1980年代

1987年の映画2

1987年の映画(アカデミー賞脚本賞ほか)

★脚本賞:ジョン・パトリック・シャンレー「月の輝く夜に
※ジョン・パトリック・シャンレーは1950年ニューヨーク・ブロンクス生まれの劇作家、脚本家、映画監督である。本作で全米脚本家協会最優秀脚本賞も受賞している。
また1990年には、「ジョー、満月の島へ行く」(トム・ハンクス、メグ・ライアン主演:YouTubeのTrailer Joe Versus the Volcano)で監督デビューを果たした。
劇作家としては、2005年に「ダウト―疑いをめぐる寓話」でピューリッツァー賞戯曲部門、ドラマ・デスク賞、トニー賞演劇作品賞を受賞した。この戯曲はシャンレー自身が監督し、「ダウト〜あるカトリック学校で〜」のタイトルで映画化され、第81回アカデミー賞で4部門にノミネートされた他、主演のメリル・ストリープ、助演のエイミー・アダムス、ヴィオラ・デイヴィスが多くの映画賞を受賞した。
シャンレーの主な映画の脚本には、ケビン・クライン, スーザン・サランドン主演、パット・オコナー監督のサスペンス「乙女座殺人事件」(1989年:YouTubeのThe January Man (1989) Trailer)、フランク・マーシャル監督が<アンデスの奇跡>として有名な実話を描いた「生きてこそ」(1993年:YouTubeのAlive (1993 Film): Bad Acting at its Finest)、フランク・マーシャル監督がアフリカの密林に送り込まれたアメリカ企業の調査隊の体験を描いた「コンゴ」(1995年:YouTubeのCongo (1995))、またテレビドラマではエミー賞を受賞した「Live From Baghdad」(2002年)がある。

★撮影賞:ヴィットリオ・ストラーロ「ラストエンペラー
> YouTubeの映画ラストエンペラー、文革で失脚する高官と糾弾する紅衛兵
※ヴィットリオ・ストラーロは1940年6月24日イタリアのローマ生まれ。イタリアの国立映画学校を卒業後、1964年にベルナルド・ベルトルッチ監督と仕事をし、その後コンビを組むようになる。70年代後半にはアメリカ映画界にも進出し、アカデミー撮影賞を3度受賞。名実共にトップキャメラマンとして活躍している。
ストラーロの主な作品には、ベルナルド・ベルトルッチ監督作では、「暗殺のオペラ」(1969年)、ジャン=ルイ・トランティニャン主演でアルベルト・モラヴィアの小説「Il conformista(同調者;邦訳『孤独な青年』)を映画化した「暗殺の森」(1970年:YouTubeのThe Conformist (Il Conformista, 1970))、マーロン・ブランド、マリア・シュナイダー主演「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972年:YouTubeのUltimo Tango a Parigi -1972- Bernardo Bertolucci)、20世紀初頭から第二次世界大戦の終了までのイタリア現代史を描いた「1900年(1.運命の出会い/2.宿命の対決) 」(1976年:YouTubeの1900)、デブラ・ウィンガー、ジョン・マルコヴィッチ主演で1947年の北アフリカを舞台に嘗ての活気を失った一組の夫婦が辿る過酷な運命を描いた「シェルタリング・スカイ」(1990年:YouTubeのThe Sheltering Sky Trailer)、「リトル・ブッダ」(1993年:YouTubeのLittle Buddha)がある。
その他に、フランコ・ネロ, パメラ・ティフィン主演、ルイジ・バッツォーニ監督の新聞記者が連続殺人事件に巻き込まれていくサスペンス「新・殺しのテクニック/次はお前だ!」(1970年:YouTubeのThe Fifth Cord (Giornata nera per l'ariete))、シャーロット・ランプリング主演、ジュゼッペ・パトローニ・グリッフィ監督の禁断の恋愛劇「さらば美しき人」(1971年)、アラン・ドロン, リチャード・バートン, ロミー・シュナイダー主演、ジョセフ・ロージー監督の「暗殺者のメロディ」(1972年)、ラウラ・アントネリ主演、サルバトーレ・サンペリ監督の官能ドラマ「青い体験」(1973年:YouTubeのMalizia -1 (1973))、フランシス・F・コッポラ監督がベトナム戦争がアメリカ市民に与えた心の闇を衝撃的な映像で描いた「地獄の黙示録」(1979年アカデミー賞撮影賞:YouTubeのApocalypse Now - Suzie Q - Playboy Playmates)、ウォーレン・ベイティが製作・監督・脚本・主演の4役を務め、「世界をゆるがした十日間」の著者でジャーナリスト、ジョン・リードの生涯を描いた「レッズ」(1981年アカデミー賞撮影賞:YouTubeのRojos (Reds))、フランシス・フォード・コッポラ監督が男女の会話を音楽で表現したミュージカル「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982年:YouTubeのOne from the heart_Francis F. Coppola)、ウォーレン・ベイティ監督の「ディック・トレイシー」(1990年:YouTubeのDick Tracy Trailer)、一流のフラメンコダンサーらがフラメンコの魅力を存分に見せるカルロス・サウラ 監督のドキュメンタリー「フラメンコ」(1995年:YouTubeのCarlos Saura Flamenco - Joaguin Cortes - Farruca) 、リュック・ベッソン製作・脚本、ジェラール・ピレス 監督、タクシー運転手と刑事が強盗団とカーチェイスを展開する痛快アクション「TAXi」(1996年:YouTubeのTAXi 1 trailer)、カルロス・サウラ監督がブエノスアイレスを舞台にした美しい映像とタンゴで描く官能的なドラマで98年カンヌ国際映画祭で絶賛された「タンゴ」(1998年:YouTubeのTango - Larroca)、ハル・ベリーをヒロインに起用してウォーレン・ベイティが監督・脚本・製作・主演の4役を務め、大統領になりかけた男の最期の一週間をスリリングに描いた「ブルワース」(1998年:YouTubeのBulworth - Trailer)、カルロス・サウラ監督が天才画家・ゴヤの激動の人生、秘められた愛を描いた「ゴヤ」(1999年)、アルフォンソ・アラウ監督、ウディ・アレン、シャロン・ストーン出演の犯罪SFコメディー、「聖母マリアの手(ヴァージン・ハンド)」とは?「ヴァージン・ハンド」(2000年:YouTubeのPicking up the Pieces trailer 700)、若き日のメリン神父と悪魔パズズとの対決を最新のVFXを駆使して描いたポール・シュレイダー監督のホラー「エクソシスト・ ビギニング」(2004年:YouTubeのThe Exorcist: The Beginning (2004) Trailer)がある。

★作曲賞:坂本龍一、デヴィッド・バーン、スー・ソン「ラスト・エンペラー
※坂本龍一は、1952年1月17日東京都中野区生まれ。世界的に幅広く活動をしている音楽家である。
映画音楽の分野では他に、デヴィッド・ボウイ, ビートたけしに坂本龍一も出演した大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」(1983年英国アカデミー賞:YouTubeのMerry Christmas, mr. Lawrence: The kiss)、畑正憲が監督した「子猫物語」(1986年:YouTubeの子猫物語 音楽:坂本龍一)、山賀博之監督のアニメ「王立宇宙軍 オネアミスの翼」(1987年:YouTubeのオネアミスの翼 (戦闘-発射))、種の保存のため支配者層に侍女として仕える女性たちの姿を描いたフォルカー・シュレンドルフ監督のSF「闇の聖母〜侍女の物語〜 」(1990年:YouTubeのFaye Dunaway in The Handmaid's Tale Part 1)、ベルナルド・ベルトルッチ監督の「シェルタリング・スカイ」(1991年ゴールデングローブ賞、LA映画批評家賞:YouTubeのSheltering Sky)、ペドロ・アルモドバル監督の「ハイヒール」(1991年:YouTubeのRecordaras)、ジュリエット・ビノシュ、レイフ・ファインズ主演でピーター・コズミンスキー監督がエミリー・ブロンテの『嵐が丘』を映画化した「嵐が丘」(1992年:YouTubeのWuthering Heights Trailer - Juliette Binoche 1992)、ニコラス・ケイジ主演、ブライアン・デ・パルマ監督のサスペンス「スネーク・アイズ」(1998年:YouTubeのSnake Eyes (Theatrical Trailer))、デレク・ジャコビ主演で画家フランシス・ベイコンと愛人のホモセクシュアルな関係を描いたジョン・メイブリー監督の「愛の悪魔〜フランシス・ベイコンの歪んだ肖像〜」(1999年:YouTubeのLove Is the Devil Trailer)、高倉健, 大竹しのぶ主演、降旗康男監督の「鉄道員(ぽっぽや)」(1999年:YouTubeの鉄道員(ぽっぽや))、松田龍平、ビートたけし、浅野忠信らの出演で新選組を男色の視点から描いた大島渚監督の「御法度」(1999年:YouTubeのGohatto trailer - Movie by Nagisa Oshima)、チェルノブイリ原発事故のためブジシチェ村は強制移住地域に指定されるが、村の中心にある泉からだけは放射能が検出されなかった。本橋成一監督のドキュメンタリー「アレクセイと泉」(2002年)、レベッカ・ローミン=ステイモス、アントニオ・バンデラス出演、ブライアン・デ・パルマ監督のクライムサスペンス「ファム・ファタール」(2002年:YouTubeのFemme Fatale (2002) - Trailer)、村上春樹の同名短編小説を、イッセー尾形、宮沢りえを主演に市川準監督が映画化した「トニー滝谷」(2004年:YouTubeのトニー滝谷)、柳楽優弥が象使いとなり20歳で夭逝した実在の主人公を演じる河毛俊作監督の「星になった少年」(2005年:YouTubeの星になった少年 予告編)、菊地凛子がアカデミー助演女優賞ノミネートされたアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の「バベル」(2006年:YouTubeのBabel -2006- Trailer)、アレッサンドロ・バリッコの小説『絹』をマイケル・ピット、キーラ・ナイトレイ、中谷美紀らの出演でフランソワ・ジラール監督が映画化した「シルク」(2008年:YouTubeのRyuichi Sakamoto - SILK ENDROLL 2008)がある。

★主題歌賞:ビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズ「タイム・オブ・マイ・ライフ」(ダーティ・ダンシング
※ビル・メドレー&ジェニファー・ウォーンズの受賞曲「タイム・オブ・マイ・ライフ」は全米1位となる大ヒットを記録しグラミー賞も受賞した。
> YouTubeのDirty Dancing - Time of my Life (Final Dance) - High Quality
ビル・メドレーはボビー・ハットフィールドと1962年にデュオ「ライチャス・ブラザーズ」を結成し、「ふられた気持」や「ひき潮」「アンチェインド・メロディ」「ソウル・アンド・インスピレーション」などのヒット曲がある。解散、再結成を経て、2003年にロックの殿堂入りを果たすが、2003年11月5日、ボビー・ハットフィールド没。
ビル・メドレーが参加した作品には、「グリッター・アンド・ゴールド~バリー・マン&シンシア・ワイル作品集」、「「ダーティ・ダンシング」オリジナル・サウンドトラック」、「シネマ・ルグラン~ミシェル・ルグラン 映画音楽集成」、「シーン 2 ~All-time No.1 cover hits~ scene 2」、「ロジャー・ニコルズ&ポール・ウィリアムス・ソングブック」、「スマイル ビル・メドレー」、タイム・オブ・マイ・ライフの入った「AORヒッツ BEST セレクション」がある。
ジェニファー・ウォーンズは1947年3月3日シアトル生まれ。1968年レコード・デビュー。ジョー・コッカーと共演した「愛と青春の旅だち」(82年)の主題歌「愛と青春の旅だち(UP WHERE WE BELONG)」でもアカデミー主題歌賞とグラミー賞を受賞している。

★視覚効果賞:「インナースペース」監督:ジョー・ダンテ
※「インナースペース」はジョー・ダンテ監督作。スティーブン・スピルバーグが製作総指揮を務めた。「ミクロの決死圏」に倣って、人間が人間の体内(インナースペース)に入ってしまったために起こるどたばたを描いた奇想天外なSFXアドベンチャーである。
主演のデニス・クエイドが「南無妙法蓮華経」を唱える場面があるが、ジョー・ダンテ監督の兄が創価学会の信者である事から取り入れられたようである。またこの映画での共演がきっかけとなってメグ・ライアンとデニス・クエイドは結婚した。
> YouTubeのINNERSPACE-HQ Trailer(1987)
視覚効果賞を受賞したデニス・ミューレンはILMに所属する視覚効果スーパーバイザー。ちなみにデニス・ミューレンは視覚効果賞に14回ノミネートされ、8回受賞している。これは生存する個人の受賞としては最多である。
デニス・ミューレンが視覚効果監督を務めた主な作品は、ジョージ・ルーカス製作総指揮 、アーヴィン・カーシュナー監督の「スター・ウォーズ エピソード5 帝国の逆襲」(1980年アカデミー特別業績賞(視覚効果):YouTubeのStar Wars: Episode V - The Empire Strikes Back Trailer)、7歳のドリュー・バリモアが可愛いスピルバーグ監督の「E.T.」(1982年アカデミー視覚効果賞:YouTubeのE.T. the Extra-Terrestrial - Original Trailer (1982))、ジョージ・ルーカス製作総指揮 、リチャード・マーカンド監督の「スター・ウォーズ/ジェダイの復讐」(1983年:YouTubeのStar Wars-Episode 6-Return Of The Jedi-Trailer-)、ジョージ・ルーカス製作総指揮 、スピルバーグ監督の「インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説」(1984年アカデミー視覚効果賞:YouTubeのIndiana Jones and the Temple of Doom - Theatrical Trailer)、ジョージ・ルーカス製作総指揮 、ロン・ハワード監督の「ウィロー」(1988年:YouTubeのWillow Trailer)、エド・ハリス主演、ジェームズ・キャメロン監督の「アビス」(1989年アカデミー視覚効果賞:YouTubeのThe Abyss Trailer)、アーノルド・シュワルツェネッガー主演、ジェームズ・キャメロン監督の「ターミネーター2」(1991年アカデミー視覚効果賞:YouTubeのTerminator 2 Theatrical Trailer)、スティーブン・スピルバーグ監督の「ジュラシック・パーク」(1993年アカデミー視覚効果賞:YouTubeのJurassic Park First Trailer)、ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジュード・ロウが出演したスピルバーグ監督の「A.I.」(2001年:YouTubeのA.I. Trailer (Extended Version))、エリック・バナ、ジェニファー・コネリー出演、アン・リー監督の「ハルク」(2003年:YouTubeのHulk (Trailer 2003))、トム・クルーズ、ダコタ・ファニング主演、スピルバーグ監督の「宇宙戦争」(2005年:YouTubeのWar Of The Worlds Full Trailer)がある。

★衣装デザイン賞:ジェームズ・アシュソン「ラストエンペラー」
ジェームズ・アシュソンは1946年イングランド・レスター生まれ。1970年代にはテレビドラマの衣装を担当している。
本作以外に、スティーヴン・フリアーズ監督がグレン・クローズ、ジョン・マルコヴィッチ、ミシェル・ファイファー、ユマ・サーマンらの出演で18世紀のフランス宮廷を舞台に、頽廃的な貴族社会をスキャンダラスに描いた「危険な関係」(1988年:YouTubeのDangerous Liaisons 1988-Part1)と、ロバート・ダウニー・Jr、メグ・ライアンらが出演したマイケル・ホフマン監督の「恋の闇 愛の光(Restoration)」(1995年)で衣装デザイン賞を受賞している。
他には、レオナルド・ディカプリオ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェレミー・アイアンズ、ジェラール・ドパルデュー、ガブリエル・バーン、アンヌ・パリローらが出演したランダル・ウォレス監督の「仮面の男」(1998年:YouTubeのThe Man In The Iron Mask-Trailer-1998)、トビー・マグワイア主演、ウィレム・デフォーがグリーン・ゴブリンに扮したサム・ライミ監督の「スパイダーマン」(2002年:YouTubeのSpider-Man(2002)-Rare Trailer)、ベン・アフレック主演、コリン・ファレルが敵役ブルズアイに扮するマーク・スティーヴン・ジョンソン監督の「デアデビル」(2003年:YouTubeのDaredevil Trailer)、トビー・マグワイア主演、サム・ライミ監督でアルフレッド・モリーナがドクター・オクトパスを演じた「スパイダーマンTM2」(2004年:YouTubeのSpider-Man 2 Trailer)、トビー・マグワイア主演、サム・ライミ監督でトーマス・ヘイデン・チャーチがサンドマンを演じた「スパイダーマンTM3」(2007年:YouTubeのスパイダーマン3 予告編(特報2))がある。

★メイクアップ賞:リック・ベイカー「ハリーとヘンダスン一家」
※「ハリーとヘンダスン一家」はウィリアム・ディア監督作。伝説の生物ビッグフットとヘンダスン一家の交流を描くコミカルなファンタジーである。出演はジョン・リスゴー、ケヴィン・ピーター・ポールほか。
> YouTubeのBigfoot/Harry & the Hendersons (1987) Trailer
リック・ベイカーは1950年12月8日ニューヨーク州ビンガムトン生まれ。1982年第54回アカデミー賞でメイクアップ賞初代受賞者となった。以来、メイクアップ賞を計6回受賞している。
メイクアップ賞作は他に、ジョン・ランディス監督が狼に噛まれた青年が、狼男へと変身していく様をユーモアを交えて描いたホラー「狼男アメリカン」(1981年:YouTubeのAN AMERICAN WEREWOLF IN LONDON 1981 Original trailer)、ティム・バートン監督が史上最低の映画監督と呼ばれたエド・ウッドの映画への情熱を ジョニー・デップ主演で描いた「エド・ウッド」(1994年:YouTubeのPatricia Arquette Ed Wood Trailer)、エディ・マーフィがリック・ベイカーの特殊メイクを駆使して、ひとり7役を演じわけたトム・シャドヤック監督の「ナッティ・プロフェッサー クランプ教授の場合」(1996年:YouTubeのThe Nutty Professor (1996) - Trailer)、トミー・リー・ジョーンズとウィル・スミス共演、スティーブン・スピルバーグ製作総指揮、バリー・ソネンフェルド監督のSFコメディ「メン・イン・ブラック」(1997年:YouTubeのMen in Black (1997) - Trailer)、ドクター・スースの絵本「グリンチ」をジム・キャリー主演でロン・ハワード監督が映画化した「グリンチ」(2000年:YouTubeのHow The grinch Stole Christmas (2000)) がある。
フランクリン・J・シャフナー監督の68年製作のSF映画「猿の惑星」(YouTubeのPlanet Of The Apes 1968)をティム・バートン監督がリメイクした「PLANET OF THE APES/猿の惑星」(2001年:YouTubeのPlanet of the Apes (2001) Movie Trailer) でゴールデンラズベリー賞最低リメイクを受賞したのもご愛敬でしょう。


1980年代

1987年の映画

1987年の映画

アカデミー賞

★作品賞:「ラストエンペラー」 監督:ベルナルド・ベルトルッチ
※清朝最後の皇帝、溥儀(ジョン・ローン)が即位してから文化大革命以降に至るまで、文字通り激動の生涯を壮大なスケールで、また耽美的な映像であますところなく描き出した珠玉の名作。
アカデミー賞ではノミネートされた9部門(作品賞、監督賞、撮影賞、脚色賞、編集賞、録音賞、衣裳デザイン賞、美術賞、作曲賞)全てでの受賞。
また、甘粕正彦役兼音楽プロデューサーの坂本龍一が日本人として初のアカデミー賞作曲賞を受賞した。
> YouTubeのThe Last Emperor - Trailer

★監督賞:ベルナルド・ベルトルッチ「ラストエンペラー
※ベルナルド・ベルトルッチは、1941年3月16日イタリア・パルマ生まれ。ローマ大学を中退後、ピエル・パオロ・パゾリーニの助監督を経て1962年監督デビュー。1970年の「暗殺の森」以後、「ラストエンペラー」でも撮影監督を務めたヴィットリオ・ストラーロとのコンビで数々の名作・問題作を世に送り出した。
ベルトルッチ監督の主な作品に、パゾリーニの原案をもとに、娼婦殺人事件を巡る容疑者たちの確執を斬新に描いたデビュー作「殺し」(1962年:YouTubeのLa Commare Secca: Villa Sciarra)、スタンダールの『パルムの僧院』を基に思想と現実の間で苦悩するブルジョワ青年の葛藤を描いた「革命前夜」(1964年)、撮影監督ヴィットリオ・ストラーロと初めて組んだ作品「暗殺のオペラ Strategia del ragno 」(1970年)、大学時代の恩師の暗殺を手引きするファシストの青年の半生を官能的で華麗な映像で描く「暗殺の森」(1970年:YouTubeのTrailer: "Il Conformista" Bernardo Bertolucci)、公開当時は世界各国で上映禁止となり世相を二分する大論争となったベルトルッチ30歳の問題作「ラストタンゴ・イン・パリ」(1972年:YouTubeのLast Tango In Paris Trailer)、ポール・ボウルズのベストセラー小説をジョン・マルコヴィッチ, デブラ・ウィンガー主演でエキゾチックな異国を舞台に描くラブストーリー「シェルタリング・スカイ」(1990年:YouTubeのTHE SHELTERING SKY di Bernardo Bertolucci)、キアヌ・リーブス, ブリジット・フォンダ主演で突然チベット高僧の聖なる生まれ変わりであると言われた9歳の男の子の運命を描いたのベルトルッチ監督オリエンタル3部作の完結編「リトル・ブッダ」(1993年:YouTubeのBuddha - Little Buddha (Buda))、初主演のリブ・タイラーがきわどいシーンも体当たりで演じて話題となった「魅せられて」(1996年:YouTubeのTrailer - Stealing Beauty - Beleza Roubada (1996))、サンディ・ニュートンが、ローマへ亡命したアフリカの黒人女性シャンドライの激情を麗しい瞳と全身で熱演した「シャンドライの恋」(1999年:YouTubeのBesieged, Shandurai..Thandie Newton..?)、ゴダールなど15人の巨匠監督たちが10分間という定められた時間の中で競作した短編集「10ミニッツ・オールダー」(2002年)、1968年の五月革命を背景に政治とエロスの時代を描いた「ドリーマーズ」(2003年:YouTubeのTD200601)がある。

★主演男優賞:マイケル・ダグラス「ウォール街
※マイケル・ダグラスは1944年9月25日ニュージャージー州生まれ。父はカーク・ダグラス。カリフォルニア大学卒業後、助監督として映画界に入るが俳優に転向しテレビで評価されるようになる。1975年には『カッコーの巣の上で』でプロデューサーを務めアカデミー賞作品賞受賞。
> YouTubeのMichael Douglas and Catherine Zeta-Jones Glow at Luau
「ウォール街」はオリバー・ストーン監督作。若き証券マンのバド(チャーリー・シーン)は頭脳と行動力の全てを注ぎ、一攫千金を狙っていた。億万長者の大物投資家ゲッコー(マイケル・ダグラス)に取り入るため、父(マーチン・シーン)の勤める航空会社のインサイダー情報をゲッコーに渡し、取引に成功したことで夢が叶い、大金を手にするが……。
> YouTubeのWall Street movie trailer
マイケル・ダグラスの他の出演作は、ジェームス・ブリッジス監督が、ジャック・レモンやジェーン・フォンダを起用して原発事故の内部告発を試みる職員たちの姿を描いた問題作「チャイナ・シンドローム」 (1979年:YouTubeのThe China Syndrome - Original Trailer 1979)、キャスリーン・ターナー、ダニー・デビートと共演。ロバート・ゼメキス監督がエメラルド争奪戦を描いたロマンティック・アドベンチャー「ロマンシング・ストーン/秘宝の谷」(1984年:YouTubeのROMANCING THE STONE - HQ Trailer ( 1984 ))、リチャード・アッテンボロー監督がバックダンサーを決めるオーディションで若者たちの素顔を浮き彫りにしていくブロードウェイの大ヒットミュージカルを映画化した「コーラスライン」(1985年:YouTubeのA Chorus Line (Theatrical Trailer))、エイドリアン・ライン監督が一度の情事のために浮気相手の女(グレン・クロース)につきまとわれ、家族にまで危害が及ぶ男の悪夢を描く「危険な情事」(1987年:YouTubeのFATAL ATTRACTION (1987) REVISED)、リドリー・スコット監督、ヤン・デ・ボン撮影による大阪が舞台のアクションで高倉健、松田優作ら日本の俳優が多数出演し存在感を示した「ブラック・レイン」(1989年:YouTubeのBlack Rain (1989) Part 1 of 12)、ダニー・デヴィート監督,キャスリーン・ターナー共演で、子供に手がかからなくなった頃から険悪になって行く悲劇の夫婦を描いた「ローズ家の戦争」(1989年:YouTubeのTHE WAR OF THE ROSES - HQ Trailer(1989))、ポール・バーホーベン監督作で、ヤン・デ・ボンが撮影監督を務め、シャロン・ストーンの大胆な演技が話題となったエロティック・サスペンス「氷の微笑」(1992年:YouTubeのbasic instinct)、ジョエル・シュマッカー監督、ロバート・デュバル共演。些細なきっかけと偶然が重なり取り返しのつかない暴走をしてしまう中年男をマイケル・ダグラスが見事に演じたパニック・アクション「フォーリング・ダウン」(1993年:YouTubeのFalling Down(1993))、バリー・レヴィンソン監督作で、ハイテク企業を舞台に女性(デミ・ムーア)から男性(マイケル・ダグラス)ヘのセクハラというテーマで話題になった「ディスクロージャー」(1994年:YouTubeのDisclosure (1994) Trailer)、ロブ・ライナー監督作で、マイケル・ダグラスが環境問題のロビイスト(アネット・ベニング)に恋してしまった大統領をソフトでスマートに演じた「アメリカン・プレジデント」(1995年:YouTubeのThe American President - The Speech)、スティーヴン・ホプキンス監督が19世紀末の東アフリカを舞台に橋の建設を邪魔する二頭のライオンと闘うハンター(製作総指揮も兼ねるマイケル・ダグラス)を描いた「ゴースト&ダークネス」(1996年:YouTubeのThe Ghost And The Darkness (Theatrical Trailer))、デヴィッド・フィンチャー監督がやり手の資産家が巧妙な罠(ゲーム)によってすべてを失う危機に立たされていく様を描いたサスペンス「ゲーム」(1997年:YouTubeのDavid Fincher's The Game 1997 Michael Douglas Sean Penn)、アンドルー・デイヴィス監督がヒッチコックの「ダイヤルMを廻せ!」をグウィネス・パルトロウ共演でリメイクした「ダイヤルM」(1998年:YouTubeのA Perfect Murder - trailer 1998)、ボブ・ディランの「シングズ・ハヴ・チェンジド」がアカデミー歌曲賞を受賞したカーティス・ハンソン監督作「ワンダー・ボーイズ」(2000年:YouTubeのOSCARS 2000 BEST SONG)、スティーブン・ソダーバーグ監督が、麻薬ルートを巡る3つのドラマを画面を色分けすることで分りやすく描き、アカデミー賞監督賞など4部門受賞の「トラフィック」(2000年:YouTubeのMovieTrailer-2000-Traffic)、ゲイリー・フレダー監督がアンドリュー・クラヴァンの「秘密の友人」を映画化したデッドリミット・サスペンス「サウンド・オブ・サイレンス」(2001年:YouTubeのDon't Say a Word(2001)-Trailer)、息子の婚約者と初顔合わせの日に新たな任務に絡むゴタゴタに巻き込まれたCIAの捜査官の姿をアンドリュー・フレミング監督が描く「セイブ・ザ・ワールド」(2003年)、大統領夫人(キム・ベイシンガー)と関係を持ってしまったSSのベテランエージェント(マイケル・ダグラス)が大統領暗殺計画関与の疑惑を掛けられ元部下(キーファー・サザーランド)に追跡される、クラーク・ジョンソン監督のサスペンスアクション「ザ・センチネル 陰謀の星条旗」(2006年:YouTubeのThe Sentinel - 24 Theme - Tribute)、カリフォルニアを舞台に宝探しに熱中する自分勝手な父親と娘を描いたマイク・ケイヒル監督のコメディ「カリフォルニア トレジャー」(2007年:YouTubeのking of california(2007))がある。

★主演女優賞:シェール「月の輝く夜に
※シェール(本名はシェリリン・サーカシアン・ラ・ピエー)は1946年5月20日カリフォルニア州エル・セントロ生まれ。18歳で歌手活動を始める。その後「ビリーヴ」など多くのヒット曲を発表し息の長い歌手活動を続けている。
1980年代から女優としても活動を始め、1984年の「マスク」でカンヌ国際映画祭女優賞を、そして「月の輝く夜に」でアカデミー主演女優賞を受賞した。エキゾチックな顔立ちであるが、ハリウッド女優であった母親がチェロキー・インディアンの血を引いているという。
※「月の輝く夜に」はノーマン・ジュイソン監督作。ニコラス・ケイジと共演で、シェール扮する1人の未亡人と、彼女に求愛する2人の兄弟を描いたラブ・コメディである。
> YouTubeのMoonstruck - The Movie [01/11]
シェールの他の出演作には、1974年に謎の事故死を遂げた女性運動家の半生をメリル・ストリープ主演で描いたマイク・ニコルズ監督の「シルクウッド」(1983年:YouTubeのKaren S. (1983) - 1/14 -Silkwood(1983))、ウィノナ・ライダーと共演で60年代のヒット曲に乗せて奔放な母親と真面目な娘のすれちがいをコミカルに描いたリチャード・ベンジャミン監督のラブ・コメデイ「恋する人魚たち」(1990年:YouTubeのMermaids(1990)_Trailer)、30年代のフィレンツェを舞台に、自由奔放な5人の女性と孤独な少年の触れ合いを描いたフランコ・ゼフィレッリ監督の「ムッソリーニとお茶を」(1998年:YouTubeのTea with Mussolini (1999) Trailer)、マット・デイモンとグレッグ・キニア主演、シェールが本人役で出演したファレリー兄弟のハートウォーミングコメディ「ふたりにクギづけ」(2003年) がある。

★助演男優賞:ショーン・コネリー「アンタッチャブル
※「アンタッチャブル」はブライアン・デ・パルマ監督作。1930年代のシカゴを舞台に暗黒街のボス、アル・カポネと、カポネに立ち向かう若き財務官エリオット・ネスと彼のチームの戦いをエリオット・ネスにケヴィン・コスナー、アル・カポネにロバート・デ・ニーロを配役して描いた。音楽はエンニオ・モリコーネが担当している。
> YouTubeのTrailer - The Untouchables (1987)
※ショーン・コネリーは1930年8月25日スコットランド生まれ。海軍除隊後、1953年ミスター・ユニバース・コンテストで3位入賞し、1954年からテレビに出演。1962年から始まった『007』シリーズの初代ジェームズ・ボンド役で一躍有名となり、その他のアメリカ映画にも多数出演し存在感のある演技を見せた。英国(UK)女王からナイトの称号を与えられたが、スコットランド独立を主張するスコットランド国民党の熱烈な支持者である。
ショーン・コネリーの主な出演作には、007シリーズのテレンス・ヤング監督作でウルスラ・アンドレス共演の「ドクター・ノオ」(1962年:YouTubeのJames Bond - Dr. NO - 1962 Movie Trailer)、ダニエラ・ビアンキ共演の「ロシアより愛をこめて」(1963年:YouTubeのFrom Russia With Love Trailer)、ガイ・ハミルトン監督作でオナー・ブラックマン共演の「ゴールドフィンガー」(1964年:YouTubeのJames Bond 007 - Goldfinger (1964) - Trailer)、テレンス・ヤング監督作でクローディーヌ・オージェ共演。シリーズで唯一、アカデミー賞(視覚効果賞)を受賞した「サンダーボール作戦」(1965年:YouTubeのThunderball (1965) Fan Trailer)、ほぼ全編日本で撮影され丹波哲郎、若林映子、浜美枝が出演したルイス・ギルバート監督の「007は二度死ぬ」(1967年:YouTubeのJames Bond 007 - You Only Live Twice (1967) - Trailer)、ジル・セント・ジョン共演、ガイ・ハミルトン監督の「ダイヤモンドは永遠に」(1971年:YouTubeのJames Bond: Diamonds Are Forever (Theatrical Trailer))、「サンダーボール作戦」を、アーヴィン・カーシュナー監督がキム・ベイシンガー共演でアメリカでリメイクした「ネバーセイ・ネバーアゲイン」(1983年:YouTubeのNever Say Never Again Trailer)がある。
他には、第二次世界大戦における連合軍のノルマンディー上陸作戦「オーバーロード作戦」を豪華キャストで描いた戦争映画「史上最大の作戦」(1962年:YouTubeのThe Longest Day Trailer (1962))、ジョン・ブアマン監督のSF「未来惑星ザルドス」(1974年:YouTubeのTrailer - Zardoz (1974))、シドニー・ルメット監督がアガサ・クリスティの同名小説の豪華キャストで映画化し、イングリッド・バーグマンがアカデミー助演女優賞を受賞した「オリエント急行殺人事件」(1974年:YouTubeのMurder on the Orient Express (Part 2))、1904年、モロッコを支配しようと企む欧州列強諸国への抗議としてアメリカ人の未亡人(キャンディス・バーゲン)と子供を誘拐したリフ族の首長(ショーン・コネリー)と、人質を救おうとする米大統領セオドア・ルーズベルト(ブライアン・キース)との壮絶な闘いを描くジョン・ミリアス監督の「風とライオン」(1975年:YouTubeのThe Wind And The Lion - Original Trailer 1975)、ジョン・ヒューストン監督が理想郷を追ってあらゆる困難に挑んだ2人の男(ショーン・コネリー、マイケル・ケイン)の冒険を描いた「王になろうとした男」(1975年:YouTubeのThe Man Who Would Be King (1975) )、リチャード・レスター監督が、十字軍の遠征から帰ってきたロビン・フッド(ショーン・コネリー)と尼僧となったマリアン(オードリー・ヘプバーン)との恋の行方を描いた「ロビンとマリアン」(1976年:YouTubeのRobin y Marian. 1976)、リチャード・アッテンボロー監督が豪華キャスト、壮大なスケールで、オランダ・ドイツ間の5つの橋を占領する連合軍のマーケット・ガーデン作戦を描いた「遠すぎた橋」(1977年:YouTubeのA Bridge Too Far(1977)-overture)、ジャン=ジャック・アノー監督がウンベルト・エーコの同名小説を映画化。中世ヨーロッパの修道院を舞台に、修道士連続殺人事件の解明に挑む修道士バスカヴィルのウィリアム(ショーン・コネリー)と見習い修道士の活躍を描いた「薔薇の名前」(1986年:YouTubeのThe Name of The Rose 1986)、スティーブン・スピルバーグ監督、ジョージ・ルーカス製作総指揮、ハリソン・フォード主演による痛快アドベンチャー「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」(1989年:YouTubeのIndiana Jones: The Last Crusade)、NYの犯罪一家3世代が繰り広げる共感と反発、親子の食い違いと信頼感をショーン・コネリー、ダスティン・ホフマン共演で描くシドニー・ルメット監督の「ファミリー・ビジネス」(1989年)、トム・クランシーのジャック・ライアンシリーズの第1作を、アレック・ボールドウィンをライアンに配役しジョン・マクティアナン監督がヤン・デ・ボンのカメラを得て映画化した「レッド・オクトーバーを追え!」(1990年:YouTubeのThe Hunt For Red October (1990) Trailer)、フィリップ・カウフマン監督・脚本、ショーン・コネリー製作総指揮、音楽武満徹で日米経済摩擦を描いた「ライジング・サン」(1993年:YouTubeのRising Sun - trailer 1993)、FBI化学兵器のスペシャリスト(ニコラス・ケイジ)と彼を助けるアルカトラズから唯一脱獄した男(ショーン・コネリー)が海兵隊員の英雄(エド・ハリス)が起こしたテロを阻止するための決死の戦いを描いたマイケル・ベイ監督の「ザ・ロック」(1996年:YouTubeのThe Rock (1996) - Trailer)、天候を操り世界征服を狙う狂気の科学者(ショーン・コネリー)に立ち向かう気象学者(ユマ・サーマン)と謎の諜報員(レイフ・ファインズ)の活躍を描いたジェレマイア・S・チェチック監督の「アベンジャーズ」(1998年:YouTubeのThe Avengers (Theatrical Trailer))、老いた怪盗ショーン・コネリーと、セクシーな保険調査員キャサリン・ゼタ・ジョーンズが共演したジョン・アミエル監督の痛快泥棒映画「エントラップメント」(1999年:YouTubeのEntrapment (1999) - Trailer)、ガス・ヴァン・サント監督が天才少年とその文学の才能を導く師の温かい交流を描いた「小説家を見つけたら」(2000年:YouTubeのFinding Forrester (2000))、世界大戦を引き起こそうとする仮面の武器商人ファントムの陰謀を、怪人連盟が阻止する戦いを描いたスティーヴン・ノリントン監督のアドベンチャー「リーグ・オブ・レジェンド 時空を越えた戦い」(2003年:YouTubeのThe League of Extraordinary Gentlemen - trailer 2003)など多数。

