがなくなってゆく」

★審査員特別賞:Siberiade(ソ連)

★国際批評家賞:
☆地獄の黙示録(米)
☆Black Jack(英)
☆Anji Vera(ハンガリー)


★この年の主要な作品

◆「リトル・ロマンス」 監督:ジョージ・ロイ・ヒル
※パリ郊外のアパルトマンで父と2人暮らしのダニエル(テロニアス・ベルナール)は、13歳だが、記憶力と数字が強い天才的な頭の持ち主。ある日、ローレン(ダイアン・レイン)という美しい少女と知り合いになる。哲学と数学が優秀なローレンは、たちまちダニエルと意気投合、再会を約束して別れた。ルーブル宮殿の庭園で再会した二人は、そこでジュリアス(ローレンス・オリヴィエ)という老人と知り合いになった。彼は二人に、ベネチアにある「ため息の橋」の下で日没の瞬間にキスした恋人たちは永遠の愛を手にすることができるという「サンセット・キッス」の伝説を語って聞かせる。それを信じた二人は・・・。アカデミー賞音楽賞受賞。

◆「オール・ザット・ジャズ」 監督:ボブ・フォッシー
※ブロードウェイ。ジャズに乗って、ステージの上を鍛えられた肉体が躍動する。それを厳しい表情で見守る1人の男がいた。ブロードウェイの演出家・映画監督として知られるジョー・ギデオン(ロイ・シャイダー)だ。今、彼が手がけているショーは、主演女優が彼の別れた妻オードリー(リランド・パーマー)で、ジョーと同棲中のケイト(アン・ラインキング)も出るなど、彼の人生のすべてを盛り込んだ、集大成ともいえるものだった。そんなある日、ジョーは、不規則な生活と過労のため倒れてしまった。心臓の切開手術を受けながら、ジョーは無意識のうちに自分の人生を回顧していた。
主人公のモデルはボブ・フォッシー監督自身である。
又、時折主人公に話しかける女神(死神か?)役でジェシカ・ラングが出演している。

◆「エイリアン」 監督:リドリー・スコット
※宇宙船ノストロモ号は地球に戻る航路についていた。だが、乗組員が調べてみるとコンピューター「マザー」が途中で航路を変え、銀河の果てにいた。知的生物が発していると思われる電波を受信したので、調査しろと言うのだ。パーカー(ヤフェット・コットー)とブレット(ハリー・ディーン・スタントン)は反対するが、アッシュ(イアン・ホルム)は会社との契約の中に「地球外生命の調査」を優先する事項があると指摘。ダラス船長(トム・スケリット)は惑星探査を行うことを決める。ダラス船長とケイン(ジョン・ハート)、ランバート(ヴェロニカ・カートライト)の3人が惑星の地表に降り、そこで化石化した異星人を発見。ところがそばに卵のようなものがまだ生きており、のぞき込んだケインの顔面に、奇妙な生物がべったりと張り付いてしまう。急いで戻った3人。船に残っていたリプリー(シガニー・ウィーバー)は検疫が終わるまでは船内に入ってはいけないと主張するが、なぜかアッシュがあっさりと3人を船内に入れてしまう。
アカデミー賞視覚効果賞受賞。クリーチャー・デザインはスイスの画家H.R.ギーガー。

◆「マッドマックス」 監督:ジョージ・ミラー
※近未来、暴走族による殺人やリンチが横行していた。暴走族専門の特殊警察「M.F.P」所属の警官マックス(メル・ギブソン)は、追跡専門に改造されたパトカー「インターセプター」で警官殺しの凶悪犯ナイトライダーを追いつめたが、ナイトライダーは工事現場に突っこみ即死する。マックスは、ナイトライダーの復讐のためにトーカッター(ヒュー・キース・バーン)率いる凶悪暴走族「アウトライダー」に命を狙われる。僚友のジム・グース(スティーヴ・ビズレー)が殺されたのをきっかけに、上司のフィフィ・マカフィー(ロジャー・ワード)に辞表を出し家族と共に逃亡するが、妻のジェシー(ジョアン・サミュエル)と息子スプロッグは逃亡先に現れたアウトライダー達になぶり殺しにされてしまう。マックスの怒りは頂点に達し、短距離追撃専用車両、「V8インターセプター(ブラック・インターセプター)」に乗り込み、暴走族たちを見つけては次々と血祭りにあげていく。そして、ついにトーカッターとの壮絶なチェイスを迎える。

◆「スター・トレック」 監督:ロバート・ワイズ
※巨大な雲状の未知の生命体が、進路上にある宇宙船やステーションを消滅させながら地球を目指し進んでいた。提督に昇進したカーク(ウィリアム・シャトナー)は地球にいたが、大改装されたエンタープライズの指揮を執りスポック(レナード・ニモイ)やDr.マッコイ(ディフォレスト・ケリー)たちオリジナルクルーと調査に向かう。カークは地球までわずかの距離にまで接近していた雲の中に「ヴィジャー」と名乗る謎の存在がいることを突き止めた。ヴィジャーは自らを造り出した創造者(クリエイター)を捜しにきたと言う。地球上にいる炭素ユニット(人類)達が創造者との交信を阻んでいると判断したヴィジャーはその抹殺を計るが、機転を利かせたカークが創造者を教える条件で直接ヴィジャーに会いに行く。そこでカーク達は謎の存在「ヴィジャー」とその「創造者」の意外な正体を知る。SFXは、ダグラス・トランブル、ジョン・ダイクストラ、ロバート・エイブルで、当時の劇場映画の最高水準の宇宙空間やエンタープライズ号の特撮が素晴らしい。


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この記事へのコメント

  • soratuki
  • 2007年08月31日 23:16
  • おじゃまします。
    この度は『ポセイドン』への
    TRB&コメントありがとうございました♪
    1972年の『ポセイドン・アドベンチャー』は
    観賞済みなんですが、1979年の『ポセイドン』は
    未観賞です。
    機会が有れば是非、こちらも観賞してみたいと思っています。
    こちらからもTRBさせていただきました♪

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