★助演女優賞:オリンピア・デュカキス「月の輝く夜に
> YouTubeのMoonstruck - Breakfast Scene - Cher - Olympia Dukakis
※オリンピア・デュカキスは、1931年6月20日マサチューセッツ州ローウェル生まれ。オフ・ブロードウェイを経て1960年頃から映画に出演。劇団や劇場の設立に携わったり、ニューヨーク大学で教えたりもしている。
主な出演作には、ピーター・イエーツ監督がダスティン・ホフマンとミア・ファロー共演で行きずりの一夜を共にした男女の恋の行方を描いた「ジョンとメリー」(1969年)、マイケル・ウィナー監督がハービー・ハンコック音楽、そしてチャールズ・ブロンソン主演で妻子の復讐のため自ら無法者を殺していく男を描いて大ヒットした「狼よさらば」(1974年:YouTubeのDEATH WISH-1974-TRAILER)、マイク・ニコルズ監督がシガーニー・ウィーバーやメラニー・グリフィス、そしてハリソン・フォードの出演でNYで働く野心的なキャリアウーマンを描いた「ワーキング・ガール」(1988年:YouTubeのWorking Girl(ワーキング・ガール))、エイミー・ヘッカリング監督がジョン・トラボルタ(本作で再起を果たした)とカースティ・アレイを主演に、そして赤ちゃんの声をブルース・ウィリスが担当させて、赤ちゃんの視点で右往左往する大人のおかしさを描写した「ベイビー・トーク」(1989年:YouTubeのLook Who's Talking Too trailer)、ハーバート・ロス監督がジュリア・ロバーツやサリー・フィールドらを共演させて女同士の友情を通し母娘の愛と死や新たな生命の誕生を描いた「マグノリアの花たち」(1989年:YouTubeのSteel Magnolias (1989) Trailer)、ウディ・アレン監督・脚本のコメディでミラ・ソルヴィノがアカデミー助演女優賞を受賞した「誘惑のアフロディーテ」(1995年:YouTubeのMighty Aphrodite Ending)、スティーヴン・ヘレク監督が音楽に関心のない生徒たちに音楽の素晴らしさを教える高校の音楽教師(リチャード・ドレイファス)を描いた感動作「陽のあたる教室」(1995年:YouTubeのMr Hollands Opus - An American Symphony)、サラ・ポーリー監督が認知症に直面して愛し合う老夫婦(ジュリー・クリスティとゴードン・ピンセント)の関係が変化していく様を描き数多くの映画賞を受賞した「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」(2006年:YouTubeのAway From Her (2006) - Going Back to the House...)がある。

★外国語映画賞:「バベットの晩餐会」(デンマーク)監督:ガブリエル・アクセル
※「バベットの晩餐会」は19世紀のデンマーク・ユトランドの片田舎が舞台。牧師である父を手伝うため独身を通す姉妹マーチーネ(ビルギッテ・フェダースピール)とフィリパ(ボディル・キュア)のもとに、フランスから亡命してきたバベット(ステファーヌ・オードラン)が家政婦として働くことになる。ある日、宝くじが当たったバベットは姉妹と村人にお礼の晩餐会を開く。そしてバベットの作った料理を味わう村人の顔が徐々に至福の顔に変わっていく。批評家や映画愛好者に評価が非常に高い作品。
> YouTubeのBabettes feast trailer
> YouTubeのBabettes gastebud
監督のガブリエル・アクセルは、1918年4月18日デンマークのオーフス生まれ。18歳までパリに住むが、その後デンマークに戻ってロイヤル・デニッシュ・シアターで演技を学び、監督・脚本で活躍。

1980年代

1986年の主要な作品2

1986年の主要な作品2(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

◆「眺めのいい部屋」監督:ジェームス・アイボリー
※1907年。イギリスの良家の令嬢ルーシー・ハニーチャーチ(ヘレナ・ボナム・カーター)は、年上の従姉シャーロット(マギー・スミス)に付き添われ、イタリアのフィレンツェを訪れる。ペンションについた二人は、部屋が美しいアルノ河に面した側でないことにがっかりするが、エマソン(デンホルム・エリオット)は息子のジョージ(ジュリアン・サンズ)と泊っている眺めのいい部屋と交換してもいいと申し出てくれる。一度はためらうが牧師の説得もあり申し出を受ける。やがてルーシーとジョージに、特別な感情が芽生えはじめる。二人の仲に気づいたシャーロットは、ルーシーをイギリスに連れ帰ってしまう。数ヵ月後、ルーシーは、高い教養を持ったシシル・ヴァイス(ダニエル・デイ・ルイス)と婚約する。そんな矢先、ジョージがルーシーの家に近い家を借りる。やがて二人は再会する。
> YouTubeのRoom With a View - My favourite scene
※ジェームス・アイボリーは、1928年6月7日カリフォルニア州バークリー生まれ。大学で映画製作を学ぶ。1963年にインドで長篇監督デビュー。その後イギリスを経て、1972年にアメリカに戻る。以後、出演者に多くの映画賞をもたらし、スター俳優が出演を熱望する監督の一人である。
ジェームス・アイボリーの他の監督作には、19世紀のボストンで女性の権利が迫害されていると訴える女性が主義と恋の狭間で悩む様子を描いた「ボストニアン」(1984年:YouTubeのThe Bostonians (Merchant-Ivory, 1984))、イギリスの全寮制大学を舞台に罪と知りつつ同性愛に溺れていく青年たちの苦悩をヒュー・グラント、ジェームズ・ウィルビー出演で描いた「モーリス」Maurice (1987年:YouTubeのTrailer do filme MAURICE (1987))、2つの家族が別荘“ハワーズ・エンド”をめぐって繰り広げる人間模様を描いた「ハワーズ・エンド」(1992年:YouTubeのHoward's End Trailer)、アンソニー・ホプキンス、エマ・トンプソン主演で名家に一生を捧げた老執事が半生を回想し職務のため断ち切った愛を確かめる様を描いた「日の名残り」(1993年:YouTubeのThe Remains of the Day(1993)Trailer)、ニック・ノルティ主演でトマス・ジェファソンのパリ公使時代の知られざる愛を描いた「ジェファソン・イン・パリ」(1995年:YouTubeのJefferson in Paris French Revolution Francaise 1789)、パリに住むアメリカ人の少女(リーリー・ソビエスキー)の成長を家族との交流を中心に描いたケイリー・ジョーンズのベストセラー小説を映画化した「シャンヌのパリ、そしてアメリカ」(1998年)、20世紀初頭欧米の上流社会に生きる人々の恋愛模様を描いた「金色の嘘」(2000年:YouTubeのTHE GOLDEN BOWL)、ケイト・ハドソン主演で離婚劇を通してアメリカとフランスの文化の違いを浮き彫りにした「ル・ディヴォース/パリに恋して」(2003年)、1936年激動期の上海でホステスとして働く亡命ロシア人である伯爵夫人(ナターシャ・リチャードソン)の運命を描いた「上海の伯爵夫人」The White Countess (2005年:YouTubeのThe White Countess, movie (video) trailer and review) などがある。

◆「ラウンド・ミッドナイト」監督:ベルトラン・ダベルニエ
※1959年,パリ。アメリカのテナー・サックス奏者デイル・ターナー(デクスター・ゴードン)がクラブ「ブルーノート」に出演するためにやって来た。盛りを過ぎたとはいえ、モダンジャズの創始者でもあるサックスの巨人デイルには、パリのジャズ・ファンの心をときめかした。デイルを迎えたのはクラブの音楽監督でピアニストのエディ・ウェイン(ハービー・ハンコック)やヴァイブのエース(ボビー・ハッチャーソン)といった気心の知れた仲間たちとクラブのオーナー、ベン(ジョン・ベリー)らであった。クラブは久々に大物の来場で湧き返った。その音を、クラブの外で雨にうたれながらじっと聴いている若者がいた。貧しいグラフィック・デザイナーのフランシス・ボリエ(フランンワ・クリューゼ)で、彼はみすばらしいアパートで待っていた9歳の娘ベランジェール(ガブリエル・アケル)にその感激を語って聞かせた。
1940年代、50年代の代表的ジャズプレイヤーと、彼を神のように尊敬する若者の交流をデクスター・ゴードンやハービー・ハンコックなど大物ジャズ・ミュージシャンの出演で描いたジャズ映画。
> YouTubeのRound Midnight (1986) Trailer
※ベルトラン・ダベルニエは、1941年4月25日フランス・リヨン生まれ。
他の作品には、ナチス占領下のパリでナチのプロパガンダを担っていたドイツ資本の映画会社<コンティナンタル>に隠された真実を描いた「レセ・パセ 自由への通行許可証」(2002年)、フランスの幼稚園を舞台に授業料不払いや虐待など子供たちの様々な問題を何とかしようとする園長の姿をフィリップ・トレトン主演で描いた「今日から始まる」(1999年)、パリの若者たちの無軌道な生きざまをマリー・ジラン出演で描いた「ひとりぼっちの狩人たち」(1995年:YouTubeのL'Appat)、三銃士の剣士ダルタニヤンの娘が宮廷の陰謀に立ち向かう姿をソフィー・マルソー出演で描いた「ソフィー・マルソーの三銃士」(1994年:YouTubeのLa fille de d'Artagnan)、初秋の南仏を舞台に死期の迫った父と最後の日々を共にする娘の愛情あふれる交歓をダーク・ボガード、ジェーン・バーキン共演で描いた「ダディ・ノスタルジー」(1990年:YouTubeのDaddy Nostalgie Part 1/12)、第一次大戦後のフランスで行方不明の愛する男を捜す美しい貴婦人と若い娘、それに協力する少佐の3人の邂逅と愛、別離をフィリップ・ノワレ出演で描いた「愛をもとめて〜素顔の貴婦人〜」(1989年:YouTubeのLa vie et Rien D'autre trailer)、親子二代に渡って親殺しの因果を背負った14世紀の地方の豪族の父娘の生涯をジュリー・デルピー出演で描いた「パッション・ベアトリス」(1987年:YouTubeのTrailer - La Pasion de Beatrice (1987))、20世紀初頭の秋のパリ郊外を舞台に老画家をめぐる日曜日の出来事をルイ・デュクルー出演で描いた「田舎の日曜日」(1984年)などがある。

子猫物語 監督:畑正憲
※ムツゴロウこと畑正憲が市川崑の協力を得て監督した、子猫・チャトランの冒険物語。北海道の美しい自然と子猫たちの可愛らしい姿が評判となった。坂本龍一が音楽、谷川俊太郎が詩、詩の朗読を小泉今日子が担当している。
> YouTubeのMe singing "Koneko Monogatari" (Milo and Otis) *New MIC*

植村直己物語 監督:佐藤純彌
※冒険家・植村直己(西田敏行)の半生を描いたヒューマンな伝記映画。妻・公子を倍賞千恵子が好演。
※監督の佐藤純彌は、1932年11月6日東京都生まれ。東京大学文学部卒業。1956年東映入社。1963年監督デビュー。1968年東映退社。ヤクザ映画を中心に監督した後、大作を手がける事が多い。
佐藤純彌監督の他の主な作品には、私刑と暴力がはびこる帝国陸軍の実状を暴いた佐藤純彌監督のデビュー作「陸軍残虐物語」(1963年)、新幹線に爆弾を仕掛けた犯人と警察、国鉄の息づまる駆け引きを描いた「新幹線大爆破」(1975年:YouTubeの新幹線大爆破予告編)、無実の罪を着せられた検事(高倉健)が自らを罠に陥れた見えない敵を追う「君よ憤怒の河を渉れ」(1976年)、黒人青年殺害事件をきっかけとして日本とアメリカを舞台に戦後三十年を生きたさまざまな人間を描いた「人間の証明」(1977年:YouTubeのジョー山中 人間の証明)、高倉健と薬師丸ひろ子共演で元自衛隊員が繰り広げる壮絶な戦いを描いた「野性の証明」(1978年:YouTubeの映画「野性の証明」の主題歌(歌詞付き))、北大路欣也主演で空海の生涯を通して日本の思想や文化の根元を描いた「空海」(1984年)、井上靖の同名小説を製作費45億円と中国大ロケを敢行して完成させた歴史スペクタクル「敦煌」(1988年)、鎖国中の江戸時代、船が遭難しカムチャッカに漂着した光太夫一行の数奇な運命を描いた実話を基にした「おろしや国酔夢譚」(1992年:YouTubeのシベリア大紀行 〜おろしや国酔夢譚の世界をゆく〜 )、「金融腐蝕列島「再生」」(2002年)、太平洋戦争下、戦艦大和で米軍との戦いに臨んでいった若者たちの命運を描いた「男たちの大和 / YAMATO」(2005年:YouTubeの男たちの大和 -Battleship YAMATO-)などがある。

キネマの天地 監督:山田洋次
※映画館の売り子だった小春(有森也実)が、撮影所の小倉監督(すまけい)の勧めから女優になることを決意し、助監督の島田(中井貴一)や旅回りの役者だった小春の父(渥美清)の励ましもあり、スターとなる。小春役を藤谷美和子が降板し、有森也実が抜擢された。
※山田洋次監督は、1931年9月13日大阪府豊中市生まれ。川島雄三、野村芳太郎の助監督を経て、1961年監督デビュー。以降、「男はつらいよ」シリーズをはじめ多くのヒット作を発表。日本と日本人を美しく描く日本映画界の第一人者である。
> YouTubeのハナ肇と山田洋次:のちに続く男はつらいよシリーズの基礎を作り上げた名コンビ。そしてハナ肇出演映画いくつか
山田洋次監督の他の作品には、過酷な運命の下でも希望を持って支えあう家族の姿を吉永小百合主演で描いた「母べえ」(2008年:YouTubeの映画 「母(かあ)べえ」 (08 日/0801 公開) 予告篇)、小藩に仕える下級武士が妻の名誉を守るため盲目にもかかわらず無謀な果し合いに挑む姿を木村拓哉出演で描いた「武士の一分」(2006年) 、幕末を舞台に予期せぬ運命に翻弄される下級武士と奉公娘との身分を越えた純愛を永瀬正敏、松たか子出演で描いた「隠し剣 鬼の爪」(2004年:YouTubeの隠し剣 鬼の爪 予告)、殺伐とした幕末を舞台に子持ちの寡男である下級武士の生き様を真田広之、宮沢りえ出演で描いた「たそがれ清兵衛」(2002年:YouTubeのたそがれ清兵衛 Tasogare Seibei trailer (French subtitled))、不登校の中学生が、ヒッチハイクの旅を通して成長していく様を金井勇太、麻実れい、丹波哲郎、小林稔侍、赤井英和ほかの出演で描いた「十五才 学校IV」(2000年)、職業訓練校に通い始めた自閉症の子供を抱えた中年女性を中心に人生の再出発をかけてそこに集った人々の心の触れ合いを大竹しのぶ、小林稔侍出演で描いた「学校III」(1998年)、奄美群島を舞台に元映画館主の男と彼を慕う青年とが移動映写で島々を巡る姿を西田敏行、吉岡秀隆、小泉今日子共演で描いた「虹をつかむ男 南国奮斗篇」(1997年)、映画を愛してやまぬ映画館主をめぐる人間模様を数々の名画の断片を交えて西田敏行出演で描いた「虹をつかむ男」(1996年)、北海道の養護学校に集う様々な人間たちのふれあいを西田敏行出演で描いた「学校II」(1996年)、東京の下町にある夜間中学校を舞台に様々な境遇を持つ生徒たちと先生との交流を西田敏行、竹下景子出演で描いた「学校」(1993年)、田舎に住む父親と都会でフリーアルバイター生活を送る息子との対立と和解を通して家族の真の幸福を三國連太郎、永瀬正敏の共演で描いた「息子」(1991年)、早坂暁の同名小説の映画化で学制改革を翌年 に控えた最後の旧制高校生たちの恋や友情などを薬師丸ひろ子主演で描いた「ダウンタウンヒーローズ」(1988年:YouTubeの薬師丸ひろ子 時代(ダウンタウンヒーローズカット版))、警察に追われる男と牧場を切り回す母子の出会いと別れを高倉健、倍賞千恵子主演で描いた「遥かなる山の呼び声」(1980年:YouTubeの遙かなる山の呼び声 予告)、模範囚として刑期を終えた男が行きずりの若者二人と共に妻のもとへ向う姿を高倉健、倍賞千恵子主演で描いた「幸福の黄色いハンカチ」(1977年:YouTubeの「幸せの黄色いリボン」 ドーン)、岩手県の農村を舞台に東京の劇団のミュージカルを公演しようとする青年団の活動を寺尾聰、倍賞千恵子主演で描いた「同胞 はらから」(1975年)、瀬戸内海の島に暮らす一家が開発の波に追われ父祖の地に哀惜の思いを残しながら、新天地を求めて移往するまでを井川比佐志、倍賞千恵子主演で描いた「故郷」(1972年)、炭鉱が閉山したため長崎から北海道の開拓村へと移住する家族の旅を倍賞千恵子と井川比佐志主演で描いた「家族」(1970年)、内海に面した工業都市を舞台にボルネオ帰りの男が巻き起こす大騒動をハナ肇主演で描いた「喜劇・一発大必勝」(1969年)などがある。

1980年代

1986年の主要な作品(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

1986年の主要な作品(アカデミ賞主要部門等の受賞作以外)

※この年は、3月10日に俳優のレイ・ミランド、11月29日にケーリー・グラントそして、12月28日に監督アンドレイ・タルコフスキーが亡くなっています。

◆「トップガン」監督:トニー・スコット
※アメリカ海軍の戦闘機F-14の一匹狼的なパイロット・マーベリック(トム・クルーズ )は、相棒のグース(アンソニー・エドワーズ)と共にエリート航空戦訓練学校であるアメリカ海軍戦闘機兵器学校(トップガン)に送られ、ドッグファイトの訓練を受ける。そこでチャーリー(ケリー・マクギリス)という民間人の女性教官と知り合い、立場を超えて恋愛関係を持つようになる。
トップガンではライバルのアイスマン(ヴァル・キルマー)と競い合う。そして激しい訓練の最中にマーベリックのF-14戦闘機は操縦不能のきりもみ状態になり、脱出の際の事故でグースは死んでしまう。そのことでマーベリックは激しい自責の念にさいなまれる。
マーベリックはコールサイン(タックネーム)でパイロットのあだ名。焼印の押されていない仔牛のことで組織に属さない異端児という意味でつけられた。
またこの映画は、トム・クルーズをはじめヴァル・キルマー、メグ・ライアン、ティム・ロビンスらの出世作となった。
トップガンのサントラも大ヒットし、アカデミー賞とゴールデングローブ賞の主題歌賞を受賞している。
トニー・スコット監督の他の作品には、カトリーヌ・ドヌーヴが吸血鬼に扮しデヴィッド・ボウイ、スーザン・サランドンが共演したホラーロマンス「ハンガー」(1983)、エディ・マーフィ主演の人気刑事アクションシリーズ第2弾「ビバリーヒルズ・コップ2 」(1987)、ケビン・コスナー, アンソニー・クインと美女マデリーン・ストーが演じる泥沼の愛憎劇「リベンジ」(1990)、トム・クルーズ, ロバート・デュヴァルとニコール・キッドマンが出演したカーアクション「デイズ・オブ・サンダー」(1990)、ブルース・ウィリス、ハル・ベリーが共演したアクション「ラスト・ボーイスカウト」(1991)、クエンティン・タランティーノの処女脚本作でクリスチャン・スレイターほか豪華曲者キャストが出演したヒット作「トゥルー・ロマンス」(1993)、潜水艦映画に駄作なし!デンゼル・ワシントンと名優ジーン・ハックマンのポリティカル・サスペンス「クリムゾン・タイド」(1995)、ロバート・デ・ニーロ, ウェズリー・スナイプス共演のサイコスリラー「ザ・ファン」(1996)、ウィル・スミス, ジーン・ハックマン, ジョン・ボイド共演のポリティカル・サスペンス「エネミー・オブ・アメリカ」(1998)、ロバート・レッドフォードとブラッド・ピットが共演したサスペンス・アクション「スパイ・ゲーム」(2001)、名優デンゼル・ワシントンに名子役ダコタ・ファニングが主演した凄絶な復讐劇「マイ・ボディガード」(2004)、モデルでありながら賞金稼ぎとなった実在の女性ドミノをキーラ・ナイトレイが演じた「ドミノ 」(2005)、デンゼル・ワシントンと新人ポーラ・パットンが主演したジェリー・ブラッカイマー制作のヒット作「デジャヴ」(2006) がある。

◆「クロコダイル・ダンディ」監督:ピーター・フェイマン
※ニューヨークの女性新聞記者スー(リンダ・コズラウスキー)は、ワニと格闘するタフな男、マイケル・クロコダイル・ダンディー(ポール・ホーガン)に会うためオーストラリアへ。そして、記事の取材で2人奥地へ向うが、数々のハプニングを通して次第に惹かれ合っていく。やがて、ダンディーはスーの誘いでニューヨークへ降り立つが、そこには彼女の恋人が迎えに来ていた。
ポール・ホーガンがニューヨーク滞在中に経験したことを基に脚本を書いて自ら主演し大ヒットした、オーストラリアの田舎者から見たアメリカという文明批評の要素が強いコメディである。そしてホーガンは妻と離婚し、本作で共演したリンダ・コズラウスキーと結婚することになる。

◆「ベスト・キッド2」監督:ジョン・G・アヴィルドセン
※ダニエルとミヤギのカラテ師弟コンビが活躍するシリーズ第2作目。
全米カラテ・トーナメントで、ダニエル(ラルフ・マッチオ)は満身創裏の身体にムチ打ち、優勝した。破れたコブラ会のリーダー、クリース(マーティン・コーヴ)が弟子を痛めつけるのを正視できないダニエルの師匠ミヤギ(ノリユキ・パット・モリタ)はクリースを押さえつける。そしてその半年後、ミヤギの許へ故郷・沖縄から父が危篤という手紙が届く。彼はダニエルを連れて、沖縄に帰る。しかし沖縄では、かつて同じ女性を愛したがために宿敵となった地元のボス・サトー(ダニー・カメコナ)が、復讐のために待ちかまえていた。
ジョン・G・アヴィルドセン監督の他の作品は、ジャック・レモンが元ベトナム戦争帰還兵を演じたヒューマンドラマ「セイブ・ザ・タイガー」(1973年)、シルベスター・スタローン主演の大ヒットボクシングドラマ「ロッキー」(1976年)、ジョンベルーシが平凡なサラリーマンを、キレた隣人をダンエイクロイドが演じる「ネイバーズ」(1981年)、エリザベス・シューが出演しているシリーズ第一作「ベスト・キッド」(1984年)、「ベスト・キッド3 最後の挑戦」(1989年)、「ロッキー5」(1990年)がある。

◆「スタートレック4 故郷への長い道」監督:レナード・ニモイ
※スポック役のレナード・ニモイが監督した全6作シリーズの4作目で最大のヒット作。
スポックを救って、エンタープライズ号を自爆させてしまったカーク提督(ウィリアム・シャトナー)は裁かれるため、クルー共々地球へ向かう。すると地球は、謎の宇宙船が放つ強烈なエネルギーのため、電波は荒れ、災害が続発し、暴風雨に襲われている。カークは謎の宇宙船が発する音波をキャッチして分析すると、ザトウクジラの声と判明する。23世紀には死滅しているクジラを20世紀より連れて来て、地球上にクジラが生存していることを知らせないと、謎の宇宙船は去らない。カークらは、20世紀のサンフランシスコにタイムスリップする。
環境保護を訴えるテーマ性の強い作品となっているが、クジラを食用その他に利用する日本人にはうんざりかもしれない。

◆「ゴールデン・チャイルド」監督:マイケル・リッチー
※エディ・マーフィ主演によるアドベンチャーコメディ。
千年に一度現れてこの世に善をもたらすチベットのゴールデンチャイルド(J・L・リアート)を、暗黒魔団のボス、サード(チャールズ・ダンス)が連れ去った。その頃、LAで行方不明の子供の捜し屋チャンドラー・ジャレル(エディ・マーフィ)は、TVのワイド・ショーで、シェリルという少女の捜索協力を訴えていたが、それを見ていたチベットの美女キー・ナン(シャーロット・ルイス)は、誘拐されたゴールデン・チャイルドの捜査をジャレルに頼むためにLAにやって来た。ジャレルはギー・ナンの依頼を拒むが、死体で発見されたシェリルの誘拐犯がゴールデン・チャイルド失踪と関係のある事実を知ったことから協力を承諾する。
ダライラマの転生劇が素材となっている。
マイケル・リッチー監督の他の作品には、チェビー・チェイス, ジーナ・デイビス出演のミステリーコメディ「フレッチ/殺人方程式」(1985)、ゴールディ・ホーンが熱血鬼コーチを演じたスポーツコメディ「ワイルドキャッツ」(1985)、ウォルター・マッソー, テイタム・オニールが出演した大ヒットスポーツコメディ「がんばれ!ベアーズ」(1976)、「ブラック・エース」(1972)、ロバート・レッドフォード, ピーター・ボイル出演の社会派ドラマ。アカデミー賞オリジナル脚本賞受賞「候補者ビル・マッケイ」(1972)がある。

◆「フェリスはある朝突然に」監督:ジョン・ヒューズ
※フェリス(マシュー・ブロデリック)は仮病をつかって学校をズル休み。ルーニー校長(ジェフリー・ジョーンズ)は、フェリスのズルの証拠を入手しようとイライラし出した。フェリスは、病気で休んでいる金持ちの坊っちゃんキャメロン(アラン・ラック)に親のフェラーリで迎えに来させる。ついで、フェリスは偽電話で、ガールフレンドのスローアン(ミア・サーラ)を帰宅させてしまう。そして、三人のバカンスが始まった。
アメリカで根強い人気がある青春映画。シカゴ・カブスの本拠地リグレーフィールドや、シカゴ美術館などのシカゴの観光名所で撮影して話題となった。
ジョン・ヒューズ監督の他の作品には、モリー・リングウォルド主演のティーンエイジ・ロマンス「すてきな片想い」(1984)、全米の若者のバイブルになった青春ドラマ「ブレックファスト・クラブ」(1985)、パソコンから飛び出た美女と恋愛レッスン「ときめきサイエンス」(1985)、スティーブ・マーティン主演の抱腹絶倒コメディ「大災難P.T.A.」(1987)、ケヴィン・ベーコンとエリザベス・マクガバン共演の青春ホームドラマ「結婚の条件」(1988)、ジョン・キャンディ主演、マコーレー・カルキンも出演しているホームコメディ「おじさんに気をつけろ! 」(1989)、当たり屋の少女が繰り広げるハートフル・コメディ「カーリー・スー」(1991)がある。

◆「薔薇の名前」監督:ジャン=ジャック・アノー
※イタリアの記号学者ウンベルト・エーコ原作の中世ミステリーの傑作。原作の日本語訳は東京創元社より、薔薇の名前〈上〉薔薇の名前〈下〉が刊行されている。
1327年、修道士バスカヴィルのウィリアム(ショーン・コネリー)と見習修道士のアドソ(クリスチャン・スレーター)が北イタリア・ベネディクト修道院の会議に出席するために修道院に向かっていた。修道院に着くと、ウィリアムは、若い修道士が不審な死を遂げたことを知る。修道院長(ミシェル・ロンダール)は、死んだ僧は、文書館でさし絵師として働いていたと話す。そしてウィリアムは、修道院長から殺人の疑いもあるこの事件の解明を頼まれる。ウィリアムと敵対する異端審問官のベルナール・ギーをアマデウスでサリエリを演じたF・マーリー・エイブラハムが、物資給与係のサルヴァトーレをロン・パールマンが怪演。
ジャン=ジャック・アノー監督の他の作品には、「ブラック・アンド・ホワイト・イン・カラー」(1976)、有史以前の人類が進化していく様をリアリズムで捉えたスペクタクル「人類創世」(1981)、野生で生きる熊の姿をドキュメントタッチで描いた動物映画の秀作「子熊物語」1988)、マルグリット・デュラスのベストセラー小説を映画化した「愛人 -ラマン-」(1992)、「愛と勇気の翼」(1995)、ブラッド・ピット出演の問題作「セブン・イヤーズ・イン・チベット」(1997)、ジュード・ロウ, ジョセフ・ファインズ, レイチェル・ワイズ, エド・ハリス共演の壮大な人間ドラマ「スターリングラード」(2000)、本物のトラを使い、トラの兄弟の数奇な運命をドキュメンタリータッチで描いた「トゥー・ブラザーズ」(2004)がある。

◆「スタンド・バイ・ミー」監督:ロブ・ライナー
※スティーブン・キングの自伝的短編「死体」(中編小説集「恐怖の四季」所収)が原作。
オレゴン州の小さな町キャッスルロック。12歳のゴーディ(ウィル・ウィートン)には、リーダーのクリス(リヴァー・フェニックス)にテディ(コリー・フェルドマン)、バーン(ジェリー・オコネル)という3人の仲間がいた。ある日バーンが、ここ数日行方不明になっている少年が、30キロ先の森の奥で列車にはねられ、その死体が野ざらしになっているという話を、エース(キーファー・サザーランド)をボスとする不良グループの会話から盗み聞きした。死体を発見したら町の英雄になれる!4人は死体を探しにピクニック気分で2日間の旅に出る。キャッスルロックという小さな世界しか知らなかった少年たちにとって、それは初めて体験する大冒険だった。
死体探しという冒険旅行を通して、少年期の特異な友情、そして訣別の姿をノスタルジックに描いたロブ・ライナーの傑作である。
ロブ・ライナー監督の他の作品には、ロブ・ライナー自身が自称映画監督のCMディレクターに扮したロック映画「スパイナル・タップ」(1984) 、メグ・ライアンとビリー・クリスタル共演のラブ・コメディー「恋人たちの予感」(1989)、キャシー・ベイツがアカデミー賞主演女優賞を受賞したサイコ・スリラーの傑作「ミザリー」(1990)、ジャック・ニコルソン, デミ・ムーア, トム・クルーズ共演の本格サスペンス「ア・フュー・グッドメン」(1992)、「ノース 小さな旅人」(1994)、マイケル・ダグラスとアネット・ベニングが共演したしゃれたラブ・ストーリー「アメリカン・プレジデント」(1995)、ケイト・ハドソンとルーク・ウィルソン共演によるロマンティックコメディ「あなたにも書ける恋愛小説」(2003)、ジェニファー・アニストン、ケビン・コスナー出演のラブ・コメディ「迷い婚 ~すべての迷える女性たちへ~」(2005)、ジャック・ニコルソンとモーガン・フリーマン共演による感動作「最高の人生の見つけ方」(2007) などがある。

1980年代

1986年の映画2

1986年の映画2

ベネチア国際映画祭

★作品賞:「緑の光線」監督:エリック・ロメール
※エリック・ロメールの連作「喜劇と格言劇場」第5弾。独りぼっちの夏休みを何とか実りあるものにしようとする若い女性デルフィーヌ(マリー・リヴィエール)の旅を、優しい南仏の自然光を活かした全編ロケの16mm撮影で、おっとりと軽妙に語っていく、これぞヌーヴェル・ヴァーグという映画である。「緑の光線」とは日没の際に一瞬見えると言われる光のこと。ジュール・ヴェルヌの同名の小説に出てくる話で、この緑色の光を見た者は人の気持ちが分かるようになるという。
YouTubeのLe rayon vert (1)
※エリック・ロメールは、1920年4月4日フランスのロレーヌ地方ナンシー生まれ。ヌーヴェルヴァーグの重要な監督である。1959年長編第一作「獅子座」を監督し1963年に発表。1962年に連作「六つの教訓話」、1981年に連作「喜劇と格言劇」、1989年に連作「四季の物語」を撮り始める。2001年ヴェネチア国際映画祭金獅子賞・特別功労賞、2005年ルネ・クレール賞受賞。
他の監督作には、ヌーヴェル・ヴァーグを代表する6人の監督によるオムニバスの第4話「エトワール広場」を撮った「パリところどころ」(1965年)、「六つの教訓話」第1作「モンソーのパン屋の女の子」(1962年)、第2作「シュザンヌの生き方」(1963年:YouTubeの「シュザンヌの生き方/La Carriere De Suzanne」)、第3作「コレクションする女」(1967年:YouTubeのLa Collectionneuse)、第4作「モード家の一夜」(1969年:YouTubeのMa nuit chez Maud (Rohmer))、第5作「クレールの膝」(1970年:YouTubeの「クレールの膝/LE GENOU DE CLAIRE 」)、第6作「愛の昼下がり」(1972年:YouTubeのL'amour l'apres-midi)、「O侯爵夫人」(1976年:YouTubeの「O侯爵夫人/DIE MARQUISE VON O」)、「聖杯伝説」(1978年:YouTubeのPerceval le Gallois (1978))、「喜劇と格言劇」第1作「飛行士の妻」(1981年:YouTubeのLa Femme de l'Aviateur 1)、第2作「美しき結婚」(1982年)、第3作「海辺のポーリーヌ」(1983年)、第4作「満月の夜」(1984年:YouTubeのelli&jacno - les nuits de la pleine lune)、第6作「友だちの恋人」(1987年:YouTubeのEric Rohmer - L'Ami de mon amie (1987) Trailer)、「レネットとミラベル 四つの冒険」(1987年)、「四季の物語」第1作「春のソナタ」(1989年)、第2作「冬物語(1991年)、第3作「夏物語」(1996年:YouTubeのConte d-ete trailer)、第4作「恋の秋」(1998年)、「木と市長と文化会館」(1992年)、「パリのランデブー」(1995年)、「グレースと公爵」(2001年:YouTubeのL'Anglaise et le Duc)がある。

★主演男優賞:カルロ・デッレ・ピアーネ「クリスマス・プレゼント」
※カルロ・デッレ・ピアーネの他の出演作には、ケン・ローチ、アッバス・キアロスタミ、エルマンノ・オルミという3人の高名な監督による物語を1つの感動作にまとめあげた「明日へのチケット」(2005)や、「A SCHOOL OUTING」がある。

★主演女優賞:バレリア・ゴリノ「愛の物語」
※バレリア・ゴリノは、1966年10月22日イタリア・ナポリ生まれ。シリアスからコメディまで幅広くこなし、英・仏・ギリシャ語が堪能な国際派女優。14才からモデル。1983年映画デビュー。1986年「STORIA D'AMORE」でベネチア映画祭最優秀女優賞受賞。
他の出演作は、「インディアン・ランナー」(1988年:YouTubeのThe Indian Runner (1991) - Trailer)、「レインマン」(1988年:YouTubeのRain Man Official Trailer)、「ホット・ショット」(1991年:YouTubeのHot Shots Trailer)、「ホット・ショット 2」(1993年:YouTubeのHot Shots: Part Duex)、「不滅の恋 ベートーヴェン」(1994年:YouTubeのImmortal Beloved trailer)、「フォー・ルームス」(1995年:YouTubeのFour Rooms Trailer)「リービング・ラスベガス」(1995年:YouTubeのLeaving Las Vegas Trailer)、「エスケープ・フロム・L.A.」(1995年:YouTubeのEscape From LA Trailer)、「彼女を見ればわかること」(1999年:YouTubeのThings You Can Tell Just By Looking At Her - Trailer)、「HOTEL」(2001年)、「あるいは裏切りという名の犬」(2004年:YouTubeの36 quai des orfevres - Trailer)がある。


■カンヌ映画祭

★パルムドール:「ミッション」監督:ローランド・ジョフィ
※1750年代、スペイン植民地下の南米・パラナ川上流(パラグアイ付近)で、先住民グアラニー族へキリスト教を布教するためにやってきたイエズス会宣教師ガブリエル(ジェレミー・アイアンズ)と元奴隷商人メンドーサ(ロバート・デ・ニーロ)が、キリスト教の理想と植民地主義の現実に葛藤する姿を描く。
> YouTubeのThe mission trailer
※監督のローランド・ジョフィは、1945年11月17日ロンドン生まれ。マンチェスター大学卒業後、演劇、テレビを経て映画監督。
他に、1970年代、クメール・ルージュ支配下のカンボジアを舞台にアメリカ人記者と現地人助手の友情を描いた「キリング・フィールド」(1984年:YouTubeのThe Killing Fields Trailer)、パトリック・スウェイジ、ポーリン・コリンズ出演の「シティ・オブ・ジョイ」(1992年:YouTubeのCity Of Joy )、ナサニエル・ホーソンの「緋文字」をデミ・ムーア・ゲイリー・オールドマン主演で映画化した「スカーレット・レター」(1995年:YouTubeのThe Scarlet Letter(A Gary Oldman Music Video))、パトリシア・アークエット主演の保険金殺人計画をめぐるスタイリッシュ・サスペンス「グッバイ・ラバー」(1999年:YouTubeのGoodbye Lover[Trailer])、ジェラール・ドパルデューがルイ14世に時代に実在した天才料理人ヴァテールに扮した「宮廷料理人ヴァテール」(2000年:YouTubeのVatel-trailer)がある

★監督賞:マーティン・スコセッシ「アフター・アワーズ
※ニューヨークを舞台に、会社帰りのサラリーマンに次々と悪夢のような不可思議な出来事が襲いかかるブラックコメディ。
> YouTubeのAfter Hours Trailer
※マーティン・スコセッシは、1942年11月17日ニューヨーク市クイーンズ区でシチリア系イタリア移民の家に生まれリトル・イタリーで育ち、ニューヨーク大学映画学部で学ぶ。ニューヨーク派の巨匠であり、そのためかアカデミー賞に何度もノミネートされたが、6度目の「ディパーテッド」でやっとアカデミー賞監督賞・作品賞を受賞した。
2001年以降の作品には、復讐に生きるアイルランド移民の青年アムステルダムをレオナルド・ディカプリオ、敵役をダニエル・デイ=ルイスが演じた「ギャング・オブ・ニューヨーク」(2002年:YouTubeのGangs of New York - Trailer)、アフリカのミュージシャンを通してブルースのルーツに迫るドキュメンタリー「フィール・ライク・ゴーイング・ホーム」(2003年)、レオナルド・ディカプリオの主演でハワード・ヒューズの波乱の人生を綴った「アビエイター」(2004年:YouTubeのThe Aviator [Part 1])、ボブ・ディランの音楽と生き様に迫ったドキュメンタリー「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」(2005年:YouTubeのBob Dylan - No Direction Home)、レオナルド・ディカプリオ、マット・デイモン主演でアカデミー賞4部門受賞した「ディパーテッド」(2006年:YouTubeのThe Departed Trailer)、マーティン・スコセッシとザ・ローリング・ストーンズが創り出した21世紀最高のライブ・エンターテインメント「ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト」(2008年:YouTubeのShine A Light Trailer)がある。

★主演男優賞:2名受賞
☆ボブ・ホスキンス「モナリザ」
※ボブ・ホスキンスは、1942年10月26日イギリス・サフォーク州生まれ。20代半ばから舞台に出演し、1969年映画デビュー。
「モナリザ」は、ニール・ジョーダン監督作。高級娼婦の運転手になった刑務所帰りのさえない中年男ジョージ(ボブ・ホスキンス)と高級娼婦シモーヌ(キャシー・タイソン)の夜のロンドンを舞台にしたほろ苦い恋を描いたミステリアスなラブ・ストーリーである。
> YouTubeのmona lisa trailer bob hoskins
ボブ・ホスキンスの他の出演作には、フランシス・F・コッポラ監督がリチャード・ギア主演で禁酒法下のギャングの争いをノスタルジックに描いた「コットンクラブ」(1984年:YouTubeのThe Cotton Club (Theatrical Trailer))、鬼才テリー・ギリアム監督が管理社会を痛烈に皮肉ったSFファンタジーの傑作「未来世紀ブラジル」(1985年:YouTubeのBrazil(1985) Trailer)、ボブ・ホスキンスが、弟をトゥーンに殺されてからアニメを憎むようになった探偵エディ・バリアントを演じたロバート・ゼメキス監督の「ロジャー・ラビット」(1988年:YouTubeのRichard Williams - I Drew Roger Rabbit Part 1) 、シェール、ウィノナ・ライダー共演で自由気ままな母と思春期の娘との親子愛をコミカルタッチで描いた「恋する人魚たち」(1990年)、ボビー・ダーリンの生涯をケヴィン・スペイシーが自らの監督・主演で映画化した「ビヨンドtheシー ~ 夢見るように歌えば ~」(2004年:YouTubeのBeyond the Sea movie trailer)、リュック・ベッソンの脚本をジェット・リー、モーガン・フリーマンで映画化したアクション「ダニー・ザ・ドッグ」(2005年:YouTubeのdanny the dog trailer)、ベン・アフレック、エイドリアン・ブロディ、ダイアン・レイン共演で伝説となったハリウッド史上最もスキャンダラスな未解決事件を映像化した衝撃の話題作「ハリウッドランド」(2006年:YouTubeのHollywoodland Trailer)等がある。
また9つの脚本を9人の監督が映画化し、ボブ・ホスキンスは第一話「パパは嘘つき(My Father,The Liar)」を監督した「チューブ・テイルズ」(1999年:YouTubeのTube Tales-My Father,The Liar) がある。

☆ミシェル・ブラン「タキシード」
※ミシェル・ブランは、1952年4月16日フランス・クールブヴォア生まれ。脚本家・映画監督でもある。
「タキシード」はベルトラン・ブリエ監督作。パリの娼婦モニク(ミュウ=ミュウ)と、ヒモ同然の亭主アントワーヌ(ミシェル・ブラン)は、マッチョなゲイの泥棒ボブ(ジェラール・ドパルデュー)に付き纏われ、しまいには3人で同居する。亭主に愛想を尽かして家を出たモニクは、再び戻って来てパリの街に立つ。なんと女装して街娼となったボブとアントワーヌと共に…。
ミシェル・ブランの他の出演作は、パトリス・ルコント監督がミシェル・ブラン演じる仕立て屋の皮肉で哀しいラブストーリーを描いた名作「仕立て屋の恋」 (1989年:YouTubeのMonsieur Hire (DVD Trailer))、ロバート・アルトマン監督がジュリア・ロバーツやキム・ベイシンガー、ティム・ロビンスの共演でファッション業界の裏側を描いた「プレタポルテ」(1994年:YouTubeの1994-Pret-a-porter-U are simply a pawn in this game)、3人の初老の舞台役者の波乱万丈の巡業を描いたコメディ「パトリス・ルコントの大喝采」(1996年:YouTubeのles grands ducs-cox)、フランスの女流作家ナディーヌ・モンフィスが自らメガホンを取り、自身の作品を映画化したユーモア溢れるサスペンス「マダムと奇人と殺人と」(2004年)がある。
また、「他人のそら似」(1994年)は監督・脚本も、「ロベルト・ベニーニのMr.モンスター」(1994年:YouTubeのIl Mostro.RobertoBenigni4)は脚本も担当している。

★主演女優賞:2名受賞
☆バーバラ・ズコバ「ローザ・ルクセンブルグ」
「ローザ・ルクセンブルグ」は、マルガレーテ・フォン・トロッタ監督の西ドイツ映画。バーバラ・ズコバ、ダニエル・オルブリフスキらが出演している。

☆フェルナンダ・トアーレイス「いつまでも私を愛して」(ブラジル)

★審査員特別賞:「サクリファイス」(仏/スエーデン)
※「サクリファイス」は、静かな語り口で生と死の問題に深く切り込んでいく巨匠アンドレイ・タルコフスキー監督の遺作である。
> YouTubeのMOVIE : OFFRET (The Sacrifice) [1986]
※アンドレイ・タルコフスキーは、1932年4月4日ヴォルガ川流域ユリエヴェツの近郊ザブラジェで生れる。父はウクライナの著名な詩人アルセニー・タルコフスキー。1954年に全ロシア国立映画大学に入学。1962年『僕の村は戦場だった』に代役で起用され長編映画監督デビュー。国際的に高い評価を得る。やがて自由を求めるタルコフスキーはソ連を出国。1984年にはソ連当局からの帰国要請を拒否し事実上西側に亡命する。その後、ソ連が名誉回復を宣言し、帰国を認める声明を出すが故郷に還ることなく1986年12月29日パリにて54歳で客死。
アンドレイ・タルコフスキー監督の他の作品には、映画大学の卒業制作に製作し、ニューヨーク国際学生映画コンクール第1位に輝いた「ローラーとバイオリン」(1960年:YouTubeのThe steamroller and the violin)、長編第一作。少年偵察兵に身を投じた少年を叙情詩的に描いた反戦映画「僕の村は戦場だった」(1962年:YouTubeのThe Boy with the Gun + Иваново детство)、信仰と芸術の力を信じた天才イコン画家を通し中世ロシアを描き出した歴史大作「アンドレイ・ルブリョフ」(1967年:YouTubeのАндрей Рублев. Любовь)、スタニスラフ・レフの小説『ソラリスの陽のもとに』を映画化し、従来のSF映画をはるかに超越したカルト的人気の映画「惑星ソラリス」(1972年:YouTubeのСолярис )、少年時代、妻との愛と別離、息子と今の自分など様々な記憶の断片を綴った自伝的要素の強い映像詩「」(1975年:YouTubeの"The Mirror" trailer)、立ち入り禁止空間「ゾーン」の奥にはすべての望みを叶える部屋があるという。抽象的な描写の観念的なSF映画「ストーカー」(1979年:YouTubeのStalker (1979))、タルコフスキーが初めて祖国を離れイタリアで撮った荘厳な映像美「ノスタルジア」(1983年:YouTubeのnostalghia)などがある。

★国際批評家賞:2作品受賞
☆「サクリファイス」(仏/スエーデン)
☆「アメリカ帝国の滅亡」(カナダ)
※カナダのドゥニ・アルカン監督作。死に向かう男を、ユーモラスに楽しく感動的に描き、2003年のアカデミー賞外国語映画賞を受賞した「みなさん、さようなら」は、本作の続編にあたる。

1980年代

1986年の映画(DVD)

アカデミー賞

★作品賞:「プラトーン」監督:オリバー・ストーン
※クリス・テイラー(チャーリー・シーン)は、カラードや貧困層の若者が次々と徴兵される現実に憤り、大学を中退してベトナムにやってきた。しかし戦場の過酷さは彼の想像を遥かに超えるものであった。
1967年のベトナムを舞台に、ベトナム帰還兵であるオリヴァー・ストーンがアメリカ軍の歩兵であった頃の実体験に基づき、アメリカ軍による無抵抗の民間人虐殺、軍隊内での腐敗、上官の殺人などをリアルに描いたベトナム戦争映画。
タイトルの「プラトーン」は、30名から60名程度で構成される小隊。
> YouTubeのPlatoon - Trailer

★監督賞:オリバー・ストーン「プラトーン
※オリバー・ストーンは、1946年9月15日ニューヨーク州ニューヨーク市生まれ。ベトナム戦争を経験後にニューヨーク大学でマーティン・スコセッシに師事し、映画制作を学んだ。1974年長編監督デビュー。1978年、脚本を担当した『ミッドナイト・エクスプレス』(監督:アラン・パーカー:YouTubeのMidnight Express Movie Part 1)で、アカデミー脚本賞、『プラトーン』、『7月4日に生まれて』の2作品でアカデミー監督賞を受賞している。
政府や政治を批判した作品を多く、特に2001年の大統領選の際には、「もしブッシュが当選すれば、アメリカ国内で大規模なテロが起こる」と公言し、皮肉にもその言葉は現実となった。
オリバー・ストーンの他の監督作には、サルバドルでの内戦の真実とアメリカの関与を批判的に描いた「サルバドル-遥かなる日々-」(1986年:YouTubeのSalvador - Oliver Stone)、「ウォール街」(1987年:YouTubeのWALL STREET - HQ Trailer )、エリック・ボゴジアン脚色・主演で、毒舌が売りのラジオDJを通してアメリカの抱える闇を言葉によって鋭く炙り出した「トーク・レディオ」(1988年)、トム・クルーズ主演でベトナム戦争帰還兵によるノンフィクションを映画化した「7月4日に生まれて」(1989年:YouTubeのBORN ON THE FOURTH OF JULY-HQ Trailer)、伝説的ロックグループ、ドアーズのボーカリスト、ジム・モリソン(ヴァル・キルマー)と恋人パメラ(メグ・ライアン)を通して60年代のアメリカ社会を描いた「ドアーズ」(1991年:YouTubeの"the doors"movie trailer)、ケビン・コスナー主演でケネディ大統領暗殺の真実に迫った「JFK」(1991年:YouTubeのMOVIE TRAILER-OLIVER STONE'S "JFK")、女性の視点からベトナム戦争の悲劇を描いたベトナム戦争三部作の完結編「天と地」(1993年:YouTubeのHeaven & Earth-Trailer)、マスメディアが作り上げたバイオレンス・ヒーローを描いたクエンティン・タランティーノの原作を映画化した「ナチュラル・ボーン・キラーズ」(1994年:YouTubeのNatural Born Killers (1994) - Trailer)、アンソニー・ホプキンス主演でウォーターゲート事件によって精神的に追い込まれていく第37代アメリカ大統領ニクソンの姿を描いた「ニクソン」(1995年:YouTubeのNIXON Original Theatrical Trailer)、ショーン・ペン、ジェニファー・ロペス主演で小さな町に立ち寄った男が住人たちに翻弄される姿をユーモアを交えて描いたバイオレンススリラー「Uターン」(1997年:YouTubeのU Turn (1997))、アル・パチーノ主演で、マイアミを舞台にプロアメリカンフットボールの世界を描いた「エニイ ギブン サンデー」(1999年:YouTubeのAny Given Sunday)、キューバの最高司令官(コマンダンテ)フィデル・カストロの真実に挑んだドキュメンタリー「コマンダンテ」(2003年:YouTubeのComandante - Fidel Castro & Oliver Stone)、若きマケドニア王アレキサンダー(コリン・ファレル)の戦いと愛を描いた「アレキサンダー」(2004年:YouTubeのALEXANDER by Oliver Stone HYDASPES BATTLE)、ニコラス・ケイジ主演で911アメリカ同時多発テロで崩壊したワールド・トレード・センターから奇跡の生還を遂げた二人の警官の勇気と真実を描いた「ワールド・トレード・センター」(2006年)がある。

★主演男優賞:ポール・ニューマン「ハスラー 2
※「ハスラー 2」はマーティン・スコセッシ監督作品。「ハスラー」(ロバート・ロッセン監督;1961年製作:YouTubeのThe Hustler Trailer)の主人公エディ(ポール・ニューマン)の25年後を描いた続編。エディは、ビリヤード場で天才的なキューさばきを見せる青年ビンセント(トム・クルーズ)に出会う。そして、彼を一人前ハスラーに育てようするが・・・
> YouTubeのTOM CRUISE -1986- THE COLOR OF MONEY (TRAILER)
※ポール・ニューマンは1925年1月26日オハイオ州クリーブランド生まれ。1952年にジェームズ・ディーンやマーロン・ブランドと共にアクターズ・スタジオに入学。ブロードウェイを経て1954年スクリーンデビュー。第2のマーロン・ブランドなどと言われた事に嫌気して一旦映画界を離れるが、ジェームズ・ディーンの急逝で主演が空白となった『傷だらけの栄光』(1956年:YouTubeのSomebody Up There Likes Me - Paul Newman)に出演し高い評価を得る。その後はトップスターとして活躍。3度のアカデミー賞受賞を初めとして数多くの受賞歴がある。2008年9月26日、コネチカット州ウェストポートの私邸に於いて83歳で死去。
> YouTubeのFavorite Paul Newman scenes
> YouTubeのIN MEMORIAM "PAUL NEWMAN" LOS OJOS DE HOLLYWOOD.
> YouTubeのPaul Newman ha muerto: homenaje de TCM al gran actor
ポール・ニューマンの他の出演作には、リチャード・ブルックス監督がエリザベス・テイラー主演でテネシー・ウィリアムズの戯曲を映画化した「熱いトタン屋根の猫」(1958年:YouTubeのCat On A Hot Tin Roof - Original Trailer)、オットー・プレミンジャー監督が第二次大戦後イスラエル建国を目指すユダヤ人の苦闘の歴史を描いたレオン・ユリスの小説「エクソダス―栄光への脱出」を映画化した「栄光への脱出」(1960年:YouTubeのExodus Trailer)、マーティン・リット監督がテキサスの荒野に大牧場を築いた一家の愛憎を描いた「ハッド」(1962年)、ポール・ニューマンがコメディー・センスを見せたシャーリー・マクレーン主演、J・リー・トンプソン監督の「何という行き方!」(1964年:YouTubeのWhat a Way to Go)、アルフレッド・ヒッチコック監督の冷戦時代のドイツを舞台にしたスパイサスペンスでジュリー・アンドリュースと共演した「引き裂かれたカーテン」(1966年:YouTubeのTorn Curtain-TRAILER)、スチュアート・ローゼンバーグ監督がドン・ピアースの実体験を基に書いた脱獄小説「クール・ハンド・ルーク」を映画化した「暴力脱獄」(1967年:YouTubeのCool Hand Luke trailer)、ロバート・レッドフォード共演。ジョージ・ロイ・ヒル監督が時代に取り残されていくアウトローを描いた「明日に向って撃て」(1969年:YouTubeのButch Cassidy and the Sundance Kid (trailer))、ポール・ニューマンが自ら設立した映画会社で初めて取り組んだ意欲作「レーサー」(1969年:YouTubeのPAUL NEWMAN-The Scientist with clips of the movie "Winning")、ジョージ・ロイ・ヒル監督、ロバート・レッドフォード共演のアカデミー賞作品賞受賞作品「スティング」(1973年:YouTubeのThe Sting (Theatrical Trailer))、ジョン・ギラーミン監督が超高層ビルの大火災と闘う男たちを豪華キャストで描いた「タワーリング・インフェルノ」(1974年:YouTubeのThe Towering Inferno Trailer),アイスホッケーのマイナーチームがくりひろげる乱闘乱戦ぶりを描いたジョージ・ロイ・ヒル監督のコメディ「スラップ・ショット」(1977年:YouTubeのSLAPSHOT WITH Paul Newman)、ポール・ニューマンが弁護士を演じ、シドニー・ルメット監督が裁判制度の矛盾を描いた「評決」(1982年:YouTubeのThe Verdict, movie trailer)、ロン・シェルトン監督が1959年のルイジアナを舞台に知事とストリッパーの愛の行方を実話を基に描いた「ブレイズ」(1989年)、ジョエル・コーエン監督が重役達の陰謀により大企業の新社長に抜擢された青年(ティム・ロビンス)が起こす奇跡を描いた「未来は今」(1994年:YouTubeのThe Hudsucker Proxy Trailer)、ロバート・ベントン監督のサスペンスミステリーでスーザン・サランドン、ジーン・ハックマンと共演した「トワイライト〜葬られた過去〜」(1998年:YouTubeのTwilight -Trailer)、ポール・ニューマンがイキな泥棒をパワフルに演じたマレク・カニエフスカ監督のコメディー「ゲット・ア・チャンス」(2000年:YouTubeのWhere the Money is)、サム・メンデス監督が大恐慌時代のシカゴを舞台にマフィアの世界と、父と息子の絆をトム・ハンクス共演で描いた「ロード・トゥ・パーディション」(2002年:YouTubeのRoad To Perdition Trailer Original)、ポールニューマン(ナレーション)が最後に選んだドキュメンタリー「ミーアキャット」(2008年:ミーアキャット公式サイト)がある。

★主演女優賞:マーリー・マトリン「愛は静けさの中に
※「愛は静けさの中に」は、ランダ・ヘインズ監督作。聾唖学校に赴任したジェームズ・リーズ(ウィリアム・ハート)は、この聾唖学校の卒業生で若く美しいサラ(マーリー・マトリン)と出会い、彼女に興味を抱く。リーズはかたくなに心を閉ざす彼女をなんとか救おうとする。やがて彼女を愛し始めたリーズは1人プールで裸で泳ぐサラの元に行き、愛の告白をする。2人は順調な同棲生活を始めるが…。
> YouTubeのChildren of a Lesser God - Marlee Matlin
※マーリー・マトリンは1965年8月24日アメリカ合衆国イリノイ州生まれ。生後18ヶ月で麻疹にかかり、右耳の聴力すべてと左耳の聴力の80%を失っっている。ユダヤ人家庭に育ち、7歳の時に『オズの魔法使い』のドロシー役で初舞台。そして舞台『小さき神の、作りし子ら』に出演していたところを見出され、1986年にその舞台の映画版である『愛は静けさの中に』に主演し、映画初出演ながら史上最年少の21歳でアカデミー主演女優賞を受賞した。この映画でのマーリー・マトリンはほんとに綺麗でしたね。
> YouTubeのMarlee Matlin: Decent work for disabled persons
> Marlee Matlin, "leading lady" for people with disabilities
他の出演作には、エド・ハリスと共演した「ウォーカー」(1988年:YouTubeのSiskel & Ebert - Walker)、ジャン・レノと共演したエリック・デュレ監督のフランス映画「グラン・マスクの男」(1991年)、デヴィッド・ボウイ、ロザンナ・アークエット主演、リチャード・シェパード監督の「ニューヨーク恋泥棒」(1991年:YouTubeのThe Linguini Incident Trailer)、殺人鬼に命を狙われた耳の不自由な女性が体験する音のない世界の恐怖を描いたスリラー「あなたが聞こえない」(1993年)、聾唖の女性たちを人質にとった凶悪犯とヴェテランFBI捜査官の駆け引きを描いたダニエル・ペトリー・ジュニア監督のサスペンス「デッドサイレンス」(1996年)、密猟者からアフリカ象を守るレンジャーの闘いを描いたデビッド・リスター監督の「サバンナ」(2001年)がある。
また、「ER緊急救命室」「ザ・ホワイトハウス」「CSI:ニューヨーク」「デスパレートな妻たち」などTVドラマにも出演している。

★助演男優賞:マイケル・ケイン「ハンナとその姉妹
> YouTubeのA Scene From "Hannah and Her Sisters"
※「ハンナとその姉妹」は、ウディ・アレン監督作。脚本もウディ・アレンでアカデミー賞脚本賞を受賞している。ニューヨークを舞台に、ハンナ(ミア・ファロー)、ホリー(ダイアン・ウィースト)、リー(バーバラ・ハーシー)三姉妹をめぐる人々の人生をシニカルにユーモラスに描いたウディ・アレンの最高傑作の声も高い作品。マイケル・ケインはハンナの夫で、義妹のリーに恋して密会を重ねるエリオットを演じた。ウディ・アレンはハンナの前夫ミッキーを、三姉妹の母ノーマをミア・ファローの実母で「ターザン」映画のヒロイン、ジェーン役で大スターとなったモーリン・オサリヴァンが演じている。
※マイケル・ケインは、1933年3月14日ロンドン生まれ。芸名はアメリカ映画「ケイン号の叛乱」(1954年 エドワード・ドミトリク監督)から採ったという。1956年映画デビュー。1965年「国際諜報局」(YouTubeのthe ipcress file trailer michael caine)で主演。サラリーマンスパイのハリー・パーマーを飄々と演じて好評を博し続編二作が作られた。続いて主演した「アルフィー」のプレイボーイ役では全米映画批評家協会賞最優秀男優賞を受賞、アカデミー主演男優賞候補となった(YouTubeのAlfie - Original Trailer)。シリアスな文芸作品での演技には特に評価が高く、その後も三度アカデミー主演男優賞候補となるが、受賞したのは「ハンナとその姉妹」、「サイダーハウス・ルール」(YouTubeのtrailer "the cider house rules")の二度の助演男優賞である。また1993年にはエリザベス女王からCBE勲章を、更に2000年にはナイトに叙され、Sir(サー)の称号を受けた。
他の出演作には、ピーター・コリンソン監督のスピード感あふれるカーアクションが楽しい「ミニミニ大作戦」(1969年:YouTubeのItalian Job Intro)、ガイ・ハミルトン監督がローレンス・オリヴィエらの出演で第二次世界大戦の1940年7月〜10月にかけて行われた英本土の制空権を巡る英独の戦い「バトル・オブ・ブリテン」を描いた「空軍大戦略」(1969年:YouTubeのBattle of Britain - Opening)、ショーン・コネリー共演で男の野望とロマンを描いたジョン・ヒューストン監督の「王になろうとした男」(1975年:YouTubeのThe man who would be king)、ヒトラーの密命を帯びてイギリス東部の寒村に降下したドイツ落下傘部隊の使命とは?ジョン・スタージェス監督の遺作でジャック・ヒギンズの小説『鷲は舞い降りた』を映画化した「鷲は舞いおりた」(1976年:YouTubeのMichael Caine in The Eagle Has Landed)、ノルマンディ上陸後にオランダ・ドイツを繋ぐ橋を占領すべく決行された「マーケット・ガーデン作戦」を描いたコーネリアス・ライアンの「遙かなる橋―史上最大の空挺作戦」をリチャード・アッテンボロー監督がロバート・レッドフォード他の豪華キャストで映画化した「遠すぎた橋」(1977年:YouTubeのA Bridge Too Far)、フィリップ・カウフマン監督がジェフリー・ラッシュ主演でマルキ・ド・サド公爵の壮絶な人生を描いた「クイルズ」(2000年:YouTubeのWaterboarding The Marquis de Sade)、ドナルド・ピートリー監督がサンドラ・ブロック主演で色気ゼロのFBI女性捜査官が華麗な変身を遂げていく様を描いた「デンジャラス・ビューティー」(2001年:YouTubeのMiss Congeniality - Trailer)、クリストファー・ノーラン監督、クリスチャン・ベール主演のアメリカン・コミックス『バットマン』の実写映画版第5作「バットマン ビギンズ」(2005年:YouTubeのBatman Begins Theatrical Trailer)、ケネス・ブラナー監督が「探偵スルース」(1972年)を前作では妻の愛人役で出演していたマイケル・ケインをもう一方の主人公である夫の小説家として出演させてリメイクした「スルース」(2007年:YouTubeのSleuth trailer)、クリストファー・ノーラン監督がヒュー・ジャックマンとクリスチャン・ベール出演で過去の因縁によって互いの邪魔をしあう2人のマジシャンを描いた「プレステージ」(2006年:YouTubeの『プレステージ』日本版予告編)などがある。

★助演女優賞:ダイアン・ウイースト「ハンナとその姉妹
※ダイアン・ウイーストは、1948年6月28日ミズーリ州カンザスシティ生まれ。大学を卒業後、ブロードウェイやオフ・ブロードウェイで活躍し、1980年映画デビュー。ウディ・アレン作品の常連で、「ハンナとその姉妹」と「ブロードウェイと銃弾」(1994年:YouTubeの1995 Best Supporting Actress Dianne Wiest)で二度アカデミー助演女優賞を受賞している。
他のウディ・アレン作品では、「カイロの紫のバラ」(1985年:YouTubeのPurple Rose of Cairo)、「ラジオ・デイズ」(1987年:YouTubeのWoody Allen - Radio Days -)などに出演。
その他に、ケニー・ロギンスの歌う主題歌「フットルース」が大ヒットした、ケヴィン・ベーコン主演、ハーバート・ロス監督の青春ドラマ「フットルース」(1984年:YouTubeのKenny Loggins - Foot Loose)、スティーヴ・マーティン主演で親子の問題を暖かく描き出した、俳優出身の監督R・ハワードの「バックマン家の人々」(1989年:YouTubeのParenthood Movie Trailer)、ティム・バートン監督がジョニー・デップ主演でおかしく哀しく美しく描いたラブ・ファンタジー「シザーハンズ」(1990年:YouTubeのEdward Scissorhands (Trailer))、ニコラス エヴァンスのベストセラー小説「ホース・ウィスパラー」をロバート・レッドフォードが監督・主演で詩情豊かに映画化した「モンタナの風に抱かれて」(1998年:YouTubeのThe Horse Whisperer Trailer)、サンドラ・ブロック、ニコール・キッドマン共演、グリフィン・ダン監督のファンタジックなラブ・ロマンス「プラクティカル マジック」(1998年:YouTubeのPractical Magic - Trailer)、ジェシー・ネルソン監督がショーン・ペン、 ダコタ・ファニング出演で知的障害をもつ父親と娘の深い絆を描いた「I am Sam : アイ・アム・サム」(2001年:YouTubeのI am Sam trailer)などに出演している。

★外国語映画賞:「追想のかなた」(オランダ)監督:フォンス・ラデメーカーズ
※フォンス・ラデメーカーズは1920年9月5日ローゼンダール生まれ。舞台俳優を経て1961年に監督した"WHEN IT DOES NOT COME FROM THE HEART"がベルリン国際映画祭銀熊賞(審査員特別賞)を受賞。2007年2月22日に肺気腫のためスイスの病院において86歳で死去。
「追想のかなた」は、ナチ占領下のオランダの小村で、殺人事件を目撃したことで、一家がナチに連行されて離散した忌まわしい過去を胸に秘め生きてきた男が、ある老人と出会ったことから、その事件に隠されていた意外な真実を知るというサスペンス・タッチのドラマ。主演はデレク・デ・リント。

1980年代

1985年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

★1985年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

◆「コーラスライン」監督:リチャード・アッテンボロー
※ブロードウェイの大物ディレクターのザック(マイケル・ダグラス)は、新しいショーのため男女4人ずつのコーラス(その他大勢組)を選ぶためオーディションを行なう。百数人の若者がこれに応募し、とりあえず、マイク(チャールズ・マクゴアン)、ボビー(マット・ウエスト)、シーラ(ヴィッキー・フレデリック)、ビビ(ミシェル・ジョンストン)、マギー(パム・クリンガー)、アル(トニー・フィールズ)、クリスティン(ニコール・フォッシー)、マーク(マイケル・ブレヴィンス)、コニー(ジャン・ガン・ボイド)、ダイアナ(ヤミール・ボージェス)、ドン(ブレイン・サヴェージ)、ジェディ(ジャネット・ジョーンズ)、グレッグ(シャスティン・ロス)、リチー(グレッグ・バージ)、ヴァル(オードリー・ランダース)、ポール(キャメロン・イングリッシュ)の16人が残った。ザックはその16人にさまざまな質問を浴びせ、素顔を浮き彫りにしていく。そんなオーディション会場にキャシー(アリソン・リード)がかけつけてきた。かつて彼女はザックと恋人同士だった。女優を夢見てハリウッドヘ行ったが夢破れて古巣に戻ってきたのだ。そんなキャシーにザックは・・・
> YouTubeのA Chorus Line (One)-From the movie (1985)

◆「刑事ジョン・ブック/目撃者」監督:ピーター・ウィアー
※殺人事件の目撃者となったアーミッシュ派教徒の親子を守るため、刑事ジョン・ブック(ハリソン・フォード)が彼らと共にアーミッシュの村に潜伏する。信仰に支えられたアーミッシュの人たちの静謐な生活が印象深い。
ウィリアム・ケリーがアカデミー脚本賞受賞。作品賞、主演男優賞、監督賞、ジョン・シールが撮影賞、モーリス・ジャールが作曲賞(ドラマ)、美術賞にノミネートされた。
> YouTubeのWitness in 2 Minutes

◆「バック・トゥ・ザ・フューチャー」監督:ロバート・ゼメキス
※スティーヴン・スピルバーグが総指揮。時は1985年。高校生マーティ(マイケル・J・フォックス)は、ブラウン博士(クリストファー・ロイド)がタイムマシンに改造した愛車デロリアンに乗り込んで、30年前の1955年へとタイムスリップ。時を超えた冒険の旅が始まる。数々の伏線を張り巡らせたストーリー展開、時代の雰囲気を醸す音楽と美術、魅力的キャストなど超一流の娯楽作となっている。
アカデミー賞では、音響効果賞を受賞し、脚本賞(ロバート・ゼメキス)と音響賞にノミネートされた。
> YouTubeのバック・トゥー・ザ・フューチャー1 予告編

◆「コクーン」監督:ロン・ハワード
※100世紀前、アトランティス大陸沈没と共にエイリアンが残したコクーン(まゆ)。それらを連れ戻すため地球にやってきたエイリアンと心を通わせた老人たちが、コクーンの不思議なエネルギーで若さを取り戻し、不老不死の惑星へ旅立つかどうかの選択を迫られる。本作品でアカデミー賞助演男優賞を受賞したドン・アメチーを始め、名優が顔を揃え、夢と希望、そして優しさに満ちた幸福感を与えてくれる名作。アカデミー視覚効果賞を受賞した。
出演は、養老院に住む3人の老人、アートにドン・アメチー、ベンにウィルフォード・ブリムリー、ジョーにヒューム・クローニン、ジョーの妻アルマにジェシカ・タンディ、ベンの妻メリーにモーリン・スティプルトン、アートが恋する元ダンサーのベスにグエン・ヴァードン。
> YouTubeのCocoon Trailer

◆「グーニーズ」監督:リチャード・ドナー
※原案・総指揮:スティーヴン・スピルバーグ。オレゴン州の港町アストリアの落ちこぼれ少年団グーニーズがある日、屋根裏で17世紀の古地図を発見した。それは海賊ウィリーが隠した宝の地図だった!
パティ・デュークの息子ショーン・アスティンとキース・キャラダインの娘マーサ・プリンプトンらが出演。音楽はデーヴ・グルーシン、特殊効果はマイケル・マカリスターの監修でILMが担当している。
> YouTubeのGoonies Trailer

◆「ロッキー4」監督:シルベスター・スタローン
※2度の戦いでロッキーと友情で結ばれていたアポロ(カール・ウェザース)が、ソ連人ボクサー・ドラゴ(ドルフ・ラングレン)にリング上で殺される。ドラゴと戦うべくロッキー(シルベスター・スタローン)はソ連へ遠征する。また、スタローンはこの映画のワールド・プレミアの売り上げを「自閉症研究基金」に寄付している。
出演は他に、妻エイドリアンにタリア・シャイア、ロッキー・ジュニアにロッキー・クラコフ、義兄ポーリーにバート・ヤング、ドラゴの妻ルドミラにブリジット・ニールセン。
> YouTubeのロッキー4 予告編 (Rocky ?W - trailer)

◆「ランボー/怒りの脱出」監督:ジョージ・P・コスマトス
※シルベスター・スタローン脚本・主演のヒットシリ−ズ第二作。ランボーは刑務所を釈放され、M・I・A(戦闘中行方不明者)調査の任務を背負い、ベトナムへ派遣される。ところが司令部に裏切られ、米軍、東側ゲリラなどあらゆるものを敵に回す。
共同脚本は無名時代のジェームズ・キャメロン。またアカデミー賞音響効果賞にノミネートされた。
他の出演者は、元上官トラウトマンにリチャード・クレンナ, 現地の連絡員コー・バオにジュリア・ニクソン、東側ゲリラのポドフスキーにスティーヴン・バーコフ。
> YouTubeのランボー 怒りの脱出 予告編

◆「暴走機関車」監督:アンドレイ・コンチャロフスキー
※アラスカの刑務所からマニー(ジョン・ヴォイト)とバック(エリック・ロバーツ)が脱獄し、貨物列車に乗り込む。しかし発車してまもなく、機関士が心臓発作で急死したために列車は暴走を始める。一方、ふたりを追う狂気の刑務所所長(ジョン・P・ライアン)はヘリで列車に乗り移ってきた。
黒澤明監督がアメリカで映画化する予定で書いてお蔵入りしていた脚本を土台に、3人のライターが大幅にアレンジを施し、ロシアのアンドレイ・コンチャロフスキー監督がメガホンを握ったサスペンス・アクション超大作。ジョン・ヴォイトがアカデミー賞主演男優賞、エリック・ロバーツが助演男優賞にノミネートされた。
他の出演者は、女性乗務員サラにレベッカ・デモーネイ、鉄道管制指令室のマクドナルド局長にケネス・マクミラン、バーストウ主任にカイル・T・ヘフナー。
> YouTubeのRunaway Train - Trailer - HQ

◆「カラーパープル」監督:スティーブン・スピルバーグ
※1909年、南部ジョージアの小さな町。そのはずれに住む黒人の一家。まだ子供にすぎないセリー(デスレータ・ジャクソン、のちにウーピー・ゴールドバーグ)が、子供を生んだ。子供の父親は生まれた子供をどこかに連れていってしまった。やがてセリーはミスター(ダニー・グローヴァー)に嫁いだ。ミスターは4人の子持ち。朝から晩まで掃除、洗濯、料理、子供たちの世話をして、ミスターにのしかかられる。ある日、ミスターは彼の愛人で歌手のシャグ(マーガレット・エヴリー)を家に連れて来た。そして、2人の間に奇妙な友情が芽生える。セリーは美しい心と自立の精神を持つシャグに目を開かせられ、自分も人間であること、真っ暗だった未来に道が開けているかもしれないことに気づくのだった。
他の出演者は、妹のネッティにアコースア・ブシア、ミスターの息子ハーボにウィラード・ヒュー、ハーボの妻ソフィアにオプラ・ウィンフレー、ハーボの愛人のスクィークにレイ・ドーン・チョーン。
スピルハーグ監督がSFX抜きで始めて取り組んだシリアスドラマ。作品賞などアカデミー賞11部門のノミネートされたが受賞はゼロであった。
> YouTubeのTrailer - The Color Purple

◆「ナイン・ハーフ」監督:エイドリアン・ライン
※ニューヨークのギャラリーに勤めるエリザベス(キム・ベイシンガー)が、ある日、スーツ姿の精悍な男ジョン(ミッキー・ローク)と出会う。ほんの少し会話を交わしただけなのに、別れたあとエリザベスは、なぜか彼のことが気になる。まもなく再会したふたりは関係を始める。
男が女に仕掛けるエロティックな行為によって、女の内側に潜む官能が次第に刺激され、目覚めていくさまを9週間半にわたって描いた作品。
他の出演者は、エリザベスの友人モリーにマーガレット・ウィットン、老画家のファインズワースにドワイト・ウェイスト。
主演のミッキー・ロークはこの作品で80年代を代表するセックス・シンボルとなる。
> YouTubeのKim Basinger Mickey Rourke Nine 1/2 Weeks

1980年代

1985年の映画3

1985年の映画3

ベネチア映画祭

★作品賞:「冬の旅(さすらう女)」監督:アニエス・ヴァルダ
※18歳のモナ(サンドリーヌ・ボネール)は、寝袋とテントを担いでヒッチハイクをしながらのあてどのない旅を続けている。時折、知り合った若者と宿を共にしたり、農場に棲みついたりすることはあるが、行きずりの人々にモナがその内面を見せることはなく、またいずこともなく去ってゆく。そんな彼女が冬枯れの南仏の野原で行き倒れになるがその身許を語るものは何もなかった。ただ彼女がその孤独な旅の途中で出会った人々の記憶の中を除いては。
他の出演者は、女性教授ランディエにマーシャ・メリル、ユダヤ人青年ダヴィッドにパトリック・レプシンスキ。
> YouTubeのSans Toit ni Loi (Vagabond)
※アニエス・ヴァルダは、1928年5月30日ブリュッセル生まれ。フランスの監督で女優。
他の監督作には、新人女優コリンヌ・マルシャンを抜擢しアニエス・ヴァルダが脚本と演出を担当した心理ドラマ「5時から7時までのクレオ」(1962年:YouTubeのAgnes Varda - Cleo de 5 a 7)、アニエス・ヴァルダが脚本も書き日常の中に幸福の正体を追求した「幸福」(1965年:YouTubeのLe Bonheur - Trailer)、ベトナム戦争を傍観できないとゴダールら六人の映画作家が自由な立場で南ベトナム民族解放戦線への連帯意識を表明した「ベトナムから遠く離れて」(1967年)、テレーズ・リオタール、ヴァレリー・メレッス共演で女性の両面をあらわす2人の女性の友情とフランス女性の幸福と愛の自立を求める歴史を重ねて描いた「歌う女、歌わない女」(1977年)、ジェーン・バーキンの本質を描いたドキュメンタリー・タッチのプライベート・フィルム「アニエス・v によるジェーン・b」(1988年:YouTubeのjane b par agnes v)、娘の同級生と恋におちた40歳の女性の姿をジェーン・バーキン、シャルロット・ゲンズブール、マチュー・ドミ共演で描いた「カンフー・マスター!」(1989年)、夫であるジャック・ドゥミー監督の映画への憧れに満ちた少年時代をドゥミーの代表作の名場面や死の直前の映像を交えて再現した「ジャック・ドゥミの少年期」(1993年:YouTubeのJacquot de Nantes (1991) (Trailer))、映画のイメージと幻想を挑発的に解体した形而上学的コメディ「百一夜」(1995年)、作物を拾って生活している人々や廃品やゴミでオブジェを作る美術家などフランス各地の現代の落穂拾いをとらえたドキュメンタリー「落穂拾い」(2000年:YouTubeのLes Glaneurs et La Glaneuse - Agnes Varda)などがある。

★主演男優賞:ジェラール・ドパルデュー「ソフィー・マルソーの刑事物語」(VHSのみ発売)
※「ソフィー・マルソーの刑事物語」は、チュニジア出身の麻薬密売の3兄弟と警官(ジェラール・ドパルデュー)、3兄弟の1人の恋人であるペテン女(ソフィー・マルソー)の愛と欲を描いたモーリス・ピアラ監督作。ソフィー・マルソーがアイドルから脱皮した作品で、フランスで大ヒットした。
※ジェラール・ドパルデューは、1948年12月27日シャトールー生まれ。フランス映画界を代表する俳優である。舞台、TVを経て、1965年映画デビュー後。話題作に多数出演。ジャン・ギャバンの後継者とも称された。ヴェネツィア国際映画祭の1997年度特別功労賞など受賞も多数。
1985年までの主な出演作は、二人の不良青年の八方破れな生き方を描いたベルトラン・ブリエ監督の「バルスーズ」(1974年:YouTubeのLes Valseuses)、ナチ占領下のパリを舞台に劇場を守る一人の女優の愛をカトリーヌ・ドヌーヴ主演で描いたフランソワ・トリュフォー監督の「終電車」(1980年:YouTubeのCatherine Deneuve - Le dernier metro)、女性一人男性二人の行動や心理の動きを通して人間の心理と病理、記憶と行動の関係を描いたアラン・レネ監督の「アメリカの伯父さん」(1980年:YouTubeのMon oncle d'Amerique trailer)、妻子ある男と偶然隣に引越して来た昔の恋人との激しい恋と葛藤をファニー・アルダン共演で描いたフランソワ・トリュフォー監督の「隣の女」(1981年:YouTubeのLA FEMME D'A COTE)、波止場の裏町を舞台に貧しい若者の愛を求める姿をナスターシャ・キンスキー共演で描いたジャン・ジャック・ベネックス監督の「溝の中の月」(1982年:YouTubeのNastassia Kinski: The Moon In The Gutter)、1920年代のプロヴァンスの農村を舞台に泉をめぐっての二代にわたる愛憎をイヴ・モンタン、ダニエル・オートゥイユ他の出演で描いたクロード・ベリ監督の「愛と宿命の泉」(1986年:YouTubeのJean de Florette & Manon des sources - Soundtrack)、パリに来てカルチャーショックを受けたアメリカ人漫画家が起こす騒動を描いたアラン・レネ監督のコメディ「お家に帰りたい」(1989年)、グリーン・カードを得るために形だけの結婚をしたフランス人男性とアメリカ人女性がいつしか恋に落ちていく様をアンディ・マクドウェル共演で描いたピーター・ウェアー監督の「グリーン・カード」(1990年:YouTubeのGREEN CARD THE MOVIE)、モーリシャスを舞台に恋によって大人になる娘とそれを見守る父親の姿をマリー・ジラン共演で描いたジェラール・ロジェ監督の「さよならモンペール」(1991年:YouTubeのMon Pere ce Heros Fan Trailer with Marie Gillain)、17世紀のヴィオール奏者で作曲家のマラン・マレとヴィオール奏法の完成者である師サント・コロンブの葛藤と愛をジャン・ピエール・マリエル共演で描いたアラン・コルノー監督の「めぐり逢う朝」(1991年:YouTubeのTous Les Matins du Monde)、シャルロット・ゲンズブール他の出演で疎外された青春の魂を斬新なイメージでとらえたベルトラン・ブリエ監督の「メルシー・ラ・ヴィ」(1991年:YouTubeのmerci la vie)、コロンブスの半生をシガニー・ウィーヴァー共演で描いたリドリー・スコット監督の大陸発見500年を記念したフランスとスペインの文化省後援作品「1492 コロンブス」(1992年:YouTubeのVangelis - conquest of paradise)、ギリシャ神話をもとに人妻を犯す神をロランス・マスリア共演で描いたジャン・リュック・ゴダール監督の「ゴダールの決別」(1993年)、「恋人はパパ ひと夏の恋」(1993年:YouTubeのMy father the hero-Trailer)、エミール・ゾラの同名小説を基にフランス革命前夜の19世紀末、北フランスの炭坑で生きる人々をルノー出演で描いたクロード・ベリ監督の「ジェルミナル」(1993年:YouTubeのdu qu'i sont)、プラトニックな愛を貫く若い騎士と美しい貴婦人の冒険の旅をプロヴァンスの美しい自然を背景にジュリエット・ビノシュ、オリヴィエ・マルティネス出演で描いたジャン・ポール・ラプノー監督の「プロヴァンスの恋」(1995年:YouTubeのLe Hussard sur le Toit Trailer - Juliette Binoche 1995)、幼い頃母を亡くし孤児院で育った女が拳銃を手に母を捨てた父を捜す旅をヴァネッサ・パラディ主演で描いたジャン・ベッケル監督の「エリザ」(1995年:YouTubeのElisa)、母親役から抜けきれない中年女性が自分自身の人生を見つけるまでをジーナ・ローランズ出演で描いたニック・カサヴェテス監督の「ミルドレッド」(1996年:YouTubeのMoira Kelly in Unhook The stars)、若く無軌道なカップルが過激さゆえに失った愛を10年後に再び取り戻すまでをショーン・ペン出演で描いたニック・カサヴェテス監督の「シーズ・ソー・ラヴリー」(1997年:YouTubeのShe's So Lovely (1997))、シェイクスピアの『ハムレット』を舞台を中世から19世紀に移してケイト・ウィンスレット共演で映画化したケネス・ブラナー監督・主演の「ハムレット」(1997年:YouTubeのHamlet (Kenneth Branagh) - Trailer)、太陽王ルイ14世と仮面の男の謎を描いたアレクサンドル・デュマの名作『鉄仮面』をレオナルド・ディカプリオ主演で映画化したランダル・ウォレス監督の「仮面の男」(1998年:YouTubeのThe Man In The Iron Mask - Trailer - 1998)などがある。

★主演女優賞:該当者なし


カンヌ映画祭

★パルムドール:「パパは、出張中!」監督:エミール・クストリッツァ
※1950年のサラエボ。チトー大統領治下のユーゴスラヴィアは、スターリン主義に対抗して混迷の中にあった。マリック(モレノ・デバルトリ)は6歳。父メーシャ(ミキ・マイノロヴィチ)、母セーナ(ミリャナ・カラノヴィチ)、祖父ムザフェル(パヴレ・ヴイシッチ)と楽しい毎日を送っていたが、ある日、父メーシャが逮捕されてしまう。父が家に帰らないことを不安気に尋ねるマリックに母セーナは「出張中よ」とごまかすしかなかった。
> YouTubeのOtac na sluzbenom putu
※監督のエミール・クストリッツァは、1954年11月24日サラエボ生まれ。プラハの映画学校で学ぶ。カンヌ、ベルリン、ヴェネチアの世界三大国際映画祭で監督賞をすべてを受賞している稀有な映画監督である。
受賞作は、カンヌ国際映画祭では、ボスニア・ヘルツェゴヴィナ問題など旧ユーゴスラヴィアの混乱の戦後50年の歴史を描いた「アンダーグラウンド」(1995年:YouTubeのUnderground (1995) trailer)、ベルリン国際映画祭では、アリゾナを舞台に魚を尊敬する青年や夫殺しの過去を持つ未亡人と自殺願望を抱く娘らの不思議な交流をジョニー・デップ主演で描いた「アリゾナ・ドリーム」(1992年:YouTubeのArizona Dream - HQ Trailer (1993))、ヴェネチア国際映画祭では、間抜けな密輸商が企てる列車強盗などのドタバタをエミール・クストリッツァ監督が引退宣言を撤回して描いた「黒猫白猫」(1998年:YouTubeのBlack Cat, White Cat)がある。

★監督賞:アンドレ・テシネ「ランデブー」
※「ランデブー」はジュリエット・ビノシュ主演の幻想的なラブ・ストーリー。女優志願のニーナ(ジュリエット・ビノシュ)は、ポーロ(ヴァデック・スタンザック)に友情を感じつつも、幾人かの男性と関係を持っている。ある日役者くずれの彼の友人カンタン(ランベール・ウィルソン)に魅かれ、結ばれる。彼らの三角関係はカンタンの交通事故死によって終わるが、葬儀の日に現れた初老の男スクルツレー(ジャン・ルイ・トランティニャン)が、カンタンの過去を話す。
> YouTubeのRendez-Vous Trailer - Juliette Binoche 1985
※アンドレ・テシネは、1943年3月13日、タルヌ=エ=ガロンヌ県ヴァランス=ダジャン生まれ。高等映画学院卒。映画批評家を経て、1969年映画監督デビュー。
アンドレ・テシネ監督の他の作品には、恋人と瓜二つで、また恋人を殺した犯人でもある男と不条理な愛に落ちてゆく女の姿をイザベル・アジャーニ、ジェラール・ドパルデュー主演で描いた「バロッコ」(1976年)、山奥からパリに出てきた少年が昼のパリでの生活について行けず夜のパリで男娼になっていく姿をマニュエル・ブラン、エマニュエル・ベアール、フィリップ・ノワレ共演で描いた「深夜カフェのピエール」(1991年:YouTubeのJ'embrasse Pas (trailer))、アルジェリア独立戦争末期の60年代初頭のフランス南西部を舞台に大学入学資格試験を目前に控え性に目覚めて人生の転機を迎える四人の少年少女を描いた「野生の葦」(1994年:YouTubeのLes Roseaux Sauvages)、第二次大戦下のフランスで孤独な少年と未亡人の恋愛感情をエマニュエル・ベアール主演で描いた「かげろう」(2003年:YouTubeのGaspard Ulliel in "Les egares")などがある。

★主演男優賞:ウィリアム・ハート「蜘蛛女のキス」(VHSのみ発売)
※※「蜘蛛女のキス」は、アルゼンチンの作家マヌエル・プイグの小説をヘクトール・バベンコ監督が映画化。南米ブエノスアイレスの刑務所で同じ監房に入れられている反体制運動の闘士バレンティンと、ホモセクシャルのモリーナ。最初、モリーナを毛嫌いしていたバレンティンだが、モリーナの映画の話を聞く内に徐々に心を通わせていく。ホモセクシャルの青年役を、ウィリアム・ハートが快演。本賞をはじめカンヌなど各国の賞を総なめにした。またバレンティンは1995年に他界した「アダムス・ファミリー」のラウル・ジュリアが、蜘蛛女とモリーナが語る映画の中の女性歌手、そしてバレンティンの恋人をソニア・ブラガが一人三役で演じた。
> YouTubeのKiss of the Spider Woman - Trailer
※ウィリアム・ハートの他の出演作は、「1985年の映画(DVD)★主演男優賞」をご覧ください。

★主演女優賞:2名受賞
☆ノーマ・アレアンドロ:「オフィシャル・ストーリー」
※ノーマ・アレアンドロは、1936年5月2日ブエノスアイレス生まれ。「オフィシャル・ストーリー」では、軍事政権につき莫大な利益を上げている夫のもとから去っていくヒロインの高校の歴史教師アリシアを演じた。
ノーマ・アレアンドロの他の出演作には、不倫に悩む男女の姿をテッド・ダンソン、イザベラ・ロッセリーニ共演で描いたジョエル・シュマッカー監督の「今ひとたび」(1989年:YouTubeのCousins - Um Toque de Infidelidade)、医学校3年の5人が織りなす愛と葛藤をエイドリアン・パスダー、ダイアン・レイン共演で描いたマリサ・シルヴァー監督の「愛と青春の鼓動」(1990年:VHSのみ)、セルジオ・トレド監督の「静かなる戦い」(1991年:VHSのみ)、地上を離れて空へ逃げたいと思っている2人をイングリッド・ルビオ、アルフレード・カセロ共演で描いたダニエル・ブルマン監督の「アル・シエロ 空へ」(2002年)などがある。

☆シェール:「マスク
※シェールは、1946年5月20日カリフォルニア州エル・セントロ生まれの歌手・女優。アカデミー賞とグラミー賞を受賞した実力派である。他に、「イーストウィックの魔女たち」、「月の輝く夜に」、「ムッソリーニとお茶を」などがある。
※「マスク」はピーター・ボグダノヴィッチ監督作品。顔が肥大し生命の危機にも晒される、頭蓋骨形成異常という2200万人に一人の割合の奇病を持つ少年と、彼を取り囲む心温かい人々の姿を描いた感動のヒューマン・ドラマ。シェールは強くて優しい少年の母親を演じた。

★審査員特別賞:「バーディ(米)」 監督:アラン・パーカー
※繊細な心を持つバーディ(マシュー・モディン)は、ベトナム戦争により精神を蝕まれてしまう。彼の心に去来するものは幼い頃に夢見た「鳥になって、自由に空を飛び回りたい」という思いだけ。同じく戦争で重傷を負った親友のアル(ニコラス・ケイジ)は、バーディを現実の世界に引き戻そうと懸命になる。二人の熱演もあり、一級の青春映画であり反戦映画となった。
※アラン・パーカーは,1944年2月14日ロンドン生まれ。コピーライターを経て、1970年原作・脚本を、1976年には監督としてデビュー。
アラン・パーカー監督の他の作品には、1930年代禁酒法下のニューヨークを舞台に暗黒街を牛耳るふたつのギャング団の抗争と酒場に集まる人々の姿を当時14歳のジョディ・フォスターなどすべて子供のキャスティングで描いたアラン・パーカー監督デビュー作「ダウンタウン物語」(1976年:YouTubeのBugsy Malone Trailer)、祖国からも見放されて異国の独房で絶望的な日々を送る青年が脱獄を遂行するまでを実話を基にブラッド・デイヴィス、ランディ・クエイド共演で描いた「ミッドナイト・エクスプレス」(1978年:YouTubeのMidnight Express (1978))、マンハッタンの芸能専門学校を舞台に有名人になることを夢みる若者たちが入学して卒業するまでをアイリーン・キャラ、リー・キュレーリ他の出演で描いた「フェーム」(1980年:YouTubeのFAME MOVIE TRAILER (1980))、ピンク・フロイドのヒット作『The Wall』の制作プロセスとそのツアーうを追い、ロックのスターのたどる孤独と挫折をボブ・ゲルドフ主演の幻想的な映像とジェラルド・スカーフのアニメで描いた「ザ・ウォール」(1982年:YouTubeのPink Floyd The Wall Movie Trailer)、1950年代のミューヨークを舞台に惨殺事件の真相に迫る探偵の姿をミッキー・ローク、ロバート・デ・ニーロ共演で描いた「エンゼル・ハート」(1987年:YouTubeのAngel Heart (Alan Parker, 1987))、1964年のミシシッピー州ジュサップを舞台に3人の公民権運動家の失踪事件を捜査するジーン・ハックマン、ウィレム・デフォー演じる2人のFBI捜査官の姿を通してアメリカの南部における人種差別問題を描いた「ミシシッピー・バーニング」(1988年:YouTubeのMississippi Burning Trailer)、第2次大戦下の在米日系人隔離政策を背景に日系ニ世の女性とアメリカ人青年の愛を実話を基にデニス・クエイド、タムリン・トミタ共演で描いた「愛と哀しみの旅路」(VHSのみ発売:1990年:YouTubeのDNC: Tamlyn Tomita representing APIAVote)、ソウル・バンドとしての成功を夢みるアイルランドの若者たちの姿をロバート・アーキンズ、マイケル・アーニー共演で描いた「ザ・コミットメンツ」(1991年:YouTubeのTHE COMMITMENTS - HQ Trailer (1991))、20世紀初頭のアメリカを舞台に珍妙な健康法に狂騒する人々をアンソニー・ホプキンス、ブリジット・フォンダ共演でシニカルに描いた「ケロッグ博士」(1994年:YouTubeのThe Road To Wellville-Dr.Harvey Kellogg-1994)、祖国への忠誠と愛の力でアルゼンチンの歴史を変えたエビータことエバ・ペロンの生涯をマドンナ、アントニオ・バンデラス共演で描いた「エビータ」(1996年:YouTubeのEvita-movie-part1)、アイルランドの貧しい家族の姿をエミリー・ワトソン、ロバート・カーライル共演で描いた「アンジェラの灰」(1999年:YouTubeのAngela's Ashes (trailer))、同僚の女性をレイプ・殺害した罪で死刑目前の元大学教授にインタビューした女性記者がやがて彼の冤罪を信じ独自の調査に乗り出す姿をケヴィン・スペイシー、ケイト・ウィンスレット共演で描いた「ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」(2003年:YouTubeのThe Life of David Gale - Trailer (Longer Version))などがある。

★国際批評家賞:該当作2作品
☆「カイロの紫のバラ」 監督:ウディ・アレン
※1930年代の大恐慌時代、夫の暴力に悩む女性と映画「カイロの紫のバラ」のスクリーンから出てきたヒーローとの淡い恋を描いたファンタジーラブロマンス。ミア・ファロー、ジェフィ・ダニエルほか出演。
> YouTubeのThe Purple Rose of Cairo (trailer)

☆「パパは出張中!」監督:エミール・クストリッツァ(ユーゴスラビア)

1980年代

1985年の映画2

1985年の映画2

■アカデミー賞

★外国語映画賞:「オフィシャル・ストーリー」監督:ルイス・プエンソ
軍事政権下のブエノスアイレスで平穏な生活を送っていた家族が、恋人が反体制側だったために亡命した旧友に妻が会った事がキッカケとなって、養女の出生の秘密や夫の軍事政権との癒着などが明らかになる。一つの家族を通してアルゼンチンの苛酷な現実を描いた問題作。ノルマ・アレアンドロがカンヌ映画祭主演女優賞受賞。
> YouTubeのLa Historia Oficial - The Official Story (1985)
※ルイス・プエンソは、1946年2月19日アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれ。1972年映画監督デビュー。
他の作品には、スペイン内戦時代と現代、スペインとアルゼンチンにまたがる壮大なスケールの愛を描いた「娼婦と鯨」、革命に揺れるメキシコを舞台に二人の男性を愛してしまったアメリカ人女性の姿をジェーン・フォンダ、グレゴリー・ペック主演で描いた「私が愛したグリンゴ」(1989年:YouTubeのTrain Scenes in movie Old Gringo NdeM 1150)、ペスト菌による死の恐怖を描いたアルベール・カミュ原作『ペスト』をウィリアム・ハート、ロバート・デュヴァル、ラウル・ジュリア共演で映画化した「プレイグ」(1992年:YouTubeのLA PESTE - di Luis Puenzo dal libro di Alber Camus)などがある。

★脚色賞:カート・リュードック「愛と哀しみの果て
※「愛と哀しみの果て」は、20世紀初頭のアフリカを舞台に、愛と冒険に生きたひとりのデンマーク人女性の半生をメリル・ストリープ、ロバート・レッドフォード、クラウス・マリア・ブランダウアー共演で描いたシドニー・ポラック監督作。アカデミー賞では、作品・監督・脚色・撮影・作曲・美術・音響と主だった部門を独占した。
> YouTubeのOut of Africa: Meryl and Robert
※カート・リュードックが脚本を担当したの他の作品には、港湾労働組合のリーダーの失踪に端を発して新聞にでたらめな報道をされた男の巧妙な復讐をポール・ニューマン、サリー・フィールド描いたシドニー・ポラック監督の「スクープ 悪意の不在」(1981年:YouTubeのAbsence of Malice TV trailer 1981)、愛し信じていた妻と夫を失った男女の恋の行方を ハリソン・フォード、クリスティン・スコット・トーマス主演で描いたシドニー・ポラック監督の「ランダム・ハーツ」(1999年:YouTubeのRandom Hearts movie trailer)、第二次大戦中のナチス占領下のゲットーで、ある男の嘘による「想像のラジオニュース」が人々に生きる勇気を与える様をロビン・ウィリアムズ主演で描いたピーター・カソヴィッツ監督の「聖なる嘘つき〜その名はジェイコブ〜」(1999年:YouTubeのJakob the liar Ilusiones de un mentiroso)などがある。

★撮影賞:デヴィッド・ワトキン「愛と哀しみの果て
※デヴィッド・ワトキンは、1925年3月23日イギリス・ケント州マーゲート生まれ。1950年撮影監督に就任。そのキャメラワークは華やかで絵画的である。2008年2月19日英ブライトンの自宅で亡くなった。享年82歳。
デヴィッド・ワトキンの他の作品には、避暑地を舞台に男性を翻弄するばかりで決して胸の内を明かそうとしない令嬢と彼女に一目惚れした青年の姿を キルスティン・ダンスト, ニック・スタール主演で描いたリヴァージ・アンセルモ監督の「Lover`s Prayer はつ恋」(2000年:YouTubeのAll Forgotten (Lover's Prayer) Soundtrack - Main Theme)、マフィアに命を狙われる少年と逃避行を続ける女性の戦いをシャロン・ストーン主演で描いたシドニー・ルメット監督の「グロリア」(1999年:YouTubeのSharon Stone in Goria)、1930年代のフィレンツェで異邦人でありながら自由奔放に生き人生を謳歌した5人の女性たちと一人の孤独な少年とのふれあいをシェール、ジュディ・デンチ他の出演で描いたフランコ・ゼフィレッリ監督の「ムッソリーニとお茶を」(1998年:YouTubeのTea with Mussolini (1999) Trailer)、ニューヨーク市警の汚職事件を担当したため警官である父も調査しなければならなくなった検事の苦悩をアンディ・ガルシア出演で描いたシドニー・ルメット監督の「NY検事局」(1997年:YouTubeのRichard Dreyfuss in "Night Falls on Manhattan" 1997 Trailer)、シャーロット・ブロンテの小説「ジェイン・エア」の映画化でジェインの子供時代をアンナ・パキン、成長した後をシャルロット・ゲンズブールが演じたフランコ・ゼフィレッリ監督の「ジェイン・エア」(1996年:YouTubeのjane eyre trailer 1996)、父と息子の二人暮らしの家庭に舞い込んだ一人の娼婦が本当の愛を掴むまでをメラニー・グリフィス、エド・ハリス主演で描いたリチャード・ベンジャミン監督の「ミルク・マネー」(1994年:YouTubeのMilk Money)、長年連れ添った夫の葬儀で25年間もの片思いを告白された一人の女性の恋をシャーリー・マクレーン、 マルチェロ・マストロヤンニ主演で描いたビーバン・キドロン監督の「迷子の大人たち」(1992年:YouTubeのUsed People (1992) - Trailer)、第2次世界大戦時にアメリカが生んだ空飛ぶ要塞B-17の1機メンフィス・ベルに乗り込んだ10人の若者をマシュー・モディーン他の出演で描いたマイケル・ケイトン=ジョーンズ監督の「メンフィス・ベル」(1990年:YouTubeのMemphis Belle (Trailer))、ニューヨークの下町ブルックリンのイタリア系社会の人間模様をシェール、ニコラス・ケイジ主演で描いたノーマン・ジュイソン監督の「月の輝く夜に」(1987年:YouTubeのMoonstruck (official trailer) Cher)、富豪に雇われたヨットマンが、夫人と打算的な情事を重ねながら遺産を物にしようと娘にも近づきやがて悲劇的な結末を迎える様をロブ・ロウ出演で描いたボブ・スウェイム監督の「マスカレード/甘い罠」(1987年)、自由を求めて祖国を捨てたソ連の青年と自国の政策に抵抗して自由圏を離脱したアメリカ青年のお互いの自由に対する想いと心の交流を ミハイル・バリシニコフとグレゴリー・ハインズ共演で描いたテイラー・ハックフォード監督の「ホワイトナイツ白夜」(1985年:YouTubeのBaryshnikov in White Nights 1985)、念願かなってホテル経営を果たした男とその家族に降りかかるさまざまな悲劇をジョディ・フォスター、ロブ・ロウ、ナスターシャ・キンスキー共演で描いたトニー・リチャードソン監督の「ホテル・ニューハンプシャー」(1984年:YouTubeのThe Hotel New Hampshire - Movie Trailer)、ライオネル・リッチーとダイアナ・ロスが歌う主題歌『エンドレス・ラヴ』も大ヒットしたブルック・シールズ主演フランコ・ゼフィレッリ監督の恋愛青春映画「エンドレス・ラブ」(1981年:YouTubeの【映画音楽】 エンドレス・ラブ / Endless Love)、二人の青年がオリンピックのそれぞれの競技で優勝するまでをヴァンゲリスの流麗なメロディの乗せて感動的に描いたベン・クロス、イアン・チャールソン共演、ヒュー・ハドソン監督の「炎のランナー」(1981年:YouTubeのChariots of fire - movie, opening scene)、ビートルズを鮮烈に映画デビューさせたリチャード・レスター監督の戦争を風刺したジョン・レノン単独出演のブラック・コメディー「ジョン・レノンの僕の戦争」(1967年:YouTubeのHow I Won The War (1967) Part 1)、スウィンギン・ロンドンと呼ばれたイギリス発の若者カルチャーを描いたリチャード・レスター監督のカンヌ国際映画祭グランプリ受賞作「ナック」(1965年:YouTubeのDoors (The Knack... and how to get it))、リンゴの指輪をめぐる邪教集団との追いかけっこをビートルズのヒット曲にのせて描いたリチャード・レスター監督の「HELP!四人はアイドル 」(1965年:YouTubeのThe Beatles Help! Movie Trailer (1965))などがある。

★作曲賞:ジョン・バリー「愛と哀しみの果て」
> YouTubeのJohn Barry Theme Out of Africa
※ジョン・バリーは,1933年11月3日イギリス・ヨーク生まれ。「007/ジェームズ・ボンドシリーズ」など多くの映画音楽の作曲を手がけた。ゴールデングローブ賞1回とアカデミー賞を4回受賞している。
他のアカデミー賞受賞作には、ジョイ・アダムソンのノン・フィクション小説を映画化したジェームズ・ヒル監督の動物映画の秀作「野生のエルザ」(1966年:YouTubeのJohn Barry "Born Free")、ヘンリー2世一族の複雑な家族関係を通して人間の権力欲や陰謀に色あせた恋などをピーター・オトゥール、キャサリン・ヘップバーン出演で描いたアンソニー・ハーヴェイ監督の「冬のライオン」(1968年:YouTubeのJOHN BARRY, THE LION IN WINTER SUITE)、南北戦争時代、スー族の女性と愛し合いインディアンと共に生きた元北軍中尉の数奇な運命を描いたケヴィン・コスナー監督・主演の「ダンス・ウィズ・ウルブズ」(1990年:YouTubeのDances.with.wolves.(1990)_TRAILER)がある。また、 グラミー賞受賞作には、虚飾の大都会ニューヨークの混沌から必死に浮かび上がろうとする2人の若者をダスティン・ホフマン、ジョン・ヴォイト共演で描いたジョン・シュレシンジャー監督の「真夜中のカーボーイ」(1970年:YouTubeのJohn Barry- The Midnight Cowboy Theme)がある。

★主題歌賞:ライオネル・リッチー「SAY YOU,SAY ME(ホワイト・ナイツ/白夜)
> YouTubeのlionel richie-say you say me
※ライオネル・リッチーは、1949年6月20日アラバマ州タスキーギ生まれ。1968年大学在学中にコモドアーズを結成。1974年にアルバムデビュー。1982年コモドアーズを脱退しソロ活動を開始。数々のヒット曲を生み、一躍アメリカを代表するスーパースターとなる。

★衣装デザイン賞:ワダエミ「
> YouTubeのTrailer: Akira Kurosawa's Ran
※ワダ・エミ(本名:和田恵美)は、1937年3月18日京都府出身の衣装デザイナー。1959年(昭和34年)京都市立美術大学(現・京都市立芸術大学)西洋画科卒。20歳の時に演出家の和田勉と結婚し、夫が演出する舞台の衣装を手がけ衣装デザイナーとしてスタートする。以後は、海外の仕事も多い。
ワダ・エミが参加した他の作品は、悪女たちが男を滅ぼす様を描いたピーター・グリーナウェイ監督の「8 1/2の女たち」(1998年:YouTubeのPeter Greenaway - 8 donne e 1/2)、レスリー・チャン主演、干仁泰監督の香港映画「白髪魔女伝」(1993年:YouTubeの白髪魔女伝)、香港映画賞衣装デザイン賞を受賞したマギー・チャン、ミシェル・ヨー、ヴィヴィアン・ウー共演、メイベル・チャン監督の「宋家の三姉妹」(1997年:YouTubeの張曼玉、趙文?: 《宋家皇朝》"離別")、秦の始皇帝を狙う3人の刺客をすべて討ち取ったという一人の男をジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィイー出演で描いたチャン・イーモウ監督の「英雄 〜 HERO 〜」(2003年:YouTubeのHero Movie-Jet Li-Trailer)、唐代の中国を舞台に互いに仕組んだ罠の中で出会った三人の男女を金城武、チャン・ツィイー、アンディ・ラウ共演で描いたチャン・イーモウ監督の「LOVERS」(2004年:YouTubeの:: 十面埋伏 ::)、史上最大の帝国を築いた史上最強の統率者・チンギス・ハーンの知られざる半生を浅野忠信主演で描いたセルゲイ・ボドロフ監督の「モンゴル」(2007年:モンゴル・ホームページ)などがある。

★メイクアップ賞:「マスク
※「マスク」は、人間の潜在的欲望を引き出す古代の仮面をつけた青年が、謎の怪人・マスクとなって大活躍する姿を得意の顔面七変化をはじめとして爆笑パフォーマンスを見せるジム・キャリー主演で描いたチャールズ・ラッセル監督作。
> YouTubeのThe Mask Trailer
※特殊メイクはグレッグ・キャノン、SFXはILMが担当。共演は、セクシーなヒロイン役にモデル出身で、本作が映画初出演のキャメロン・ディアス、ピーター・リーガート、エイミー・ヤスベックほか。

1980年代

1985年の映画(DVD)

1985年の映画

アカデミー賞

★作品賞:「愛と哀しみの果て」 監督:シドニー・ポラック
※1937年に出版されたアイザック・ディネーセンの小説『アフリカの日々』他を基に映画化。スウェーデン貴族プロア・ブリクセン男爵(クラウス・マリア・ブランダウアー)と結婚し、ケニアに渡ったデンマーク人の令嬢カレン(メリル・ストリープ)。だがそこには幸せな結婚生活は無く、農場経営も巡って二人は対立する。そんな彼女の前にサファリのガイドを務めている冒険家デニス・ハットン(ロバート・レッドフォード)が現れた。
他の出演者は、デニスの友人バークレー・コールにマイケル・キッチン、召使いファラー・アデンにマリク・ボウエンズ、ハウスボーイのジュマにマイク・プガラ。
> YouTubeのOut of Africa (trailer)

★監督賞:シドニー・ポラック「愛と哀しみの果て
※シドニー・ポラックは、1934年7月1日インディアナ州生まれ。ニューヨークのネイバーフッド・プレイハウスで演技を学び、俳優として活躍。その後、テレビ番組の監督を経て、映画に進出。現在でも俳優・監督・プロデューサーとして活躍している。
シドニー・ポラック監督の他の主な作品には、不況が続くミシシッピー州の田舎町に派遣されて来たエリート鉄道会社員と彼が宿泊するホテルの従業員の切ない愛をナタリー・ウッド、ロバート・レッドフォード主演で描いた「雨のニューオリンズ」(1966年:YouTubeのThis Property is Condemned - Confrontation)、不況時代のハリウッドを舞台にマラソン・ダンスに人生を賭けた人間達をジェーン・フォンダ、マイケル・サラザン主演で描いた「ひとりぼっちの青春」(1969年:YouTubeのThey shoot horses don't they? - Sydney Pollack)、激動の20年間にわたる男と女の愛をバーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード主演で描いた「追憶」(1973年:YouTubeのThe Way We Were(追憶)−prologue and epilogue)、売れない男優が女装した途端に役がつき一躍人気スターになるダスティン・ホフマン主演のコメディ「トッツィー」(1982年:YouTubeのTOOTSIE - HQ Trailer (1982))、メンフィスの税務専門の法律事務所に入った若い弁護士が巨大な陰謀に巻き込まれる姿をトム・クルーズ主演で描いた「ザ・ファーム 法律事務所」(1993年:YouTubeのTOM CRUISE - 1993 - THE FIRM (TRAILER))、オードリー・ヘップバーの「麗しのサブリナ」を現代的にアレンジしてハリソン・フォード、ジュリア・オーモンド主演で再映画化した「サブリナ」(1995年:YouTubeのDance and a slap-Sabrina)、国連を舞台に暗殺計画に巻き込まれる通訳の女性と彼女を守る捜査官の姿をニコール・キッドマン、ショーン・ペン主演で描いた「ザ・インタープリター」(2005年:YouTubeのThe Interpreter-trailer)などがある。

★主演男優賞:ウィリアム・ハ―ト「蜘蛛女のキス」[VHS]
※ウィリアム・ハ―トは、1950年3月20日ワシントンD.C.生まれ。少年時代は父親が国連の信託統治領の監督官をやっていたことから、南太平洋地域を転々とする。母がタイム誌の社主と再婚。ボストンの大学で神学を学んでいたが中退してロンドンへ留学する。その後ニュ−ヨ−クのジュリア−ド音楽院で演劇を学ぶ。舞台を経て、1979年「アルタード・ステーツ/未知への挑戦」で映画デビュー。自分の納得できる役を選ぶことでも有名。フランス語も堪能。
※「蜘蛛女のキス」は、アルゼンチンの作家マヌエル・プイグの小説「蜘蛛女のキス」をヘクトール・バベンコ監督が映画化。南米ブエノスアイレスの刑務所で同じ監房に入れられている反体制運動の闘士バレンティンと、ホモセクシャルのモリーナ。最初、モリーナを毛嫌いしていたバレンティンだが、モリーナの映画の話を聞く内に徐々に心を通わせていく。ホモセクシャルの青年役を、ウィリアム・ハートが快演。本賞をはじめカンヌなど各国の賞を総なめにした。またバレンティンは1995年に他界した「アダムス・ファミリー」のラウル・ジュリアが、蜘蛛女とモリーナが語る映画の中の女性歌手、そしてバレンティンの恋人をソニア・ブラガが一人三役で演じた。
> YouTubeのKiss of the Spider Woman - Trailer
ウィリアム・ハートの他の出演作は、若い精神心理学者が自ら実験台となり人類の記憶をたどって生命誕生の根源を探ろうと試みる姿を描いたケン・ラッセル監督の「アルタード・ステーツ〜未知への挑戦〜」(1979年:YouTubeのAltered States-Trailer-225 kbps)、猛暑のフロリダを舞台に謎の女と出会った若い弁護士が遺産相続に絡む恐ろしい罠に巻き込まれる姿を描いたローレンス・カスダン監督の「白いドレスの女」(1981年:YouTubeのBody Heat(1981)-Theatrical Trailer) 、大学時代の学友たちが再会して、卒業後の生活を語りあう姿を描いたローレンス・カスダン監督の「再会の時」(1983年:YouTubeのThe Big Chill-Original Trailer1983)、モスクワのゴーリキー公園で顔も指紋もない3つの死体が発見され人民警察主任捜査官が捜査にあたる姿を描いたマイケル・アプテッド監督の「ゴーリキー・パーク」(1983年:YouTubeのTrailer-Gorky Park[MGM]by:Igor)、聾学校の教師が聾唖の女性と愛し合いながら教師として献身する姿を描いたランダ・ヘインズ監督の「愛は静けさの中に」(1986年:YouTubeのChildren of a Lesser God)、テレビ局で働く男女3人の三角関係を描いたジェームズ・L・ブルックス監督の「ブロードキャスト・ニュース」(1987年:YouTubeのSiskel&Ebert-Broadcast News(1987))、失意の旅行ガイドブックのライターがたどる心の交流を描いたローレンス・カスダン監督の「偶然の旅行者」(1988年:YouTubeのThe Accidental Tourist (1988))、殺そうとした浮気亭主が並み外れた体力の男だったことから起こる大騒動を描いたローレンス・カスダン監督の「殺したいほどアイ・ラブ・ユー」(1990年:YouTubeのI Love You To Death(1990)Trailer)、NYブルックリンの煙草屋に集う三人の男をユーモアと情感を込めて描いたウェイン・ワン監督の「スモーク」(1995年:YouTubeのSMOKE (Trailer))、自らの運命を切り開き幾多の障害を乗り越えて幸せを掴み取った女性の姿を描いたシャーロット・プロンテの名作をフランコ・ゼフィレッリ監督が映画化した「ジェイン・エア」(1996年:YouTubeのjane eyre trailer 1996)、地球の未来を担って宇宙空間に飛び出した科学者一家の冒険を描いたスティーヴン・ホプキンス監督の「ロスト・イン・スペース」(1998年:YouTubeのLost In Space Movie Trailer)、歴史の荒波にもまれたハンガリーのユダヤ人一族の盛衰を三世代にわたって描いたイシュトヴァーン・サボー監督の「太陽の雫」(1999年:YouTubeのSunshine: Life. Ralph Fiennes & Lito Vitale)、愛をインプットされた少年ロボットの心の旅を描いたスティーヴン・スピルバーグ監督の「A.I.」(2001年:YouTubeのFilm - A.I. - final scene - David's happiest day)、新しい家庭を築いた父に邪険に扱われた青年がタブーを冒し一家に亀裂を生じさせる様を描いたジェームズ・マーシュ監督の「キング 罪の王」(2005年:YouTubeのThe King)、物静かな男の秘密の過去がある事件をきっかけに暴かれていく様を描いたデイヴィッド・クローネンバーグ監督の「ヒストリー・オブ・バイオレンス」(2005年:YouTubeのA History of Violence official trailer)、有名無名の人が気づかないまま石油産業が支配する巨大で複雑なシステムの中でそれぞれに小さな役割を果たしていく様を描きジョージ・クルーニーがアカデミー賞助演男優賞を受賞したスティーヴン・ギャガン監督の「シリアナ」(2005年:YouTubeのSyriana)などがある。

★主演女優賞:ジェラルディン・ペイジ「バウンティフルへの旅」
※「バウンティフルへの旅」は、ピーター・マスターソン監督作品。
テキサスの田舎町、狭いアパートで息子夫婦(ジョン・ハード、カーリン・グリン)と暮らす老婦人キャリー(ジェラルディン・ペイジ)は、息子の嫁との喧嘩に耐えかね、故郷バウンティフルへの旅に出る。だが、かつての彼女の家も荒れ地の中で廃屋になっていた。老境の女性の心情を静かに演じたペイジ。また脇役も素晴らしい演技を見せ、心温まる秀作となった。
> YouTubeのThe Trip To Bountiful - Original Trailer 1985
※ジェラルディン・ペイジは、1924年11月22日ミズーリ州生まれ。1987年6月13日没。ブロードウエイでの演技を含め常にプロ批評家の賞賛を集めてきた。また自分のイメージに合う役柄を選ぶ女優でもあった。
ジェラルディン・ペイジの他の出演作は、小さな息子と共に夫の留守を守る女と彼女の宿を借りた騎兵隊の視察兵・ホンドーの恋を軸にアパッチとの壮絶な戦いを描いたジョン・ファロー監督の「ホンドー」(1953年:YouTubeのJohn Wayne - HONDO - Original Record (Main Title))、かつてタレントだった野心家の青年が落ちぶれた女優を利用して返り咲くことを目論むというテネシー・ウィリアムズの「青春の甘い鳥」をリチャード・ブルックス監督が映画化した「渇いた太陽 Summer Sweet Bird of Youth」(1962年:YouTubeのSweet Bird of Youth(1962))、軽快なラヴィン・スプーンフルのロックに乗せて若者の恋の脱線ぶりを生き生きと描いたフランシス・フォード・コッポラ監督の日本未公開の青春ラブコメディ「大人になれば…」(1966年:YouTubeのYou're A Big Boy Now-The Lovin'Spoonful)、1930年代後半のハリウッドを舞台に、そこで蠢く赤裸々な人間群像を描くナサナエル・ウェストの同名小説をジョン・シュレシンジャー監督が映画化した「イナゴの日」(1975年:YouTubeのThe Day of the Locust movie trailer 1975)、はた目には裕福なロングアイランドの家族が崩壊してゆく様を三姉妹の心理の葛藤を中心に描いたウディ・アレン監督の「インテリア」(1978年:YouTubeのInteriors(1978)Trailer)、暗黒組織のボスに敵対するアウトサイダーのダンディな生き様を描いたスチュアート・ローゼンバーグ監督の「悪の華〜パッショネイト〜」(1984年)などがある。

★助演男優賞:ドン・アメチー「コクーン」(YouTubeのCocoon Trailer
※ドン・アメチーは、1908年5月31日ウィスコンシン州ケノシャ生まれ。1993年12月6日没。ラジオを経て映画に進出する。口ひげがトレードマークの二枚目スターとして活躍。本賞受賞時は77歳だった。
ドン・アメチーの他の出演作には、少女と父親を音楽への鋭い感性で明るく勇気づける家政婦の姿を涙と笑いで描いたジェシー・ネルソン監督の「コリーナ、コリーナ」(1994年:YouTubeのCorrina, Corrina trailer) 、地球へと帰ってきた老人達が再び地球に残るかどうかの決断を迫られるダニエル・ペトリ監督の「コクーン2/遥かなる地球」(1988年:YouTubeのCocoon: The Return(1988)-Trailer) 、ピーター・フォーク演じる刑事コロンボと犯人の息詰まる心理戦を描いた「刑事コロンボ ホリスター将軍のコレクション/二枚のドガの絵」(1971年)、死んで地獄に落ちた男がそこで自分の人生を回想する姿を描いたエルンスト・ルビッチ監督の「天国は待ってくれる」(1943年:YouTubeのHEAVEN CAN WAIT(1943) - GENE TIERNEY,DON AMECHE)などがある。

★助演女優賞:アンジェリカ・ヒューストン「女と男の名誉
※「女と男の名誉」は、リチャード・コンドンの『プリッツィの名誉』を、アンジェリカ・ヒューストンの父親ジョン・ヒューストン監督が映画化した作品。ニューヨークはブルックリン。マフィアの殺し屋チャーリー(ジャック・ニコルソン)は、偶然出会ったアイリーン(キャスリン・ターナー)に一目惚れし、お互いを愛し合うようになる。しかしアイリーンも殺し屋だった!それでも愛を貫く二人だったが、別々の依頼主からお互いを殺せという依頼を受ける。アンジェリカ・ヒューストンは、恋人のチャーリーが他の女に走った報復にアイリーンを殺し屋として雇うマフィアのボスの孫娘・メイローズを演じた。
> YouTubeのPrizzi's Honor Trailer
※アンジェリカ・ヒューストンは、1951年7月8日カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。祖父は俳優のウォルター・ヒューストン、父親は映画監督のジョン・ヒューストン。母親はロシア人バレリーナだった。父が「アフリカの女王」撮影中に生まれ、子供の頃はアイルランドとイギリスで育ち、母親の死後ニューヨークでモデルとして活躍する。1970年代より演技の勉強を始めた。シリアスドラマから詐欺師、魔女、お化け一家の母など、さまざまな役柄を演じられる女優である。
アンジェリカ・ヒューストンの他の出演作には、1930年代のロサンゼルスを舞台に暗うつな時代に生きる男と女の情欲と運命を描いたボブ・ラフェルソン監督の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(1981年:YouTubeのThe Postman Always Rings Twice-1981)、実在のハリウッド女優フランシス・ファーマーの数奇な半生を描いたグレイム・クリフォード監督の「女優フランシス」(1982年:YouTubeのFrances(1982))、架空のロックバンド、スパイナル・タップの全米ツアーをドキュメントしたロブ・ライナー監督の「スパイナル・タップ」(1984年:YouTubeのSpinal Tap-Theatrical Trailer)、中年の大学教授が見た一夜の出来事を描いたジェームズ・ジョイスの短編集「ダブリンの市民」のうち「死せる人々」をジョン・ヒューストン監督が映画化した「ザ・デッド/「ダブリン市民」より」(1987年:YouTubeのThe Dead(The Toast)-John Huston)、人間の愛と欺瞞、成功と挫折をふたつのストーリーから描いたウディ・アレン監督の「ウディ・アレンの重罪と軽罪」(1989年:YouTubeのCrimes and Misdemeanors trailer)、「アダムス・ファミリー」(1991年:YouTubeのAddams Family Values Trailer (1993)
)、マンハッタンのマンションに住む老夫婦の妻が心臓発作で急死するが残された夫の不審な態度に疑問を持った隣室の人妻が探偵気取りで事件の謎を追うウディ・アレン監督の「マンハッタン殺人ミステリー」(1993年:YouTubeのAnjelica Huston in Manhattan Murder Mystery (1993))、バリー・ソネンフェルド監督がオバケ一家の奇想天外な日常を描いたコメディの続編「アダムス・ファミリー2」(1993年:YouTubeのAddams Family Values (1993) Trailer)、交通事故で娘を失った男とその罪で6年間服役した男が憎悪と罪悪感を抱えて対決し魂の決着をつけるまでの3日間をサスペンスフルに描いたショーン・ペン監督作「クロッシング・ガード」(1995年:YouTubeのThe Crossing Guard - Trailer)、刑務所帰りの男とゆきずりの少女の奇妙な恋愛をエキセントリックな演出で描いたヴィンセント・ギャロ主演・監督の「バッファロー'66」(1998年:YouTubeのBuffalo '66 (1998))、「シンデレラ」をアレンジしたアンディ・テナント監督のラヴ・ロマンス「エバー・アフター」(1998年:YouTubeのEver After Trailer (Good Quality))、20世紀初頭の欧米における上流階級の人々の恋愛模様を描いたジェームズ・アイヴォリー監督の「金色の嘘」(2000年:YouTubeのTHE GOLDEN BOWL)、離散した天才一家の再生をユニークに描いたウェス・アンダーソン監督の「ザ・ロイヤル・テネンバウムズ」(2001年:YouTubeのThe Royal Tenembaums Trailer)、海洋探検家にしてドキュメンタリー映画監督である中年男と仲間たちの冒険を描いたウェス・アンダーソン監督の海洋アドベンチャー「ライフ・アクアティック」(2004年:YouTubeのLife Aquatic trailer)などがある。

1980年代

1984年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

1984年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

◆「インディ・ジョーンズ魔宮の伝説」 監督:スティーブン・スピルバーグ
※シリーズ第2弾。舞台設定は前作の1年前、1935年の上海。ギャングの策略にはめられた考古学者インディ(ハリソン・フォード)は飛行機が墜落し、インドの山奥に降り立つ。小さな村で、邪教集団が伝説の秘宝<サンカラ・ストーン>を奪い、村の子供も連れ去ったと知ったインディは、相棒のショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)とナイトクラブで知り合った歌手ウィリー(ケイト・キャプショー)と共に邪教集団が住み着いているという、かつてマハラジャが支配していたパンコット宮殿へ向かう。
前作を超えるという目標どうり、トロッコ・チェイスをはじめ、アクションのテンポと巧妙さは前作を凌ぐスリリングなものになっている。ただ、スピルバーグは自分の作品の中で一番の駄作だと言っている。

◆「ターミネーター」 監督:ジェームス・キャメロン
※2029年、未来で繰り広げられている人類vs機械の闘い。機械側は人類側のリーダー、ジョン・コナーを歴史から消すべく1984年のロスへ殺人サイボーグ、ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)を送り込んだ。目的は、ジョンを産む運命の女子大生サラ・コナー(リンダ・ハミルトン)を抹殺すること。その計画を阻止するためにジョンを敬愛する戦士カイル・リース(マイケル・ビーン)もターミネーターを追って現代へ来る。やがてターミネーターを相手にサラとリースの壮絶な戦いが始まる!
シリーズ化され、「ターミネーター2」、「ターミネーター 3」と製作された。

◆「ストレンジャー・ザン・パラダイス」 監督:ジム・ジャームッシュ
※ジャームッシュ監督の長編第1作。ハンガリー出身のウィリー(ジョン・ルーリー)はニューヨークに10年住んでいる。ある日彼に、入院することになったクリーブランドの叔母から、16歳のいとこエヴァ(エスター・バリント)がアメリカでの新しい生活を始めるためにブタペストから来るが、10日間ほど預かってほしいという電話がかかってくる。やがてウィリーの悪友エディとともに、見知らぬ都会で3人の共同生活が始まった。ジャームッシュの出世作にして、ロードムービーの傑作である。

◆「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」 監督:セルジオ・レオーネ
※レオーネの遺作にして代表作。1930年代、禁酒法時代のニューヨーク。ユダヤ系移民の子、ヌードルス(ロバート・デ・ニーロ )はある日、仲間と酔っ払いから財布を奪おうとするが、ブロンクスからやってきたマックス(ジェームズ・ウッズ)にそれを阻まれる。ヌードルスとマックスは最初はいがみ合うが、やがて強い友情で結ばれる。禁酒法を利用して次々と犯罪を犯す少年たちは、つかの間の栄光を味わう。しかし、彼らの挫折は思わぬところで待ち受けていた。
原作はハリー・グレイの自伝的小説。音楽はレオーネの旧友エンニオ・モリコーネが担当。
出演は他に、 エリザベス・マクガヴァン、ジェニファー・コネリー、トリート・ウィリアムズ、:チューズデイ・ウェルド、ジョー・ペシら。

◆「ホテル・ニューハンプシャー」 監督:トニー・リチャードソン
※原作はジョン・アーヴィングの同名小説。ウィン・ベリー(ボー・ブリッジス)は妻メアリー(リサ・べインズ)の母校である女学校を買いとって改造し、「ホテル・ニューハンプシャー」を始める。ウィンとメアリーの子供たちは、このホテルで成長していく。同性愛者の長男フランク(ボール・マクレーン)、美しくてしっかり者の長女フラニー(ジョディ・フォスター)、姉を熱愛する次男のジョン(ロブ・ロウ)、成長のとまった文学少女の次女リリー(ジェニー・ダンダス)、そして耳の不自由な三男エッグ(セス・グリーン)。月日は流れ、はじめは順調だったホテル経営も祖父(ウィルフォード・ブリムリー)の急死の頃から傾き始める。
出演は他に、ナスターシャ・キンスキー、ウォーレス・ショーン、マシュー・モディン。

◆「ナチュラル」 監督:バリー・レヴィンソン
※若くして野球の天才と呼ばれたロイ(ロバート・レッドフォード)は、将来を誓い合ったアイリス(グレン・クロース)に別れを告げてキャンプに向かうが、凶弾によって重傷を負う。それから16年後、35歳にして「奇跡のルーキー」として活躍するがまたもや誘惑の手が・・・。
出演は他に、ロバート・デュヴァル、キム・ベイシンガー、ウィルフォード・ブリムリー、バーバラ・ハーシー、ロバート・プロスキー、ジョー・ドン・ベイカー。

◆「ゴーストバスターズ」 監督:アイヴァン・ライトマン
※ニューヨークの三流大学で超常現象や幽霊について研究する三人の学者(ビル・マーレイ、ダン・エイクロイド、ハロルド・ライミス)はある日、大学側から研究費打ち切りを通告される。そこで、これまでの研究を生かし、超常現象を科学の力で解決する会社「ゴーストバスターズ」をはじめる。やがてアメリカ東海岸で超常現象が多発して仕事は大忙し。そんな中、古代の破壊神ゴーザが現代によみがえろうとしていた・・・
他の出演者は、シガニー・ウィーバー、リック・モラニス、アニー・ポッツ、アーニー・ハドソン、ウィリアム・アザートン、デビッド・マーギュリース、スラビトザ・ジャバン。

◆「グレムリン」 監督:ジョー・ダンテ
※クリスマス・プレゼントのペットが異常繁殖して町中が大混乱になるというコメディ。
出演はザック・ギャリガン、フィービー・ケイツ、ホイト・アクストン、フランセス・リー・マッケイン。

◆「ビバリーヒルズ・コップ」 監督:マーティン・ブレスト
※ビバリー・ヒルズを舞台にデトロイト出身の刑事が型破りなやり方で事件を解決していく痛快アクション。エディ・マーフィーが主役を生き生きと演じ、出世作となった。また続いて、「ビバリーヒルズ・コップ2」、「ビバリーヒルズ・コップ3」が製作された。

1980年代

1984年の映画(DVD)

1984年の映画(dvd)

アカデミー賞

★作品賞:「アマデウス」 監督:ミロス・フォアマン
※ブロードウェイで好評を博した舞台『アマデウス』の映画化。1823年11月、ウィーンで老いたサリエリ( F・マーリー・エイブラハム)が自殺をはかった。「許してくれモーツァルト、おまえを殺したのは私だ」、サリエリは浮わ言をいいながら精神病院に運ばれた。サリエリは、かつて宮廷にその名をはせたエリート音楽家である。そのサリエリが、精神病院で天才モーツァルト(トム・ハルス)との出会いと、恐るべき陰謀を告白する。ピーター・シェーファーの戯曲を完璧に映画化し、第57回アカデミー作品賞ほか8部門を受賞。モーツァルトの名曲とプラハでオールロケした美しい映像が重なり、すばらしい映画となった。出演は他に、エリザベス・ベリッジ(コンスタンチェ)、サイモン・カロウ (シカネーダー)、ロイ・ドトリス (レオポルド)、クリスティン・エバソール(カヴァリエ)、ジェフリー・ジョーンズ(皇帝ヨーゼフ)。

★監督賞:ミロス・フォアマン「アマデウス
※ミロス・フォアマンは、1932年2月18日チェコスロヴァキア生まれ。両親はアウシュヴィッツで亡くなっている。プラハの映画学校で学び、チェコで映画作りをしていたが、チェコ事件を機にアメリカにわたり、1975年にはアメリカの市民権を取得。「カッコーの巣の上で」と本作でアカデミー賞監督賞を受賞。
他に、「パパ/ずれてるゥ!」(1971年※カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)、「カッコーの巣の上で」(1975年※アカデミー監督賞、ゴールデン・グローブ賞監督賞)、「ヘアー」(1979年)、「ラグタイム」(1981年)、「恋の掟」(1989年)、「ラリー・フリント」(1996年※ゴールデングローブ賞監督賞、ベルリン国際映画祭金熊賞)、「マン・オン・ザ・ムーン」(1999年※ベルリン国際映画祭銀熊賞(監督賞) )などがある。

★主演男優賞:F・マーリー・エイブラハム「アマデウス
※F・マーリー・エイブラハムは、1939年10月24日ペンシルバニア州ピッツバーグ生まれ。イタリア人とシリア人の血を引いている。テキサス大学オースチン校を卒業後、ニューヨーク市で演劇を学んだ。出演作品は多いが、本作のサリエリ役でアカデミー主演男優賞を獲得。また、「薔薇の名前」では、異端審問官ギー役で存在感を示した。他の主な出演作は、「スカーフェイス」(1983年)、「虚栄のかがり火」(1990年)、「モブスターズ 青春の群像」(1991年)、「ラスト・アクション・ヒーロー」(1993年)。「誘惑のアフロディーテ」(1995年)、「革命の子供たち」(1996年)、「ミミック」(1997年)、「スター・トレック 叛乱」(1998年)、「小説家を見つけたら」(2000年)、「13ゴースト」(2001年)がある。

★主演女優賞:サリー・フィールド「プレイス・イン・ザ・ハート」[VHS] 監督・脚本:ロバート・ベントン
※35年のテキサス。酔っ払いの黒人に撃ち殺された保安官の妻、エドナ(サリー・フィールド)。銀行から借金を期限までに返さなければ家を売るように言われ、二人の子供を抱えて途方にくれる。そんなある日、物乞いに現れた黒人(ダニー・グローヴァー)に畑で綿花を育てればいい金になる事を教えられ、彼を雇って畑仕事を始める。盲人の下宿人(ジョン・マルコヴィッチ)の面倒を見ることになったり、竜巻の被害にあったりと苦難の道を辿るが持ち前の頑張りでなんとか乗り切り、収穫の日を迎えるのが。
本作で2度目のアカデミー主演女優賞を獲得したサリー・フィールドの力強い演技、古き良き時代のカントリーの雰囲気に、決して平坦ではなかった当時の社会事情や人間関係をしっかり融合させた脚本(アカデミー・オリジナル脚本賞受賞)が、人間愛に満ちた感動作に仕上げている。素朴な田園風景の描写も美しい。
他の出演は、 リンゼイ・クローズ、エド・ハリス、 エイミー・マディガンら。

★助演男優賞:ハイン・S・ニョール「キリング・フィールド
※ローランド・ジョフィ監督作。70年代のカンボジア内戦下、ニューヨークタイムズの記者シャンバーグ(サム・ウォーターソン)は、現地で取材助手のプランと知りあう。だが共産勢力「赤いクメール」の攻勢が激しくなり、シャンバーグは帰国、プランは「クメール・ルージュ」に捕らえられてしまう。やがてプランの必死の脱出行が・・・。実在の記者シドニー・シャンバーグが書いたピュリッツァー賞受賞作の映画化。内戦で荒廃したカンボジアを描き、常に生命が危機にさらされる内戦下の状況を鮮烈に映しだした。
ハイン・S・ニョールは、1940年3月22日カンボジア・プノンペン生まれ。カンボジアで産婦人科医、また軍医として働いていたが、1975年にクメール・ルージュに捕らえられ、4年余りの間、強制労働と拷問に耐える生活を強いられた。医者であることと教育を受けたことを隠し処刑を逃れるが、その間に、妻と子供を早産で亡くしている。 1979年にタイに脱出、1980年に難民としてアメリカに移住。その後、本作に出演。カンボジア人の通訳兼ガイドのディス・プランを演じ、それまで演技経験がなかったにもかかわらずアカデミー助演男優賞を受賞した。1996年2月25日自宅で強盗に射殺され死亡。

★助演女優賞:ペギー・アシュクロフト「インドへの道
※デイビッド・リーン監督作。フィアンセを訪ね、義母・モア夫人(ペギー・アシュクロフト)と共にイギリス植民地時代のインドを訪れた女性アデラ(ジュディ・デイヴィス)。ふとした誤解から、案内をしてくれた現地人のアジド医師(ヴィクター・バナルジ)が彼女に暴行したという容疑をかけられ、反英運動の渦に巻き込まれていく。
ペギー・アシュクロフトは、1907年2月22日 イギリス/サリー州クロイドン生まれ。1991年6月14日没


ベネチア映画祭

★作品賞:「太陽の年」 監督:クシシュトフ・ザヌーシ
※大戦直後のポーランド。豊かな土地をめざして人々が脱出していくが、旅費さえない貧しい娘はポーランドに留まらざるをえなかった。そんなおり、戦災を調査に来たアメリカの兵士が彼女と知り合い、言葉の通じぬまま恋に落ちる。だが二人の恋には、悲しい運命が待っていた。出演者は、マヤ・コモロフスカ 、スコット・ウィルソン 、ダニエル・ウェブ。
クシシュトフ・ザヌーシの他の作品には「巨人と青年」がある。

★主演男優賞:ナスィールッディーン・シャー「横断」
※ナスィールッディーン・シャーはインドの名優。出演作は、「CHINA-GATE」、「MASOOM 無垢」、「TRIDEV」など。また監督作として、911事件におけるインド人犠牲者を描いた「Yun Hota Toh Kya Hota (What if??)」がある。

★主演女優賞:パスカル・オジェ「満月の夜
※エリック・ロメール監督作。「喜劇とことわざ」シリーズの第4弾。真冬のパリ。インテリアデザイナーのルイーズ(パスカル・オジエ)はパリ郊外で堅気な男レミ(チェッキー・カリョ)と暮らしているが、パリにも自分専用のアパルトマンを借りている。ある夜パーティーで出会った若い男バスチアン(クリスチャン・ヴァデム)と一夜を共にする。その朝早く、ルイーズは一人で入ったカフェで奇妙な画家(ラズロ・サボ)に出会う。画家はこう言った。「今夜は満月になるよ。」アパートへ帰ったルイーズを待っていた結末とは・・・。
複数の男たちの間を揺れ動く「かわいい女」を演じ、美術も担当したパスカル・オジェは本作の公開2ヵ月後に24歳で急逝した。


カンヌ映画祭

★パルムドール:「パリ、テキサス」 監督:ビム・ベンダース
※ここで言うパリとは、テキサス州内の小さな町である。事件のショックで放心状態となり、4年もテキサスを一人放浪していた男(ハリー・ディーン・スタントン)が弟夫婦(ディーン・ストックウェルとオーロール・クレマン)の元に帰ってくる。そして、弟夫婦に育てられ、父のこともほとんど忘れてしまった幼い息子(ハンター・カーソン)と二人、別れた妻(ナスターシャ・キンスキー)を探す旅にでる。男と妻子との再会と別れを描いたロード・ムービー。ビム・ベンダースは「アメリカ人が撮れなくなった真のアメリカ映画を撮りたかった」と語っている。

★監督賞:ベルトラン・タベルニエ「田舎の日曜日
※息子(ミシェル・オーモン)一家と娘(サビーヌ・アゼマ)が、日曜日、パリ郊外の田舎に住む父(ルイ・デュクルー)を訪ねる。そして父は娘と行ったレストランで保守的な画家として生きた彼は、亡き妻(クロード・ヴァンテール)の想い出など彼の人生を語る。人生の晩年をさまざまな想いで生きようとする老画家の1日を描いている。
ベルトラン・タベルニエは1941年4月25日リヨン生まれ。作品は他に、「今日から始まる」(1999年)、「レセ・パセ」(2002年)、「ラウンド・ミッドナイト」(1986年)、「ソフィー・マルソーの三銃士」(1996年)、「ひとりぼっちの狩人たち」[VHS](1995年)がある。

★主演男優賞:アルフレッド・ランダ、フランシスコ・ラバル「無垢なる聖者」
※マリオ・カムス監督。1960年代のフランコ政権下。スペイン南西部の荘園を舞台に、大地主の一族によりこき使われ、虐げられる貧乏な小作農一家の物語を描いたヒューマン・ドラマ。

★主演女優賞:ヘレン・ミレン「キャル」
ヘレン・ミレンは、1945年7月26日エセックス州で生まれ、ロンドンで育つ。父は亡命ロシア貴族。舞台を経て、映画・テレビで活躍する。第79回アカデミー賞主演女優賞をはじめ受賞多数。他の出演作は、「カリギュラ」(1979年) 、「エクスカリバー」(1981年)、「モスキート・コースト」(1986年)、「コックと泥棒、その妻と愛人」(1989年)、「第一容疑者」 (1991年 - 1996年)、「ゴスフォード・パーク」(2001年)、「カレンダー・ガールズ」(2003年)、「プリティ・ヘレン」 (2004年)、「クィーン」(2006年*第79回アカデミー賞主演女優賞)がある。


★審査員特別賞:「日記」監督:マルタ・メーサーロシュ(ハンガリー)

★国際批評家賞:
☆「パリ、テキサス」監督:ヴィム・ヴェンダース(仏=西独)

☆「シテール島への船出」監督テオ・アンゲロプロス(ギリシャ)
※『シテール島への船出』を準備している映画監督の身辺を現実と映画中映画の二重構造で描く。

☆「MEMORIAS DO CACERE 監獄の記憶」監督:ネルソン・ペレイラ・ドス・サントス(ブラジル)
※政治思想犯を収容するイーリャ・グランデに収容された時のグラシリアーノ・ラモスの恐怖の経験に基づく原作の映画化。
ネルソン・ペレイラ・ドス・サントスは1928年10月26日ブラジル・サンパウロ生まれ。ブラジル映画の「良心」と讃えられた監督である。

1980年代

1983年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

1983年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)

◆「再会の時」 監督:ローレンス・カスダン
※60年代、学生運動の仲間だった8人の男女が十数年の時を経て、自殺した友人の葬儀のために集まり、久々に再会を果たした。同窓生同士で結婚したハロルド(ケヴィン・クライン)とサラ(グレン・クローズ)、TVスターとなったサム(トム・ベレンジャー)、戦争で性不能となったニック(ウィリアム・ハート)など、長い歳月の中ですっかり変わってしまった仲間たちの悲喜こもごもの様子を描いた群像ドラマの秀作。

◆「アウトサイダー」 監督:フランシス・フォード・コッポラ
※どこにも行き場のない不良グループの若者たちの対立を描いたドラマ。オクラホマ州タルサで対立を続ける2つのグループ、グリースとソッシュ。グリースのポウニーボーイ(C・トーマス・ハウエル)は、ソッシュの女の子・チェリー(ダイアン・レイン)と知り合うが…。出演は他に、マット・ディロン, ラルフ・マッチオ、パトリック・スウェイジ、ロブ・ロウ、エミリオ・エステヴェス、トム・クルーズ、グレン・ウィスロー、リーフ・ギャレット、ダレン・ダルトン、ミシェル・メイリンク、トム・ウェイツ、ゲイラード・サーテイン。
コッポラ監督の他の作品には、「レインメーカー」(1997)、「ジャック」(1996)、「ドラキュラ」(1992)、「ゴッドファーザー PART III」(1990)、「ニューヨーク・ストーリー」(1989)、「友よ、風に抱かれて」(1987)、「ペギー・スーの結婚」(1986)、「コットンクラブ」(1985)、「ランブルフィッシュ」(1983)、「ワン・フロム・ザ・ハート」(1982)、「地獄の黙示録」(1979)、「ゴッドファーザー PART II」(1974)、「カンバセーション…盗聴…」(1973)、「ゴッドファーザー」(1972)、「雨のなかの女」(1969)、「フィニアンの虹」(1968) など多数。

◆「大逆転」 監督:ジョン・ランディス
※フィラデルフィアの商品仲買会社を舞台に、大金持ちの老紳士兄弟の賭けによって、無一文で放り出されたハーバード出のエリートと、豪邸での暮らしを用意された貧しい黒人青年の2人の運命を描いた、「ブルース・ブラザース」のジョン・ランディス監督による痛快コメディ。

◆「ライトスタッフ」 監督:フィリップ・カウフマン
※アメリカの最初の宇宙開発「マーキュリー計画」を舞台に、宇宙に夢を馳せた男たちの姿を描いた感動のドラマ。サム・シェパード, スコット・グレン, エド・ハリス, デニス・クエイド、ジェフ・ゴールドブラム、フレッド・ウォード、ランス・ヘンリクソン、バーバラ・ハーシー、ベロニカ・カートライト、パメラ・リードなど個性派俳優の共演となった。

◆「スター・ウォーズ ジェダイの復讐」 監督:リチャード・マーカンド
※製作総指揮、原案、脚本:ジョージ・ルーカス、脚本:ローレンス・カスダン。「スター・ウォーズ」シリーズ第3作。全9話の中では第6話に当る。共和軍と帝国軍の熾烈な戦闘が描かれるとともに、ルークの父親と妹の存在が明らかになる。出演は、マーク・ハミル、ハリソン・フォード、キャリー・フィッシャー、ビリー・ディー・ウィリアムス、アンソニー・ダニエルズ(C-3PO)。

◆「ステイン・アライブ」 監督:シルベスター・スタローン
※ジョン・トラボルタ主演で贈る「サタデー・ナイト・フィーバー」の続編。ディスコで有名になった主人公がブロードウェイの花形ダンサーを目指し、奮闘する姿を描く。他の出演は、シンシア・ローズ, フィノラ・ヒューズ。

◆「ネバーセイ・ネバーアゲイン」 監督:アーヴィン・カーシュナー
※ショーン・コネリーが復活を遂げた幻の「007」シリーズ番外編。犯罪組織・スペクターにより略奪されたNATOの核弾頭を奪取するため、ジェームズ・ボンドが華麗なアクションを展開。他の出演は、キム・ベイシンガー、クラウス・マリア・ブランダウアーら。

◆「死霊のはらわた」 監督:サム・ライミ
※休暇を郊外で過ごそうと別荘を訪れた男女5人が、復活させてしまった邪悪な死霊に次々と血祭に上げられ・・・。森の中の小屋で悪魔に襲われる若者達の恐怖を描いたスプラッタホラー。出演は、エレン・サンドワイズ, ベッツィ・ベイカー, ハル・デルリッチ, サラ・ヨーク。

★「戦場のメリークリスマス」 監督:大島渚
※日本、英国、オーストラリア、ニュージーランドの合作映画。原作は南アフリカ出身のイギリス人小説家ローレンス・ヴァン・デル・ポストの「影の獄にて」。太平洋戦争下のジャワの日本軍捕虜収容所を舞台に、戦争に人生を振り回された日本とイギリス双方の軍人たちの確執や奇妙な友情、そして残酷かつ美しい愛情を描く。戦争映画であるが戦闘シーンは全くない。坂本による音楽も大ヒットした。また、出演者は、デヴィッド・ボウイ、坂本龍一、ビートたけし、トム・コンティ、ジャック・トンプソン、内田裕也、三上寛、ジョニー大倉、室田日出男、戸浦六宏、金田龍之介、内藤剛志ら、すべて男性である。

1980年代

1983年の映画(DVD)

1983年の映画(dvd)

アカデミー賞

★作品賞:「愛と追憶の日々」 監督:ジェームス・L・ブルックス
※親であり一人の女としても生きる、姉妹のように仲の良い母と娘の33年に及ぶ深い絆を描いた感動の人間ドラマ。娘は母の気に入らない男と結婚するが、夫の浮気を知って銀行員と愛し合うようになる。一方母も、隣に住む元宇宙飛行士に惹かれていく。出演は、シャーリー・マクレーン, デブラ・ウィンガー, ジャック・ニコルソン, ジョン・リスゴー, ジェフ・ダニエルズ。

★監督賞:ジェームス・L・ブルックス「愛と追憶の日々
※1940年5月9日ニュージャージー州ノース・バーゲン生まれ。ニューヨーク大学中退後、CBSニュースを経てドキュメンタリー会社で良質なテレビドラマを次々と演出し、エミー賞を受賞。81年、シナリオを書いたのをきっかけに劇場用映画に進出。本作が監督デビュー。初監督作品ながら、アカデミー監督賞、作品賞など五部門を受賞し注目を浴びる。87年の2作目「ブロードキャスト・ニュース」でもNY批評家協会賞の作品賞と監督賞を受賞。97年の「恋愛小説家」では出演者の個性を遺憾なく引き出し、ジャック・ニコルソン、ヘレン・ハントをアカデミー主演賞へと導いた。製作者としても「ビッグ」などをプロデュースしている。他に、「ハリウッド・トラブル」(1994)、「スパングリッシュ」(2004)。

★主演男優賞:ロバート・デュバル「テンダー・マーシー
※「テンダー・マーシー」はブルース・ベレスフォード監督作。結婚生活に失敗し、酒浸りの日々を送る落ちぶれた元カントリーシンガーの再生を情感こめて描いている。
ロバート・デュバルは1931年1月5日カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。大学卒業後、海軍を経てNYのネバーフット・プレイハウスに学ぶ。62年の「アラバマ物語」で映画デビュー。「雨のなかの女」以降はコッポラ作品に無くてはならない存在として「ゴッドファーザー」や「地獄の黙示録」などに出演。
本作では男の悲哀を見事に演じて受賞。また自ら5曲を歌い、うち2曲は作詞作曲もしている。製作にも協力していて本作品への入れ込みの程がうかがわれる。

★主演女優賞:シャーリー・マックレーン「愛と追憶の日々
※シャーリー・マクレーンは、1934年4月24日バージニア州の州都リッチモンドで生まれた。俳優のウォーレン・ビーティは弟。サチ・パーカー(Sachiko Parker)は娘。ブロードウェイの舞台を経て、1955年ヒッチコック監督の「ハリーの災難」で映画デビュー。コケティッシュな魅力で人気を博した。ヴェネチア国際映画祭とベルリン国際映画祭でもそれぞれ2回、女優賞を受賞している。

★助演男優賞:ジャック・ニコルソン「愛と追憶の日々
※ジャック・ニコルソンは、1937年4月22日、ニューヨーク市生まれ。若いころはアメリカン・ニューシネマの代表的な製作者であったが、演技の勉強を始め、1958年にデビュー。1969年デニス・ホッパー監督の「イージー・ライダー」で注目され、その後は3度のオスカー受賞など、アメリカを代表する名優にして怪優として活躍。その演技力に対する評価とともに、エキセントリックな言動やゴシップなどの話題にも事欠かない。

★助演女優賞:リンダ・ハント「危険な年
※「危険な年」はピーター・ウィアー監督作。1965年のジャカルタを舞台に、オーストリアの報道特派員と女性イギリス大使館員との恋を描いたラブ・ロマンスで、主演はメル・ギブソン, シガニー・ウィーバー。
リンダ・ハントは、1945年4月2日ニュージャージー州生まれ。シカゴの演劇学校を卒業後、ブロードウェイを始め、全米各地の舞台に立つ。80年「ポパイ」で映画デビュー。
本作では男性カメラマンを強烈に演じて助演女優賞を受賞。小柄(145cm)だが独特の雰囲気を持った個性派女優である。


ベネチア映画祭

★作品賞:「カルメンという名の女」 監督:ジャン・リュック・ゴダール
※銀行強盗の一味カルメンと憲兵隊員である男の禁断の愛を描いた作品であるが、ゴダールがビゼーの楽曲ではなく、ベートーヴェンの『弦楽四重奏曲』をふんだんに使用するなど極めて異色な作品となった。出演は、マルーシュカ・デートメルス, ジャック・ボナフェ。

★主演男優賞:マシュー・モディン、マイケル・ライト、ミッチェル・リヒテンシュタイン、デビッド・アラン・グリア、ガイ・ボイド、ジョージ・スンザ 「ストリーマーズ
※ロバート・アルトマン監督作。ベトナム戦争に赴いて精神の安定を失った兵士達の不安をヴィヴィッドに捉えたデヴィッド・レイブの傑作戯曲を映画化。脚本もデヴィッド・レイブが担当。カメラは兵舎から一歩も出ず、青年達の閉塞的な苛立ちを際だたせていく。

★主演女優賞:ダーリン・デジティム「マルチニックの少年」
※「マルチニックの少年」は、マルチニック島出身の作家J・ゾベルの少年時代の回想した原作を、やはりマルチニック島出身の黒人女流監督ユーザン・パルシーが映画化した。カリブのフランス領マルチニック島、塩の河。ベケと呼ばれる白人たちが所有する砂糖キビ畑で働く黒人の村、通称「黒人街通り」を舞台に島の少年ジョゼの目を通して貧困と矛盾に満ちた1930年代の島の生活を描く。「世界の全ての黒人街に捧ぐ」というパルシーのメッセージが叙情的なスケッチの中にも色濃く浮かぶ作品である。
ダーリン・デジティムは、やさしいけれど厳しく、人間としての誇りを忘れてはいけないと、いつもジョゼに言いきかせている祖母ママンティンを演じた。


カンヌ映画祭

★パルムドール:「楢山節考」 監督:今村昌平
※深沢七郎の同名小説と「東北の神武たち」の映画化。脚本も今村昌平。因習により山に捨てられる老婆とその息子の心の葛藤を描いた人間ドラマ。

★監督賞:
☆ロベール・ブレッソン「ラルジャン
※ニセ札と知らずにそれを使ったイヴォンは告発されて職を失う。強盗の手伝いをして逮捕・投獄され、その間に愛娘が病死、妻とも別れ、自殺をも考える。出所後に世話になった一家とも事件を引き起こす。
ブレッソン監督が80歳を超えて作った悪と狂気の極限を追求した映画。主人公は,「お金(ラルジャン)」か?出演は、クリスチャン・パティ, カロリーヌ・ラング。
ロベール・ブレッソンの他の監督作には、「公共問題」(1934)、「罪の天使たち」(1943)、「ブローニュの森の貴婦人たち」(1945)、「田舎司祭の日記」(1951)、「抵抗 - 死刑囚の手記より」(1956)、「スリ」(1959)、「ジャンヌ・ダルク裁判」(1962)、「バルタザールどこへ行く」(1966)、「少女ムシェット」(1967) 、「やさしい女」(1969)、「白夜」(1971)、「湖のランスロ」(1974)、「たぶん悪魔が」(1977) などがある。

☆アンドレイ・タルコフスキー「ノスタルジア
※20世紀を代表する映像詩人・タルコフスキーが、初めて祖国・ソ連を離れて、亡命先のイタリアで撮った作品。モスクワの詩人・アンドレイが、通訳を伴ってイタリアのトスカーナ地方を訪れる。静かな村の湯治場に着いた彼は、そこで狂人扱いされているドメニコに興味を抱くが、ドメニコは彼に謎めいた言葉を返すのだった。例によって、「水」や「蒸気」、「火」などを象徴的に使い荘厳な映像美を描き上げた。
他にも、「ローラーとバイオリン」(1960年)、「僕の村は戦場だった」(1962年*ヴェネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞)、「アンドレイ・ルブリョフ」(1967年)、「惑星ソラリス」(1972年*カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)、「」(1975年)、「ストーカー」(1979年)、「サクリファイス」(1986年*カンヌ国際映画祭審査員特別グランプリ)といった傑作がある

★主演男優賞:ジャン・マリア・ボロンテ「マリオ・リッチの死」
※ジャン・マリア・ボロンテは、1933年4月9日ミラノ生まれ。1994年12月16日に亡くなる。
他の出演作には、「予告された殺人の記録」(1987年)、「死刑台のメロディ」(1970年)、「東風」(1970年)、「荒野の用心棒」(1964年)、「夕陽のガンマン」(1966年)、「群盗荒野を裂」(1967年)などがある。

★主演女優賞:ハンナ・シグラ「ピエラ 愛の遍歴」
※「ピエラ 愛の遍歴」はマルコ・フェレーリ監督作。夫がいるのに奔放に浮気している母親と娘ピエラの物語。母親を演じたハンナ・シグラの圧倒的な存在感。共演はイザベル・ユペール。
ハンナ・シグラは、1943年12月25日ドイツのシレジア地方(現在はポーランド)生まれの女優・シャンソン歌手。ミュンヘンで演技を学び、1980年代にライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作品に多く出演して世界的に知られるようになる。1990年代以降はシャンソン歌手としても活躍している。
1979年の「マリア・ブラウンの結婚」でベルリン国際映画祭女優賞を受賞。
他の出演作に、「リリー・マルレーン」 (1981年) 、「未来は女のものである」(1984年) 、「愛と死の間で」(1991年) 、「百一夜」(1995年) 、「ヴェルクマイスター・ハーモニー」(2000年) などがある。

★審査員特別賞:「モンティ・パイソン 人生狂騒曲」 監督:テリー・ジョーンズ、テリー・ギリアム
※「人生の意味とは何か」をテーマに、誕生から死に至る、人間の諸段階をつづったオムニバス映画。テリー・ギリアムが担当した前編『クリムゾン〜老人は荒野を目指す』と、「出産の奇跡」、「成長と教育」、「互いに戦い合うこと」、「中年」、「晩年」、「死」といったスケッチが、「空飛ぶモンティ・パイソン」のように連なりながら展開する本編『人生狂騒曲』から構成されている。1983年に公開されたモンティ・パイソンの4作目にして最後の映画である。

★国際批評家賞:「ノスタルジア」(伊)監督:アンドレイ・タルコフスキー

1980年代

1982年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)2

1982年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)2

■アメリカ映画

◆「ファイヤーフォックス」監督:クリント・イーストウッド
※超高性能のソ連最新鋭戦闘機を、アメリカ空軍の一軍人が盗むまでを、アレックス・ラスカーとウェンデル・ウェルマンの脚本、ブルース・サーティースの撮影、ジョン・ダイクストラの特撮、モーリス・ジャールの音楽で描いたサスペンスアクション。
ソ連が最新鋭戦闘機ミグ31を完成させた。NATOがミグ31の奪取作戦を展開する事になり、その任務がベトナム戦で活躍したガント(クリント・イーストウッド)に課せられた。暗号名ファイヤーフォックスと名付けられたミグ31は、最高速度マッハ6、アンチ・レーダー・システムと思考誘導兵器装置を装備した驚異的な戦闘機で、NATOがこれに匹敵する戦闘機を開発するには、最低でも10年以上かかるという。輸出代理業者になりすましたガントはモスクワの空港に降り立ち、イギリス秘密諜報局が送り込んだウペンスコイに会う。だがその夜、尋問してきたKGB局員をガントは殺してしまう。翌朝、トラック運転手を装ったガントらは、目的地へ向かう。途中でトラックを降りたガントは、今回の作戦の協力者に会う。KGBは、KGB局員殺害の犯人の正体がガントである事をつきとめるが、その報告がKGBのコンタルスキー大佐のもとへ入った頃、ガントたちも最終行動に入っていた。
> YouTubeのファイヤーフォックス(1982)予告編 FIREFOX(1982) Movie Trailer

◆「メガフォース」監督:ハル・ニーダム
※サハラ砂漠を舞台に、ゲリラ戦車軍団とメガフォースの死闘を、ジェームズ・ホイッテカー、アルバート・S・ラディ、ハル・ニーダムの脚本、マイケル・C・バトラーの撮影、ジェラルド・メイルの音楽で描いたSFアクション。
砂漠の真っ只中にある機密基地で、エース・ハンター(バリー・ボストウィック)の指揮のもと世界各国から集められたエリート戦士<緊急機動軍団・メガフォース>が、最新科学兵器を駆使して厳しい訓練に明け暮れていた。そこに英国の最高司令官・ホワイト陸軍大将が、アフリカにおける東側の侵略を阻止するために、<メガ軍団>の出動を依頼しにやってきた。そしてサハラ砂漠出撃の密令が下った。それは、アフリカ新興独立国間において、あらゆる陰謀を企て、各地で平和を撹乱している東側のグエラ(ヘンリー・シルバ)が率いるゲリラ・タンク部隊の徹底的撃破指令だった。メガフォースはアフリカへと出撃し、未明に敵タンク部隊近くの砂漠に降下、敵の寝込みを急襲して大損害をあたえたが…
> YouTubeのMegaforce (1982) - Theatrical Trailer

◆「ロッキー3」監督:シルヴェスター・スタローン
※タイトルとトレーナーを失い、かつてのライバル・アポロをトレーナーとして再起を目指すロッキーの姿を、シルヴェスター・スタローンの脚本、ビル・バトラーの撮影、ビル・コンティの音楽で描いたシリーズ第3作。
アポロ(カール・ウェザーズ)を倒しヘビー級チャンピオンとなったロッキー(シルベスター・スタローン)は、10度の防衛を記録した。だが、これ以上高みへ昇る目標もなくなりロッキーはハングリー精神を失っていた。そんな時、クラバー(ミスター・T)が凄い戦績で彼を猛追していた。その頃、ロッキーを讃えて市の博物館前に巨大なブロンズ像が設置されることになった。その除幕式に出席したロッキーは感謝のスピーチの最後に、引退を宣言するが、観衆の中にいたクラバーがロッキーの弱腰をなじり、エイドリアンをも侮辱した。やがて試合当日、トレーナーのミッキーが心臓の痛みを訴えて倒れた。不安な思いでリングにのぼったロッキーにクラバーのパンチが炸裂し、ロッキーは2ラウンドともたなかった。しかもミッキーをも失ったロッキーに協力を申し出たのは、かつての宿敵アポロだった…
> YouTubeのRocky III trailer (1982)

◆「マジック・ボーイ」監督:キャレブ・デシャネル
※少年奇術師が脱出術を使って市長の汚職を暴く姿を描いたデヴィッド・ワグナーの原作を、フランシス・フォード・コッポラの制作総指揮、メリッサ・マシスンとスティーヴン・ジトーの脚本、スティーヴン・H・ブラムの撮影、ジョルジュ・ドルリューの音楽で映画化したキャレブ・デシャネルの初監督作。
16歳のダニー(グリフィン・オニール)は、父譲りの奇術の神童で、プロを目指して祖母の家を飛び出し、やはり奇術師の叔父夫妻の居候となった。冷やかしに入ったマジック用品店で、横暴な振る舞いをする市長のドラ息子スチュー(ラウル・ジュリア)をからかったダニーは、彼のポケットから財布をくすねた。それは、スチューが市長から盗んだの物で、中の金はぜんぶ賄賂だった。事件の発覚を恐れた市長は息子を留置所に入れてしまう。そこでダニーは、独房から脱出してみせると警察に挑戦する。その独房こそ、天才縄抜け師と言われた彼の父が亡くなった場所なのだ。父は悪事に手を染め、脱獄を図って悪辣な所長の手で射殺されたのだ。そこから逃げ出すことが言わば供養であるし、ダニーがマジシャンとして大きな一歩を踏み出す初戦でもあった。そして少年は、独房に父の幻影をみながら脱出に成功。市長の金庫に財布は戻したが、逆に秘密帳簿を盗み出し、市長は逮捕される。釈放されたスチューは狂ったように彼を追うが…
> YouTubeのThe.Escape.Artist.1982 part 1

◆「エンティティー/霊体」監督:シドニー・J・フューリー
※実話を基に霊体にレイプされる女性の恐怖を、フランク・デ・フェリッタの原作・脚本、スティーヴン・H・ブラムの撮影、チャールズ・バーンスタインの音楽で描いたオカルト・ホラー。
ロサンゼルスに住む1男2女の子持ちの独身女性カーラ(バーバラ・ハーシー)は、ある夜、寝室で何者かに殴られ、ベッドに押しつけられ犯されそうになる。彼女の叫び声に15歳の息子ビリーが飛びこんで来たが、人が侵入した形跡はなかった。翌晩も同じように何者かに襲われ、彼女は子供を連れて友人のシンディの家に避難した。次いで、職場へ向う途中、自動車のブレーキが急にきかなくなり、危ないところで命拾いした。この事故の治療をうけた精神科のスナイダーマン医師(ロン・シルヴァー)に、ここ数日の異常な出来事を話す。診察の結果、スナイダーは幻覚だろうという。その夜、浴室で再び透明な物体に襲われ犯された。翌晩も彼女は居間で襲われかけ、救けようとしたビリーはその物体の発する電気エネルギーで負傷する。シンディの家に相談にゆくが、そこでも襲われ、部屋の中は目茶苦茶になる。本屋で知った超心理学者クラフトとミーハンを家につれて来て、物体の存在を認めさせた。2人の上司であるクーリー博士(ジャクリーン・ブルックス)は、物体の正体はエンティティーであると断定する…
> YouTubeのThe Entity trailer

◆「ザ・ソルジャー」監督:ジェームズ・グリッケンハウス
※テロリスト・グループに立ち向かうコード・ネーム「ザ・ソルジャー」の活躍を、ジェームズ・グリッケンハウスの脚本、ロバート・ボールドウィンの撮影、タンジェリン・ドリームの音楽で描いたバイオレンス・アクション。
プルトニウムを積んだトラックが、テロリストによって奪われた。それから間もなくサウジ・アラビアの油田基地に原爆を仕掛けたという連絡が、ホワイト・ハウスに入った。この油田基地が爆破されれば、西側諸国の石油供給は、300年にわたってとだえてしまう。テロリストの要求は、ヨルダン西岸からのイスラエル軍の撤退とパレスチナの返還だ。それも96時間以内に決定せよというのである。政府レベルではなく独自に事件解決に当れとの指令をCIA長官から受けたソルジャー(ケン・ウォール)は、オーストラリアに飛び、かつての仲間に会おうとするが、彼に異常な執念を燃やす暗殺者(クラウス・キンスキー)に襲われる。テロリストは撃退したが、仲間の顔が知られていることを思い知ったソルジャーは、単身ベルリンに飛び、アメリカ大使館からCIA長官に連絡を取ろうとするが、長官はすでに暗殺されていて、ソルジャーは味方にまで追われるはめになる。イスラエル大使館に逃げこんだソルジャーは、女性コマンドのスーザン(アルベルタ・ワトソン)の協力を得て、再びベルリンに飛ぶが…
> YouTubeのUS-Trailer'The Soldier'

◆「シークレット・レンズ」監督:リチャード・ブルックス
※人気キャスターが核兵器を巡る抗争に立ち向かう様を、リチャード・ブルックスの脚本、フレッド・コーネカンプの撮影、アーティ・ケインの音楽で描いたアクション・サスペンス。
ニューヨークの地方TV局のキャスター、パトリック(ショーン・コネリー)は、世界各地のホットニュースをキャッチすると評判だが、彼が今、関心を持っているのは中東某国の石油問題だ。パトリックは女性ジャーナリストのサリー(キャサリン・ロス)と取材中に、砂漠で誤ってラクダを轢いた男ヘルムートに出会う。彼は武器商人だった。サリーが彼の車にあるトランクに気づくと、ヘルムートは顔色を変えた。それはヘルムートが、秘かに中東支配を企むテロリストに売りつけようとしていたプルトニウムだった。彼女の後をテロリスト一味がつけ狙う。サリーの身を心配したパトリックは米大使館員ホーマーを連れ出し、彼女の行方を追うが、彼女は爆殺されてしまった。パトリックは、米大統領ロックウッド(ジョージ・グリザード)、次期大統領選の候補者マロリーが、各々ヘルムートからプルトニウムを買いあげようとしている情報をつかむが、ヘルムートはテロリストに殺され、プルトニウムも奪われてしまい…
> YouTubeのWrong is Right

◆「初体験リッジモント・ハイ」監督:エイミー・ヘッカリング
※24曲のロック・ナンバーを挿入し高校生の恋と青春を、キャメロン・クロウの原作・脚本、マシュー・F・レオネッティの撮影、アーヴィング・エイゾフの撮影で描いたエイミー・ヘッカリングの監督デビュー作。
15歳のステーシー(ジェニファー・ジェイソン・リー)と17歳のリンダ(フィービー・ケイツ)は、ロサンゼルスのアップタウンにあるリッジモント高校の同窓生だ。性体験済のリンダと、まだのステーシーは放課後、近くのファーストフードの店でウェイトレスをしている。ステーシーの最大の関心事は、早く体験すること。ある日、店にいかした男の子が入ってきたので、早速デートの約束をとりつけた。リッジモント高には、仲間に何でも斡旋して稼ぐマイク、ステーシーにあこがれているマーク、ステーシーの兄ブラッド(ジャッジ・ラインホールド)、サーフィン好きでドラッグ狂いのジェフ(ショーン・ペン)らが通っている。やがて、深夜に自宅からの脱出に成功したステーシーは、男の子とデートし、性体験をしてしまった。それ以来、ステーシーのセックスに対する好奇心はエスカレートし、マイクともメイク・ラブ。ところが、ステーシーは妊娠してしまい…
> YouTubeのFast Times At Ridgemont High (Theatrical Trailer)

◆「遊星からの物体X」[Blu-ray&DVD] 監督:ジョン・カーペンター
※南極の氷の中に埋まっていたエイリアンと南極基地の隊員との死闘を、ビル・ランカスターの脚本、ディーン・カンディの撮影、ロブ・ボッティンのSFX、エンニオ・モリコーネの音楽で描いたSFホラー。
1982年、冬のアメリカ南極観測隊第4基地。1匹の犬を軍用ヘリからライフルで狙い撃ちする。ヘリは着地し、射手はなおも犬を狙う。射手はアメリカ基地のゲーリーに射殺されたが、ヘリはノルウェイ隊のだった。何故彼らは犬1匹を殺そうとあれほど必死になったのか?謎を解くため、ヘリ・パイロットのマクレディ(カート・ラッセル)はコッパー医師(リチャード・ダイサート)を乗せて、ノルウェイ基地へ向かった。するとそこは廃墟で、隊員の死体が転がり。しかも、死に方は尋常ではない。地下室では長方形の氷の魂りから物体を取り出した形跡があった。さらに外の雪上には形容しがたい形状をしたモノがあった。これはコッパーや生物学者のブレア(A・ウィルフォード・ブリムリー)によってチェックされたが、さすがの専門家も首をかしげるのみ。その頃、ヘリに追われて来た犬が犬舎で変身を始め、周りの犬を襲い出した…
> YouTubeのThe Thing Trailer

◆「グリース2」監督:パトリシア・バーチ
※ジョン・トラヴォルタ主演の「グリース」(1978年:YouTubeのGrease trailer)の続編で、恋する女性に認められようと不良グループに立ち向かう新入生を、ケン・フィンクルマンの脚本、フランク・スタンリーの撮影、ルイス・セント・ルイスの音楽で描いた青春ミュージカル。
新学期、ライデル高校の生徒たちは、けたたましいリズムに乗ってやって来て、仲間との再会を楽しんでいる。ステファニー(ミシェル・ファイファー)をリーダーとするピンク・レディーズのメンバーは相変わらずつっぱっている。彼女らの仲間であるT・バーズの面々、ジョニー(エイドリアン・ズメド)たちもバイクに乗ってやって来た。他に、フレンチーや彼女のいとこでイギリスから来たマイケル(マックスウェル・コールフィールド)がいた。ジョニーはステファニーに振られてかりかりしている。そんなステファニーにマイケルは恋をしたが、彼女は全然相手にしない。マイケルは、彼女らと仲良くなりたいならバイクがないと駄目と教えられ、バイクを買って秘かに練習をする。T・バーズが敵対するバルムードとぶつかりそうになった時、黒マスクに黒レザーのライダーが出現、素晴らしい腕を披露し、ステファニーは、このライダーに恋をするが…
> YouTubeのGrease 2 (1982)

1980年代

1982年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)1

1982年の主要な作品(アカデミー賞主要部門等の受賞作以外)1

■アメリカ映画

◆「E.T.」 監督:スティ−ブン・スピルバーグ
※E.T.と少年の心の交流を、メリッサ・マシスンの脚本、アレン・ダヴィオーの撮影、ILMの特撮、ジョン・ウィリアムズの音楽で描いた映画史上に残るSFヒューマン・ファンタジーの傑作。アカデミー賞では作曲・音響・音響効果編集・視覚効果の4部門受賞。
置き去りにされてしまったE.T.(地球圏外生物)が、10歳の少年エリオット(ヘンリー・トーマス)ら兄妹と知り合いになった。ハロウィーンの夜、子供たちはE・Tに白い布をかぶせて森に連れ出し、E・Tは手製の通信器で故郷の星に連絡をとる。翌朝、E・Tは瀕死の状態となり、エリオットが彼を家に運ぶ。しかし、そこにNASAの追跡の手が及んでくる。E・Tは死亡し、最後のお別れをエリオットがしていると…
出演者は他に、ディー・ウォーレス, ピーター・コヨーテ、ドリュー・バリモア。
> YouTubeのE.T. The Extra-Terrestrial - 20th Anniversary Trailer

◆「アニー」監督:ジョン・ヒューストン
※大不況の1930年代アメリカで赤毛の孤児アニーが元気いっぱいに生きる姿を、キャロル・ソビエスキーの脚本、リチャード・ムーアの撮影、ラルフ・バーンズの音楽で描いたミュージカル。
不不況の1930年代アメリカ。孤児のアニー(アイリーン・クイン)は、酔っ払いのミス・ハンニガン(キャロル・バーネット)が管理している孤児院から脱走に成功する。だが、アニーは警官につかまり孤児院に逆もどり。そんな時、億万長者ウォーバックス(アルバート・フィニー)の秘書グレース(アン・ラインキング)が現れた。ウォーバックスは、孤児の1人を週末だけ招待しようというのだ。グレースは一目でアニーが気にいる。かくして、アニーは五番街にある豪華なウォーバックス邸の客となった。魔法も使える用心棒プンジャブを始め、召使いたちが彼女を暖かく迎えてくれた。ところが、ウォーバックス自身は男の子を望んでいたのでむっつりとしている。しかし、その夜遅くサンディが何者かがしかけた爆弾から彼の命を救ったことで、アニーは滞在できることになる。やがて金儲けしか興味のなかったウォーバックスの心境が少しずつ変化していき…
> YouTubeの"Annie" (1982) - Tomorrow

◆「ブレードランナー」[Blu-ray] 監督:リドリー・スコット
※植民惑星から4体の人造人間(レプリカント)が脱走した。彼らの捕獲を依頼されたブレードランナー・デッカードは、地球に潜入したレプリカントたちを追うが…
リアルで斬新な近未来像を描きカルト的人気を得たSFハードボイルドの金字塔。主演のハリソン・フォードも良いが、レプリカント(人造人間)のリーダーを演じるルトガー・ハウアーの存在感が強烈だ。女レプリカントを演じるショーン・ヤング、ダリル・ハンナの無機的な美しさも映画の雰囲気を支えている。
原作は、フィリップ・K・ディックの数多い傑作のひとつ、「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」。これも必読!脚本はハンプトン・ファンチャーとデヴィッド・ウェッブ・ピープルズ、撮影はジョーダン・クローネンウェス、特撮はダグラス・トランブル、そして音楽はヴァンゲリスが担当した。
> YouTubeのBlade Runner theatrical trailer

◆「ガープの世界」 監督:ジョージ・ロイ・ヒル
※第二次世界大戦中、男に支配されることを嫌う看護婦ジェニー(グレン・クローズ)は、瀕死の兵士にまたがって一方的に妊娠し、私生児ガープ(ロビン・ウィリアムス)を生む。やがてガープは小説家として活躍し、ジェニーはウーマンリブ運動の指導者にまつりあげられる。悲劇と喜劇がかわるがわるやってきて、ちょっと変わった人たちに囲まれたガープの数奇な運命の物語が展開される。映画化は不可能と言われていたジョン・アービングの半自伝的傑作小説「ガープの世界」を、スティーヴ・テシックの脚本、ミロスラフ・オンドリツェクの撮影、スティーヴン・A・ロッターの編集でジョージ・ロイ・ヒル監督が見事に映画化した。
> YouTubeのThe World According To Garp theatrical trailer - 1982

◆「サマー・ナイト」監督:ウディ・アレン
※シェークスピアの「真夏の夜の夢」を下敷に、郊外で週末を過ごす三組のカップルの色と欲を、ウディ・アレンの脚本、ゴードン・ウィリスの撮影で描いたコメディ。
株式仲買人アンドリュー(ウッディ・アレン)は、妻エイドリアン(メアリー・スティーンバージェン)と郊外の館で休暇を過ごしている。アンドリューの悩みは妻との性生活がうまくいってないことだ。やがてこの館に友人の医者マックスウェル(トニー・ロバーツ)が、看護婦のダルシー(ジェリー・ハガティ)と、ついでエイドリアンのいとこで大学教授のレオボルド(ホセ・フェラー)が、若い婚約者エリアル(ミア・ファーロー)とやって来る。2人は明日結婚式をあげる予定だ。アンドリューはエリアルと昔つきあっていたことがエイドリアンにばれて弁解にしどろもどろだが、エリアルから「以前、あなたが積極的にせまったら、私あげちゃったのに」と聞かされて大いに悔む。レオポルドは独身最後の夜だからとダルシーを口説く。マックスウェルはエリアルに一目惚れし、エイドリアンはダルシーにセックスの手ほどきを受け…
> YouTubeのA Midsummer Night's Sex Comedy Clip5

◆「トロン」 監督:スティーブン・リズバーガー
※コンピューター内での権力闘争を、映画史上初めて本格的にCGを導入し、スティーヴン・リズバーガー監督の脚本、ブルース・ローガンの撮影、ウェンディ・カーロスの音楽でアニメと実写フィルムを織りまぜて描いたディズニー・プロのSF映画。
ゲームセンターを経営している元コンピュータ技師(ジェフ・ブリッジス)は、自分を首にした会社社長(デイヴィッド・ワーナー)の不正を暴くべく会社に潜入するが、そこで罠にかかってコンピュータの中に閉じこめられる。彼はプログラムが支配する兵士たちに追われながらも、不正の捜査を続けるプログラムと協力し、敵の陰謀を打ち砕いていく。
> YouTubeの1982 - Tron - Trailer

◆「ランボー」 監督:テッド・コッチェフ
※ベトナム戦争ではグリーンベレーとして活躍するが、帰国後、絶望的な孤独と社会からの疎外感に苛まれる帰還兵ランボー(シルベスター・スタローン)は、警察の屈辱的な扱いに戦地での忌まわしい記憶を甦らせ、単身、数百人もの警官を相手にゲリラ戦を挑む。
デビッド・マレルの原作『一人だけの軍隊』を、スタローンは製作・脚本も兼ね、マイケル・コゾル、ウィリアム・サックハイムの共同脚本、アンドリュー・ラズロの撮影、ジェリー・ゴールドスミスの音楽で映画化した。全編に漲る母国に裏切られた帰還兵の怒りが強烈だ。
> YouTubeのFirst Blood (Trailer 1982)

◆「ポルターガイスト」 監督:トビー・フーパー
※スティーブン・スピルバーグの原案を、スピルバーグ、マイケル・グレイス、マーク・ヴィクターの共同脚本、マシュー・F・レオネッティの撮影、リチャード・エドランドとILMの特撮、ジェリー・ゴールドスミスの音楽で平和な住宅地に住む一家に突如襲い掛かる霊現象の恐怖を描き、その後のホラームービーに多大なる影響を与えた名作。
郊外に新築された家に越してきた一家を襲う異常な現象はある夜、始まった。放送が終了して何も写ってないTV画面と末娘が言葉を交わしていたのだ。それ以降、家では奇妙な現象が頻発し、怪しい光を帯びた戸棚にすい込まれた末娘が行方不明となる。そこで霊媒師に助けを求めるが、霊媒師は悪霊の存在を感じとった。やがてその土地は元々インディアンの墓場だった事が判明する…
出演は、クレーグ・T・ネルソン, ジョベス・ウィリアムズ, ビアトリス・ストレート。
> YouTubeのHeather O'Rourke - Poltergeist Trailer 1982

◆「ロサンゼルス」監督:マイケル・ウィナー
※殺された娘のためにチンピラに復讐する男を、デヴィッド・エンゲルバック、マイケル・ウィナーの脚本、リチャード・H・クラインの撮影、ジミー・ペイジの音楽で描いた「狼よさらば」(1974年:YouTubeのDEATH WISH (1974): Movie Trailer)の続編。
ロサンゼルスに住む建築家カージー(チャールズ・ブロンソン)は、5人のチンピラに娘を誘拐される。彼女は廃屋で犯され逃げようとして窓から墜落死した。警察の捜査など期待してないカージーは、銃を持つと下町のホテルを借り、夜の街へ出かけていく。そして、1人また1人と犯人は殺害されていった。しかし、最後の1人が警察に逮捕され、裁判の結果、精神病院に収容される。カージーは医者に変装して病院に入り込むが…
> YouTubeのDeath Wish II(1982)

◆「シャーキーズ マシーン」監督:バート・レイノルズ
※高級娼婦の発言から政界にからむ犯罪組織の捜査にのり出す風紀課の刑事を描いたウィリアム・ディールの原作を、ジェラルド・ディペゴの脚本、ウィリアム・A・フレイカーの撮影、スナッフ・ギャレットの音楽で映画化した犯罪アクション。主人公の刑事をスーパーヒーローとしてではなくリアルな刑事として描いた。
アトランタ市警麻薬課のシャーキー刑事(バート・レイノルズ)は、麻薬の売人を追いかけてバスの中で射殺したため風紀課に配属される。そこで1晩1000ドルの高級娼婦の存在を知り、ドミノ(レイチェル・ウォード)という娼婦を向かいの建物から24時間監視し、盗聴する。その結果、彼女は州知事候補と関係していること、彼女をあやつっているのはビクターという名の男であることが判明するが…
> YouTubeのI'm Too Sexy (Mashup)-Sharky's machine

◆「コナン・ザ・グレート」監督:ジョン・ミリアス
※有史前を舞台に、勇者コナンが父の仇を討つまでを描いたロバート・E・ハワードの原作を、オリヴァー・ストーンとジョン・ミリアスの脚本、デューク・キャラハンの撮影、ベイジル・ポールドゥリスの音楽で映画化したアドベンチャー。
有史前、少年コナンの住む集落をタルサが率いる騎馬隊が襲撃し、父母も虐殺された。捕われた子供たちは、製粉工場へ送られて酷使された。次々と子供たちは死亡し15年後に残ったのはコナン(アーノルド・シュワルツェネッガー)だけだった。たくましい肉体を持つ不屈の男に成長したコナンは、闘技士として戦いの技を磨いていく。ある日、自由の身となったコナンはタルサがいるというザモラの国へ行く。そこで大蛇の目という宝石があるという蛇の塔塔にしのび込む。そこで鉢合わせした女盗賊ヴァレリア(サンダール・バーグマン)と一緒に宝石奪取に成功し、彼女とコナンは一夜をともにする。コナンたちはザモラの王に、タルサのもとに駆け落ちした娘のヤシミナ姫を連れ戻してくれと頼まれた。コナンはタルサの城にしのび込むがみつかり、砂漠の木にしばりつけられ…
> YouTubeのConan The Barbarian Trailer

1980年代

1982年の映画(dvd)3

1982年の映画(dvd)3

カンヌ国際映画祭

★監督賞:ベルナー・ヘルツォークフィツカラルド
※19世紀末のペルーでオペラハウスを建設する資金繰りのために無尽蔵のゴムの木を有するアマゾン河上流の未開地へ挑む男フィッツジェラルドを、ヴェルナー・ヘルツォークの脚本、トーマス・マウホの撮影、ポポル・ヴーの音楽、 クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレの出演で描いた冒険映画。山越えをする巨大な蒸気船の映像が有名。
> YouTubeのFitzcarraldo (Deutschland 1981/1982)
※ベルナー・ヘルツォークは、1942年9月5日ミュンヘン生まれ。父はドイツ人、母はクロアチア人。15歳で初めてシナリオを書く。ミュンヘン大学で歴史や演劇を学んだ後に奨学金でアメリカに渡り、ピッツバーグのデュケイン大学で映画とテレビを学んだ。1962年に初の短編映画を完成させ、1963年には自らのプロダクションを設立。ニュー・ジャーマン・シネマの旗手として注目される。1970年代に入ってからは異色作を次々と発表、またクラウス・キンスキーとのコンビ作が話題になった。
ベルナー・ヘルツォークの主な監督作には、創造(Creation)、楽園(Paradise)、黄金時代(The Golden age)の三部からなる奇怪な映像の連鎖「蜃気楼」(1968年:YouTubeのFata Morgana )、荒野にポツンとある小人の施設で、懲戒処分を受けた13人の小人がクーデターを起こす「小人の饗宴」(1970年:YouTubeのAnche i nani hanno cominciato da piccoli)、聾で盲の女性が同じ運命を生きる人々にコミュニケーションの方法を伝えていく様を追ったドキュメンタリー「闇と沈黙の国」(1971年:YouTubeのWerner Herzog -- Land of silence and darkness 1971 extract)、伝説の黄金郷目指してスペインからアマゾン奥地に旅立った分遣隊の狂気をクラウス・キンスキー主演で描いた「アギーレ・神の怒り」(1972年:YouTubeのAguirre - Der Zorn Gottes (Deutschland 1972))、19世紀初頭のドイツで見つかった地下室に閉じ込められていた若者の生と死を描いた「カスパー・ハウザーの謎」(1975年:YouTubeのJeder fur sich und Gott gegen alle (Deutschland 1974))、ドイツ映画の古典でドラキュラ映画の元祖であるF・W・ムルナウの「吸血鬼ノスフェラトゥ」(YouTubeのNosferatu (1922) Trailer)をクラウス・キンスキーとイザベル・アジャーニの共演でリメイクした「ノスフェラトゥ」(1978年:YouTubeのNosferatu the Vampyre(1979)-Theatrical Trailer)、アフリカの奥地で山賊から奴隷商人、果ては共和国総督にまで成り上がった人物をクラウス・キンスキー主演で描いたアンチ・ヒーロー物語「コブラ・ヴェルデ」(1987年:YouTubeのUK-Trailer 'Cobra Verde')、ヴェルナー・ヘルツォーク監督自身がクラウス・キンスキーとの宿命ともいえる長年の交流を語ったドキュメンタリー「キンスキー、我が最愛の敵」(1999年:YouTubeの"Mein Liebster Fiend: Klaus Kinski" (1999) - Final Scene)、ナチス台頭下のベルリンを舞台に歴史の大きなうねりに呑み込まれていく二人の男の数奇な運命をティム・ロスとストロングマン・コンテスト優勝者のヨウコ・アホラほかの出演で描いた「神に選ばれし無敵の男」(2001年:YouTubeのInvincible 2001 Trailer )、ヴェルナー・ヘルツォークの「失われた一万年」など7人の映画監督が人生の意味を10分間の一場面に凝縮して描いた「10ミニッツ・オールダー」(2002年:YouTubeのWerner Herzog - Ten Thousand Years Older)、12年間にわたってアラスカでグリズリーの保護活動をしていた男の姿を描いたドキュメンタリー「Grizzly Man」[Import](2005年:YouTubeのGrizzly Man Trailer)、ベトコンの捕虜となった米軍パイロットの捕虜仲間との過酷な捕虜生活と決死の脱出劇をクリスチャン・ベイル主演で描いた「戦場からの脱出」[Blu-ray](2007年:YouTubeのRescue Dawn Trailer)、ドラッグに溺れ、盗みまで働く悪徳警官の姿とその顛末を描いたアベル・フェラーラ監督、ハーヴェイ・カイテル主演の「バッド・ルーテナント/刑事とドラッグとキリスト」(1992年:YouTubeのBAD LIEUTENANT - HQ Trailer(1992))をニコラス・ケイジ主演でリメイクした「バッド・ルーテナント」(2009年:YouTubeの'Bad Lieutenant: Port of Call New Orleans' Trailer)などがある。

★主演男優賞:ジャック・レモンミッシング
※ジャック・レモンは、1925年2月8日マサチューセッツ州ボストン生まれ。父は元ミュージカル俳優のドーナッツ会社経営者、母は元歌手。ハーヴァード大学卒業後演劇活動に入る。アメリカ海軍を除隊後、ラジオやテレビに出演。1953年、ブロードウェイでジュディ・ホリディの相手役をつとめた舞台が評判を呼び、コロムビアと契約。1954年に映画デビュー。1955年「ミスタア・ロバーツ」(YouTubeのMister Roberts - Letter)でアカデミー助演男優賞受賞、1959年に「お熱いのがお好きYouTubeの)」(YouTubeの)に起用されてからはビリー・ワイルダー監督作品の常連となる。1973年「セイブ・ザ・タイガー」(YouTubeの)でアカデミー主演男優賞を受賞し、主演、助演を獲得した最初の俳優となる。1966年「恋人よ帰れ!わが胸に」で共演して以降、ウォルター・マッソーとは名コンビといわれ、何度も共演した。1979年「チャイナ・シンドローム」でカンヌ国際映画祭主演男優賞を受賞。2000年7月にマッソーを亡くしてからは、体調は悪化。2001年6月27日癌の合併症で亡くなった。現代人の持つ性格的ひ弱さを演じては右に出るものはいないといわれ、戦後アメリカ映画界最高の喜劇俳優と言われた。
ジャック・レモンの1982年までの主な出演作には、第二次大戦末期、米海軍の輸送船を舞台に傲慢な艦長と乗組員の対立を描いてジャック・レモンが助演男優賞を受賞したジョン・フォード監督の「ミスタア・ロバーツ」(1955年:YouTubeのMr Roberts Ending)、実話を基に東部育ちの青年が憧れの西部に赴いてその精神を体に鍛き込んでゆく様を描いたデルマー・デイヴィス監督の「カウボーイ」(1958年:YouTubeのTrailer for Cowboy (1958))、禁酒法時代のシカゴでギャングによる大虐殺を目撃した二人のバンドマンが追っ手をかわすため女装して女ばかりの楽団に紛れ込んだために起る騒動をマリリン・モンロー共演で描いたビリー・ワイルダー監督の「お熱いのがお好き(1959年:YouTubeのSOME LIKE IT HOT trailer )、出世の足掛かりに上役の情事のために自分のアパートを貸している会社員の恋と悲哀をシャーリー・マクレーン共演で描いたビリー・ワイルダー監督の「アパートの鍵貸します」(1960年:YouTubeのThe Apartment - Trailer)、アルコール依存症に陥る夫婦の姿をシリアスに描いたブレイク・エドワーズ監督の「酒とバラの日々」(1962年:YouTubeのDays of Wine and Roses(酒とバラの日々)−Julie London)、パリの娼婦と警官をクビになったため彼女のヒモになった男との純愛をシャーリー・マクレーン共演で描いてアカデミー賞編曲賞を受賞したビリー・ワイルダー監督のコメディ「あなただけ今晩は」(1963年:YouTubeの1963 Irma la douce - Trailer)、酔った勢いで求婚し別れる方法を考えるうち妻の殺害未遂の疑いをかけられる漫画家を描いたリチャード・クワイン監督のコメディ「女房の殺し方教えます」(1964年:YouTubeのVirna Lisi/How To Murder Your Wife)、車にかけては宿命のライバル二人が思いたったニューヨーク・パリ間のグレート・レースの騒動をトニー・カーティス共演で描いたブレイク・エドワーズ監督のコメディ「グレートレース」(1965年:YouTubeのThe Great Race 1965 Trailer Blake Edwards )、フットボール中継中に黒人選手にタックルされて入病し、義兄の弁護士から多額の損害賠償をとろうという提案を呑んだTVカメラマンの良心をウォルター・マッソー(アカデミー助演男優賞)共演で描いたビリー・ワイルダー監督の「恋人よ帰れ!わが胸に」(1966年:YouTubeのWalter Matthau in "The Fortune Cookie")、やもめ暮らしの男と彼の元に転がり込んできた離婚したばかりの潔癖男のおかしな共同生活をウォルター・マッソー共演で描いたジーン・サックス監督の「おかしな二人」[VHS](1968年:YouTubeのThe Odd Couple Theatrical Trailer)、父が自動車事故で急死した男と、一緒に事故死した女性の娘の恋のすれ違いをジュリエット・ミルズ共演で描いたビリー・ワイルダー監督の「お熱い夜をあなたに」(1972年:YouTubeのBilly Wilder's Avanti! - Trailer)、資金繰りに苦労する人生に疲れた工場経営者の寂しい姿を描いてジャック・レモンがアカデミー主演男優賞を受賞したジョン・G・アヴィルドセン監督の「セイブ・ザ・タイガー」(1973年:YouTubeのJack Lemmon winning an OscarR for "Save the Tiger")、恋人と結婚するため退職したい敏腕記者と引きとめたい上役に脱走犯がからんでの騒動をウォルター・マッソー共演で描いたビリー・ワイルダー監督の「フロント・ページ」(1974年:YouTubeのWalter Matthau in "The Front Page")、魔のバミューダ三角海域に不時着して次第に沈んでいくハイジャックされたジャンボ機からの決死の救出劇を描いたジェリー・ジェームソン監督の「エアポート'77/バミューダからの脱出」(1977年:YouTubeのAirport'77 Trailer)、取材中に偶然原発事故の現場に立ち会ったTVキャスターと原子炉の危機を訴える技師の告発をジェーン・フォンダ共演で描いたジェームズ・ブリッジス監督の「チャイナ・シンドローム」(1979年:YouTubeのThe China Syndrome (1979) HD trailer)、ニューオリンズの地方検事ジム・ギャリンソンの共同謀議説を中心としてケネディ暗殺の謎に迫るオリヴァー・ストーン監督の「JFK」(1991年:YouTubeのJFK - HQ Trailer(1991))、NYの不動産セールスマンたちの凌ぎあいをアル・パチーノほか豪華キャストで描いたジェームズ・フォーリー監督の「摩天楼を夢みて」(1992年:YouTubeのGlengarry Glen Ross Trailer)、権力者(プレイヤー)を目指す若手プロデューサーを通してハリウッドの内幕をシニカルに描いたロバート・アルトマン監督の群像劇「ザ・プレイヤー」(1992年:YouTubeのTRAILER - The Player(1992))、ミネソタの小さな町を舞台に幼い頃からいがみ合っている頑固な2人の老人の腐れ縁をウォルター・マッソー共演で描いたドナルド・ペトリ監督のコメディ「ラブリー・オールドメン」(1993年:YouTubeのGrumpy Old Men Movie Trailer [HD and Extended])、10組の人々の日常の中にひそむ非日常を豪華キャストで鮮やかに描いたロバート・アルトマン監督の「ショート・カッツ」(1994年:YouTubeのOfficial Short Cuts Theatrical Trailer)、シェイクスピアの『ハムレット』を舞台を19世紀に移して4時間を超える絢爛豪華な映像で映画化したケネス・ブラナー監督の「ハムレット」[Blu-ray](1996年:YouTubeのHamlet (1996) Trailer)、「おかしな二人」の同一コンビ、同一脚本による30年ぶりの続篇で、監督はハワード・ドゥイッチが務めた「おかしな二人2」[VHS](1998年:YouTubeのThe Odd Couple II movie trailer preview from cheapflix)、戦争体験のためにゴルフから離れ荒んだ生活をしていた青年ゴルファーが、不思議なキャディーとの交流を通して再びゴルフと向き合うまでをウィル・スミス、マット・デイモン共演で描いたロバート・レッドフォード監督の「バガー・ヴァンスの伝説」(2000年:YouTubeのLegend of Bagger Vance Trailer)などがある。

★主演女優賞:ヤドビガ・Y・チェースラック
 「アナザウェイ」 監督:カーロイ・マック
※「アナザウェイ」は、エリザーベト・ガルゴーツィの原作を、原作者とカーロイ・マック監督の脚本、タマー・アンドルーの撮影、ラースロー・デースとヤーノス・マーシクの音楽で映画化したハンガリー映画。
新聞記者として働く女性エバは同僚のリヴィアとレズビアンの関係となる。二人は周りの反対にも臆せずに交際を続けるが、取材記事の一部を削除することを求められたエバは新聞社を去る。まもなくリヴィアのもとに、生まれ故郷に帰ったエバから手紙が届き、ついにエバと共に暮らす決心をするリヴィアは夫に別れを告げるが夫はリヴィアに発砲する…
> YouTubeの"Другой путь" ("Egymasra nezve") К.Макк
※エバを演じたヤドビガ・Y・チェースラックは1951年2月15日ポーランド・グダニスク生まれ。ワルシャワ国立演劇学校卒業。1972年映画デビュー。舞台でも高く評価されている。
他の出演作には、ポーランドの貧民街に暮らす幼い兄弟が豊かな西側に憧れてデンマークをめざす旅を描いたマーチェイ・ディチェル監督のポーランド=デンマーク=フランス合作映画「天国への300マイル」(1989年:YouTubeの300 Mil Do Nieba - Ostatnia Scena)、第二次大戦後が勃発し動乱の渦に巻き込まれてゆく一人の青年の姿を描いたアンジェイ・ワイダ監督の社会派ドラマ「鷲の指輪」(1993年:YouTubeのPierscionek z ortem w koronie 1992 rez A. Wajda)などがある。

★審査員特別賞:「サン・ロレンツォの夜」 監督:パオロ&ヴィットリオ・タヴィアーニ
※「サン・ロレンツォの夜」は、タヴィアーニ兄弟とジュリアーニ・G・デ・ネグリの脚本、フランコ・ディ・ジャコモの撮影、ニコラ・ピオヴァーニの音楽で、第二次大戦末期のトスカーナ地方でタヴィアーニ兄弟が幼少時に実際に体験した戦争の悲劇をオメロ・アントヌッティほかの出演で描いたイタリア映画。
イタリアのトスカーナ地方では、8月10日、聖ロレンツォの日の夜は、愛する人のために流れ星に願いをかけると叶うという言い伝えがあった。この夜、チュチリアは、愛するわが子が、自分が6歳の時に体験した出来事を聞きとどめてくれることを願って回想する。ドイツ軍が村の家々を破壊するため、村人全員を教会に集合させるが、それを罠と感じた数名の村民たちが村を逃げ出し、チュチリアも母と加わった。そして村民たちは北上するアメリカ軍の保護を求め命がけの旅をする。
> YouTubeのMassimo Bonetti e Giovanni Guidelli in "La Notte di San Lorenzo"-1°parte
※タヴィアーニ兄弟の兄ヴィットリオは1929年9月20日、弟パオロは1931年11月8日トスカーナ生まれ。ロベルト・ロッセリーニの「戦火のかなた」に感化され、兄弟で映画作りをめざす。ドキュメンタリー映画の仕事やヴァレンティーノ・オルシーニと共同監督作品を発表した後、1967年より兄弟だけで長編劇映画の監督をはじめる。兄弟でカット数の半分ずつを演出する。
タヴィアーニ兄弟の他の監督作には、1816年、王政復古時代のイタリアを舞台に、秘密結社・気高い兄弟たちから脱げ出そうとする貴族の悲劇をマルチェロ・マストロヤンニ主演で描いた「アロンサンファン/気高い兄弟」 (1974年:YouTubeのallonsanfan )、息子に勉強を禁じて羊飼いになる修行を強いた父と、文盲からやがて言語学者になる青年をオメロ・アントヌッティ主演で描いた「父 パードレ・パドローネ」(1977年:YouTubeのPADRE PADRONE 1)、シチリア島の小村カオスで生まれたノーベル文学賞受賞者ルイジ・ピランデルロの原作を映画化したプロローグと5つのエピソードからなるオムニバス「カオス・シチリア物語」(1984年:YouTubeのKaos (1984) Paolo & Vittorio Taviani )、映画の父D・W・グリフィスの超大作「イントレランス」のセット建設に参加したイタリア人兄弟の職人としての誇りと兄弟愛を描いた「グッドモーニング・バビロン」(1987年:YouTubeのGood Morning Babilonia - Chiesa dei Miracoli)、トルストイの晩年の自伝的作品「神父セルギイ」を基に、俗世間を捨て信仰に生きる田舎貴族の苦悩と葛藤を描いた「太陽は夜も輝く」(1990年:YouTubeのIL SOLE ANCHE DI NOTTE)、イタリア・トスカーナ地方の名門一族の200年間、4世代にわたる呪われた伝説を描いた「フィオリーレ 花月の伝説」(1993年:YouTubeのFiorile - Trailer)、青年将校と召使いの悲恋を描いたトルストイの「復活」を映画化してモスクワ国際映画祭グランプリを受賞した「復活」(2001年) がある。

1980年代

1982年の映画(dvd)2

1982年の映画(dvd)2

ベネチア国際映画祭

★作品賞:「ことの次第」 監督:ビム・ベンダース
※SF古典のリメイクを撮影中の一隊は資金が底をつき、ポルトガルの海辺の村で立ち往生する。監督のフリッツはプロデューサーと連絡が取れず、業を煮やして会うために自らロスに飛ぶ。コッポラ製作「ハメット」での苦い経験をもとに映画製作の現場の困難を描いた。サミュエル・フラーやロジャー・コーマンといった伝説的映画人が出演し、ハリウッド映画へのオマージュとなっている。
> YouTubeのDER STAND DER DINGE - HQ Trailer(1982)
※ビム・ベンダースは、1945年8月14日ドイツ・デュッセルドルフ生れ。ミュンヘン大学在学中に何本か短編映画を作り、1970年、卒業製作で16mmモノクロの長編映画「都会の夏」を発表。その後ニコラス・レイ監督のアシスタントを務め、「ゴールキーパーの不安」、「まわり道」などを発表。77年の「アメリカの友人」がヒットを収めると、彼を評価したコッポラが「ハメット」の監督に抜擢。だが、ハリウッドのやり方やコッポラと折りがあわず、作品は失敗。1984年の「パリ・テキサス」でロードムービーを代表する映像作家として評判となり、1987年の「ベルリン・天使の詩」で独特の映像感覚を発揮した。アメリカ文化の影響を強く受け、また小津安二郎監督の影響も受けている。
ビム・ベンダースの主な監督作には、試合を退場させられたプロサッカー選手を描いたペーター・ハントケの前衛小説を映画化した初の劇場用長編「ゴールキーパーの不安」(1971年:YouTubeのTHE GOALIE'S ANXIETY AT THE PENALTY KICK (1971))、植民地時代のアメリカで姦通の罪を犯した女性の生きざまを描いたナサニエル・ホーソンの「緋文字」を映画化した「緋文字」(1972年)、「まわり道」「さすらい」と続くロード・ムービー三部作の一作目「都会のアリス」(1973年:YouTubeのAlice in the cities 1974 )、荒涼とした風景の中で作家を目指す青年が見る悲劇を描いたロード・ムービー二作目「まわり道」(1974年:YouTubeのFalsche Bewegung (1975) (Scene) )、
さすらい」(1975年)、映画館の映写機を修理して廻る男と彼につきまとうかつての恋人の旅を描いたロード・ムービー三部作の三作目「アメリカの友人」(1977年:YouTubeのIm Lauf der Zeit (Deutschland 1975/1976))、死期の近づいた老映画監督を描いたセミ・ドキュメンタリー・タッチの異色作「ニックス・ムービー ― 水上の稲妻」(1980年:YouTubeのNick's movie (Lightning Over Water) - Title Sequence -)、失踪した中国娘の行方を追う中で巨大な陰謀に巻き込まれていく探偵ハメットを描いた「ハメット」(1982年:YouTubeのHammett & Fiona Apple: Why Try To Change Me Now )、失踪した妻を捜して幼い息子を連れてテキサス州の町パリをめざす男を描いてカンヌ国際映画祭パルム・ドールを受賞した「パリ、テキサス」(1984年:YouTubeのParis, Texas - Wim Wenders - 1984 )、小津安二郎に影響を受けたヴェンダースが鎌倉の小津の墓を訪ねる旅に東京の情景をからめたドキュメンタリー「東京画」(1985年:YouTubeのWenders and Chisyu Ryu from "TOKYO-GA(東京画)")、人間の女性に恋をした天使を描いてカンヌ国際映画祭監督賞を受賞した「ベルリン・天使の詩」(1987年:YouTubeのDer Himmel uber Berlin (1987), Wim Wenders)、東京とパリ、モードとアイデンティティをテーマにヴェンダースとァッション・デザイナー山本耀司の語らいや心のふれあいを追ったドキュメンタリー「都市とモードのビデオノート」(1989年:YouTubeのNotebook on Cities and Clothes/Wim Wenders)、悪行にも手を染めた天使が悪徳武器商人の企みを防ごうと奮闘する様を描いてカンヌ国際映画祭審査員特別グランプリを受賞した「時の翼にのって ファラウェイ・ソー・クロース! 」(1993年:YouTubeのIn weiter Ferne, so nah! (Deutschland/USA 1992/1993))、脳卒中で倒れたアントニオーニが製作費調達に行き詰まりヴェンダーズが4編を結ぶ間奏部分を監督する事で完成した「愛のめぐりあい」(1995年:YouTubeのMichelangelo Antonioni - Par-Dela Les Nuages (1995))、「ことの次第」の主役であった映画監督の軌跡を追う音楽技師の姿を描いた「リスボン物語」(1995年:YouTubeのLISBON STORY - HQ Trailer (1994))、ビデオスコープというプロジェクターを発明したスクラダノウスキー兄弟の回想録「ベルリンのリュミエール」(1996年:YouTubeのwim wenders - die gebruder skladanowsky - [berlin] )、バイオレンス映画を専門に製作しているプロデユーサーの誘拐事件を通して暴力が人間に及ぼす作用を描いた「エンド・オブ・バイオレンス」(1997年:YouTubeのThe End of Violence(1997))、ベンダースとライ・クーダーがキューバ音楽の古老たちを追った感動の音楽ドキュメンタリー「ブエナ☆ビスタ☆ソシアル☆クラブ」(1999年:YouTubeのBUENA VISTA SOCIAL CLUB - TRAILER)、ロサンゼルスのダウンタウンにあるホテルを舞台にU2のボノの原案を映画化した純愛物語「ミリオンダラー・ホテル」(2000年:YouTubeのThe Million Dollar Hotel - American trailer)、ヴェンダースの「トローナからの12マイル」など7人の映画監督が人生の意味を10分間の一場面に凝縮して描いた「10ミニッツ・オールダー/人生のメビウス」(2002年:YouTubeのTwelve miles to Trona)、マーティン・スコセッシ製作総指揮で音楽を愛する監督たちがブルースへの熱い想いで綴ったドキュメンタリー“THE BLUES Movie Project”の1作「ソウル・オブ・マン」(2003年:YouTubeのThe Soul of a man- Trailer espanol)、アフリカで育ち故国アメリカに帰った少女と愛国者の伯父を通して9.11後のアメリカを見つめたヒューマン・ドラマ「ランド・オブ・プレンティ」(2004年:YouTubeのLand of Plenty - Auf der Suche nach Wahrheit (HQ-Trailer-2004))、今は落ちぶれた西部劇スターが初めて家族と向き合おうとする姿をサム・シェパード脚本・主演で描いた「アメリカ、家族のいる風景」(2005年:YouTubeのDon't Come Knocking (2005) TRAILER)、ヴェンダースの「平和の中の戦争」ほかカンヌ映画祭ゆかりの監督たちが映画館をテーマに3分間で撮り上げた短編集「それぞれのシネマ〜カンヌ国際映画祭60回記念製作映画〜」(2007年:YouTubeのWar In Peace - Wim Wenders)などがある。

カンヌ国際映画祭

★パルムドール:
☆「ミッシング」 監督:コンスタンチン・コスタ=ガブラス
※南米チリで軍事クーデターが勃発し、混乱の最中に一人のアメリカ人青年が行方不明になる。アメリカから駆けつけた父親は青年の妻と共に戒厳令下の首都で行方を捜す。その過程で知るクーデターの拷問、処刑、虐殺など恐怖の実態。価値観の違いから対立していた父と妻は次第に理解し合うが、やがてアメリカも絡む悲しく恐ろしい真相が明らかになる。出演は、ジャック・レモン, シシー・スペイセク, ジョン・シーアたちで、アカデミー賞の脚色賞(コスタ=ガヴラスとドナルド・スチュワート)も受賞した。
※コンスタンチン・コスタ=ガブラス監督は、1933年2月13日ギリシャ・アルカディア生まれ。フランスのソルボンヌ大学に入学するが映画に興味を抱き、大学を中退してIDHEC(高等映画学院)に入学する。卒業後、ルネ・クレマン、ルネ・クレール、ジャック・ドゥミなどの助監督を経て、1965年「七人目に賭ける男」で監督デビュー。1969年「」でアカデミー外国語映画賞、カンヌ映画祭審査員賞を受賞。政治的なテーマの作品が多い。1998年、アカデミー・フランセーズのルネ・クレール賞を受賞した。
コスタ=ガヴラス監督の主な作品に、セバスチアン・ジャプリゾのミステリー小説『寝台車の殺人者』をイヴ・モンタン主演で映画化した「7人目に賭ける男」(1965年:YouTubeのCompartiment Tueurs 1)、革新政党の指導者暗殺事件とその調査に乗り出した判事を通して軍事政権の恐怖と陰謀を描きアカデミー賞編集賞と外国語映画賞、カンヌ国際映画祭審査員賞と男優賞(ジャン=ルイ・トランティニャン)ほか多数の映画賞を受賞した「」(1968年:YouTubeのMikis Theodorakis, Costa Gavras - Z (1969))、独裁者スターリン時代のソ連によるチェコ共産党幹部の粛清、スランスキー事件を描いた「告白」(1970年:YouTubeのL'aveu (de Costa-Gavras))、1970年ウルグアイで起きたアメリカ人誘拐事件を基に事件を追うジャーナリストを通して冷徹な国家権力の恐怖を描いてルイ・デリュック賞を受賞した「戒厳令」(1972年:YouTubeのEstado de Sitio (Costa-Gavras Uruguay 1973))、殺人事件を追うFBI女性捜査官と白人至上主義を掲げるテロ組織の一員である農場主との恋を軸にアメリカの人種偏見を描いた「背信の日々」[VHS](1988年:YouTubeのBETRAYED - HQ Trailer(1988))、ユダヤ人虐殺の疑いをかけられたハンガリー移民の父の弁護を受け持った女弁護士の葛藤と事件の裏側に潜む真実をジェシカ・ラング主演で描いてベルリン映画祭金熊賞を受賞した「ミュージックボックス」 (1989年:YouTubeのPozytywka (Music Box) -1989- zwiastun - LektorPL)、ダスティン・ホフマン、ジョン・トラボルタ共演で博物館に立て籠もった銃撃犯と地方局に飛ばされた記者を通して興味本位なメディアとそれに踊らされる民衆を風刺した「マッド・シティ」(1997年:YouTubeのMad City 1997 Full Theatrical Trailer)、R.ホーホフートの戯曲「神の代理人」を元に、ユダヤ人大量虐殺(ホロ・コースト)を目撃し、若い修道士と共にローマ法王に虐殺の真実を伝えようとするナチス親衛隊中尉を描いた「ホロコースト-アドルフ・ヒトラーの洗礼-」(2002年:YouTubeのAmen (Costa Gavras))などがある。

☆「路<みち>」 監督:ユルマズ・ギュネイ
※「路<みち>」は、ユルマズ・ギュネイの脚本、エルドーアン・エンギンの撮影、 セバスチャン・アルゴンとケンダイの音楽で、ユルマズ・ギュネイが獄中から指揮し、シェリフ・ギョレンが現場で演出した執念の作品。
1980年のトルコ、マルマラ海のイムラル島にある拘置所で、ある日、ほとんどの囚人たちに5日間の仮出所の許可がおりた。彼らは、それぞれの故郷に向かうが、その中の5人の男の悲劇が待っている故郷への旅を描くことで、当時のトルコの人々の生活、男と女の関係、イスラムの古い慣習、そしてクルド人問題を見事に映像化した。
> YouTubeのYol (La strada) Yilmaz Guney 1982 Giudizio di Dio
※ユルマズ・ギュネイは、1937年4月1日トルコ生まれのクルド人映画監督・脚本家・俳優である。大学卒業後、二枚目俳優として1958年から14年間で100本以上の映画に出演し、国民的スターになった。また作家としても名声を獲得していたが、彼の小説が反社会的だとしてトルコ当局によって投獄された。1970年より自分のプロダクションから監督作品を発表しはじめたが、トルコ政府によって上映禁止となった。その後も何度も投獄され、獄中から代理監督をたてて何本もの映画を製作した。路<みち>も獄中から監督した映画の一本で、撮影後、仮出所の際に脱走してフランスで映画を仕上げた。1984年に亡命先のパリで癌により死去。
ユルマズ・ギュネイの主な監督作品は、ギュネイが全財産を注ぎ込み初めて監督・製作・脚本も兼ね主演した入魂の一作で、生活苦に喘ぐ馬丁のあがきを描いてトルコでは上映禁止となった「希望」 (1970年:YouTubeのYilmaz Guney (Umut-1970)) 、仲間に裏切られた密輸団のボスの戦いを脚本・主演を兼ねて描いたアクション映画「エレジー」(1971年:YouTubeのYILMAZ GUNEY - Zahit Bizi Tan Eyleme (Agit)) 、ユルマズ・ギュネイが獄中から指揮し、ゼキ・ウクテンが現場で演出した作品で、イスラム戒律の下での厳しい家長制を通して当時の独裁体制への怒りを描いた「群れ」 (1978年:YouTubeのSuru Yilmaz Guney) 、ユルマズ・ギュネイの脚本をギュネイが獄中から指揮し、ゼキ・ウクテンが現場で演出した作品で、失業中の男とその妻の葛藤を描いた「敵」 (1979年:YouTubeのDu?man Filmi-Yilmaz Guney) がある。

1980年代

1982年の映画(DVD)

1982年の映画(dvd)

アカデミー賞 > YouTubeの1982 Oscar Winners

★作品賞:「ガンジー」[Blu-ray] 監督:リチャード・アッテンボロー
※非暴力主義を唱え、インドを独立へと導いたマハトマ・ガンジーの波瀾の生涯を、ジョン・ブライリーの脚本、 ビリー・ウィリアムズ/ロニー・テイラーの撮影、ラヴィ・シャンカール/ジョージ・フェントンの音楽、ベン・キングスレー/キャンディス・バーゲン他の出演で描いた重厚な歴史大作。インドの大地をとらえた映像も素晴らしい。ラヴィ・シャンカールの音楽も映像とマッチして魅力的だ。
> YouTubeのGandhi - His Triumph changed the World Forever
また、作品賞にノミネートされたのは、
・「評決(The Verdict)」監督:シドニー・ルメット
> YouTubeのThe Verdict, movie (video) trailer and review
・「ミッシング(Missing)」監督:コンスタンタン・コスタ=ガヴラス
> YouTubeのMissing, trailer (1982)
・「E.T.(THE EXTRA-TERRESTRIAL)
> YouTubeのE.T. The Extra-Terrestrial - 20th Anniversary Trailer
・「トッツィー(Tootsie)」監督:シドニー・ポラック
>  YouTubeのTOOTSIE - HQ Trailer(1982)

★監督賞:リチャード・アッテンボローガンジー」[DVD]
※リチャード・アッテンボローは、1923年8月29日イギリスのイングランド・ケンブリッジ生まれ。映画監督・映画プロデューサー・俳優。ロンドンの王立演劇学校で学び、1942年にデビュー。ベイジル・ディアデン監督のコメディ「紳士同盟」(1960年)やジョン・スタージェス監督、スティーブ・マックィーン主演「大脱走」(1963年:YouTubeの大脱走 予告編(1) )などの脇役で知られるようになるが、1960年代からは監督業・プロデュース業にも進出。
他の監督作品には、ローレンス・オリヴィエやジョン・ミルズほか英国の名優が多数出演した反戦ミュージカル「素晴らしき戦争」(1969年:YouTubeのOh What a lovely War !!! )、チャーチルの半生を描いた伝記映画「戦争と冒険」(1972年:YouTubeのYoung Winston -1972-Battle of Omdurman )、連合軍のマーケット・ガーデン作戦の全貌を英米独の豪華キャストで描いた大作「遠すぎた橋」[Blu-ray](1977年:YouTubeのA Bridge Too Far(1977)- overture)、アンソニー・ホプキンス主演のサイコ・スリラー「マジック」(1978年:YouTubeのMagic - 1978 Trailer #2)、ダンスに全てを賭けた17人が自身の内なる姿を露呈する姿を描いた傑作ミュージカル「コーラスライン」(1985年:YouTubeの映画 コーラス・ライン/One)、南アフリカ共和国のアパルトヘイトを描いた「遠い夜明け」(1987年:YouTubeのCRY FREEDOM (Trailer))、喜劇王チャーリー・チャップリンの生涯をロバート・ダウニー・Jr主演で描いた「チャーリー」(1992年:YouTubeのChaplin (1992) Trailer)、童話作家C・S・ルイスをアンソニー・ホプキンス主演で描いた「永遠(とわ)の愛に生きて」(1993年:YouTubeのShadowlands (Trailer))、ヘミングウェイのロマンスをサンドラ・ブロック/クリス・オドネル主演で事実にそって描いた「ラブ・アンド・ウォー」(1996年:YouTubeのIn Love and War (1996))、一つの指輪に秘められた男女の切ない運命をシャーリー・マクレーン主演で描いたラブ・ストーリー「あの日の指輪を待つきみへ」(2007年:YouTubeの『あの日の指輪を待つきみへ』予告編) がある。
また、監督賞にノミネートされたのは、
・シドニー・ルメット「評決」(YouTubeのThe Verdict, movie (video) trailer and review
・スティーヴン・スピルバーグ「E.T.」(YouTubeのE.T. the Extra-Terrestrial - Original Trailer (1982)
・ウォルフガング・ペーターゼン「U・ボート」(YouTubeのU・ボート ディレクターズ・カット版 予告編(日本版)
・シドニー・ポラック「トッツィー」(YouTubeのtootsie part 1/13

★主演男優賞:ベン・キングスレーガンジー
※ベン・キングズレーは、1943年12月31日イングランド・ノース・ヨークシャー州スカボロー生まれ。父親はインド人の医師、母親はイギリス人のファッションモデル・女優。19歳のとき『リチャード3世』の舞台に感銘を受けて俳優を志す。1967年にロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに招かれ、シェイクスピア役者として活躍。「ガンジー」の他に、バリー・レヴィンソン監督の「バグジー」(1991年:YouTubeのBugsy (1991) - Trailer)、ジョナサン・グレイザー監督の「Sexy Beast」[Import](2000年:YouTubeのSexy Beast (Airport Speech Ben Kingsley))、ヴァディム・パールマン監督の「砂と霧の家」(2003年:YouTubeのHouse of Sand and Fog fan trailer)で3度アカデミー賞候補になっている。2001年にナイトの称号を与えられた。
主な出演作品には、同性愛を耽美的な映像で描いたジェームズ・アイヴォリー監督の「モーリス」(1987年:YouTubeのモーリス(日本語字幕映画) - Maurice - 01/20)、「バグジー」(1991年)、チェスの天才少年の成長を描いたスティーヴン・ザイリアン監督の「ボビー・フィッシャーを探して」(1993年:YouTubeの1993 film Trailer --- Searching for Bobby Fischer)、大統領の替え玉となった男が政治を改革していく様をケヴィン・クライン主演で描いたアイヴァン・ライトマン監督のヒューマン・コメディ「デーヴ」(1993年:YouTubeのTrailer Dave 1993)、アカデミー賞作品・監督・脚色・撮影・編集・美術・作曲賞を受賞したスティーヴン・スピルバーグ監督の「シンドラーのリスト」(1993年:YouTubeのSchindler's List - Trailer)、シェイクスピアのロマンティック・コメディをトレヴァー・ナン監督が映画化した「十二夜」(1996年:YouTubeのTrailer: Twelfth Night or what you will)、大使館を包囲する群衆に発砲命令を出した男と彼の正義と信じる戦友の苦悩を描いたウィリアム・フリードキン監督の「英雄の条件」(2000年:YouTubeのRules Of Engagement Trailer)、一軒の家をめぐり対立する孤独な女性と移民家族の運命を描いたヴァディム・パールマン監督の「砂と霧の家」(2003年)、往年の人気TVシリーズをVFXを駆使して実写映画化したジョナサン・フレイクス監督の「サンダーバード」(2004年:YouTubeのThunderbirds (2004) Short Movie Trailer)、連続無差別殺人犯とFBI捜査官の攻防を描いたE・エリアス・マーヒッジ監督のサスペンス・スリラー「サスペクト・ゼロ」(2004年:YouTubeのSuspect Zero trailer)、タイムトラベルして恐竜狩りに参加したツアー客の僅かの過ちが人類絶滅の危機を引き起こす様を描いたピーター・ハイアムズ監督の「サウンド・オブ・サンダー」(2005年:YouTubeのa sound of thunder the movie)、少年スリ団に加わった孤児オリバー・ツイストを描いたロマン・ポランスキー監督の「オリバー・ツイスト」(2005年:YouTubeのOliver Twist 2005 Trailer)、ヴァンパイアと人間の間に生まれた美女のハーフ(ダムフィア)を描いたウーヴェ・ボル監督の「ブラッドレイン」(2005年:YouTubeのBloodrayne Trailer (2005))、「ラッキーナンバー7」(2006年:YouTubeのラッキーナンバー7_予告編) がある。
また、主演男優賞にノミネートされたのは、
・ポール・ニューマン「評決」(YouTubeのThe Verdict, movie (video) trailer and review
・ジャック・レモン「ミッシング(Missing)」(YouTubeのMissing, trailer (1982)
・ダスティン・ホフマン「トッツィー」(YouTubeのTootsie- Sydney Pollack and Dustin Hoffman- George's

★主演女優賞:メリル・ストリープ「ソフィーの選択」
※「ソフィーの選択」は、ウィリアム・スタイロンの原作「ソフィーの選択」を、アラン・J・パクラ監督・脚本、ネストール・アルメンドロスの撮影、マーヴィン・ハムリッシュの音楽で映画化した作品で、ナチスのユダヤ人収容所に端を発する一人の女性の悲劇を描いた力作である。
> YouTubeのSophie's Choice (1982) Trailer
※メリル・ストリープは、1949年6月22日アメリカ合衆国ニュージャージー州生まれ。ヴァッサー大学とイェール・スクール・オブ・ドラマ(クラスメイトにシガニー・ウィーバー)で学び、舞台を経て、1977年のフレッド・ジンネマン監督「ジュリア」で映画デビュー。自他共に認める演技派女優で、その演技に対する姿勢は、役に成りきるために、事前には徹底したリサーチを行う。「ソフィーの選択」では役作りのためにポーランド訛りの英語を習得している。アカデミー賞には14回ノミネートされ、ロバート・ベントン監督「クレイマー、クレイマー」(1979年:YouTubeのKRAMER VS. KRAMER - HQ Trailer(1979))で助演女優賞と本作の主演女優賞の2回受賞しており、1982年の時点で俳優としては史上最多である。
メリル・ストリープの1982年までの出演作には、女流劇作家リリアン・ヘルマンに絶大な影響を与えた女性ジュリアとの友情とハードボイルド作家ダシェル・ハメットとの愛を描いたフレッド・ジンネマン監督の「ジュリア」(1977年)、ベトナム戦争で心に傷を負った3人の若者の生と死を描いてアカデミー作品・監督・助演男優(クリストファー・ウォーケン)・音響・編集賞を受賞したマイケル・チミノ監督の「ディア・ハンター」(1978年:YouTubeのThe Deer Hunter Trailer)、メリル・ストリープが、一児の母ながら離婚してレズビアンに走る女性を演じたウディ・アレン監督の「マンハッタン」(1979年:YouTubeのManhattan (1979) Theatrical Trailer)、離婚と養育権争いを描いてアカデミー作品・監督・主演男優(ダスティン・ホフマン)・助演女優(メリル・ストリープ)・脚色賞を受賞したロバート・ベントン監督の「クレイマー、クレイマー」(1979年:YouTubeのKramer Vs. Kramer)、イギリスの作家ジョン・ファウルズの「フランス軍中尉の女」をメリル・ストリープとジェレミー・アイアンズの共演で映画化したカレル・ライス監督の「フランス軍中尉の女」(1981年:YouTubeのThe French Lieutenant's Woman (trailer))がある。
また、主演女優賞にノミネートされたのは、
・デブラ・ウィンガー「愛と青春の旅だち」(YouTubeのUp Where We Belong−An Officer and a Gentleman(愛と青春の旅立ち)
・ジェシカ・ラング「女優フランシス」(YouTubeのFrances (1982) Trailer
・シシー・スペイセク「ミッシング」(YouTubeのMissing, trailer (1982)
・ジュリー・アンドリュース「ビクター/ビクトリア」(YouTubeのVictor Victoria Trailer

★助演男優賞:ルイス・ゴセット・Jr愛と青春の旅だち
※「愛と青春の旅だち」は、鬼軍曹の厳しい指導のもと過酷な訓練に日を過ごす海軍士官学校生と町工場の娘の恋を描いたダグラス・デイ・スチュワートの脚本を、ドナルド・ソーリンの撮影、ジャック・ニッチェの音楽、リチャード・ギア主演で映画化したテイラー・ハックフォード監督作。アカデミー賞では他に、主演女優(デブラ・ウィンガー)、オリジナル脚本、作曲、編集賞を受賞した。
> YouTubeのAN OFFICER AND A GENTLEMAN - HQ Trailer (1982)
※ルイス・ゴセット・Jrは、1936年5月27日ニューヨーク市ブルックリン生まれ。61年に映画デビュー。下積みを経た後、77年のTVミニシリーズ「ROOTS/ルーツ」のフィドラー役でエミー賞を受賞。その後本作の鬼軍曹役を熱演してアカデミーとゴールデングローブの助演賞を受賞。以降、個性派黒人俳優として多数作品でその実力を発揮する。
主な出演作は、太陽の異常活動により人類が迎える絶体絶命の危機を描いたポール・ジラー監督の「ソーラー・ストライク」(2005年:YouTubeのSolar Attack (2005) Trailer)、クレイグ・R・バクスリー監督のパニック映画「人間消失 ファイナル・ウォー」(2005年:YouTubeのLeft Behind: World at War ~ Trailer)、念動力(テレキネシス)を軍事利用しようとする計画から外された超能力者たちの戦いを描いたジェームズ・シール監督の「モメンタム」(2003年:YouTubeのadt sos 2 - Momentum - Ameaca indestrutivel 2003 movie)、ジェイソン・プリーストリーが主演したジェフ・サックマン製作総指揮、キオニ・ワックスマン監督のバイオレンス・ロードムービー「バイオレンスロード」(1999年:YouTubeのThe Highwayman (HQ-Trailer-1999))、コンピューターの2000年問題を題材に人類滅亡の危機に挑む特別チームを描いたリチャード・ペピン監督のアクション・サスペンス「Y2K」(1999年)がある。
また、助演男優賞にノミネートされたのは、
・ジェームズ・メイソン「評決」(YouTubeのThe Verdict, movie (video) trailer and review
・ジョン・リスゴー「ガープの世界」(YouTubeのThe World According To Garp theatrical trailer - 1982
・チャールズ・ダーニング「テキサス1の赤いバラ」[VHS](YouTubeのThe Best Little Whorehouse in Texas (1982) Trailer
・ロバート・プレストン「ビクター/ビクトリア」(YouTubeのVictor Victoria Trailer

★助演女優賞:ジェシカ・ラングトッツィー
※「トッツィー」は、売れない男優が女装した途端に役がつき一躍人気スターになるが、そのために巻き起こる騒動を、ラリー・ゲルバート/マレー・シスガルの脚本、オーウェン・ロイズマンの撮影、デイヴ・グルーシンの音楽、ダスティン・ホフマンの主演で描いたシドニー・ポラック監督のコメディ。
> YouTubeのTOOTSIE - HQ Trailer(1982)
※ジェシカ・ラングは、1949年4月20日ミネソタ州クロケット生まれ。パントマイムを学ぶためパリに渡る。1973年アメリカに戻り、1976年公開のアメリカ映画、 ジョン・ギラーミン監督の「キングコング」(YouTubeのKing Kong 1976 - Theatrical Trailer)でヒロインに抜擢されるが、映画が酷評された上に、ジェシカ自身には「キングコングの恋人」というイメージがついてしまう。しかし1981年、ジャック・ニコルソンと共演したボブ・ラフェルソン監督の「郵便配達は二度ベルを鳴らす」(YouTubeのThe Postman Always Rings Twice Trailer)で注目され、1982年の本作でアカデミー助演女優賞、1994年にはトミー・リー・ジョーンズと共演したトニー・リチャードソン監督の「ブルー・スカイ」(YouTubeのBlue Sky- (1994) Trailer)でアカデミー主演女優賞を受賞して演技派女優としての地位を築く。1992年には「欲望という名の電車」でブロードウェイ・デビューも果たしている。
他の主な出演作は、カンヌ映画祭グランプリを受賞したボブ・フォッシー 監督の自伝的作品「オール・ザット・ジャズ」(1979年:YouTubeのAll That Jazz de Bob Fosse)、1930年代に活躍した美人女優の悲劇を描いたグレーム・クリフォード監督の「女優フランシス」(1982年:YouTubeのFrances (1982) Trailer)、自分を救えなかった弁護士一家に復讐を企てる男の狂気を描いたマーティン・スコセッシ監督の「ケープ・フィアー」(1991年:YouTubeのCAPE FEAR - Trailer - HQ - (1991))、子供の養育権を巡って法廷で争う育ての親と産みの親を描いた日本未公開のスティーヴン・ギレンホール監督「代理人」(1995年:YouTubeのLosing Isaiah Trailer)、シェイクスピアの「リア王」をモチーフにしたジョセリン・ムーアハウス監督の「シークレット〜嵐の夜に〜」(1997年:YouTubeのA thousand acres movie trailer)、妊娠を機会に結婚した女性が子を溺愛する姑に追いつめられていく様を描いたジョナサン・ダービー監督のスリラー「沈黙のジェラシー」(1998年:YouTubeの1998 - Commercial - HUSH - Gwyneth Paltrow, Jessica Lange)、古代ローマを舞台にしたシェイクスピアの戯曲『タイタス・アンドロニカス』を映画化したジュリー・ティモア監督の「タイタス」(1999年:YouTubeの'Titus' trailer)、うつ病に悩まされながら現状を克服していく女性の姿を描いたエーリク・ショルビャルグ監督・クリスティナ・リッチ主演の「私は「うつ依存症」の女」(2001年:YouTubeのProzac Nation (2003) Trailer)、ダニエル・ウォレスの「ビッグフィッシュ―父と息子のものがたり」を映画化したティム・バートン監督、ユアン・マクレガー主演のファンタジー「ビッグ・フィッシュ」[Blu-ray](2003年:YouTubeのBig Fish - trailer)、元プレイボーイが昔の恋人たちを訪ねる旅を描いたジム・ジャームッシュ監督、ビル・マーレイ主演のオフビート・コメディ「ブロークンフラワーズ」(2005年:YouTubeのBROKEN FLOWERS - HQ Trailers(2005))、今は落ちぶれた西部劇スターが初めて家族と向き合おうとする姿を描いたヴィム・ヴェンダース監督、サム・シェパード脚本・主演の「アメリカ、家族のいる風景」(2005年:YouTubeの"Don't Come Knocking" Trailer)がある。
また、助演女優賞にノミネートされたのは、
・グレン・クローズ「ガープの世界」(YouTubeのThe World According To Garp theatrical trailer - 1982
・キム・スタンレー「女優フランシス」(YouTubeのFrances (1982) Trailer
・レスリー・アン・ウォーレン「ビクター/ビクトリア」(YouTubeのVictor Victoria Trailer
・テリー・ガー「トッツィー(Tootsie)」(YouTubeのTOOTSIE - HQ Trailer(1982)

1980年代

★1981年の主要な作品(アカデミー賞等の受賞作以外)

1981年の主要な作品(アカデミー賞等の受賞作以外)

◆「レイダース 失われたアーク」 監督:スティーブン・スピルバーグ
※世界を支配する力が宿るという幻の櫃をめぐり、ナチスと攻防戦を繰り広げる考古学者・インディ・ジョーンズの活躍を、ハリソン・フォード主演によって描いたノンストップアクションアドベンチャー。
「ディズニーランドを一周する以上に楽しい」と、スピルバーグは自信をもって言った。
製作は、ジョージ・ルーカス。

◆「郵便配達は二度ベルを鳴らす」 監督:ルキーノ・ヴィスコンティ
※ヴィスコンティ監督の処女作であり、ファシスト体制下の社会を描いたネオリアレズモの傑作。出演はマッシモ・ジロッティ, クララ・カラマイ。

◆「ハウリング」 監督:ジョー・ダンテ
※人間の生活に紛れつつ、密かに血族を増やしていく狼人間たちの姿を、当時としては最高級のSFXを駆使しリアルに描いたサスペンスホラー。出演は、ディー・ウォーレス, パトリック・マクニーら。

◆「13日の金曜日 PART2」 監督:スティーブ・マイナー
※悲惨な大虐殺から5年。呪われた土地に近付くなと言う忠告を信じない若者たちが、不気味な存在に気付かぬままキャンプ場を歩き回り…。殺人鬼・ジェイソンが大暴れするスプラッターホラーシリーズ第2弾。出演は、エイミー・スティール, ジョン・フューリーら。

◆「オーメン/最後の闘争」 監督:グラハム・ベイカー
※大人になった悪魔の申し子ダミアンを描く、シリーズ完結編。救世主の抹殺を目論むダミアン(サム・ニール)を亡き者にするため、イタリアから聖なるメギドの短剣を携えた7人の使徒が送り込まれる。
出演は、ロサノ・ブラッツイら。

◆「愛と哀しみのボレロ」 監督:クロード・ルルーシュ
※原題の「あの人たち、この人たち」が指すように登場するのは、露、仏、独、米で活動していた音楽家、舞踏家の4つの芸術家の家族で、過酷な戦争時代を過ごしながらも舞踊、音楽に身を投じた激動の45年間にわたる彼らの人生をドラマティックに描いている。
出演: ジェームズ・カーン, ロベール・オッセンら。

◆「フランス軍中尉の女」 監督: カレル・ライス
※アンナとのマイクは映画『フランス軍中尉の女』の撮影に入っていた。映画のストーリーは、考古学者のチャールズが研究で訪れていた漁村で権力者の娘と婚約をするが、偶然出会ったフランス軍中尉の愛人と惹かれあい、結ばれてしまうというもの。一方、演じるマイクもアンナを愛しはじめており、実生活で不倫関係にあった。映画の撮影が進むに連れて交差する2つの禁じられた愛。いったい2つの恋の行方は・・・。
出演は、メリル・ストリープ(二役), ジェレミー・アイアンズ(二役)、リンジ―・バクスターら。

◆「U・ボート」 監督:ヴォルフガンク・ペーターゼン
※第二次世界大戦中の、ドイツ軍潜水艦の過酷な戦いの日々を描いた戦争ドラマ。乗組員たちの姿を描いた人間ドラマとしても際立っている。
出演は、ユルゲン・プロホノフ, ヘルベルト・グレーネマイヤーら。

◆「ブリキの太鼓」 監督:フォルカー・シュレンドルフ
※成長することを自ら拒み、ブリキの太鼓を常に放さず、奇声を発するとたちまちガラスが破裂する超能力をもったオスカルの目に映し出されたものは?ユダヤ人の迫害を含めあまりに過酷なポーランドの暗い時代を背景に、人間が持つ強さと醜さを描いた人間ドラマ。原作はギュンター・グラス。
出演は、ダービッド・ベネント, マリオ・アドルフ、アンゲラ・ビンクラー, ダニエル・オルブリフスキ, シャルル・アズナブールら。

◆「マリア・ブラウンの結婚」 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
※第二次大戦中に結婚し、翌日には夫を戦場に送り出した悲劇のヒロインが、劇的な戦後の変化に耐え、その復興精神を体現するかのような意志力と打算で混乱の世の中をいかに渡り切ろうとするかを描く。DVDは、「自由の代償」「愛は死より冷酷」収録。
出演は、ハンナ・シグラ、クラウス・レーヴィッチェ、イヴァン・デニら。

◆「リリー・マルレーン」 監督:ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー
※兵士たちに愛唱された「リリー・マルレーン」で知られる、ドイツの歌姫ララ・アンデルセンの自伝をもとに、戦時下に生きる女性の苦悩や葛藤を描いた感動ドラマ。
出演は、ハンナ・シグラ、ジャンカルロ・ジャンニーニほか。

◆「コナン・ザ・グレート」 監督:ジョン・ミリアス
※脚本でジョン・ミリアスとオリバー・ストーンが組んだスペクタクル大作!両親・部族を皆殺しにされた少年・コナンが、やがて、大人になり、剣闘士として生きぬき、ついに自由の身となる。母を殺した妖術使いへの復讐のために、コナンは厳しく辛い旅に出る。シュワルツェネッガーの出世作。ベイジル・ポールドゥリスの豪壮な音楽も素晴らしい。
出演は、アーノルド・シュワルツェネッガー, マックス・フォン・シドー、サンダール・バーグマン、ジェームズ・アール・ジョーンズ。

◆「ストーカー」 監督・脚本:マーク・ロマネク
※スーパーの片隅にあるDPEショップに勤めるサイ・パリッシュは、常連客の若い母親ニーナとその息子ジェイクに思い入れを持ち、彼らが現像に出す幸せなヨーキン一家の写真に固執していた。愛し合う両親と愛されている子供。「サイおじさん」としてその完璧な家族の一員になりたいと願う彼の妄執は次第にエスカレートし、一家を恐怖に陥れる。ストーカーを演じるのがロビン・ウィリアムズというのがスゴイ! "ロビン・ウィリアムズの演技そのものがストーカーだ!(シカゴ・サンタイムズ紙)"、"『インソムニア』での悪役デビューは、『ストーカー』での怪演のウォーミング・アップにすぎなかった(ELLE誌)"等、全米マスコミも絶賛した見事な怪演ぶりをじっくり堪能してみてはいかが?
出演は、ロビン・ウィリアムズの他にコニー・ニールセン, ミシェル・ヴァルタン、ゲイリー・コール、エリック・ラ・サール。

◆「マッドマックス2」 監督:ジョージ・ミラー
※ガソリンを求めて、追跡専用パトカー「インターセプター」を駆るマックス(メル・ギブソン)は、精油基地を守って暴走族と戦う人々と遭遇し、彼らを脱出させるべく闘いを開始する。マックスの悲壮感さえ漂う孤高の姿に魅了され、前作をしのぐ快作となった。アヴォリアッツ国際ファンタスティック映画祭グランプリを受賞。

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